停電時の太陽光発電|自立運転モードと使える家電の目安
住宅用太陽光発電のパワコンには「自立運転モード」が標準搭載され、停電時に専用コンセントから給電できます。ただし上限は1,500W(1.5kW)、晴天時の昼間限定という大きな制約があります。冷蔵庫・LED照明・スマホ充電など低消費電力の家電なら問題なく使えますが、エアコン・電子レンジ・ドライヤーなど消費電力が大きい家電は使えません。夜間や長期停電に備えるなら蓄電池併設が前提です。本ページでは切替手順、使える家電・使えない家電、蓄電池併設で広がる選択肢までを整理します。
「太陽光があるから停電も大丈夫」と思いがちですが、自立運転モードには「上限1,500W」「晴天時の昼間限定」「自動切替でないことが多い」という3つの落とし穴があります。停電してから初めて取扱説明書を開く状況では混乱して使いこなせないことが多いので、平常時に切替手順と使える家電を把握しておくのが防災の基本です。
停電時の自立運転モードへの切替手順
多くのパワコンは手動切替で、停電を検知してもそのままでは家庭に給電されません。次の3ステップで切替えます。
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主電源ブレーカーを切る
地震で停電した場合、コンセントに繋がれたままの家電が倒壊し、復旧時に火災の原因になる危険があります。地震直後で家を一時退避するなら、太陽光の有無にかかわらずブレーカーを落とすのが基本です(計画停電の場合はこの限りではありません)。
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太陽光発電ブレーカー(連系用)を切る
電気系統の事故を防ぐため、太陽光発電ブレーカー(連系用ブレーカー)を落として系統電力と自立電源を遮断します。
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自立運転モードに切替える
パワコンの操作パネルで自立運転モードに切替え、自立運転コンセント(多くの場合パワコン本体または専用配線のコンセント)から給電を取ります。機種によっては停電を検知して自動切替するものもあります。
停電時に使える家電・使えない家電
自立運転コンセントの上限は一般的に1,500W(1.5kW)です。さらに発電は晴天時の昼間限定で、雲の影で出力が変動する点も考慮する必要があります。
| 機器 | 消費電力の目安 | 使える/使えない |
|---|---|---|
| 冷蔵庫 | 150W前後 | 使える(コンプレッサー起動時の突入電流に注意) |
| LED照明 | 数W〜数十W | 使える(複数同時もOK) |
| スマホ・PC充電 | 数十W | 使える |
| テレビ・ラジオ | 50〜200W | 使える(液晶テレビは電力変動で不安定な場合あり) |
| 小型扇風機 | 30〜50W | 使える |
| 電気ケトル | 800〜1,300W | 他の機器と同時使用できないが単独なら可 |
| 電子レンジ | 1,200〜1,500W | 使えないことが多い(突入電流で過負荷停止) |
| エアコン | 600〜1,500W+起動時2,000W | 使えない(200V機器・突入電流が大きい) |
| ドライヤー | 1,200W | 使えないことが多い |
| IHクッキングヒーター | 1,400〜3,000W | 使えない(200V機器) |
- 消費電力は機種・運転状況で変動。家電の銘板に書かれた「定格消費電力」で確認してください
- 1,500W以内でも、起動時の突入電流(モーター系・コンプレッサー系)が大きい機器はパワコンが過負荷停止する場合があります
事前にチェックしておくこと
自立運転コンセントの位置を確認する
自立運転コンセントの位置は機種により異なります。パワコン本体の側面に1口設置されている場合、屋内に専用配線で別コンセントを設けている場合などさまざまです。施工業者に引き渡し時の説明を受け、家族全員が場所を把握できるようにしておいてください。
切替手順を平常時に予行しておく
停電中の混乱した状況で取扱説明書を読みながら操作するのは現実的ではありません。晴天日に一度家族で「ブレーカーを落とす→自立運転モードに切替→自立運転コンセントから給電」の流れを実演しておくと、実際の停電時にも落ち着いて対応できます。
必須の家電が本当に動くか確認する
停電時に必ず使いたい家電(在宅医療機器・冷蔵庫の中身保護・通信機器など)が、自立運転コンセントで安定して動くかを事前テストしておくと安心です。突入電流の大きい機器は、運転条件によって動作が不安定になる場合があります。
夜間・長期停電にも備えるなら蓄電池併設
太陽光単独の自立運転モードは「晴天時の昼間限定・1,500Wまで」という制約が大きいため、夜間や雨天日、長期停電に備えるなら蓄電池の併設が前提です。10kWh前後の蓄電池を組み合わせると、晴天時に充電→夜間に放電のサイクルで2〜3日程度の通常生活を維持できる構成が可能になります。
| 構成 | 給電可能範囲 | 夜間・雨天 | 200V機器(エアコン・IH) |
|---|---|---|---|
| 太陽光単独(自立運転) | 専用コンセント1口・1,500Wまで | 不可(昼間限定) | 不可 |
| 太陽光+特定負荷型蓄電池 | 事前指定の特定回路(コンセント数か所+指定家電) | 蓄電池容量の範囲で可 | 不可 |
| 太陽光+全負荷型蓄電池 | 家全体(全コンセント・全照明) | 蓄電池容量の範囲で可 | 可(容量消費は早い) |
| 太陽光+V2H+EV | 家全体・EV車載電池の容量分 | EV残量の範囲で可 | 可(全負荷型V2Hの場合) |
在宅勤務・医療機器(CPAP等)・小さなお子様や高齢者がいる家庭など、停電対策の優先度が高い場合は全負荷型蓄電池またはV2Hの併設を検討してください。詳細は太陽光と蓄電池の組み合わせやV2Hとトライブリッドを参照してください。
停電対策込みで太陽光・蓄電池を見積もる
停電対策を意識した構成(全負荷型蓄電池・V2H併設)は施工費・機器費が変わるため、複数社から見積もりを取って比較してください。
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よくある質問(FAQ)
- 停電時に太陽光発電は自動で使える?
- 自動では使えません。「自立運転モード」への切替操作が必要です。多くのパワコンは手動切替で、停電を検知してもそのままでは家庭に給電されません。停電時はまず主電源ブレーカーと太陽光発電ブレーカー(連系用)を落とし、パワコンの自立運転モードに切替えて、自立運転コンセントから給電を取ります。一部の機種は自動切替に対応しています。
- 停電時はどれくらい電気を使える?
- 自立運転コンセントの上限は一般的に1,500W(1.5kW)です。発電条件にもよりますが、冷蔵庫(150W前後)・LED照明(数W〜数十W)・スマホ/PC充電(数十W)・小型扇風機(30〜50W)の同時使用程度なら問題なく使える計算です。ただし発電は太陽光が出ている時間帯のみで、夜間や雨天日は使えない点に注意してください。
- エアコンや電子レンジは使える?
- エアコン・電子レンジ・ドライヤー・電気ケトルなど消費電力が大きい家電は基本的に使えません。1,500W上限を超えるか、起動時の突入電流(モーター系・コンプレッサー系)でパワコンが過負荷停止します。停電時にエアコンやIHを使いたい場合は全負荷型の蓄電池やV2Hを併設して200V回路まで給電できる構成にする必要があります。
- 夜間や雨天日に停電したらどうなる?
- 太陽光発電は太陽が出ていないと発電できないので、夜間や雨天日は自立運転モードでも給電できません。長期停電や夜間の備えとして実利を出すには蓄電池の併設が前提になります。10kWh前後の蓄電池があれば、晴天時に充電→夜間に放電のサイクルで2〜3日程度の通常生活を維持できる構成が可能です。
- 自立運転モードへの切替は事前に練習しておくべき?
- 強く推奨します。停電中の混乱した状況では取扱説明書を読みながら操作するのは現実的ではありません。施工業者に引き渡し時の説明を受け、晴天日に一度家族で実演しておくのが確実です。説明書はわかりやすい場所に保管し、自立運転コンセントの位置も家族全員が把握できる状態にしておいてください。
- 全負荷型と特定負荷型、停電時の違いは?
- 蓄電池の話ですが、特定負荷型は事前指定の特定回路のみ給電(コンセント数か所+指定家電)、全負荷型は家全体(200V機器のエアコン・IH含む)に給電可能です。太陽光単独の自立運転コンセントは「特定負荷より小さい1か所のみ」のイメージで、停電対策の重要度が高い家庭は全負荷型蓄電池の併設が現実解になります。



