大林組、技術研究所にスマートエネルギーシステム構築

株式会社大林組は、同社の技術研究所にスマートエネルギーシステムを完成させました。実際に運用することで、導入効果の実証や、ノウハウの蓄積を行う予定です。

このシステムは10ヵ所の施設の電力使用状況を最適化することが可能で、発電能力は820kWで、メガソーラー並みの電力を得ることが可能です。

監視センターからは、太陽光発電・ガス発電・蓄電池・商用電力の4種類についてリアルタイムに監視することが可能で、電力需要や気象状況に合わせて需給状況の予測を行います。

運転のモードは、ランニングコストを最適化するモードと、商用電力の使用量を最小化するモード、CO2排出量を最小化するモードの3種類存在します。

大林組では、本システムによる実証結果を生かして、企業や自治体のエネルギーコスト削減事業を拡大する予定です。

参考

2階建てのゼロエネビルが富山県に完成

経済産業省ゼロエネルギー化事業の補助金を利用して、富山市に太陽光発電と省エネ設備で電力を自給自足することができるP・Fオートメーションの新社屋が完成しました。

この建物は環境負荷を抑えることを目的としたもので、数百枚の太陽光パネルを利用して自家発電するとともに、窓を二重ガラスにしたりLED照明を全館で使うなど省エネ設計になっています。省エネと太陽光発電によりこの建物は実質消費エネルギーがゼロになる計算です。

ビルと駐車場に取り付けられた280枚のソーラーパネルで電力をまかなうということですが、もちろん完全な自給自足には蓄電池といったバックアップが必要になってきます。
しかし事業の内容にはそうした記述がないことから、あくまで系統を利用した運用だと思われます。売電の有無についても触れられていません。

なによりこの事業がすごいのが、通常のビルに比べて6割も消費電力を削減できること。残る4割を太陽光発電で賄える計算で、これをもってゼロエネルギーを達成するのだと。

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山形のエコアパートは国内最高の断熱性を達成

山形県天童市に高断熱高気密の総合住宅「エコアパート」が完成しました。
1LDK6室と大屋住居が併設された同住宅の壁の厚みは一般的な家庭の約2倍となる22cm。
その中に通常よりも多くのガラスウール(断熱材)を挿入したことで、熱損失係数0.88を実現。

これは国土交通省が天童市に定めた次世代省エネルギー住宅基準2.4の約1/3の数値であると同時に、国内でも最高の断熱効果を持つ総合住宅であることを示しています。
さらにすきま風防止シートを挿入したことで、気密性も一般的な総合住宅の約1/5になったとしています。

設計を担当した東北芸術工科大建築・環境デザイン学科の竹内昌義教授は「全国で初めて熱損失係数が1を下回った究極の高断熱高気密だ」と胸を張り、「入居者の協力を得て効果を調査する他、新築以外のエコアパート改修も提案していきたい」と語っています。

日本の家が寒い!というのが、早く過去の話になりますように。

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サンヨーホームズ、足立区に40戸のスマートハウス集合体

2015年1月、足立区竹ノ塚にサンヨーホームズが「スマeタウン足立竹ノ塚~芽ぐみの杜~」の販売を開始します。

総量129kWの太陽光発電、売電収入は”山分け”

このタウンハウスの特徴は、10棟の屋根に太陽光発電モジュールを設置していることとHEMSシステムを搭載していることです。

太陽光発電システムは129kWの容量で年間総発電量12万kWを想定しており、固定価格買取制度(FIT)によって売電収入412万円が見込まれ、各住戸に還元する予定です。

ざっと計算すると1戸あたり年間10万円の売電収入の配当がありそうです。
全量対象のシステムなので20年間は安定した売電収入が得られることが予想されます。

日立と共同開発したHEMSを全戸に設置

各家庭に備えられている「スマeHEMS」は、日立コンシューマ・マーケティング日立マクセルの技術を活かしてサンヨーホームズが開発した最新のシステムです。スマeHEMSには、エネルギーの見える化・見守り・気付き・ECHONET Lite対応の4つの機能が付いています。

エネルギーの見える化は、一つの画面で電力状況、水道使用量まで把握することができます。

このシステムの最も特徴的な機能が見守りで、テレビやトイレの使用状況、空調機などを利用して住んでいる人を見守ります。
気付き機能は、省エネに役立つ情報を教えることで省エネに気付いてもらおうというものです。また、雨の予報や緊急地震速報とも連動しています。ECHONET Lite対応の機器を導入することでスマートフォンやタブレット、自宅のテレビから機器の操作をすることができます。

サンヨーホームズが初めて開発するスマートタウンに

スマeタウン足立竹ノ塚~芽ぐみの杜~は、サンヨーホームズ初のスマートタウン(スマートシティ)としており、低層マンションの集合体と似ているという特徴をもっています。

専用部分と共有部分が存在していることから一般車両の通り抜けを防ぐことができ、サンヨーホームズの係員が常駐するというコンシェルジェ棟に集会所が設けられているので住民同士の交流に生かすことができます。

各住宅メーカーからスマートシティ、スマートタウンの構想実現が今後も続くことが予想されます。

サンヨーホームズのものは特に住宅ごとに電力融通などといったより実験的で先進的な試みを採用しているわけではなく、これまでの集合住宅に太陽光発電の売電収入とHEMSが加わったという程度ではありますが、多様化するライフスタイルの中によりスマートでエコな選択肢が増えていくのは間違いなさそうですね。

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近鉄の奈良県スマートシティにシャープのクラウドHEMSなど採用

近鉄日本鉄道株式会社の不動産業を営む近鉄不動産は、奈良県奈良市にある近鉄けいはんな線、学研奈良登美ヶ丘駅前に立地している住宅地「近鉄学研奈良登美ヶ丘住宅地」に、シャープ株式会社の住宅用エネルギーソリューションシステムを採用したスマートハウス15邸を分譲、2015年1月3日にモデルハウスをオープンします。

近鉄が導入する新型スマートハウスは、シャープが開発したクラウド蓄電池システム、クラウドHEMS及び太陽光発電システムが搭載され、季節や曜日時間帯によってことなる発電量や電気使用量をシャープのクラウドサーバーに記録、また、天気により電気料金の支出を抑えるために自動で蓄電池をコントロールすることで、一般家庭で年間約10から15万円の電気代の節約が見込まれます。

「近鉄学研奈良登美ヶ丘住宅地」は、関西文化学術研究都市内に位置し、区内全ての街灯はLED照明が、全ての家にHEMSを採用しているので、環境にやさしい住宅街として街作りを進めています。

パナソニックの藤沢のスマートシティと比べると15邸と小規模ですが、スマートタウンの一種と言えそうです。

各家庭の災害時の電力融通などといった機能は備えていないようですが、各メーカー次世代住宅、次世代タウンの開発に力を注ぎ始めているのは、興味深いです。

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