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太陽光パネルの温度と損失係数
夏と冬では発電量逆転の可能性も?

ソーラーパネルは外気温や日射で発電面が熱されることで出力(日射を電力に変換できる能力)が落ちます。真夏の気温の高さはあなどれず、条件次第では冬場より発電量が落ちる可能性も少なくありません。ソーラーパネルのパフォーマンスと温度の関係は「システム損失係数」「熱損失」「温度係数」といった指標で表される事が多いです。このページでは実際の発電量データを元に、季節別、地域別に異なる気温が発電量に与える影響をより詳しい数値をもってご案内します。

システム損失係数のうち温度によるロスは1/3〜半分を占める

太陽光発電の発電量は発電面で得られる日射量にほぼ比例します。発電量の計算式は「日射量×システム損失係数」で示されます。

日射量に対してソーラーパネルが作る事ができる電力量は、常に100%であるとは限りません。実地においては何らかの要因で一定量のロスが生じますが、そのロスを考慮して差し引くための指標が「システム損失係数」です。損失係数には複数の損失要因が含まれており、日本の平均では0.85という数値がよく使われます。つまり、1000kWh/㎡の日射エネルギーがある場合、1kWの容量の太陽光発電システムで変換した後の電力エネルギーは850kWhまで減ることを意味します。

約15%の損失には、パワーコンディショナーや昇圧ユニット、配線を介する際のロス(5〜10%)や、パネル面の汚れなど屋外の設置環境において防ぎきれないロス(〜5%)、そしてパネル面の温度の上昇による熱損失(年間を通した平均で約5〜10%)が挙げられます。

ソーラーパネルの温度特性・温度係数
1度上がるごとに出力は0.4%低下

ソーラーパネルの温度に対する出力低下率は、1度の温度上昇にあたり0.5%という数値がよく参照されます。 これは熱に比較的弱いシリコン結晶型のソーラーパネルにおける数値ですが、近年はこの値は改善され、0.4%程度の製品が多いようです。ソーラーパネルメーカーの中には製品ごとの温度特性を詳しく記載している場合もあります。カタログに最大出力温度係数(temperature coefficient・Pmax)という項目があればこの温度特性を示しているので、一度確認してみるといいかもしれません。出力の基準はパネルの温度が25度の時なので、パネル面が30度になれば2%出力が減る(温度係数0.4%の場合)というように計算できます。

真夏に日中は気温が30度〜45度という日も出てきますが、日光で温められたパネル面はさらに熱くなり60〜80度もの高温になると言われます。この場合出力に対して、熱損失だけで14〜22%もの発電量がロスになる計算です。

逆に冬場はパネル面が冷えてパフォーマンスが向上するので、出力以上の発電量が得られている例も少なからず見受けられます。つまり、200Wのソーラーパネルが210Wh/時発電するようなイメージです。実際に季節によってどれくらい変わるのかは以下の項で詳しいデータを持ってご案内しています。

メーカーの示す「温度補正係数」とは

メーカーによってはソーラーパネルのパフォーマンスに関することわり書きの中に「温度補正係数」や「太陽電池損失」といった内容を掲載している場合もありますが、これはシステム損失係数の中でも温度によるロス分のみを考えた係数です。

一般的に、単結晶型のものと比べて多結晶のものの方が熱による影響が大きいようです。以下では主なメーカーのパネル製品における温度補正係数をまとめ、パワコンロス(5%)とその他のロス(5%)を加味して相当するシステム出力係数を求めたものとともにご案内しています。

単結晶 太陽電池損失
温度補正係数
システム出力係数
2〜6% 0.84〜0.88
春・秋 6〜9% 0.81〜0.84
9〜12% 0.78〜0.81
多結晶 太陽電池損失
温度補正係数
システム出力係数
10% 0.8
春・秋 15% 0.75
20% 0.7

パナソニックのHITやソーラーフロンティアのCISは高温にも強いって本当?

パネルにシリコンを使わないソーラーフロンティアは高温にも強いとされています。実際の最大出力温度係数は-0.31%/℃となっており(2017年1月時点のカタログ記載値)夏場のパネル面が70度になる場合は出力に4%程度の差が出る計算です。

パナソニックは、熱に強いアモルファスシリコンとのハイブリッド構造を採用したHITパネルで有名です。パナソニックは2016年以降に出荷された同社のHITハイブリッド太陽電池において出力温度係数が-0.258%/℃を達成していると発表。従来の-0.29%/℃から0.032ポイント向上したことになります。

高熱耐性のこれらの太陽電池は計算上は夏場を中心に「5%近くの差を出す」などと喧伝される一方で、本当に重要なのは年間を通した発電量に与える影響です。年間を通したパフォーマンスを比較するには同一条件に設置したパネルのデータを集める必要があります。こうした比較実証実験は数は少ないもののいくつか行われており、データが公開されているものもあります。こちらのページではこれらの発電量実証実験結果を集められる限り集めてメーカーごとに比較できるようにしてご案内しています。

水でパネル面を冷やすとどうなる?▼(開く)

水でパネル面を冷やすとどうなる?

住宅屋根にパネルを設置している方の中には、ホースでパネルに水を流れるようにした装置をDIYで作るような方もいらっしゃるようです。パネル面を洗浄しながら温度上昇を抑えられることである程度の発電量の向上は確認できるようですが、装置の制作にかかるコストや手間、水道代などを考えると採算性はあまり高くないと考えられます。特に傾斜屋根に足場無しで作業するような事は危険なので、おすすめしません。

一方で産業用の太陽光発電所では、水上にパネルを浮かせて水によるパネル温度軽減効果を得るという事例も増えています。大きな事業用地を確保するのが難しくなってきたことから、貯水池の水面上などのデッドスペースを生かす上でも注目されました。

季節と地域で異なる温度係数・損失係数

気温によって損失係数が変わり、出力に影響を与えると先にご案内しましたが、実地においては気温と損失係数がどのような関係を持っているのでしょうか。地域によって季節ごとの気候には差がありますが、ここでは年間の日照時間や日射量がほぼ同等の2地域、福岡県と茨城県において、気温と損失係数の関係を見てみます。

以下では福岡県(福岡市)と茨城県(水戸市)においての季節ごとの平均気温と、両県の季節における損失係数を一覧にしたものです。

日中の気温 福岡県(福岡市) 茨城県(水戸市)
7.6℃ 4.0℃
春・秋 16.8℃ 13.5℃
26.6℃ 23.5℃
年平均 17.0℃ 13.6℃
損失係数 福岡県(全体) 茨城県(全体)
0.872 0.886
春・秋 0.864 0.868
0.835 0.835
年平均 0.858 0.864
  • いずれの都市も、年間で一番気温の高い3ヶ月(7〜9月)を夏、気温の低い3ヶ月(12〜2月)を冬とし、夏と冬の間にあたる6ヶ月を春・秋とする
  • 損失係数は、太陽光発電の実発電量データを多く蓄積するサイト(ソーラークリニック)から、福岡県と茨城県の2地域において2010年〜2014年に設置された4〜5kWの太陽光発電システムのデータを集計。それぞれサンプル数は福岡県11、茨城県15。極端な過積載や、季節によって大きく影がかかる環境などは中心地から大きく逸れたデータが出るため、そうした極値(具体的には損失係数が1.1以上や0.7未満のもの)は切り捨てた上で集計。

地域差はあっても誤差程度

まず気になるのが、地域差がどれくらい大きいのかというところです。福岡県は本州の中でも暖かい地域で、茨城県は寒い地域と言えるかと思いますが、年間の損失係数の差は0.6%程度に止まっています。サンプル数が小さいこともあり断定的な結論を出すのは避けますが、気候区分の異なる沖縄や北海道を除く地域においては気温差と発電量の差はそれほど気になることは無いのかもしれません。

季節差

地域差に比べて季節差はよりはっきりしていると言えますが、それでも夏と冬で比べるとその差は4〜5%程度で、気温差が20度近くあることから考えると小さいと言えそうです。先ほどご案内した、メーカーの温度補正係数と比べると単結晶型においては冬と夏の温度損失の差は6〜7%程度、多結晶型では10%となっています。(結晶型とは?太陽電池の種類)考えうるのは、データが取られた発電量のうち多くがCISやHITのような夏場の熱に強い種類の太陽電池を使っているという可能性です。

夏より冬の方が発電量が多い?

気温による損失の季節差が5〜6%もあると、地域によっては夏と冬の発電量が逆転する場合があります。

茨城県で気温差が与える損失係数の差を考慮すると、日射量が多い夏の発電量は冬よりも少なくなる

全国を通して日射量が一番多い季節は夏と言えますが、夏は雨天が多く、逆に冬は乾いた晴天が多い傾向がある日本の気候においては、冬にも少なくない日射量が得られる場合があります。こうした条件で夏場の損失係数を考えた場合、得られる発電量が夏と冬で逆転する可能性もあります。図は茨城県の南向き、傾斜30度の環境で、日射量と発電量の季節推移を示したものです。

このような可能性を知ると、通常のように日射量の多い夏や春を基準とした設置環境ではなく、冬場に有利な設置環境の方がいいかもしれない、という可能性に気づきます。

今までは設置角度は30度が最適、とされていたために、傾斜の緩い屋根に載せるのが当たり前だった太陽光発電ですが、屋根が東西の2面に流れているような場合だと発電量が大きくが落ちるので設置を諦める方も少なくなかったと想像します。これが、傾斜50度でも十分発電できるとなると、例えば南向きの2階のベランダの手すり部分に設置する、といった選択肢もあるかもしれません。

エアコンなどの稼働量が増えて冬場は消費電力が増えがちなこともあり、冬に多く発電できることは自家消費率を高められるメリットもあります。

まだ普及が本格化して5年程の太陽光発電。「最適な設置条件」というのも、電力情勢などとの兼ね合いで少しずつ変化しているのが実際です。住宅に設置する場合はおうちのデザインの関係で設置環境が定まってしまうことも多くありますが、もし可能であれば長期視点でどういった設置環境がお得か、といったことも考えてみると面白いかもしれません。

パネルの発電量以上に気をつけたい、施工店の質

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