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いくら環境に良くたって「儲からない太陽光発電」は付けたくないという方のために、本当に得になる太陽光発電、元が取れるだけでなく利回りで10%以上を目標に、設置のポイントをまとめてご案内しています。
太陽光発電は売電単価と期間が決まっているため採算性が把握しやすいのが特徴的です。期待耐用年数とされる20年のスパンで考えた場合、住宅用の目安としては設備費用がキロワットあたり40万円、産業用の場合は土地代なども含めてだいたい51万円(出力抑制率が20年間の平均で10%の場合)が損益分岐点と言えます。一方で実際の販売金額は25~35万円、メンテナンス費は20年で5万円以下が目安となっており、特に高額な設備を購入しない限りほぼ確実に儲けは出る計算です。また耐用年数はあくまで目安で実際は30年以上稼働できる可能性も低くないことから、収益性はさらに高まる可能性もあります。
一方損益分岐点となる価格より安く購入できた場合でも元が取れない場合について、事前に理解しておくことも重要です。
太陽光発電の採算性にかかわる要素は住宅用(10kW未満)の場合以下の4つが挙げられます。支出にかかわる設備購入費とメンテナンス費の額が売電収入および電気代削減額を下回れば、元が取れると言うことができます。
支出のメインとなるのは設備購入費ですが、最新価格情報ページでもご案内しているように最安値メーカーで21万円/kW程度、効率が高い(少ない面積で多く発電できる)パネルでも25万円/kWで購入することができます。他に考え得る支出としてはメンテナンス費がありますが、これは20年のスパンで0~50,000円/kW程度と幅があることに注意が必要ですが、5万円を超えることはほぼないと考えていいでしょう。※両方を合計すると、太陽光発電設備全体にかかる支出は20年間で20~30万円/kW程度と見積もることができます。
住宅用太陽光発電で得られる収入として3つの要素が挙げられます。一つは単価が決まっている10年分の売電収入、さらに単価が未定の11年目からの売電収入*1、そして期待寿命20年の間に得られる電気代削減効果です。*2
住宅用の売電単価は19円で、余剰発電分が同単価で10年間買い取ってもらえます。一方住宅用の電気代単価は約30円*3で10円以上の差があるため、自家消費すればするほどお得になります。
ソーラーパネル1kWあたりで得られる20年間の収入総計 | ||||
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自家消費率 | 売電収入 (20年間) |
電気代削減額 (20年間) |
投資回収 年数 |
合計収入 |
100% | 0円 | 656,480円 | 7.6年 | 656,480円 |
90% | 60,500円 | 590,832円 | 7.9年 | 651,332円 |
80% | 121,000円 | 525,184円 | 8.2年 | 646,184円 |
70% | 181,500円 | 459,536円 | 8.5年 | 641,036円 |
60% | 242,000円 | 393,888円 | 8.9年 | 635,888円 |
50% | 302,500円 | 328,240円 | 9.3年 | 630,740円 |
40% | 363,000円 | 262,592円 | 9.7年 | 625,592円 |
30% | 423,500円 | 196,944円 | 10.8年 | 620,444円 |
20% | 484,000円 | 131,296円 | 12.3年 | 615,296円 |
10% | 544,500円 | 65,648円 | 13.5年 | 610,148円 |
太陽光発電投資で重要な指標の一つに投資回収年数があります。指標が示すのは元がとれるまで何年かかるかという数字で、少ない年数で投資回収できる方が投資先としては安全と考えることができます。表では自家消費率の違いによって変わる投資回収年数(設備費用を25万円/kWを毎年の収入で割った値)と20年間の収入を一覧にしてご案内しています。先ほどもご案内したように、売電単価が電気代単価よりも低いため、自家消費率が高い方が儲かる上に、自家消費率が30%を切ると10年での投資回収ができない可能性が高くなります。11年後も余剰売電はできるものの単価が不定のため、ご案内している年数よりも初期費用回収年数はさらに長くなる可能性もあります。このことから新規で太陽光発電設置をお考えの場合は自家消費を中心に設置サイズなどを考えることをおすすめします。
太陽光発電の自家消費率は平均で3割程度です。これは4.5kWの太陽光発電を取り付けた際の自家消費率の平均で、経済産業省の太陽光発電の買取り電力量を元に計算しています。3割だと上述の表でもお分かりのように、10年で初期費用が回収できるかどうかギリギリのところです。
それでは自家消費率を高めるにはどうすれば良いのでしょうか?一つは設置容量を低くする方法が考えられます。ここで気をつけたいのが、設置容量が少なくなると単価が上がる可能性があると言うことです。設置容量は自家消費率に大きく関わってくるので、多すぎず少なすぎず、バランスを考えたいところです。施工店への見積もりの際は「できるだけ自家消費をしながら、初期費用も抑えられるサイズを購入したい」と希望をはっきり伝えるのがポイントです。
自家消費率を高めるもう一つの方法は昼間により多く電気を使えるるように自宅の電気機器を調整することです。エコキュートなどをすでにお使いの方は、現在夜間電力で湯を沸かしているのを、昼間の時間帯に沸かせるよう設定を変更すると自家消費率は大きくあげることができます。さらに電気自動車に太陽光発電の電力を利用すると自家消費率も上がり、エコも達成できます。
先の項では多くの場合で太陽光発電は元をとることができるとご案内しましたが、少なくない金額を投資するからには元取れないシチュエーションに関しても理解しておきたいところです。以下では太陽光発電の導入で損する場合を詳しくご案内していきます。あなたのご自宅にソーラーパネルを付けて本当に得かどうかを一つ一つ確認してみてください。
近年ではキロワット単価で40万円を超える見積もりはあまり見かけませんが、少し珍しいブランドや製品(例えば両面発電パネルや建材一体型など)を導入する場合や、太陽光発電を設置するに伴って屋根の補強工事が必要な場合などは標準価格との差が大きく生じて元をとることが難しくなる場合があります。高額になりがちな設置環境であっても60万円/kWを超えるようなら本当にパネルをつけるべきか熟考をおすすめします。損金を少しでも減らそうとする場合は自家消費率が高く、なるべく長い期間使い続けられる良質な製品を選ぶことがポイントと言えます。
日本平均の発電量は年間で1140kWh/kWですが、お住まいの地域によって得られる発電量が変わってきます。実測値で平均1400kWh/kW以上もの発電量が得られている山梨県や長野県のような地域もあれば、秋田県のように年間1000kWhに届かない地域もあります。
方角によっても得られる発電量は変わり、最適方位とされる南向き約30度を100%とすると、東西に傾斜の激しい屋根などでは3~4割発電量が落ち込んでしまいます。
他にも時間帯によって近隣の建物や樹木の影が大きくかかってしまう場合も注意が必要です。少しぐらいの影であれば、影に強い化合物系のソーラーパネル(ソーラーフロンティアなど)の採用で元を取ることができると考えられます。
設置をご検討の環境でどれくらいの発電量が得られるのかは、以下のページなども参考にしながら、目安をご確認ください。
東京電力、関西電力、中部電力を除いた地域は家庭用を含めて出力抑制の対象とされています。事業用から優先して出力の制御を行うとされているものの、家庭用も制御対象になる可能性があることに変わりはありません。全国の太陽光発電の導入量が増えるに従い制御率は20~30%にものぼると予測されており、事業によっては採算性に大きく狂いが生じる可能性が出てきます。
出力抑制の影響を減らしてできるだけ損失に繋げないようにするには、住宅用の場合自家消費率を高めること、そして過積載の採用が特に有効と言えます。
出力抑制の影響を受けるのは余剰発電分を売電する際で、自家消費率の高いシステムであれば余剰自体を減らしてリスクを低めることができます。過積載はソーラーパネルの積載容量をパワーコンディショナに対して多めにする設置方法で、パワーコンディショナの出力に対する設備利用率を高められるとともに出力抑制の可能性が高まる昼間の時間帯の出力を抑えられるメリットがあります。
20年間の総発電量 | 約21000kWh |
抑制率 | 売電収入 |
---|---|
0% | 567,000円 |
10% | 510,300円 |
30% | 396,900円 |
10kW以上の事業用の場合は全量売電となるため収入の見通しが立ちやすいというのが固定価格買取制度成立時の大きなポイントでした。ただ多くの地域で接続可能容量を超え、出力抑制の可能性が高まっていることから、新規の太陽光発電事業の安定性は揺らぎ始めているのが事実です。
20年間の経年劣化を考慮した場合、1kWのパネルで約21000kWhの巣発電量が見込めます。2015年度は27円(+税)の売電単価で20年が保証されていますが、発電量をすべて売電できるとすると56.7万円の売電収入が見込めます。ところが出力抑制が多くて30%にまで拡大する場合も考えられることから、20年間の売電収入は40万円以下/kWにまで落ち込む可能性があることを、発電事業者の方は事前に理解しておくことが必要です。造成からシステム設置までを単価30万円でおさえられたとしても利回りは6.6%程度で、10%を超える利回りも可能であった2012年や2013年と比べると確実に投資案件としては魅力が減ってきているのが現実です。
仮に30%を出力抑制で売電できなかった場合、売電収入を総発電量で割った実質的な売電単価は18.9円/kWhとなり、中小規模事業用の電気代の単価に近づいてきます。FIT電源の環境価値などのことも考えると、事業用であってもそろそろ自家消費用としての導入メリットが高まってくる気配が感じられます。
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