太陽光発電のエネルギーペイバックタイム(EPT)とエネルギー収支比(EPR)について

エネルギーペイバックタイムとエネルギー収支比

再生可能エネルギーの発電設備としての性能を表す指標はさまざまありますが、その設備がどれだけ環境に負担が少ない発電方法かを推し測る際に使われることがい多い、二つの指標「エネルギーペイバックタイム(EPT:Energy Payback Time)」および「エネルギー収支比(EPR:Energy Payback Ratio)」についてご案内しています。

エネルギーペイバックタイムとは

エネルギーペイバックタイム(EPT)はエネルギー回収年数とも言われます。発電設備が建設・製造され、寿命を全うして廃棄・処理されるまでの一環のライフサイクルにおいて消費されるエネルギーを、その発電設備を使用することで相殺できる期間を表します。

EPT計算式

エネルギーペイバックタイム(EPT)=

ライフサイクル全体の消費エネルギー(Ein/Energy input)

÷

単位期間中に節約できるエネルギー(eav)

例えば太陽光発電の場合、製造時の原料採掘から始まり、発電設備と付属部品の製造および設置、使用後の解体、またそれぞれが行われる場所への運搬に関わるエネルギーなどをすべて合算された消費エネルギー(Ein/Energy input)を、太陽光発電を使う事で節約できるエネルギー(eav)で割って算出します。

各発電設備のエネルギーペイバックタイムを比較

発電方式 EPT
水力発電 0.60年
風力発電 0.56~0.79年
地熱発電 0.97年
太陽光発電 0.96~2.6年
バイオマス発電 1.9~5.3年
波力発電 ~3.75年

再生可能エネルギーの各設備における、エネルギーペイバックタイムを比較してご案内します。(火力発電や原子力発電においては、稼働中に燃焼によるエネルギー消費をする燃料を考慮した場合ではペイバックはしないと考えます。)

再生可能エネルギーの中で一番平均的なエネルギーペイバックタイムが短いのは水力発電および風力発電です。

太陽光発電のエネルギーペイバックタイムはパネルの種類によっても変わってきます。

エネルギー収支比

EPR計算式

エネルギー収支比(EPR)=

単位期間中に節約できるエネルギー(eav)

×

期待寿命(年)

÷

ライフサイクル全体の消費エネルギー(Ein)

=

寿命(年)

÷

エネルギーペイバックタイム(年)

エネルギー収支比(Energy Payback Ratio/EPR)はエネルギー投資効率とも言われ、EPT同様に発電設備の性能の指標のひとつです。

製造から処理までのライフサイクルで消費するエネルギーを1とし、その発電設備が期待寿命を全うする期間全体で節約できたエネルギーの総量との比が、エネルギー収支比となります。

各発電設備のエネルギー収支比を比較

発電方式 EPR
水力発電 50
風力発電(寿命20年) 38~54
地熱発電 31
太陽光発電 12~31
バイオマス発電 5.7~16
波力発電 8~

それぞれの期待寿命は30年として計算しています。(風力のみ20年)

火力発電や原子力発電は運転時の燃料消費を加味すると1よりも少ない値になります。また、燃料を除いた場合では原子力で24~76と大きく開きがあります。火力の場合6~21で、多くの再生可能エネルギーと比べて劣る値となります。

発電機器の製造時や建設時の消費エネルギーを抑える事でエネルギーペイバックタイムを短くし、さらに寿命を伸ばすために耐久性の高い使い方や施工方法、メンテナンスを心がけることで、エネルギー収支比を大きくする(よりエコな発電方法にする)ことができると言えます。

太陽光発電におけるエネルギーペイバックタイム

ここでは太陽光発電におけるエネルギーペイバックタイムの考え方や、EPTをより長くしてエコに使う方法などをご案内します。

他の発電設備と比べてEPTが長い太陽光発電は本当にエコ?

風力発電や水力発電と比べるとエネルギーペイバックタイムが長い太陽光発電ですが、風力発電などと比べて有利な点として、住宅やビルなどのもともと使用する用途の無い屋根に設置できること、また各容量は少なくても、建物ごとに設置して全体の出力を増やせること、さらに屋根に設置した設備で発電した電力を直接施設内で消費してエネルギーの地産地消を促せることなどが挙げられます。つまり、「エネルギーペイバックタイムがより短い風力/水力の方がエコだから、太陽光発電より普及を進めるべき」というわけではなく、それぞれの利点を生かしながらエネルギーミックスのバラエティを富ませることが、より高度なスマートグリッド社会の実現につながる可能性が高いと言えます。

また現在は系統を通した売電を行う太陽光発電設備がほとんどです。さらに10kW以上の設備は10kw未満よりも有利な条件で売電できる現行の売電制度を利用して、住宅でも全量を系統に送り、せっかく太陽光発電を付けているのに家の電力は購入するという家庭も少なくはありません。

太陽光発電の普及を進めて価格低下を促し、さらに将来的な普及の促進に貢献するという面では、全量売電制度を利用した住宅が増える事は悪いわけではありません。これから目指されるべきなのは、蓄電池の低価格化も相まって太陽光発電の電力を地産地消をする方がお得になることで、系統にほとんど頼らない、独立型の太陽光発電が増えること。送電による損失が減ってエネルギー利用の効率が高まるのに加え、電力会社による常時の系統発電容量も減らせます。つまり、エネルギーペイバックタイムだけでは測り得ない点で太陽光発電がエコに貢献できる可能性を大きく秘めていると言えます。

パネルの種類やブランドによるEPTの違い

ひとえに太陽光発電といっても、原料の違いによりパネルの種類はさまざま。住宅用での主流はシリコン系ですが、じわじわと人気を増している化合物系のパネルではエネルギーペイバックタイムの短さでも注目されています。

EPTが短い主な理由は、製造に膨大なエネルギーを必要とするシリコンを使わないことが挙げられます。CIS太陽電池のソーラーフロンティアや、CdTe太陽電池のファーストソーラーはどちらも化合物系のソーラーパネルを作っていますが、それぞれEPTは1年未満(ソーラーフロンティアは0.9年、ファーストソーラーは10カ月)とされています。

さらにファーストソーラーは大手メーカーでは唯一パネルのリサイクルプログラムもメーカーを挙げて行っており、将来リサイクル材の使用度が上がると製品のEPTがさらに短縮できる可能性もあります。

ソーラーフロンティアは製造拠点を日本に置く数少ないパネルメーカーの一つ。国内製造拠点により製品の品質保持だけでなく、日本での発電事業にパネルを輸送する際の消費エネルギーも抑えられ、EPT短縮に貢献するというメリットも加わります。

太陽光発電事業の環境貢献性をさらに高めたいという場合、こうしたメーカーの製品を選ぶことも一つの手だと言えます。

  • NEDOの太陽光発電システム共通基盤技術研究開発による評価

太陽光発電におけエネルギーペイバックタイムとエネルギー収支比の変遷と将来展望

EPT EPR
1995年 3~6年 5~9
2001年 3年 10
2007年 2.2~2.6年
(CIS・1.4~2.2年)
12~14
(CIS・13~21年)
現在 1~2.2年 13~29

ソーラーパネルの生産技術の向上とともに太陽光発電のエネルギーペイバックタイム(EPT)およびエネルギー収支比(EPR)も向上しています。表は多結晶パネルにおけるEPTとEPRの変遷を示していますが、徐々に向上していることが分かります。

2007年からはCIS太陽電池の普及も始まり、多結晶パネルと比べてEPT/EPRともに優れた技術として注目されています。さらに近年は、よりEPT/EPRの優れた色素増感太陽電池の実用化に向けた開発が進んでいます。

CO2ペイバックタイムとは?

エネルギーペイバックタイムと似たような考え方で、CO2(二酸化炭素)ペイバックタイムというものがあります。EPTではエネルギーの太陽光であっても火力発電であっても同じようにカウントされるのに対し、二酸化炭素のペイバックタイムは製造にかかったエネルギーがどのように作られたのか、ということまでを加味した指標になります。

太陽光パネルのライフサイクルにおいてのCO2ペイバックタイムは、現状ではEPTとそこまで変わらないレベル(1.5〜2.5年程度)となっています。一方でCO2ペイバックタイムは、ソーラーパネルで作られた電力のコストが下がるにつれてもっと下げられる潜在性を秘めていると言えます。

例えば、ソーラーパネルメーカーが工場の屋根に太陽光発電システムを導入し、そこで作った電力で製造ラインの大半の電力を賄うとします。また、運搬・輸送の大半ではガソリン車が使われているのが現状ですが、電気自動車が主流になり、その電力源の多くが太陽光発電からまかなわれたら、どうでしょう。これは太陽光発電だけでなく、多くの発電方法に言えることです。太陽光発電の普及が進み、電力全体のCO2排出係数が下がるにつれて、太陽光発電を含む全ての発電方法の二酸化炭素のペイバックタイムも下がっていく可能性が高いと言えます。

施工の質でエネルギーペーバックタイムも変わる?

太陽光発電設置の際はパネルの性能と同じくらい、施工の質にも気を付けていただくことをおすすめします。無駄な配線や異常な負荷のかかる設計は長期的な発電量損失につながる可能性があり、本来得られるべき発電量より少なくなればなるほどエネルギーペイバックタイムも長くなります。

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