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新しく太陽光発電事業を始めた個人などは、売電収入が1,000万円を超えない限り消費税をそのまま収入にできます。しかしあえて支払うことで、設備購入の際に支払った消費税の還付を受けられ、逆にお得になる場合もあります。このページでは消費税還付がお得になる可能性が高いのがどのラインか、容量ごとにシミュレーションしています。また増税による売電収入への影響もみていきます。
太陽光発電に関する税の中でも消費税だけは売電事業者にとってお得になる場合が多いといわれます。その理由の一つとして、個人が新たに売電事業を始める場合は売電収入が1,000万円を超えない限り、消費税分を納税せずにそのまま収入にできることが挙げられます。個人事業主などが売電事業を行う場合も同じく、これまでの事業との合計収入が1,000万円を超えない限り消費税分はもらっていいことになっています。
消費税分をそのままもらえるだけでも十分お得かもしれません。なにしろ、増税によって収入が増えることになるのですから。しかし実は、消費税をあえて納付する方がお得になる場合もあるのです。
売電収入が1,000万円未満の本来「免税事業者」の方でも、希望すれば「課税事業者」になることができます。最低3年間は収入の消費税分を支払う代わりに、事業を始めるにあたり支払った設備に関する消費税分を返してもらえるのです。
還付を受けるための申請は、時期を間違えると還付が受けられないので注意が必要です。
それまで事業を行っていなかった個人が新たに10kW以上の売電事業を行う場合、事業を始めた年の年末(12月31日)までに税務署に「課税事業者選択届」を提出します。
サラリーマンの給料といった形でなく、個人事業主などで収入を得ている方がこの消費税還付を受けるには、事業を始める前の年に同様の届け出を出して、課税事業者になっておく必要があります。思い立った年に始められないデメリットがありますが、収入のない家族の構成員(配偶者や子供など)名義で売電事業を行う方法でうまくいく方もいらっしゃるので、ご検討ください。
消費税の申告は年度末(3月)に行いますが、1期目に関しては事業を始める際に自分が支払った消費税と売電収入によって得た消費税の差額を申告することになり、実質還付を受けられます。2期目、3期目の売電収入の消費税分はそのまま納税する必要があるものの、4期目からは売電収入が1,000万円を超えていなければ、「課税事業者選択不適用届出書」の提出のもと、免税事業者(非課税業者)に戻ることができます。
消費税をわざわざ支払う方がお得になる可能性があるとお届けしました。ここではさまざまなパターンを想定してシミュレーションしていますが、いずれにせよほぼ確実にお得になることが分かります。最後の条件は極端に条件が良い発電事業の場合を想定していますが、その場合でも単価数千円単位で還付の効果があることが確認できます。容量が増えるにつれ、その額は無視できないものになると言えそうです。
①単価28万円で、標準的な発電量を得た場合 | ||
還付される消費税 | 支払う消費税 | 還付で得する金額 |
---|---|---|
¥20,741 | ¥10,789 | ¥9,952 |
②単価38万円で、標準よりやや少ない発電量を得た場合 | ||
還付される消費税 | 支払う消費税 | 還付で得する金額 |
¥28,148 | ¥9,937 | ¥18,211 |
③単価25万円で、非常に多い発電量を得た場合 | ||
還付される消費税 | 支払う消費税 | 還付で得する金額 |
¥18,519 | ¥14,196 | ¥4,323 |
上記のシミュレーションは、新規で事業を始めた場合に得られる還付の効果です。例えば、既に現在消費税込みで200万円規模の事業収入がある方の場合、50kW近くの売電事業を行うにしても消費税還付のメリットがない可能性が高く、手間を考えると免税事業者でいる方がずっとよさそうです。
むしろ気を付けなければいけないのは、売電で収入の合計が1,000万円を超えて消費税の課税事業者になる可能性です。1kWで年間およそ4万円(税込)の売電収入が得られますが、現在の事業収入と足して1,000万円を超えないように容量は調整することをおすすめします。
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