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太陽光パネルの温度と発電量|温度係数・温度補正係数と損失係数の考え方

太陽光パネルは、温度が25℃より高くなると出力が下がります。下がる割合を示すのが温度係数で、当サイトで比較している主力モデルの公表値は-0.26〜-0.30%/℃です。温度係数-0.29%/℃のパネルが50℃になると出力は約7%、70℃なら約13%下がります。

温度係数と温度補正係数の計算方法

パネルの出力(公称最大出力)は、パネルの温度25℃の条件で測った値です。温度がそれより高いと出力は下がり、低いと上がります。その割合を示すのが温度係数(最大出力の温度係数)で、温度補正係数は次の式で計算できます。

この表は温度補正係数の計算式と計算例です。
項目 内容
温度補正係数1+温度係数×(パネルの温度−25℃)
計算例(-0.29%/℃・50℃)1−0.0029×25=約0.93(出力は約7%低下)
計算例(-0.29%/℃・70℃)1−0.0029×45=約0.87(出力は約13%低下)
計算例(-0.29%/℃・10℃)1+0.0029×15=約1.04(出力は約4%上昇)

日が当たっているパネルは、周りの気温より高い温度になります。そのため、気温が高い夏はパネルの温度も高くなり、出力が下がります。

主要メーカーの温度係数と、パネルが高温のときの出力の低下

当サイトで比較している主要9メーカーの主力モデルの温度係数を、暑さに強い順(0に近い順)に並べました。パネルの温度が50℃・70℃のときの出力の低下は、温度係数から計算した値です。

この表は住宅用の主力モデルの温度係数と、パネルの温度が上がったときの出力の低下(計算値)です。
メーカー・モデル温度係数出力の低下
(50℃/70℃)
パナソニック
MS470α
-0.26%/℃約6.5%/約11.7%
カナディアンソーラー
CS6.2-36TM-350
-0.29%/℃約7.3%/約13.1%
JAソーラー
JAM54D40-460/LB
-0.29%/℃約7.3%/約13.1%
ネクストエナジー
NER108M460B-NED
-0.29%/℃約7.3%/約13.1%
トリナソーラー
Vertex S+ NEG9R.28
-0.29%/℃約7.3%/約13.1%
ジンコソーラー
Tiger Neo N-405
-0.30%/℃約7.5%/約13.5%
ハンファQセルズ
Re.RISE-NBC MS290
——
長州産業
CS-390N11
——
シャープ
NQ-241BT
——
  • 温度係数は各メーカーの公式カタログ・データシート・発表の値(最大出力の温度係数)。「—」は公表値を確認できないメーカーです。
  • 出力の低下=温度係数×(パネルの温度−25℃)で計算した値で、パネルの温度が50℃・70℃のときです。

温度係数の差は0.01〜0.04%/℃と小さく見えますが、パネルの温度が70℃なら出力の低下に1〜2ポイントの差が出ます。メーカー別の変換効率と合わせた比較は太陽光パネルの変換効率ランキングで確認できます。

東京の月別の気温と日射量

NEDOの日射量データベース(MONSOLA-11)には、観測地点の月別の平均気温も入っています。東京の値は次のとおりです。気温が高い7〜9月は、パネルの温度も高くなりやすい時期です。

この表は東京の月別の平均気温と日射量(南向き30度)です。
月 平均気温 日射量(1日あたり)
1月6.0℃3.79kWh/㎡
2月6.5℃4.00kWh/㎡
3月9.4℃3.97kWh/㎡
4月14.7℃4.36kWh/㎡
5月18.9℃4.27kWh/㎡
6月22.0℃3.59kWh/㎡
7月25.7℃3.78kWh/㎡
8月27.3℃4.14kWh/㎡
9月23.8℃3.23kWh/㎡
10月18.5℃3.19kWh/㎡
11月13.3℃3.16kWh/㎡
12月8.7℃3.31kWh/㎡

東京では、南向き30度の面の日射量は4月(4.36kWh/㎡)と5月(4.27kWh/㎡)が多く、気温の高い8月(4.14kWh/㎡)はそれより少なくなっています。夏はパネルの温度も高くなるため、日射量の割に発電量が伸びにくい時期です。逆に冬は日射量は少なめでも、パネルの温度が低いぶん出力は下がりにくくなります。

損失係数(システム出力係数)と温度の関係

損失係数は、パネルに当たった日射から計算した理論上の発電量に対して、実際に取り出せる電気の割合です。温度による低下のほか、パワーコンディショナでの変換(例:長州産業のパワコンの電力変換効率96.5%)、配線・汚れ・影による損失が含まれます。

当サイトの発電量の試算では、損失係数を1年を通じて0.85としています。この試算は月ごとの温度の違いを入れていないため、実際には夏の発電量はこれより少なく、冬は多くなる傾向があります。損失係数を使った発電量の計算方法は太陽光発電の発電量の計算方法で説明しています。

暑い地域・屋根での設置で確認すること

この表はパネルの温度による発電量の低下を抑えるために確認することです。
確認すること 内容
パネルの温度係数カタログ・データシートの最大出力の温度係数。0に近いほど暑さに強い
設置の方法屋根とパネルのすき間など、パネルの裏の風通しは設置方法で変わる。施工業者に設置方法を確認する
発電量のシミュレーション業者のシミュレーションが温度による低下をどう見込んでいるか(月ごとに変えているか、1年を通じて同じ値か)

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よくある質問(FAQ)

太陽光パネルの温度係数とは?
パネルの温度が1℃上がったときに、最大出力が何%下がるかを示す値です。出力の基準はパネルの温度25℃(標準試験条件)です。当サイトで比較している主力モデルでは、公表値は-0.26〜-0.30%/℃です。
温度補正係数の計算方法は?
温度補正係数=1+温度係数×(パネルの温度−25℃)で計算します。温度係数-0.29%/℃のパネルが50℃なら、1−0.0029×25=約0.93で、出力は約7%下がります。
夏は太陽光発電の発電量が減る?
夏はパネルの温度が高くなるため、同じ日射量でも出力は下がります。東京の日射量(NEDOのデータ・南向き30度)は8月が1日あたり4.14kWh/㎡で、5月の4.27kWh/㎡より少なく、夏は梅雨の時期の日射量も少なくなります。
損失係数と温度の関係は?
損失係数(システム出力係数)は、温度による低下に、パワーコンディショナでの変換や配線・汚れ・影などの損失を合わせた割合です。当サイトの発電量の試算では、1年を通じて0.85としています。

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