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太陽光と蓄電池の容量の目安|4人家族・5kWの計算例と決め方

蓄電池の容量は、太陽光の1日の余りと、夜などに電力会社から買っている電気の量の小さいほうが目安です。東京で5kWの余りは1日平均約10.8kWh、環境省の調査では4人世帯の電気の使用量は1日約15.7kWhです。平均値で計算すると、4人家族・5kWなら実効容量で約10.6kWh(定格容量で12kWh前後)になります。

蓄電池は大きいほど安心に見えますが、貯められるのは太陽光の余りの分だけで、使えるのは夜などに電気を使う分だけです。どちらかを超える容量は、ふだんは使い切れずに残ります。このページでは、環境省の調査と日射量のデータを使って、容量を決めるための数字を順に計算します。

蓄電池の容量は「余り」と「夜に買う電気」の小さいほうが目安

太陽光と蓄電池を組み合わせた家では、昼は太陽光の電気を家で使い、使い切れない分(余り)を蓄電池に貯め、夜や朝夕にその電気を使います。そのため、毎日の運転で役に立つ容量は次の2つで決まります。

この表は蓄電池の容量を決める2つの数字です。
数字 意味 確かめ方
①太陽光の1日の余り 蓄電池に貯められる電気の上限です。これより大きい容量は、満充電にならない日が増えます。 太陽光の容量と、昼に家で使う電気の量から計算します(下の表)。
②夜などに電力会社から買う電気 蓄電池の電気で置き換えられる量の上限です。これより大きい容量は、貯めた電気が使い切れずに残ります。 検針票の使用量や、電力会社の会員サイトの時間帯別の使用量で確認します。

①と②の小さいほうが、実際に取り出せる量(実効容量)の目安です。環境省の調査では、太陽光を使っている世帯(平均5.0kW)は、1日平均で約15.9kWhを発電し、約5.1kWhを家で使い、約10.8kWhを売電しています。一方で、戸建で太陽光を使っている世帯が電力会社から買っている電気は1日約14.9kWhあり、①の余り(売電している分)のほうが小さくなっています。平均的な家庭では、①の余りが容量の上限を決めることになります。

太陽光の容量別の1日の余り

環境省の調査では、太陽光を使っている世帯の容量は平均5.0kWです。容量ごとに、1日の発電量から家で使う量を引いた余りを計算すると次のとおりです。

この表は太陽光の容量別に、1日に蓄電池へ回せる余りの目安を計算したものです(東京・南向き30度)。
太陽光の容量1日の発電量
(年平均)
1日の余り
(年平均)
1日の余り
(11月)
1日の余り
(4月)
3kW9.5kWh4.5kWh3.0kWh6.1kWh
4kW12.7kWh7.6kWh5.7kWh9.8kWh
5kW15.9kWh10.8kWh8.4kWh13.5kWh
6kW19.0kWh14.0kWh11.1kWh17.2kWh
7kW22.2kWh17.1kWh13.7kWh20.9kWh
8kW25.4kWh20.3kWh16.4kWh24.6kWh
9kW28.5kWh23.5kWh19.1kWh28.3kWh
  • 発電量はNEDO「年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)」の東京・真南30度の日射量×損失係数0.85×容量で計算しています。11月と4月は、1日あたりの発電量が最も少ない月と最も多い月です。
  • 余りは、1日の発電量から家で使う量を引いたものです。家で使う量は、環境省「令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査 資料編(確報値)」の太陽光を使っている世帯の平均の自家消費量(年間1,847kWh=1日約5.1kWh・平均5kW)で固定しています。昼間に家にいる時間が長い家庭や季節によって変わります。
  • どれも平均の値です。雨や曇りの日は、余りがほとんど出ない日もあります。

5kWの年平均の余り(約10.8kWh)は、環境省の調査で太陽光を使っている世帯が実際に売電している量(1日約10.8kWh)とほぼ同じです。余りは季節で変わるため、発電が少ない月の余りに合わせると満充電になる日が多く、多い月に合わせると売電に回る電気が減ります。太陽光の容量ごとの年間の発電量は容量別の年間発電量、5kWの月別の発電量は5kWの太陽光発電で確認できます。

太陽光の容量は屋根の広さで決まり、パネルの枚数は「容量÷パネル1枚の出力」です。たとえば1枚400Wのパネルなら、5kW前後は12〜13枚です。10kW未満は住宅用、10kW以上は売電の制度が変わります(9kWの太陽光発電の「住宅用(10kW未満)と10kW以上の違い」)。

家庭の電気の使用量(世帯人数別)

②の「夜などに買う電気」は家庭によって大きく違います。まず、1日にどれくらい電気を使っているかを世帯人数別の平均と比べてみてください。

この表は世帯人数別の電気の使用量と月の電気代の平均です。
世帯人数年間の電気の使用量1日あたり月の電気代
(2025年実績)
1人約2,420kWh約6.6kWh7,300円
2人約3,970kWh約10.9kWh12,100円
3人約5,140kWh約14.1kWh13,900円
4人約5,720kWh約15.7kWh13,900円
5人約6,440kWh約17.7kWh15,700円
6人以上約8,970kWh約24.6kWh17,300円

太陽光を使っている戸建の世帯は、買った電気(1日約14.9kWh)と家で使った太陽光の電気(約5.1kWh)を合わせて1日約20.0kWhを使っており、上の表の4〜5人の平均より多めです。環境省は、太陽光を使っている戸建の世帯では電気だけを使う家庭(オール電化など)が47%と、使っていない世帯の13%より多いことが理由と考えられるとしています。

自分の家の数字は、検針票の月の使用量を日数で割ると1日の使用量になります。スマートメーターが付いている家庭は、電力会社の会員サイトで時間帯ごとの使用量を確認できる場合があり、夜や朝夕に使う量がわかれば②をより正確に見積もれます。

4人家族・太陽光5kWの計算例

環境省の平均値を組み合わせて、4人家族が5kWの太陽光と蓄電池を設置する場合を計算します。

この表は4人家族・太陽光5kWの場合の蓄電池の容量の計算例です。
項目 1日あたり 根拠
電気の使用量 約15.7kWh 環境省の4人世帯の平均
昼に太陽光の電気を使う量 約5.1kWh 太陽光を使っている世帯の平均の自家消費量
②夜などに買う電気 約10.6kWh 使用量−昼に使う量
①太陽光5kWの余り 約10.8kWh 東京・南向き30度の年平均
実効容量の目安 約10.6kWh ①と②の小さいほう
定格容量の目安 12kWh前後 実効容量が定格の9割弱の場合(下の定格容量と実効容量の例)
  • 4人世帯の使用量は戸建と集合住宅を含む平均、昼に使う量は太陽光を使っている世帯の平均です。異なる平均値を組み合わせた目安なので、実際の容量は検針票の使用量と、見積もりのときの発電・蓄電のシミュレーションで確認してください。

昼に家にいる時間が長い家庭は昼に使う量が増え、①の余りが減ります。共働きで昼の使用が少ない家庭は余りが増える一方、夜に使う量も増えます。エコキュートを昼に沸き上げる設定にする、電気自動車を昼に充電するといった使い方でも数字は変わります。

定格容量と実効容量の違い

カタログには、蓄電池そのものの容量(定格容量・公称容量)と、実際に取り出して使える量(実効容量)が載っています。上の計算で出した目安は実効容量なので、機種を比べるときは実効容量をそろえて比べます。

この表はニチコンの単機能蓄電システムESS-U5シリーズの公称容量と初期実効容量です。
型番 公称容量 初期実効容量
ESS-U5M1 7.7kWh 6.8kWh
ESS-U5L1 9.7kWh 8.6kWh

この例では、実効容量は公称容量の9割弱です。割合は機種によって違うため、検討している機種の仕様表で確認してください。また、蓄電池は使ううちに少しずつ容量が減ります。保証期間の終わりにどれだけの容量が残ることを保証しているか(容量保証)は、機種ごとに保証書で確認してください。

容量帯別の価格

容量が大きいほど価格は上がりますが、1kWhあたりの価格は下がる傾向があります。

この表は蓄電池の容量帯別の製品数と、工事費込みの価格の幅です。
容量(定格)製品数工事費込みの価格1kWhあたり
5〜8kWh未満9製品約154〜171万円約23.7〜31.1万円
8〜12kWh未満11製品約177〜207万円約15.7〜20.6万円
12〜15kWh未満7製品約201〜227万円約13.5〜17.5万円
15kWh以上5製品約257〜285万円約12.9〜17.4万円
  • 蓄電池の比較ページで比べている32製品の工事費込みの価格で、主にソーラーパートナーズが公表している2025年1〜12月の成約実績の平均(税込・工事費込み)です(2026年10月確認時点)。補助金は差し引いていません。
  • カナディアンソーラー EP CUBE(6.6kWh)、パナソニック 創蓄連携システムS+(5.6kWh)、Qセルズ Q.READY(7.7kWh)、長府工産 LiB Tower Pro(7.4kWh)、エリーパワー POWER iE Connect(6.4kWh)、パナソニック 創蓄連携システムT(9.7kWh)、Qセルズ Q.READY(9.7kWh)、スマートソーラー スマート蓄電システムⅡ(10.2kWh)、テスラ Powerwall 3(13.5kWh)、長府工産 LiB Tower Pro(14.9kWh)、エリーパワー POWER iE5 GRID II(12.9kWh)、スマートソーラー スマート蓄電システムⅡ(15.3kWh)は価格の目安がない(メーカーが価格を公表しておらず、容量別の相場も見つからない)ため、価格の幅から除いています。

容量を決めた後は、同じ容量帯の中で価格・保証・停電時の使い方を比べます。メーカー別の製品と価格は蓄電池の比較、太陽光とセットの見積もり例は太陽光と蓄電池のセット価格相場で確認できます。補助金は都道府県別の補助金で確認してください。

蓄電池に回した電気1kWhの価値

蓄電池に貯めた電気は、売電していれば受け取れたはずの電気です。そのため、蓄電池で得をする金額は「買う電気の単価−売電単価」で決まり、売電単価が高い時期ほど小さくなります。

この表は売電単価の時期別に、蓄電池に回した電気1kWhあたりの差額の目安です。
時期 売電単価 1kWhあたりの差額
FIT 1〜4年目 24円 約7円
FIT 5〜10年目 8.3円 約23円
卒FIT後(大手電力10社) 7〜9円 約22〜24円
  • 売電単価は2025年10月以降に認定を受けた住宅用(10kW未満)の単価と、大手電力10社の卒FIT後の標準の買取単価です(卒FIT後の売電価格)。
  • 買う電気の単価は、基本料金・燃料費調整額・再エネ賦課金を含めた家庭の電気代の目安(1kWhあたり約31円)です。蓄電池に充電・放電するときの損失は含めていません。

新FITの最初の4年間は売電単価が高く、蓄電池に回した電気の差額は小さくなります。差額が大きくなるのは5年目以降です。

停電への備えで容量を考える

停電時は、蓄電池に残っている電気と、昼に太陽光で充電できる電気で生活します。冷蔵庫・照明・テレビ・スマートフォンの充電だけを使い続ける場合の計算は次のとおりです。

この表は停電時に使う主な家電の消費電力の目安です。
家電 消費電力の目安
冷蔵庫 50〜100W
テレビ 100〜180W
照明 50〜100W
スマートフォンの充電 10W
合計 210〜390W

実効容量8.6kWh(上のESS-U5L1)なら、8.6kWh÷210〜390Wで約22〜41時間使える計算です。電気を変換するときの損失は含めていないため、実際はこれより短くなります。昼に太陽光で充電できれば、さらに長く使えます。

停電時に電気を送れる範囲は、蓄電池の種類で違います。特定負荷型は停電時の給電先をあらかじめ決めた回路に限るもので、使う電気を限って長く持たせます。全負荷型は家のすべての回路に給電し、エアコンやIH調理器など200Vの家電も使えます。全負荷型でも、停電時に一度に使える電力(自立運転の出力)には上限があります。停電時の使い方は停電時の太陽光発電、全負荷型と特定負荷型の選び方は全負荷型と特定負荷型の選び方で確認できます。

電気自動車や増設を考える場合

あとから電気自動車を買う、家族が増えるなど、将来の使用量が増えそうな場合は、後から容量を増やせる機種を選ぶ方法があります。たとえばニチコンのトライブリッド蓄電システム(ESS-T5/T6シリーズ)は7.4・9.9・14.9・19.9kWhの4つの容量があり、パワーコンディショナを設置した後の蓄電池ユニットやV2H(電気自動車との間で電気をやりとりする機器)の追加は2034年12月まで可能とされています(ニチコン トライブリッド蓄電システム)。

増設できる期間・容量・組み合わせは機種ごとに決まっており、増設できない機種もあります。後から増やすつもりなら、導入前に増設の条件を販売店に確認してください。

容量を含めた見積もりを比べる

太陽光と蓄電池の容量は、販売店ごとに提案が違います。屋根の図面・家族構成・検針票の使用量をそろえて複数の販売店に見積もりを頼み、容量の根拠(発電量と蓄電のシミュレーション)を比べると選びやすくなります。

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住宅の屋根は形・向き・広さに制約があり、載せられるメーカーやパネルの枚数は家ごとに変わります。価格にも幅があり、経済産業省の集計(2025年設置)では1kWあたり平均29.0万円に対し、安いほうから3割の水準は25.6万円です(5kWなら約17万円の差)。複数社から見積もりを取り、価格と提案の中身を比べてください。以下は住宅用の見積もり窓口で、複数社をまとめて比べられる一括見積もりサイトと、販売店などから直接提案を受けられる窓口があり、いずれも無料で申し込めます。

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よくある質問(FAQ)

4人家族には何kWhの蓄電池が合いますか?
環境省の調査では、4人世帯の電気の使用量は1日平均約15.7kWhです。太陽光を使っている世帯の平均では昼に太陽光の電気を約5.1kWh使っているので、残りの約10.6kWhを夜などに電力会社から買う計算になります。太陽光5kWの1日の余りは年平均で約10.8kWhなので、この2つの小さいほうの約10.6kWhが実効容量の目安で、定格容量では12kWh前後です。平均値を組み合わせた計算なので、実際には検針票の使用量と見積もりのシミュレーションで確認してください。
太陽光5kWなら蓄電池はどのくらいの容量が目安ですか?
東京で南向き30度に設置した5kWの発電量は1日平均約15.9kWhで、昼に家で使う分(環境省の平均で約5.1kWh)を引いた余りは約10.8kWhです。夜などに買っている電気がこれより多ければ、余りに近い実効容量なら平均的な日は貯めた電気を夜に使い切れる計算です。余りは季節で変わり、発電の少ない月は少なくなります。
定格容量と実効容量は何が違いますか?
定格容量(公称容量)は蓄電池そのものの容量、実効容量は実際に取り出して使える電気の量です。たとえばニチコンの単機能蓄電システムESS-U5シリーズは、公称容量9.7kWhに対して初期実効容量(JIS C 4413による)が8.6kWhです。容量を比べるときは実効容量をそろえて比べてください。使ううちに容量は少しずつ減るため、容量保証の条件も保証書で確認してください。
10kWhの蓄電池でどれくらい電気を使えますか?
4人世帯の1日の平均の使用量(約15.7kWh)と比べると、10kWhは1日の約64%にあたります。停電時に冷蔵庫・照明・テレビ・スマートフォンの充電だけを使う場合(合計210〜390W程度)は、実効容量8.6kWhで計算上22〜41時間ほどです。電気を変換するときの損失や、停電中も太陽光で充電できるかどうかで変わります。
容量は後から増やせますか?
機種によってはできます。たとえばニチコンのトライブリッド蓄電システム(ESS-T5/T6シリーズ)は7.4kWhから19.9kWhまでの4つの容量があり、パワーコンディショナを設置した後の蓄電池ユニットやV2Hの追加は2034年12月まで可能とされています。増設できる期間や組み合わせは機種ごとに決まっているため、導入前に確認してください。
太陽光がなくても蓄電池だけ設置できますか?
設置はできます。ただし太陽光がないと、貯める電気は電力会社から買った電気になり、夜間の料金が安いプランで貯めて昼に使うといった使い方に限られます。ニチコンも、節電などの効果を引き出すためには太陽光発電もあわせて設置することをすすめています。

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