9kWの太陽光発電|価格相場・発電量と、10kW以上との違い(9.9kWまでは住宅用)
9kWの太陽光発電の価格は、経済産業省が集計した2025年設置の平均(1kWあたり29.0万円)で約261万円、安いほうから3割の水準なら約230.4万円です。東京で南向き30度に設置すると1日平均約28.5kWh、年間約10,420kWh発電します。10kW未満なので住宅用の売電単価が使え、10kW以上にすると発電量の30%以上の自家消費などが要件になります。
9kWの規模感:パネルの枚数と広さ
| 項目 | 9kWの目安 |
|---|---|
| パネルの枚数 | 1枚400Wなら22〜23枚(8.8〜9.2kW)、460Wなら19〜20枚(約8.7〜9.2kW) |
| パネル面の広さ | 変換効率20〜23%のパネルで約39〜45㎡(パネル面だけ。屋根には配置の余白も必要) |
| 発電量(東京) | 1日平均約28.5kWh・年間約10,420kWh(南向き30度) |
- パネル面の広さは「容量÷変換効率」で計算しています(変換効率は、1㎡に1kWの光が当たったときの出力の割合)。
住宅用(10kW未満)と10kW以上の違い
太陽光発電の固定価格買取制度(FIT)では、10kW未満が住宅用の区分です。10kW以上になると「事業用」の扱いになり、売電単価・買取期間・要件が変わります。2026年度に認定を受ける場合の違いは次のとおりです。
| 項目 | 10kW未満(住宅用) | 10kW以上50kW未満(屋根設置) |
|---|---|---|
| 売電単価 | 最初4年24円、5〜10年目8.3円 | 最初5年19円、6〜20年目8.3円 |
| 買取期間 | 10年 | 20年 |
| 自家消費などの要件 | なし(余った電気を売電) | 発電量の30%以上を自家消費し、災害時に自立運転して給電用コンセントを一般の用に供すること |
| 電気事業法の手続き | 一般用電気工作物 | 小規模事業用電気工作物として、基礎情報の届出と使用前自己確認の結果の届出が必要 |
| 廃棄費用の積立て | 対象外 | 調達期間の終わりの10年間、売電収入から積み立てる |
- 出典:資源エネルギー庁「買取価格・期間等」(2026年度の調達価格)、「FIT制度における地域活用要件について」(10kW以上50kW未満の自家消費型の要件)、「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」(2026年4月改訂)、「廃棄等費用積立ガイドライン」(2026年4月改訂)。
- 運転を始めたあとに、認定を受けた出力を10kW未満から10kW以上に増やす変更は認められません(事業計画策定ガイドライン)。将来パネルを増やす予定がある場合も、設置の前に区分を決めておく必要があります。
10kW以上50kW未満で必要な「30%以上の自家消費」は、東京の10kWなら年間約3,470kWhにあたります。環境省の調査(令和5年度)で太陽光発電を使っている世帯が家で使った電気は年間約1,850kWh(発電量5,800kWh−売電量3,953kWh)で、その約2倍です。昼の電気をこれだけ家で使える住宅は多くないため、一般的な住宅で10kW以上の要件を満たすのは簡単ではありません。
9kWの価格
経済産業省(調達価格等算定委員会)が集計した住宅用太陽光発電(10kW未満)の価格をもとにした、9kWの価格です。同じ9kWでも、平均と安いほうから3割の水準では約31万円の差があります。
| 区分 | 1kWあたり | 9kWの価格 |
|---|---|---|
| 全体の平均 | 29.0万円 | 約261万円 |
| 新築の平均 | 28.9万円 | 約260.1万円 |
| 既築(後付け)の平均 | 30.1万円 | 約270.9万円 |
| 安いほうから3割の水準 | 25.6万円 | 約230.4万円 |
- 出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)。2025年設置の案件の平均で、工事費を含みます。「安いほうから3割の水準」は、価格の安い順に並べたときに3割目にあたる価格です。
費用の内訳
新築の平均の内訳では、太陽光パネルが半分近く、工事費が約3割を占めています。
| 項目 | 1kWあたり | 9kWの場合 |
|---|---|---|
| 太陽光パネル | 13.5万円 | 約121.5万円 |
| パワーコンディショナ | 5.3万円 | 約47.7万円 |
| 架台 | 3.2万円 | 約28.8万円 |
| 工事費 | 8.5万円 | 約76.5万円 |
| その他 | 0.2万円 | 約1.8万円 |
| 値引き | ▲1.7万円 | ▲約15.3万円 |
| 合計 | 28.9万円 | 約260.1万円 |
- 出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日)(新築の平均の内訳)。各項目は四捨五入した値のため、足し上げた値と合計は一致しないことがあります。
このうちパワコン(パワーコンディショナ)は1kWあたり5.3万円で、9kWなら約47.7万円にあたります。容量別のパワコンの価格は住宅用パワコン価格相場で確認できます。
メーカー別の価格
| メーカー | 1kWあたり | 9kWの価格 |
|---|---|---|
| カナディアンソーラー | 21.8万円 | 約196.2万円 |
| JAソーラー(推定) | 22.0万円 | 約198万円 |
| ジンコソーラー(推定) | 22.0万円 | 約198万円 |
| トリナソーラー | 22.0万円 | 約198万円 |
| ネクストエナジー | 23.0万円 | 約207万円 |
| ハンファQセルズ | 24.0万円 | 約216万円 |
| 長州産業 | 26.0万円 | 約234万円 |
| パナソニック | 26.0万円 | 約234万円 |
| シャープ | 28.0万円 | 約252万円 |
- 1kWあたりの価格はメーカー別の価格比較の値です。メーカー別の相場は、パネルを多く載せた構成の価格をもとにしているため、経済産業省の平均より低めに出ます。
- 容量ごとの相場は、一括見積もりの取引実績の平均で9kW 167.1万円(ソーラーパートナーズが公表している2025年1〜12月の取引実績の平均(税込・2026年8月更新))です。
- (推定)のメーカーは単独の価格の出典が見つからないため、同じクラスの海外メーカーと同程度とした推定値です。
- 新築の場合は、国のみらいエコ住宅2026事業(GX志向型住宅で最大125万円など)を活用できることがあります。太陽光単体ではなく住宅全体の断熱・省エネ性能が対象の補助です。詳しくは補助金のページでご確認ください。
9kWの1日・月別・年間の発電量
東京で南向き30度に設置した場合、9kWの発電量は1年を通した平均で1日約28.5kWh、年間約10,420kWhです。1日あたりでは4月が最も多く(約33.4kWh)、11月が最も少なく(約24.2kWh)なります。
| 月 | 発電量 | 1日あたり |
|---|---|---|
| 1月 | 899kWh | 29.0kWh |
| 2月 | 857kWh | 30.6kWh |
| 3月 | 941kWh | 30.4kWh |
| 4月 | 1,001kWh | 33.4kWh |
| 5月 | 1,013kWh | 32.7kWh |
| 6月 | 824kWh | 27.5kWh |
| 7月 | 896kWh | 28.9kWh |
| 8月 | 982kWh | 31.7kWh |
| 9月 | 741kWh | 24.7kWh |
| 10月 | 757kWh | 24.4kWh |
| 11月 | 725kWh | 24.2kWh |
| 12月 | 785kWh | 25.3kWh |
| 年間 | 約10,420kWh | 28.5kWh |
- NEDO「年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)」の東京・真南30度の月平均日射量(1981〜2009年の平均)×日数×損失係数0.85×9kWで計算しています。損失係数は1年を通じて同じ値としているため、気温が高くパネルの効率が下がる夏は実際にはこれより少なく、冬は多くなる傾向があります。
- 都道府県(県庁所在地などの観測地点・年間で最も発電する傾き)によって1kWあたり約1,090〜1,380kWhの差があり、9kWでは年間約9,810〜12,420kWhです。お住まいの地域の値は都道府県別の太陽光発電で確認できます。容量別の発電量は容量別の年間発電量早見表にまとめています。
屋根の向き・傾きで発電量はどれだけ変わる?
同じNEDOのデータで、屋根の向きと傾きを変えた場合の9kWの年間発電量を計算しました(東京)。東向き・西向きは南向き30度の約83%、北向きは約62%です。9kWを載せるために東西の面も使う場合は、その面の分だけ発電量が少なくなります(8kWのページで南と東西に分けた場合を計算しています)。
| 向き・傾き | 年間発電量 | 南向き30度との比較 |
|---|---|---|
| 南向き30度 | 約10,420kWh | 100% |
| 南向き20度 | 約10,250kWh | 98% |
| 南向き10度 | 約9,860kWh | 95% |
| 水平(0度) | 約9,270kWh | 89% |
| 南東・南西向き30度 | 約9,910kWh | 95% |
| 東・西向き30度 | 約8,680kWh | 83% |
| 北向き30度 | 約6,510kWh | 62% |
- NEDO「年間月別日射量データベース(MONSOLA-11)」の東京の方位・傾斜別の年平均日射量×365日×損失係数0.85×9kWで計算。東向きと西向きは同じ値です。
- このほか、隣家や電柱などの影、積雪、出力制御でも発電量は減ります。影のかかり方は、業者の発電量シミュレーションで確認してください(設置角度と方位)。
新FIT制度での20年間の収支(試算)
経済産業省が集計した平均的な価格と自家消費の割合をもとに、東京・南向き30度の9kWで20年間の収支を試算しました。
| 期間(売電単価) | 売電収入 | 電気代の削減 |
|---|---|---|
| 1〜4年目 (24円/kWh) | 約64.8万円 | 約45.5万円 |
| 5〜10年目 (8.3円/kWh) | 約33.6万円 | 約68.2万円 |
| 11〜20年目(卒FIT後) (8円/kWh) | 約54万円 | 約113.6万円 |
| 20年の合計 | 約152.4万円 | 約227.3万円 |
| 項目 | 平均価格の場合 | 安いほうから3割の価格の場合 |
|---|---|---|
| 売電収入+電気代の削減(20年) | 約379.7万円 | 約379.7万円 |
| 初期費用 | 約261万円 | 約230.4万円 |
| パワコン交換と点検(20年) | 約53.6万円 | 約53.6万円 |
| 20年の差し引き | +約65.1万円 | +約95.7万円 |
- 年間発電量は約10,420kWh(東京・南向き30度・1kWあたり約1,160kWh)。パネルの経年劣化は含めていません。
- 自家消費の割合は35.2%(住宅用の売電比率の平均64.8%から計算)。電気代の削減は1kWhあたり31円(家庭の電気料金の平均的な単価の目安)で計算しています。
- 売電単価は住宅用FIT(最初4年24円・5〜10年目8.3円)と、卒FIT後の想定8円です。
- 初期費用は1kWあたり29.0万円(平均)・25.6万円(安いほうから3割)、パワコン交換38.4万円(20年で1回)と点検3.8万円(5年ごと・20年で4回)は太陽光発電協会へのヒアリングの相場(5kWの設備を想定)です(出典:調達価格等算定委員会「令和8年度以降の調達価格等に関する意見」(2026年2月5日))。補助金は含めていません。
平均価格(約261万円)の場合、売電収入と電気代の削減の合計で初期費用を回収できるのは約12.9年後です(点検とパワコン交換の費用は含めない)。点検とパワコン交換まで含めた20年の差し引きは、平均価格で+約65.1万円、安いほうから3割の価格(約230.4万円)なら+約95.7万円です。パワコン交換の費用は5kWの設備を想定した相場のため、9kWではこれより高くなることがあります。
家で使う電気の量の前提による違い
上の試算は、発電量の35.2%(年間約3,670kWh)を家で使う前提です。9kWでは家で使いきれない電気が多くなるため、家で使う電気の量を環境省の調査で太陽光発電を使っている世帯の平均(年間約1,850kWh・9kWの発電量の約18%)とした場合と比べました。
| 家で使う電気の量 | 元が取れるまで | 20年の差し引き(平均価格) |
|---|---|---|
| 年間約3,670kWh(発電量の35.2%) | 約12.9年 | +約65.1万円 |
| 年間約1,850kWh(環境省の調査の平均) | 約16.3年 | ▲約6.6万円 |
- 自家消費の割合35.2%は経済産業省が集計した住宅用の売電比率の平均から、年間約1,850kWhは環境省「令和5年度 家庭部門のCO2排出実態統計調査」の太陽光発電を使っている世帯の平均(年間発電量5,800kWh−売電量3,953kWh)から計算しています。そのほかの前提は上の試算と同じです。
容量を増やした分は、ほとんどが売電になる
家で使う電気の量は、載せる容量を増やしても大きくは変わりません。そのため、容量を増やした分の発電は、ほとんどが売電になります。東京で1kW分(年間約1,160kWh)をすべて売電すると、20年間の売電収入は約26.1万円です(最初4年24円・5〜10年目8.3円・11年目以降8円で計算)。1kWあたりの価格(平均29.0万円・安いほうから3割の水準で25.6万円)と比べると、平均価格では売電収入のほうが少なく、安いほうから3割の水準でもほぼ同じ額です。容量を9kWまで増やすかどうかは、1kWあたりの見積もり価格と、昼に家で使える電気の量で判断してください。
卒FIT後(11年目以降)の売電単価は、電力会社の買取メニューで変わります(卒FIT後の売電価格)。
9kWの設置検討は複数業者の見積もり比較で
同じ9kWでも、価格には幅があります(平均で約261万円、安いほうから3割の水準で約230.4万円)。屋根に載る容量・FITの区分・家で使える電気の量によって、最適な容量は変わります。複数の業者から容量の違う見積もりを取り、価格と発電量の試算を比べてください。
住宅用で信頼できる施工会社を探す
住宅の屋根は形・向き・広さに制約があり、載せられるメーカーやパネルの枚数は家ごとに変わります。価格にも幅があり、経済産業省の集計(2025年設置)では1kWあたり平均29.0万円に対し、安いほうから3割の水準は25.6万円です(5kWなら約17万円の差)。複数社から見積もりを取り、価格と提案の中身を比べてください。以下は住宅用の見積もり窓口で、複数社をまとめて比べられる一括見積もりサイトと、販売店などから直接提案を受けられる窓口があり、いずれも無料で申し込めます。
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よくある質問(FAQ)
- 9kWの太陽光発電の価格は?
- 経済産業省が集計した2025年設置の平均(1kWあたり29.0万円)で約261万円です。新築の平均で約260.1万円、既築で約270.9万円、安いほうから3割の水準なら約230.4万円です。いずれも工事費を含みます。
- 9.9kWまでなら住宅用の売電単価になる?
- 住宅用の区分は10kW未満で、2026年度に認定を受けると売電単価は最初4年24円・5〜10年目8.3円(買取期間10年)です。10kW以上になると屋根設置の区分(最初5年19円・6〜20年目8.3円・20年)になり、50kW未満では発電量の30%以上を自家消費することなどが要件になります。どちらの区分になるかは、見積もりのときに業者に確認してください。
- 10kW以上にしたほうが得?
- 10kW以上50kW未満は、発電量の30%以上を自家消費することが要件です。東京で10kWなら年間約3,470kWh以上を家で使う必要があり、太陽光発電を使っている世帯の平均(年間約1,850kWh・環境省の調査)の約2倍です。売電単価は最初の5年が19円で住宅用の最初4年(24円)より低い一方、買取期間は20年です。
- 9kWの太陽光発電の1日の発電量は?
- 東京で南向き30度に設置した場合、1年を通した平均で1日約28.5kWh、年間約10,420kWhです。1日あたりが最も多いのは4月(約33.4kWh)、最も少ないのは11月(約24.2kWh)です(NEDOの日射量データから計算した平均で、その日の天気によって大きく変わります)。
- 9kWの太陽光発電は何年で元が取れる?
- 平均価格(約261万円)の場合、売電収入と電気代の削減の合計で初期費用を回収できるのは約12.9年後です(東京・自家消費約35.2%で試算。点検とパワコン交換の費用は含めない)。家で使う電気の量を年間約1,850kWh(環境省の調査の平均)とした場合は約16.3年です。



