分譲型太陽光発電投資|仕組み・売電単価の推移・新規と中古の違い・購入前の確認点
分譲型太陽光発電投資は、発電設備・土地・FITの認定をまとめて購入し、売電収入を得る方法です。10kW以上の売電単価は2012年度の40円+税から下がり、10kW以上50kW未満の新規認定には自家消費型の地域活用要件があるため、いまは運転中の中古案件の売買が中心です。購入前に、認定の内容、実際の発電量、廃棄等費用の積立、出力制御のルールを確かめます。
太陽光発電所の分譲は、自分で土地を探して発電所を建てなくても売電収入を得られる方法です。売電単価や新規認定の要件は2012年の制度開始から大きく変わっているため、資源エネルギー庁の公表資料で制度を確かめ、物件の資料と専門家の助言をもとに判断してください。
分譲型太陽光発電投資の仕組み
| 購入するもの | 確認すること |
|---|---|
| 発電設備(パネル・パワーコンディショナー・架台・配線) | メーカーの保証の内容と残りの期間、パワーコンディショナーの交換の時期 |
| 土地(購入または賃借) | 賃借の場合は契約期間・賃料・契約終了時の原状回復と撤去の負担 |
| FITの認定(売電の権利) | 売電単価・調達期間の開始日・認定の事業者を変更する手続き |
| 電力会社との契約 | 売電の契約と系統連系の契約の名義変更、出力制御のルール |
10kW以上の売電単価の推移
10kW以上の買取期間は20年で、売電単価は発電所ごとの認定で決まります(原則として認定を受けた年度の価格)。資源エネルギー庁の公表資料による単価の推移は次のとおりです。
| 年度 | 売電単価(1kWhあたり) | 対象の区分 |
|---|---|---|
| 2012年度 | 40円+税 | 10kW以上 |
| 2013年度 | 36円+税 | 10kW以上 |
| 2014年度 | 32円+税 | 10kW以上 |
| 2015年度 | 29円+税(4〜6月) 27円+税(7月〜) | 10kW以上 |
| 2016年度 | 24円+税 | 10kW以上 |
| 2017年度 | 21円+税 | 10kW以上2,000kW未満 |
| 2018年度 | 18円+税 | 10kW以上2,000kW未満 |
| 2019年度 | 14円+税 | 10kW以上500kW未満 |
| 2020年度 | 13円+税 | 10kW以上50kW未満(地域活用要件あり) |
| 2021年度 | 12円+税 | 10kW以上50kW未満(地域活用要件あり) |
| 2022年度 | 11円+税 | 10kW以上50kW未満(地域活用要件あり) |
| 2023年度 | 10円+税 | 10kW以上50kW未満(地域活用要件あり) |
| 2024年度 | 10円 | 10kW以上50kW未満(地域活用要件あり) |
| 2025年度 | 10円 | 10kW以上50kW未満(地域活用要件あり) |
- 出典:資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等」(2026年10月6日に確認)。より大きな設備は入札制度などで決まる区分があります。
- 2024年度以降の価格は、FIT認定事業者が課税事業者なら消費税を加えた額、免税事業者なら消費税を含む額です。また、2024年度以降に新規認定を受けた10kW以上の案件は、発電側課金の相当額を加えた額になります。
2026年度の10kW以上の売電単価は、屋根設置の区分が最初5年19円/6〜20年目8.3円(2段階)、地上設置の区分(10kW以上50kW未満)が20年一律9.9円です(売電価格の推移)。
新規案件と中古案件の違い
資源エネルギー庁の資料では、10kW以上50kW未満の事業用太陽光発電のFITの新規認定には、自家消費型の地域活用要件(発電量の30%以上の自家消費+災害時の自立運転と給電用コンセント)が設定されています。また、地上設置(10kW以上)の区分は、2026年度の落札案件を除き、2027年度以降はFIT・FIPの新規認定の対象にならないとされています。
そのため、自家消費をしない低圧の地上設置の発電所を新たに認定して全量を売電する形はとれず、すでに認定を受けて運転している中古案件の売買が中心になります。中古案件は、その発電所の認定で決まっている売電単価が、残りの買取期間だけ続きます。
購入前に確認すること
| 確認すること | 見るところ |
|---|---|
| 認定の内容 | 事業計画の認定通知などで、売電単価・出力・調達期間の開始日を確認し、残りの買取期間を計算する |
| 実際の発電量 | 運転を始めてからの月別の発電量と売電の記録。販売資料の予想発電量と比べる |
| 費用 | 保守点検、廃棄等費用の積立、パワーコンディショナーの交換、保険、土地の賃料、税金 |
| 出力制御のルール | 系統に接続した時期とエリアで、年間の上限の日数・時間や、上限なしのルールが違う |
| 土地と災害 | 土地の権利関係、ハザードマップ(土砂災害・浸水)、保険の加入 |
| 地元との約束 | 前の事業者が自治体や地域住民と合意した事項と、運転開始後の経緯を引き継ぐ |
| 引き継ぐ書類 | 架台の構造図や強度計算書など、事業に関連する書類がそろっているか |
出力制御のルールとエリアごとの実績は太陽光発電の出力制御で確認できます。
事業者に求められること
FITの認定を受けた発電所の事業者は、資源エネルギー庁の事業計画策定ガイドラインに従って発電所を運営します。購入すると、こうした義務も引き継ぎます。
| 事項 | 内容 |
|---|---|
| 廃棄等費用の積立 | 10kW以上の事業用は、2022年7月以降、原則として売電収入から廃棄等の費用を差し引いて外部の機関に積み立てる |
| 標識の掲示 | 出力20kW以上の発電所(屋根置きなどを除く)は、外から見えやすい場所に事業計画の内容を記載した標識(縦25cm以上×横35cm以上)を掲示し、事業者が変わったときは付け替える |
| 柵塀の設置 | 第三者が発電設備に容易に近づけない場合を除き、外から容易に触れられないように柵塀などを設け、出入口の施錠や立入禁止の表示をする |
| 保険 | 10kW以上は、災害などで事業の途中に修繕や撤去が必要になる場合に備え、火災保険や地震保険などに加入するよう努める |
- 出典:資源エネルギー庁「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」(2026年4月改訂)。
税金の扱い
太陽光発電の設備は、減価償却で費用にします。法定耐用年数の考え方は太陽光パネルの寿命、売電収入の所得の扱いは太陽光発電の所得税・法人税で説明しています。特別償却や税額控除などの制度は、対象の設備や事業者の条件が細かく決まっているため、税理士に確認してください。
産業用の太陽光発電の見積もりを比べる
工場や倉庫の屋根など、自分の建物に10kW以上の太陽光発電を設置して自家消費する方法もあります。屋根の条件と電気の使い方を伝えて、複数社の提案を比べてください。
産業用で信頼できる施工会社を探す
産業用の太陽光発電は、施工店によって受ける案件の規模や種類が違うため、対応できる施工店を自分で探すのは手間がかかります。以下は産業用に対応した一括見積もりサービスで、いずれも無料で申し込めます。
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よくある質問(FAQ)
- 分譲型太陽光発電とは何ですか?
- 販売事業者が用地の確保・設計・施工・固定価格買取制度(FIT)の認定の取得まで行った太陽光発電所を、発電設備と土地(または土地の賃借権)、売電の権利とあわせて購入する投資の方法です。運転中の発電所を買う中古案件と、これから運転を始める新規案件があります。
- いまから新しい低圧の太陽光発電所を買って全量売電できますか?
- 新しくFITの認定を受ける場合は難しくなっています。10kW以上50kW未満の事業用太陽光発電の新規認定には自家消費型の地域活用要件(発電量の30%以上の自家消費+災害時の自立運転と給電用コンセント)が設定され、地上設置(10kW以上)の区分は2026年度の落札案件を除き2027年度以降は新規認定の対象外とされています。すでに認定を受けて運転している中古案件の売買が中心になります。
- 中古案件の売電単価と残りの買取期間はどう確認しますか?
- 売電単価は発電所ごとの認定で決まっており(原則として認定を受けた年度の価格)、10kW以上の買取期間は20年です。たとえば2014年度の価格は32円+税、2018年度の価格は18円+税(10kW以上2,000kW未満)です。売電単価と調達期間の開始日は、事業計画の認定通知などの書類で確認し、残りの期間を計算します。
- 分譲型太陽光発電の利回りはどう見ればいいですか?
- 表面利回りは年間の売電収入を物件の価格で割った値です。実際の手取りは、保守点検の費用、廃棄等費用の積立、パワーコンディショナーの交換、保険、土地の賃料、税金を差し引いて考えます。中古案件では、運転を始めてからの実際の発電量のデータで売電収入を確かめてください。
- 廃棄費用の積立は必要ですか?
- 必要です。資源エネルギー庁の事業計画策定ガイドラインでは、10kW以上の事業用の太陽光発電は、2022年7月以降、原則として売電収入から廃棄等の費用を差し引いて外部の機関に積み立てる制度の対象です。その分だけ受け取る売電収入は減ります。
- 10kW以上の太陽光発電は出力制御の対象ですか?
- 対象です。電気が余るときは、10kW以上の太陽光発電の出力が制御されることがあり、制御のルール(年間の上限の日数や時間、上限なし)は系統に接続した時期とエリアで違います。エリアごとの実績は地域で大きく違うため、購入前に確認してください。


