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太陽光発電の確定申告は必要?売電の所得20万円の判定と計算・減価償却

自宅の太陽光発電で余った電気を売った収入は雑所得です。給与所得者が確定申告をするのは、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えるときで、売電の所得は売電収入から減価償却費のうち売電の分を引いた額です。10kW未満の住宅用で売電の所得が20万円を超えることはまれですが、確定申告をしない場合も住民税の申告は必要です。売電を事業として行っている場合は事業所得になります。

太陽光発電で売電を始めると、確定申告が必要かどうかが気になります。判定に使うのは売電収入ではなく、収入から必要経費を引いた「所得」です。国税庁の情報をもとに、確定申告が必要な人、売電の所得の計算、住民税の申告、減価償却の方法を確かめます。

確定申告が必要な人

給与所得者の多くは年末調整で税金の精算が終わりますが、次のどれかに当てはまる人は確定申告が必要です(確定申告をすれば税金が戻る人を除く)。売電の所得も、給与所得・退職所得以外の所得に含めて判定します。

この表は確定申告が必要になる条件です。
立場 確定申告が必要になる条件
給与を1か所から受けている人給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える
給与を2か所以上から受けている人年末調整されなかった給与の収入金額と、給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超える
給与の収入が多い人給与の年間収入金額が2,000万円を超える
公的年金等を受け取っている人公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要
  • 所得は、収入から必要経費を引いた額です
  • 出典:国税庁 No.1900・No.1600(令和8年4月1日現在法令等)

確定申告をしない場合も住民税の申告は必要

住民税には、所得税のように申告を省略できる範囲がありません。売電の所得などが20万円以下で確定申告をしない場合でも、お住まいの市区町村に住民税の申告をします(名古屋市・福岡市の案内)。確定申告をすれば、住民税の申告もしたものとみなされます(横浜市の案内)。

住宅用の売電の所得の計算

国税庁は、給与所得者が自宅の太陽光発電を家庭用に使い、余った電気を売る場合の所得を雑所得としています。所得は次のように計算します。

売電の所得=1年間の売電収入−減価償却費×売電割合

  • 減価償却費:設備は「機械及び装置」で耐用年数17年。個人は届け出なければ定額法で、1年分は取得価額×0.059(年の途中に設置した年は月割り)
  • 売電割合:1年間の発電量のうち、売った電気の量の割合

東京に南向き30度で設置し、家で使う割合が35.2%の場合、新FITの最初の4年(売電単価24円)の所得の目安は次のとおりです。

この表は住宅用の余剰売電の所得の目安(1〜4年目)です。
容量 売電収入(万円) 経費(万円) 所得(万円)
4kW7.24.52.7
5kW9.05.04.0
7kW12.65.57.1
9kW16.26.49.8
  • 経費は、減価償却費のうち売電の分です。取得価額はソーラーパートナーズが公表している2025年1〜12月の取引実績の平均(税込・2026年8月更新)(工事費込み)。売電割合は64.8%、定額法の償却率0.059で計算。パネルの劣化は含めていません

9kWでも所得は約9.8万円で、20万円を下回ります。5年目からは売電単価が8.3円になり、9kWの所得は経費のほうが大きくなります(約▲0.8万円)。ただし、副業や不動産などのほかの所得があれば、売電の所得と合計して20万円を超えるかで判定します。

5kWの例では、取得価額131.9万円の減価償却費は1年に約7.8万円で、そのうち売電割合(64.8%)の約5.0万円が経費になります。売電割合は、発電モニターの発電量と、電力会社の明細の売電量から出します。

雑所得と事業所得の違い

国税庁は、売電を事業として行っている場合や、ほかの事業の付随業務として行っている場合は事業所得、家庭用の設備の余剰売電は雑所得としています。全量を売る場合も、事業として行っていなければ雑所得です。事業所得になるかは、社会通念上、事業といえる程度で行っているかで判断され、取引を記録した帳簿書類を保存していない場合は、原則として業務に係る雑所得になります(所得税基本通達35-2。収入が300万円を超え、事業と認められる事実がある場合を除く)。

この表は雑所得と事業所得の主な違いです。
項目 雑所得 事業所得
赤字のとき給与所得などと差し引けない給与所得などと差し引ける(損益通算)
青色申告特別控除使えない要件を満たせば最大65万円控除
赤字の繰り越しできない青色申告なら翌年以後3年間
  • 出典:国税庁 No.1500 雑所得・No.2250 損益通算・No.2070 青色申告制度、質疑応答「自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」

所得税の税率(2026年度(令和8年度))

所得税は、課税される所得が多いほど税率が上がる累進税率です。住民税の所得割(10%)とあわせた税率は次のとおりです。

この表は所得税の税率です(2026年度(令和8年度))。
課税される所得金額 所得税率 住民税と合わせた税率 控除額
195万円以下 5% 15% 0円
195万円超〜330万円 10% 20% 9.75万円
330万円超〜695万円 20% 30% 42.75万円
695万円超〜900万円 23% 33% 63.6万円
900万円超〜1,800万円 33% 43% 153.6万円
1,800万円超〜4,000万円 40% 50% 279.6万円
4,000万円超 45% 55% 479.6万円

減価償却の方法

この表は減価償却の定額法と定率法の違いです。
方法 1年分の計算 特徴
定額法取得価額×0.059毎年同じ額。個人は届け出なければこの方法
定率法未償却残高×定率法の償却率初めの年ほど多い。選ぶには税務署への届出が必要
  • 出典:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし・No.2106 定額法と定率法による減価償却

中小企業向けの税制優遇

法人や個人事業主が使える設備投資の税制優遇には、売電を主とする太陽光発電には使えないものがあります。

この表は中小企業向けの税制優遇と太陽光発電での扱いです。
制度 太陽光発電での扱い
中小企業投資促進税制指定事業に電気業は含まれない。特別償却と税額控除はどちらか一方(令和9年3月31日までの取得)
中小企業経営強化税制発電量のうち販売が見込まれる電気の量が2分の1を超える発電設備は対象外。自家消費が中心の設備は、経営力向上計画の認定などの要件を満たせば対象になりうる
  • 出典:国税庁 No.5433 中小企業投資促進税制、中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き」(令和8年4月1日版)。要件は改正で変わるため、使う前に手引きと税理士に確かめます

青色申告特別控除

青色申告は、事業所得や不動産所得がある人が使える制度で、家庭用の余剰売電の雑所得には使えません。控除額は要件によって変わります。

この表は青色申告特別控除の金額と要件です。
控除額 要件
65万円55万円の要件に加えて、仕訳帳と総勘定元帳の優良な電子帳簿保存か、e-Taxでの申告
55万円正規の簿記(一般に複式簿記)で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告
10万円65万円・55万円の要件に当たらない青色申告者

青色申告をするには、その年の3月15日まで(1月16日以後に新しく業務を始めた場合は、始めた日から2か月以内)に「青色申告承認申請書」を税務署に出します(国税庁 No.2072・No.2070)。

住宅用の確定申告の流れ

  1. 売電収入を集める

    電力会社から届く買取の明細や通帳で、1月から12月までの売電収入を合計する

  2. 取得価額を確かめる

    設置したときの契約書・請求書・領収書で、設備の取得価額を確かめる

  3. 売電割合を出す

    発電モニターの1年間の発電量と、明細の売電量から、売った電気の割合を出す

  4. 減価償却費を計算する

    取得価額×0.059(定額法)×売電割合。年の途中に設置した年は月割りにする

  5. 申告書を作る

    国税庁の確定申告書等作成コーナーで「雑(業務・その他)」を選び、収入と必要経費を入力する

  6. 提出と納付

    2月16日から3月15日までに提出し、3月15日までに納める。住民税は確定申告の内容から計算される

これから設置するなら売電の見込みも確かめる

これから太陽光発電を設置する場合は、見積もりで発電量と売電量の見込みを確かめておくと、売電の所得の目安もつかめます。

住宅用で信頼できる施工会社を探す

住宅の屋根は形・向き・広さに制約があり、載せられるメーカーやパネルの枚数は家ごとに変わります。価格にも幅があり、経済産業省の集計(2025年設置)では1kWあたり平均29.0万円に対し、安いほうから3割の水準は25.6万円です(5kWなら約17万円の差)。複数社から見積もりを取り、価格と提案の中身を比べてください。以下は住宅用の見積もり窓口で、複数社をまとめて比べられる一括見積もりサイトと、販売店などから直接提案を受けられる窓口があり、いずれも無料で申し込めます。

  • 複数メーカーを扱う販売店から直接

    AD-HOME

    太陽光と蓄電池の設置を専門に扱う販売店です。各メーカーと直接取引して中間マージンを抑え、多数のメーカーから屋根の条件や予算に合わせて柔軟に提案します。メーカー保証に加えて独自の保証制度もあり、一括見積もりとあわせて販売店から直接提案を受けたい方の選択肢に。

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    東京ガスの太陽光発電・蓄電池

    東京ガスの太陽光発電・蓄電池の導入サービスです。家の状況や予算に合わせた提案を受けられ、補助金の申請手続きのサポートから導入後のアフターサポートまで対応しています(地域や条件により、東京ガス提携の販売施工店が契約・施工する場合があります)。対象は戸建ての持ち家で、対応地域は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県です。

    東京ガス公式ページ

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あわせて使いたい一括見積もりサイト

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よくある質問(FAQ)

売電収入があると確定申告は必要ですか?
給与を1か所から受けている人は、売電を含む給与所得・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えると確定申告が必要です。判定に使うのは売電収入ではなく、収入から減価償却費などの必要経費を引いた所得です。東京の住宅用9kWでも、新FITの最初の4年の所得は約9.8万円で、20万円を下回ります。
住宅用の売電の所得はどう計算しますか?
売電の所得は、1年間の売電収入から、減価償却費のうち売電の分を引いた額です。減価償却費は取得価額×0.059(定額法・耐用年数17年)で、発電量のうち売った電気の割合を掛けて売電の分を出します。5kWの例では、売電収入約9.0万円から経費約5.0万円を引いて、所得は約4.0万円です。
確定申告をしなくても住民税の申告は必要ですか?
必要です。住民税には所得税のように申告を省略できる範囲がなく、売電の所得などが20万円以下で確定申告をしない場合も、お住まいの市区町村に住民税の申告をします。確定申告をすれば、住民税の申告もしたものとみなされます。
雑所得と事業所得はどう違いますか?
家庭用の設備で余った電気を売る場合は雑所得、売電を事業として行っている場合は事業所得です(国税庁)。事業所得なら赤字を給与所得などと差し引けますが、雑所得の赤字は差し引けません。取引を記録した帳簿書類を保存していない場合は、原則として業務に係る雑所得になります。
減価償却の耐用年数と計算方法は?
太陽光発電設備は機械及び装置に当たり、耐用年数は17年です。個人は届け出なければ定額法で、1年分の減価償却費は取得価額×0.059です。年の途中に設置した年は月割りにし、住宅用は発電量のうち売った電気の割合の分だけを経費にします。
中小企業向けの税制優遇は使えますか?
売電を主とする太陽光発電には使えないものがあります。中小企業投資促進税制は電気業を対象にしておらず、中小企業経営強化税制は発電量のうち販売が見込まれる電気の量が2分の1を超える発電設備を対象外としています。自家消費が中心の設備は、要件を満たせば経営強化税制の対象になりえます。
青色申告特別控除の条件は?
青色申告特別控除は、事業所得や不動産所得がある人が使えます。正規の簿記で記帳して貸借対照表と損益計算書を添付し、期限内に申告すると55万円、さらに優良な電子帳簿の保存かe-Taxでの申告をすると65万円、それ以外は10万円です。青色申告承認申請書はその年の3月15日まで(1月16日以後に新しく業務を始めた場合は、始めた日から2か月以内)に出します。

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