宮城県東松島市、積水ハウスと「東松島スマート防災エコタウン」

宮城県東松島市では2015年8月に柳の目北地区に入居を目指す災害公営住宅を整備しています。そして積水ハウスと共に周辺の病院等と戸建住宅が敷地を超えてエネルギー総合融通を行うマイクログリッドによって電力供給する本格的なスマートタウンを実現する予定です。

東松島市は復興計画で「環境未来都市」構想を掲げて安心して暮らせる街づくりを行い、積水ハウスは「グリーンファースト」と呼ばれる環境配慮型住宅、およびそうした住宅が集まる「スマートコモンシティ」を推進しています。この両者が協力して造る「東松島スマート防災エコタウン」では公共施設や病院と戸建70戸・集合住宅15戸の合計85戸になる災害公営住宅を結ぶ自営線のマクログリッドを構築します。電力供給は太陽光発電47kWの自営線特定規模電気事業者(自営線PPS)がCEMSによって最適制御しながら行い、年間256t-CO2の二酸化炭素排出削減とエネルギー地産地消を実現します。

蓄電池を用いて系統内の太陽光発電を安定化させ大型バイオディーゼル発電機と組み合わせるため系統電力が遮断した場合でも3日間は通常の電力供給が可能であり、大震災のような長期停電の場合も病院や集会所など最低限の電力供給を継続させることができます。そのため災害活動拠点地への電力供給ができることで災害対応力や防災力の向上にも寄与することができるのです。東松島市では環境省の「自立・分散型低炭素エネルギー社会構築推進事業」事業の補助金を受け、分散型地域エネルギー自立都市を掲げています。また、平成23年12月には「環境未来都市」にも選定されています。

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横浜スマートシティプロジェクトでデマンドレスポンス実証実験にパナソニックら参画

「横浜スマートシティプロジェクト(YSCP)」は、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を導入した世帯を対象に、デマンドレスポンス(DR)実証実験などを実施する事業です。
パナソニックは、このYSCP事業で、HEMSと太陽光発電を設置した住戸のうち48世帯を対象に、家庭用蓄電池(4.65kWhのリチウムイオン電池)を追加設置し、「家庭用蓄エネルギー機器によるデマンドサイドマネジメント実証」プロジェクトに取り組みます。

これは太陽光発電蓄電池を連携させて、エネルギー利用を最適化する試みです。家電の電力消費を監視・コントロールする「DSMユニット」と、太陽光発電蓄電池の電力利用を一体制御する「創蓄連携パワコン」が中核をなすシステムです。また同社は、HEMSに集められた、この電力消費や発電量、蓄電量などの情報を、パソコンやタブレットなどの情報端末で「見える化」するソフトウェアも開発しています。省エネ・創エネ・蓄エネの統合制御技術として開発したこのシステムは、「DSMユニット」がインターネット上のサーバーにつながることで成り立ちます。

本実証では、太陽光発電で余った電力を蓄電し、住宅での自家消費を増やすことによるエネルギーの自産自消にチャレンジします。日中太陽光発電で余った分を蓄電し、家族が帰宅する夕刻に使えば、効率的な電力利用につながりますし、需給ひっ迫期間のピーク時間帯は、太陽光発電で余った電力を電力会社の送電線に逆潮させる制御をすれば、需給ひっ迫の緩和に役立ちます。こうしてより効果的な節電やピークカット・シフトが可能になります。

同社は、参加48世帯の情報をHEMSサーバーに集約し、これを1つの太陽光発電システム&蓄電池に見立てた、エリア単位の実証実験も目指します。同社の目指す「家庭用太陽光発電アグリゲーション事業」にとっても、この実証実験の意義は大きいものです。

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