太陽光パネルに固定資産税はかかる?住宅用と10kW以上の扱い・計算と免税点
屋根一体型のパネルは家屋の固定資産税に含まれます。架台に載せる住宅用の設備が償却資産になるかは市区町村で違い、事業用の設備は償却資産として毎年申告します。税額は評価額×1.4%で、同じ市区町村の償却資産の合計が150万円未満(2027年度分から180万円未満)なら課税されません。
太陽光発電の固定資産税は、パネルが屋根材になっているか、事業に使う設備かで扱いが変わります。総務省と市区町村の資料をもとに、住宅用と10kW以上の扱い、税額の計算、免税点、特例、申告の手順を確かめます。
太陽光発電に固定資産税はかかる?
太陽光発電の設備は、屋根材になっているものは「家屋」として、それ以外で事業に使う設備は「償却資産」として固定資産税の対象になります。住宅用の設備が償却資産に当たるかは市区町村が判断し、次のように違います。
| 市区町村 | 住宅用(個人)の扱い |
|---|---|
| 名古屋市 | 余剰売電は出力を問わず対象外。全量売電は対象 |
| 亀岡市 | 10kW未満は対象外。10kW以上は余剰売電・全量売電とも対象 |
| 木津川市 | 10kW以上で売電する場合は対象。10kW未満は通常は対象外(事業に使う場合は対象) |
- 出典:名古屋市「太陽光発電設備を設置された方へ」(令和8年4月)、亀岡市「太陽光発電設備(償却資産)について」、木津川市「個人宅設置の太陽光発電設備の固定資産税について」
法人の設備や、店舗・アパート・農業など事業に使う設備は、出力にかかわらず償却資産です(3市とも)。自宅のある市区町村の扱いは、資産税の担当課で確かめられます。
屋根一体型・カーポートの扱い
パネルが屋根材になっている屋根一体型は、家屋の一部として評価されます。架台で屋根や地面に載せる設備とは、次のように扱いが分かれます。
| 設置の形 | 扱い |
|---|---|
| 屋根一体型(パネルが屋根材) | 住宅用:パネルは家屋の評価に含まれる 事業用:パネルは家屋。パワーコンディショナーや電力量計などは償却資産 |
| 架台で屋根や地面に載せる | 住宅用:10kW未満は償却資産に当たらない(3市とも)。10kW以上は市区町村で違う 事業用:パネル・架台・パワーコンディショナーなどが償却資産 |
- 出典:名古屋市・亀岡市・木津川市の太陽光発電設備の案内、大分市「令和8年度 固定資産税(償却資産)申告の手引」
屋根一体型で家屋の固定資産税がいくら増えるかは、市区町村が行う家屋全体の評価の中で決まります。設置前に市区町村の資産税の担当課で確かめます。
ソーラーカーポートは、壁で囲まれていなければ家屋に当たらないと判断されることが多いものの、構造や市区町村の運用で変わります(ソーラーカーポート)。
税額の計算方法
償却資産の固定資産税は、毎年1月1日に持っている資産の評価額に税率を掛けて計算します。
償却資産の固定資産税の計算
- 1年目(取得した翌年度)の評価額=取得価額×0.936
- 2年目からの評価額=前年度の評価額×0.873
- 評価額の下限=取得価額×5%
- 税額=課税標準額(千円未満切り捨て)×1.4%(百円未満切り捨て)
0.936と0.873は、耐用年数17年の減価率0.127から出した値で、1年目は半年分だけ減らします。評価額は17年目でも取得価額の約11%で、5%の下限に届くのは23年目です。下限に届いたあとも、持っている限り課税の対象です。1.4%は標準税率です。
- 出典:総務省「固定資産税の概要」、大分市「令和8年度 固定資産税(償却資産)申告の手引」(耐用年数に応ずる減価率は固定資産評価基準 別表第15)
免税点(150万円・2027年度分から180万円)
同じ市区町村にある償却資産の課税標準額の合計が150万円未満なら、償却資産の固定資産税はかかりません。2027年度(令和9年度)分からは180万円未満になります(総務省)。個人か法人かは問わず、事業の機械や備品などほかの償却資産と合わせた額で判定します。
2026年中に設置した設備は2027年度分から課税されるため、はじめから180万円の免税点で判定されます。免税点未満でも申告が必要な市区町村があります(木津川市)。
計算例|10kWの屋根置き・49.5kWの地上置き
取得価額は、2025年設置の10kW以上の設備のシステム費用の平均(屋根20.8万円/kW・地上20.3万円/kW、経済産業省 調達価格等算定委員会(2026年2月))から出しています。2027年度分から課税される場合(免税点180万円)です。
10kWの屋根置き(取得価額2,080,000円)
| 年 | 評価額(円) | 税額(円) |
|---|---|---|
| 1年目 | 1,946,880 | 27,200 |
| 2年目 | 1,699,626 | 0 |
| 23年目以降 | 104,000 | 0 |
- 評価額が180万円を下回る2年目からは、同じ市区町村にほかの償却資産がなければ課税されません。ほかの償却資産と合わせて180万円以上になる場合は、2年目からも評価額×1.4%がかかります
- 住宅用を償却資産として扱わない市区町村では課税されません
49.5kWの地上置き(取得価額10,048,500円)
| 年 | 評価額(円) | 税額(円) |
|---|---|---|
| 1年目 | 9,405,396 | 131,600 |
| 2年目 | 8,210,910 | 114,900 |
| 3年目 | 7,168,124 | 100,300 |
| 5年目 | 5,463,034 | 76,400 |
| 10年目 | 2,770,159 | 38,700 |
| 13年目 | 1,843,092 | 25,800 |
| 14年目 | 1,609,019 | 0 |
| 20年目 | 712,271 | 0 |
- 税額は、この設備だけを持つ場合です。評価額が180万円を下回る年は0円になります
この設備だけを持つ場合、課税は13年目までで、20年間の合計は858,600円です。ほかの償却資産と合わせて免税点以上になる場合は、20年間で967,000円です。
固定資産税を軽くする特例はある?
固定資産税(償却資産)には、所得税や法人税のような特別償却・税額控除の制度はありません(名古屋市)。課税標準を軽くする特例は次の2つですが、FIT・FIPの認定を受けた太陽光発電が使える場面は限られます。
再生可能エネルギー発電設備の特例
| 取得した年度 | 対象になる太陽光発電設備 |
|---|---|
| 2020〜 2023年度 | FIT・FIPの対象外で、再生可能エネルギー事業者支援事業費の補助を受けた設備 |
| 2024・ 2025年度 | FIT・FIPの対象外で、地域脱炭素化促進事業計画に従って取得した50kW以上の設備など(屋根に設けるもの・公有地のものを除く) |
| 2026〜 2028年度 | グリーンイノベーション基金の補助を受けたペロブスカイト太陽電池(1,000kW未満) |
- 課税標準を軽くする割合と期間は市区町村の条例で決まります(横浜市・甲州市は1,000kW未満で3年間1/2)。2019年度以前に取得した設備の特例は、3年間の適用がすでに終わっています
- 出典:横浜市「わがまち特例」、甲州市・名古屋市の再生可能エネルギー発電設備の特例の案内
先端設備等導入計画の特例(中小企業)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 資本金1億円以下の法人、従業員1,000人以下の個人事業主など(大企業の子会社を除く) |
| 特例 | 賃上げ方針の表明が条件で、1.5%以上なら3年間、課税標準を1/2、3%以上なら5年間1/4(表明がなければ特例なし) |
| 設備 | 機械装置は160万円以上。生産・販売活動等に直接使うもの、中古でないもの、投資利益率5%以上の投資計画に載せたもの |
| 期限 | 計画の認定を受けてから、2027年3月31日までに取得 |
- 出典:中小企業庁「先端設備等導入計画について」(令和7年4月)、名古屋市「先端設備等導入計画の認定申請受付のご案内」
売電用の太陽光発電設備が対象になるかは、中小企業庁の資料やQ&Aに書かれていません。使うときは、計画の認定(市区町村の産業振興の担当課)と特例(資産税の担当課)の両方に確かめます。「自治体により全額免除」は今の制度にはありません。
申告の手順
-
取得価額を確かめる
パネル・架台・パワーコンディショナー・電力量計・工事費などの合計。分からないときは販売店に問い合わせるか、再エネ電子申請の定期報告(設置費用)で確かめられる(木津川市)
-
申告書を用意する
市区町村の税務課やウェブサイトで入手する。eLTAX(地方税のオンライン手続き)でも申告できる
-
1月31日までに申告する
毎年1月1日に持っている償却資産を、1月31日までに市区町村(東京23区は東京都)へ申告する。取得した翌年の1月から必要
-
納税通知書が届いたら納める
納める時期は市区町村ごとに決まっている
- 出典:大分市「令和8年度 固定資産税(償却資産)申告の手引」、木津川市「個人宅設置の太陽光発電設備の固定資産税について」、総務省「固定資産税の概要」
太陽光発電の見積もりを取る
固定資産税は、設置の形(屋根一体型か架台か)と容量で扱いが変わります。見積もりの段階で、設置の形と容量、取得価額の内訳を書面で受け取っておくと、申告にも使えます。
住宅用で信頼できる施工会社を探す
住宅の屋根は形・向き・広さに制約があり、載せられるメーカーやパネルの枚数は家ごとに変わります。価格にも幅があり、経済産業省の集計(2025年設置)では1kWあたり平均29.0万円に対し、安いほうから3割の水準は25.6万円です(5kWなら約17万円の差)。複数社から見積もりを取り、価格と提案の中身を比べてください。以下は住宅用の見積もり窓口で、複数社をまとめて比べられる一括見積もりサイトと、販売店などから直接提案を受けられる窓口があり、いずれも無料で申し込めます。
-
話題の蓄電池も!選択肢を増やす相見積もりに
グリエネ
全国450社の販売施工会社から最大5社を紹介する一括見積もりサイトです。申し込むと最初にカスタマーサポートが要望を聞いて紹介先を選び、加盟会社には工事保険への加入などの審査があります。太陽光発電と一緒に蓄電池も見積もれます。
特典当サイト経由のお見積りでグリエネ主催1,000円分のAmazonギフトカードプレゼントキャンペーン実施中
-
複数メーカーを扱う販売店から直接
AD-HOME
太陽光と蓄電池の設置を専門に扱う販売店です。各メーカーと直接取引して中間マージンを抑え、多数のメーカーから屋根の条件や予算に合わせて柔軟に提案します。メーカー保証に加えて独自の保証制度もあり、一括見積もりとあわせて販売店から直接提案を受けたい方の選択肢に。
-
関東エリア限定・東京ガスのサービス
東京ガスの太陽光発電・蓄電池
東京ガスの太陽光発電・蓄電池の導入サービスです。家の状況や予算に合わせた提案を受けられ、補助金の申請手続きのサポートから導入後のアフターサポートまで対応しています(地域や条件により、東京ガス提携の販売施工店が契約・施工する場合があります)。対象は戸建ての持ち家で、対応地域は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県です。
-
東京都の太陽光&蓄電池・補助金特化
エコエネハウス
東京都の太陽光・蓄電池に特化した専門窓口です。補助金の申請手続きを専門スタッフがサポートし、東京都と市区町村の補助金を組み合わせた費用の提案が受けられます。無料相談から始められるので、東京都で太陽光と蓄電池の導入を検討している方の選択肢に。
あわせて使いたい一括見積もりサイト
-
累計20万人の利用実績・顧客満足度98%(タイナビ調べ)の一括見積もりサイト。地域に対応した販売店を最大5社まで紹介してくれます。
-
全国600社以上の自社施工会社だけを厳選して紹介する一括見積もりサイト。下請けに流さず、地元で評判の施工会社を直接紹介してくれます。
よくある質問(FAQ)
- 住宅用の太陽光パネルに固定資産税はかかりますか?
- 屋根一体型のパネルは家屋の一部として、家屋の固定資産税に含まれます。架台に載せる住宅用の設備が償却資産になるかは市区町村で違い、名古屋市は余剰売電なら出力を問わず対象外、亀岡市・木津川市は10kW未満なら対象外で、10kW以上なら余剰売電でも対象です。
- 太陽光発電の固定資産税はいくらですか?
- 償却資産の税額は評価額×1.4%(標準税率)で、評価額は1年目が取得価額×0.936、その後は毎年0.873を掛けます。10kWの屋根置き(取得価額2,080,000円)なら1年目は27,200円です。評価額が180万円を下回る2年目からは、同じ市区町村にほかの償却資産がなければ課税されません。
- 免税点とは何ですか?法人にもありますか?
- 同じ市区町村にある償却資産の課税標準額の合計が150万円未満(2027年度分からは180万円未満)なら、償却資産の固定資産税はかかりません。個人・法人の区別はなく、ほかの償却資産と合わせた額で判定します。免税点未満でも申告が必要な市区町村があります。
- 17年たてば固定資産税はかからなくなりますか?
- いいえ。評価額は取得価額の5%までしか下がらず、持っている限り課税の対象です。評価額が免税点を下回り、同じ市区町村にほかの償却資産がなければ課税されません。
- 固定資産税を軽くする特例はありますか?
- 再生可能エネルギー発電設備の特例はFIT・FIPの対象を除いており、2026年4月からの取得はペロブスカイト太陽電池だけが対象です。中小企業の先端設備等導入計画の特例は賃上げ方針の表明が条件で、売電用の太陽光発電設備が対象になるかは中小企業庁の資料に書かれていないため、市区町村に確かめます。
- 申告はいつ、どこにしますか?
- 毎年1月1日に持っている償却資産を、1月31日までに市区町村(東京23区は東京都)へ申告します。取得した翌年の1月から必要です。取得価額が分からないときは、販売店に問い合わせるか、再エネ電子申請の定期報告(設置費用)で確かめられます。



