東西屋根の太陽光発電|南向きとの発電量の差と、東と西どっちがいいか
東京で東向き・西向き(傾き30度)に載せた太陽光発電の年間発電量は、南向き30度の約83%(1kWあたり約960kWh)です。東と西の年間の発電量は同じで、東は午前、西は午後に多く発電します。同じ価格なら、元が取れるまでの年数は南向きより約3年長くなるため、1kWあたりの価格をどれだけ抑えられるかが判断の分かれ目です。
屋根の向きは、太陽光発電の発電量を左右する条件の一つです。南向きが最も多く発電し、東・西向きはそれより少なくなりますが、北向きほどは下がりません。東西に屋根が分かれる切妻屋根では、南向きの面がなくても、東と西の両面に載せる選択肢があります。
屋根の向き・傾き別の発電量(南向き30度=100%)
NEDOの日射量データ(東京)から、屋根の向きと傾きごとの年間発電量を、南向き30度を100%として計算しました。
| 傾き | 南 | 東・西 | 北 |
|---|---|---|---|
| 10度 (約1.8寸) | 95% | 88% | 81% |
| 20度 (約3.6寸) | 98% | 86% | 72% |
| 30度 (約5.8寸) | 100% | 83% | 62% |
| 40度 (約8.4寸) | 99% | 79% | 54% |
- NEDO「年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)」の東京の方位・傾斜別の年平均日射量(1981〜2009年の平均)×365日×損失係数0.85で計算しています。水平(0度)は89%です。このデータでは、東と西、南東と南西、北東と北西はそれぞれ同じ値です。
- 南東・南西向きは、傾き10度で93%、20度で95%、30度で95%、40度で94%です。北東・北西向きは、10度で83%、20度で77%、30度で70%、40度で62%です。
- 1kWあたりの年間発電量は、南向き30度で約1,160kWh、東・西向き30度で約960kWh、東・西向き20度で約1,000kWh、北向き30度で約720kWhです。
- 屋根の勾配の「寸」は、水平に10進んだときに上がる高さです。一般的な住宅の3〜5寸は、約17〜27度にあたります。
一般的な勾配(3〜5寸)の東西向きは、南向き30度の約84〜87%
一般的な住宅の勾配(3〜5寸・約17〜27度)では、東・西向きの発電量は南向き30度の約84〜87%です(表の値を傾きで按分して計算)。北向きは同じ勾配で約66〜75%まで下がります。お住まいの地域の発電量は都道府県別の太陽光発電で確認できます。
東向きと西向き、どっちがいい?
NEDOのデータでは、東向きと西向きの年間の日射量は同じ値として示されており、年間の発電量に差はほとんどありません。違いは発電する時間帯で、太陽が東から昇って西に沈むため、東向きは午前、西向きは午後に多く発電します。
どちらがよいかは、電気を使う時間帯で決まります。午前に電気を多く使う家は東向き、午後から夕方に多く使う家(夏の午後のエアコンなど)は西向きのほうが、発電した電気を家で使いやすくなります。電気代の削減(1kWhあたり約31円)は、売電単価(最初の4年24円、5〜10年目8.3円)より大きいため、発電した電気を家で使えるほど得になります。
東西の両面に載せる場合
切妻屋根で棟が南北に通る家は、東と西の両面にパネルを載せられます。南向きの片面だけに載せるより容量を大きくでき、東の面は午前、西の面は午後に発電するので、1日の発電がならされます。
パワコンの容量より多くのパネルを載せる「過積載」とも組み合わせやすいとされます。東西に分けると、両方の面が同時に最大の出力になる時間が短く、パワコンの上限で発電が頭打ちになる時間が少なくなるためです。過積載ができる範囲はパワコンの機種ごとに決まっているので、見積もりのときに確認してください(住宅用パワコン価格相場)。
南向きと東西向きの20年収支(4kWで比較)
経済産業省が集計した平均価格(1kWあたり29.0万円)と自家消費の割合(35.2%)で、東京の4kWを南向き30度と東西向き30度で比べました(自家消費の割合は同じとした試算)。
| 項目 | 南向き30度 | 東・西向き30度 |
|---|---|---|
| 年間発電量 | 約4,630kWh | 約3,860kWh |
| 売電収入+電気代の削減(20年) | 約168.7万円 | 約140.7万円 |
| 初期費用(平均価格) | 約116万円 | 約116万円 |
| 元が取れるまで | 約12.9年 | 約16.0年 |
| 20年の差し引き(平均価格) | ▲約0.9万円 | ▲約28.9万円 |
| 20年の差し引き(安いほうから3割の価格) | +約12.7万円 | ▲約15.3万円 |
- 初期費用・自家消費の割合・パワコン交換と点検の費用は、経済産業省(調達価格等算定委員会)の公表値です。売電単価は住宅用FIT(最初4年・5〜10年目)と卒FIT後の想定、電気代の削減は1kWhあたり31円で計算しています。
- 「20年の差し引き」はパワコン交換と点検の費用を含み、「元が取れるまで」は含みません。補助金は含めていません。前提の詳細は4kWの太陽光発電の試算と同じです。
同じ価格なら、東西向きは元が取れるまでに南向きより約3年長くかかります。東西向きで検討するときは、1kWあたりの価格を抑えられるか(複数社の見積もり)と、午前や午後から夕方にも電気を使う暮らしかどうかが判断の分かれ目です。
東西向きが向いている家・向いていない家
| 区分 | 条件 |
|---|---|
| 向いている | 南向きの面がなく、東と西の屋根に影がかからない/東西の両面に載せて容量を確保できる/午前や午後から夕方に電気を多く使う |
| 検討が要る | 東か西のどちらかに大きな影がかかる/片面にしか載せられず容量が小さい |
| 南向きを優先 | 南向きの面に、必要な容量を載せられる |
東西屋根の太陽光発電は複数社の見積もりで
東西向きは、1kWあたりの価格を抑えられるかどうかで収支が大きく変わります。同じ屋根の条件で複数社から見積もりを取り、容量・1kWあたりの価格・発電量の試算の前提(向きと傾き)を比べてください。
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住宅の屋根は形・向き・広さに制約があり、載せられるメーカーやパネルの枚数は家ごとに変わります。価格にも幅があり、経済産業省の集計(2025年設置)では1kWあたり平均29.0万円に対し、安いほうから3割の水準は25.6万円です(5kWなら約17万円の差)。複数社から見積もりを取り、価格と提案の中身を比べてください。以下は住宅用の見積もり窓口で、複数社をまとめて比べられる一括見積もりサイトと、販売店などから直接提案を受けられる窓口があり、いずれも無料で申し込めます。
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よくある質問(FAQ)
- 太陽光パネルは東向きと西向き、どっちがいい?
- 年間の発電量はほぼ同じで(NEDOのデータでは同じ値)、違いは発電する時間帯です。東向きは午前、西向きは午後に多く発電するので、午前に電気を多く使う家は東、午後から夕方に多く使う家は西のほうが、発電した電気を家で使いやすくなります。
- 東向き・西向きは南向きと比べて発電量がどれくらい減る?
- 東京で傾き30度の場合、東・西向きの年間発電量は南向き30度の約83%(1kWあたり約960kWh)です。一般的な3〜5寸勾配(約17〜27度)なら約84〜87%です。
- 東西向きの太陽光発電は元が取れる?
- 経済産業省が集計した平均価格で東京の4kWを試算すると、元が取れるまで南向き30度は約12.9年、東西向き30度は約16.0年です。東西向きは、1kWあたりの価格を抑えられるかが判断の分かれ目になります。
- 北向きの屋根にも太陽光パネルを載せられる?
- 載せることはできますが、東京で傾き30度の北向きは南向き30度の約62%まで発電量が下がります(傾き20度で約72%、10度で約81%)。勾配がゆるいほど差は小さくなります。
- 東西の両面にパネルを載せるメリットは?
- 南向きの面がない家でも、東と西の両面に載せれば容量を確保できます。東の面は午前、西の面は午後に発電するので1日の発電がならされ、パワコンの容量より多くパネルを載せる過積載とも組み合わせやすいとされます。
- 東西向きの太陽光発電に補助金は使える?
- 使えます。新築なら国のみらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅で最大125万円など)の対象になり得ます。住宅全体の省エネ性能に対する補助で、屋根の向きは要件ではありません。既築への後付けは自治体の太陽光補助が中心です。



