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発電量の求め方|NEDO日射量×損失係数で算出

太陽光発電の年間発電量は「設置容量(kW)× 年間日射量(kWh/㎡/年)× 損失係数(0.80〜0.85)」で算出できます。日射量はNEDOの日射量データベース(無償)で住所・方位・傾斜角ごとに取得可能。損失係数はパワコン変換ロス・温度ロス・配線/汚れの合計で、N型高効率パネルなら0.85前後、旧型P型PERCで0.78前後。本ページでは計算手順と新FIT制度下での売電収入・利回り試算までご案内しています。

「うちの屋根に何kW載せたら年間どれくらい発電するのか」「売電収入と利回りはどう計算するのか」を、メーカーの営業任せにせず自分で見積もれるようにすることが太陽光発電導入の第一歩です。本ページでは公的な日射量データを使った標準的な算出方法と、損失係数の内訳、新FIT制度下での収入計算式まで、数字で発電量を理解できるようにまとめています。

計算式:年間発電量=容量×日射量×損失係数

太陽光発電の年間発電量は、次のシンプルな式で概算できます。これはメーカー・地域・屋根条件が違っても変わらない基本式です。

年間発電量(kWh)= 設置容量(kW)× 年間日射量(kWh/㎡/年)× 損失係数(0.80〜0.85)

日本の平均的な年間日射量は1,400〜1,550kWh/㎡/年(東京1,438/大阪1,445/福岡1,413/札幌1,278/那覇1,548、NEDO METPV-20)。住宅用の損失係数0.80を当てはめると、1kWあたり年間1,000〜1,240kWhが算出され、4kW設置で年間4,000〜4,960kWhの発電量目安となります。詳しい1kW・容量別早見表は容量別の発電量早見表を参照してください。

STEP 1:NEDOの日射量データベースから日射量を取得

設置場所の年間日射量は、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)が公開する『日射量データベース閲覧システム』で無償取得できます。市区町村単位・屋根の方位・傾斜角まで指定できる、太陽光業界の標準データソースです。

  1. 日射量データベースにアクセス

    NEDOの日射量データベース閲覧システムを開きます。会員登録不要・無償で利用可能です。

  2. METPV-20を選択

    現行最新版はMETPV-20(時別日射量・1990-2018年データ・837地点・2020年公開)。月別/年間集計もこのデータから自動算出されます。

  3. 設置地点と方位・傾斜角を指定

    都道府県・地点を選択後、屋根の方位(真南=0度/東=90度/西=-90度)と傾斜角(陸屋根0度〜寄棟45度)を入力します。「最適傾斜角」を選ぶと地点ごとに最適化された値で出力されます。

  4. 月別日射量を合計して年間値に

    表示された月別日射量(kWh/㎡/日)の各値を当該月の日数で乗じて合計するか、合計欄の値(kWh/㎡/年)をそのまま使用します。例:東京・南向き30度なら年間1,438kWh/㎡前後が標準値。

STEP 2:損失係数(システム出力係数)を当てはめる

パネル定格出力(W)はSTC(標準試験条件:セル温度25℃・日射1,000W/㎡)での参考値です。実際の屋根では複数の損失要因が重なり、定格出力の80〜85%程度しか年間平均で取り出せません。これを表すのがシステム出力係数(英語:Performance Ratio/PR)です。

この表はシステム出力係数の損失要因と内訳です。
損失要因 年平均ロス 主な原因
パワコン変換ロス 5〜8% 直流→交流変換時の電力ロス。最新パワコンの最大変換効率は95〜97.5%、年間平均で92〜95%。
温度ロス 年平均5%
(夏10〜20%)
パネル温度が25℃を超えると出力が低下。N型TOPCon(−0.30%/℃)はP型PERC(−0.40%/℃)より夏場に強い。
配線/汚れ/影 3〜5% DC配線の抵抗ロス・パネル表面の汚れ・隣家や樹木の部分影によるロス。
経年劣化 初年度2%+
年0.4%
N型セルでは初期劣化2%+年0.4%が標準。25年後に80〜85%維持。
合計(損失係数) 15〜20% 合計ロスを差し引いた稼働率。新型N型セル+最新パワコンで0.85、旧型P型PERC+初期パワコンで0.78が目安です。
  • 遠隔地・大規模発電所では送電ロスが追加で2〜5%発生します。住宅用ではほぼ無視できる規模。
  • 積雪地域では冬期の積雪期間中(2〜3ヶ月)の発電量がほぼゼロになるため、年間で10〜15%減を見込みます。
  • 温度損失の詳細・季節別係数は温度と損失係数のご案内で扱っています。

STEP 3:実例で計算してみる(東京・4kW・南向き30度)

東京・南向き30度・損失係数0.80の標準条件で、住宅用4kW設置の年間発電量を試算します。

年間発電量= 4kW × 1,438 kWh/㎡/年 × 0.80 = 約4,600 kWh/年

月別の発電量推移は5月がピーク、12〜1月が最少で、月別配分は概ね春30%>夏28%>秋24%>冬18%。設置場所が高知(年間日射量1,524kWh/㎡)なら年間4,880kWh、札幌(1,278kWh/㎡)なら年間4,090kWhと地域差が出ます。詳しい地域別シミュレーションは発電量比較ページ都道府県別ページで確認できます。

STEP 4:売電収入・電気代節約・利回りを計算

年間発電量が分かれば、新FIT制度下での売電収入・自家消費による電気代節約・初期投資利回りまで計算できます。住宅用の新FIT「初期投資支援スキーム」(2025年10月開始)は、最初4年24円/5〜10年目8.3円(2段階)の単価で、10年平均14.58円/kWhです。

年間収入相当額(円)=(年間発電量 × 売電比率 × 売電単価)+(年間発電量 × 自家消費比率 × 買電単価)

住宅用4kW設置の標準的な家庭(自家消費30%/売電70%)での試算がこちら:

この表は東京4kW設置・新FIT・自家消費30%条件での年間収支試算です。
項目 計算 金額/値
設置容量 4 kW
設置金額 2026年相場 27〜33万円/kW × 4kW 約120万円
年間日射量 東京・南向き30度(NEDO METPV-20) 1,438 kWh/㎡
年間発電量 4kW × 1,438 × 0.80 約4,600 kWh
年間売電収入 4,600 × 70% × 14.58円(10年平均) 約46,950円
年間電気代節約 4,600 × 30% × 30円(買電単価) 約41,400円
年間収入相当額 売電 + 電気代節約 約88,350円
表面利回り 88,350 ÷ 1,200,000 × 100 約7.4%
  • 2025年10月以降の新FIT「初期投資支援スキーム」の住宅用は2段階単価。1〜4年目は売電比率70%として年約65,800円、5〜10年目は約27,400円/年と乖離します。10年累計の売電収入は約45万円程度。
  • 11年目以降の卒FIT後は相対契約で7〜10円/kWh前後程度。新FIT後半6年(8.3円/kWh)からは大きな段差なく自然に切り替わる構成です。
  • 自家消費比率30%は標準的な家庭。電気使用量が多い・在宅時間が長い・蓄電池併設で60〜80%まで引き上げ可能。詳しくは自家消費・PPAでご確認ください。
  • 固定資産税・パワコン交換費用(10〜15年で約20万円)は別途。20年トータル収支は投資回収期間のページでご案内しています。

設備利用率(CF)と発電量の関係

設備利用率(Capacity Factor/稼働率)は太陽光・風力・原子力など各発電設備のパフォーマンスを横比較する指標です。年間発電量を「容量がフル稼働した場合の理論最大値」で割って算出します。

設備利用率(%)= 年間発電量(kWh)÷ {容量(kW)× 8,760時間}× 100

1kWあたり年間1,140kWh発電する地域なら CF=13.0%、1,220kWh発電する高発電量エリアでCF=13.9%。経産省は新FIT単価の試算で CF=13.0%(住宅用)・14.0%(産業用屋根)・17.5%(産業用地上)を採用しています。本ページで使う損失係数0.80を逆算すると、CFは概ね12.5〜14.0%の範囲に収まります。

計算結果の検証:シミュレーション値との突合

業者から提示される見積もり時のシミュレーション値が、本ページの計算式で出した値と大きく違わないかを確認するのが導入前の重要なチェックポイントです。標準条件で±10%以内に収まっていれば適切な試算といえます。

この表はシミュレーション値の妥当性チェック基準です。
業者シミュレーション値の状態 判定 確認すべきポイント
標準計算値の95〜105% 適正 標準的な損失係数0.80で算出。提案を信頼してOK。
標準計算値の105〜115% やや楽観 N型高効率パネル+最新パワコン採用が前提。機種が記載通りか確認。
標準計算値の85〜95% 慎重 部分影や屋根条件のロスを織り込んだ控えめ試算。提案理由をヒアリング。
標準計算値の115%超 過大 「夢のような数字」での契約誘導の可能性。第三者試算で再確認推奨。
標準計算値の85%未満 過小/要因あり 屋根方位・影・積雪等の特殊条件があるはず。理由が説明できなければ別業者と相見積もり。
  • 業者によって損失係数の前提値(0.78〜0.85)と日射量データソースが異なるため、まったく同じ屋根でも提案値に5〜8%のばらつきが出ます。
  • 2社以上から見積もりを取って算出根拠(日射量・損失係数・自家消費比率)を比較すると、楽観/悲観の傾向が見抜けます。

日照時間ベースの簡易計算

NEDOデータが調べづらい場合の簡易代替として、気象庁の日照時間統計を使った概算式があります。日照時間と発電量は日射量ほど厳密に比例しませんが、ざっくり感触を掴むには十分です。

年間発電量(kWh)≒ 設置容量(kW)× 年間日照時間(時間)× 0.65

日照時間トップ3(甲府・徳島・高知)は年間2,200時間超、最少(秋田・青森・福井)は年間1,500〜1,700時間。同じ4kW設置でも、甲府で年間5,720kWh、青森で年間4,160kWh前後と1.4倍の差が出ます。簡易概算後にNEDOデータで本試算する流れがおすすめです。日照時間の補足は都道府県別ページで各地域別に確認できます。

正確な発電量を知るには見積もり時のシミュレーションを比較

本ページの計算式は標準条件での目安です。最終的な発電量は屋根の方位・傾斜・影・積雪・採用パネルのスペックで個別に決まります。複数業者からシミュレーション結果を取り寄せて、損失係数の前提値や日射量データソースを確認するのが確実です。

住宅用で信頼できる施工会社を探す

太陽光発電のメーカー選びで欠かせないのがいい施工店との出会い。実際に設置するとなると制約の多い住宅屋根は選べるメーカーが案外少ないこともあり、限られた選択肢から最適解を見出すにはメーカーと購入者をつなぐ施工店が重要な役割を果たします。必ず複数社から相見積もりを取って比較するのがおすすめで、2026年新FIT制度下では同じシステム容量でも施工店ごとに20万円以上の差が出ることも珍しくありません。以下は住宅用の主要な見積もり窓口です。複数社をまとめて比較できる一括見積もりサイトと、メーカー・販売店から直接提案を受けられる窓口があり、いずれも無料でご利用いただけます。

  • 複数メーカーを扱う販売店から直接

    AD-HOME

    太陽光と蓄電池の設置を専門に扱う販売店です。各メーカーと直接取引して中間マージンを抑え、多数のメーカーから屋根の条件や予算に合わせて柔軟に提案します。メーカー保証に加えて独自の保証制度もあり、一括見積もりとあわせて販売店から直接提案を受けたい方の選択肢に。

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  • 関東エリアの大手ブランド直販

    東京ガスの太陽光発電・蓄電池

    関東エリアで太陽光と蓄電池をセット提案する大手ブランドです。東京ガス自身が窓口となり、手続きが難しい補助金の申請から導入後のアフターサポートまで専門スタッフが対応します。関東エリア(対応地域:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県)の方に向いています。

    東京ガス公式ページ

  • 東京都・戸建限定のメーカー直販

    スマートソーラー

    太陽光と蓄電池を自社開発する専業メーカーの直販窓口です。東京都の手厚い補助金を活かした費用提案と、機器20年・パネル出力30年の長期保証が強み。訪問販売はなく、LINEで気軽に見積もりできます。

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あわせて使いたい一括見積もりサイト

  • タイナビ

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よくある質問(FAQ)

システム出力係数(損失係数)はなぜ0.80〜0.85なのですか?
パワコン変換ロス(5〜8%)・温度ロス(年平均5%、夏場は10〜20%)・配線/汚れ/影(3〜5%)の合計で、年間を通すと約15〜20%の損失となるためです。N型TOPCon・ヘテロ接合(HJT)等の温度係数が改善された主力モデルでは0.85前後、P型PERCの旧モデルでは0.78前後が実測値の目安です。
NEDOの日射量データはどこで見られますか?
国立研究開発法人NEDOが『日射量データベース閲覧システム』を無償公開しており、住所・方位・傾斜角を指定すれば月別/年間日射量が取得できます。現行最新版はMETPV-20(時別日射量・1990-2018年データ・837地点・2020年公開)で、月別・年間集計もこのデータから自動算出されます。会員登録不要で誰でもアクセス可能です。
シミュレーション値と実発電量はどれくらい乖離しますか?
適切なシミュレーション(NEDO日射量×損失係数0.80)であれば、年間ベースで±5〜10%の範囲に収まります。20%以上の乖離がある場合はパネル不具合・パワコン故障・想定外の影・配線抵抗増加等が疑われます。設置から1年経過後の実測値で評価するのが基本で、季節変動の影響を受けないようにします。
新FITでの利回りはどう計算しますか?
年間収入相当額 = 売電収入(売電量×売電単価)+ 自家消費による電気代節約(自家消費量×買電単価)。住宅用の新FITは最初4年24円/5〜10年目8.3円(2段階)なので、10年平均で14.58円/kWh。利回り(%)= 年間収入相当額 ÷ 設置金額 × 100で計算します。4kW・東京・標準条件で表面利回り約7%が現在の目安です。
設備利用率と発電量の関係は?
設備利用率(CF)= 年間発電量 ÷(容量 × 8,760時間)× 100。日本の住宅用平均は約13%。1kWあたり年間1,140kWh発電する地域なら CF=13.0%、1,220kWh発電する地域なら CF=13.9%です。経産省はFIT単価の試算でCF=13.0%(住宅用)・14.0%(産業用屋根)・17.5%(産業用地上)を採用しています。
パネル温度が高くなると発電量が落ちるって本当?
本当です。シリコン系パネルはセル温度が25℃を超えると、1℃上昇するごとに出力が0.30〜0.45%低下します(温度係数)。真夏の屋根面パネル温度は60〜80℃に達するため、出力ベースで10〜20%の温度ロスが発生します。N型TOPCon・ヘテロ接合(HJT)など温度係数−0.30%/℃前後の最新モデルは、従来のP型PERC(−0.40%/℃)より夏場の発電量で2〜3%優位です。詳細は温度と損失係数のご案内でご確認ください。

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