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太陽光発電の仕組み|システム構成図と売電・自家消費の流れ、発電の原理

住宅用の太陽光発電は、パネル→接続箱→パワーコンディショナー→分電盤→電力量計(スマートメーター)の順につながり、電力会社の配電線に接続します。パネルの直流の電気をパワーコンディショナーが交流に変え、家で使い切れない電気は分電盤からメーターを通って配電線へ流れて売電になります。パネルが電気をつくるのは、シリコンのPN接合で光が電気に変わる光起電力効果によるものです。

太陽光発電の機器は、屋根の上で電気をつくる部分、電気を家で使える形に変える部分、電気の量を計る部分に分かれます。ここでは東京都や太陽光発電協会の資料、メーカーの仕様書をもとに、機器のつながりと役割、電気の流れ、発電の原理を順に説明します。

太陽光発電のシステム構成図

住宅用の太陽光発電は、次の図のようにつながっています。パネルがつくった電気は、パワーコンディショナーで交流に変えられ、分電盤から家の回路に送られます。電力会社から買う電気と、余って売る電気は、どちらも分電盤とスマートメーターの間を通ります。

図:住宅用太陽光発電システムの全体構成(家屋断面イメージ)

⇄ 電力 会社 1 2 3 4 5 6

※赤線は直流(DC・パネルがつくる電気)、青線は交流(AC・家で使う電気)です。パネルの配線をまとめる接続箱は省略しています。

  1. 1ソーラーパネル(屋根)— 太陽の光を直流の電気に変える
  2. 2パワーコンディショナー(屋外または屋内)— 直流を家で使える交流に変える
  3. 3分電盤(屋内)— 太陽光の電気と電力会社の電気を家の回路に送る。使い切れない電気は分電盤からスマートメーターを通って配電線へ流れる
  4. 4家電(屋内)— 太陽光の電気を家で使う(自家消費)
  5. 5電力モニター(屋内)— 発電量や使った電気の量を表示する
  6. 6スマートメーター(屋外)— 電力会社から買った電気と、売った電気の量を計る

図の右端は電力会社の配電線です。スマートメーター(6)を通して、余った電気を売り、足りない電気を買います。

構成機器の役割

東京都の資料では、住宅用太陽光発電の代表的な構成として次の機器が挙げられています。最近は蓄電池を組み合わせる家庭もあります。

この表は住宅用太陽光発電の構成機器と役割です。
機器 主な設置場所 役割
太陽電池モジュール(太陽光パネル) 屋根 太陽の光を直流の電気に変える
接続箱 屋外・屋内 パネルからの配線をまとめてパワーコンディショナーに送る
パワーコンディショナー 屋外・屋内 パネルでつくった直流の電気を交流に変える
分電盤 屋内 電気を家の中の回路に送る
電力量計(スマートメーター) 屋外 電力会社から買った電気と、売った電気の量を計る
電力モニター 屋内 発電量や使った電気の量を表示する
蓄電池 屋外・屋内 発電した電気をためておく
  • 役割の説明は東京都環境局の資料によります。設置場所は機種によって違います。

太陽光パネル(太陽電池モジュール)

発電の最小単位は「太陽電池セル」で、セルをつないで屋外で使えるように封入し、決まった出力を持たせたものが「太陽電池モジュール」(一般にいう太陽光パネル)です。モジュールを架台に並べてつないだ全体を「太陽電池アレイ」と呼びます(日本産業規格 JIS C 8960 の用語)。

主要9メーカーの主力モデルは、1枚の出力が241〜470Wです。たとえばカナディアン・ソーラーのCS6.2-48TMは、1枚465W・大きさ1,762×1,134mm・重さ21.3kgです。メーカーごとの出力と変換効率は変換効率の比較で確認できます。

接続箱

屋根の面ごとなどに分けたパネルの配線(回路)をまとめて、パワーコンディショナーに送る機器です。パワーコンディショナーには複数の回路を直接つなげる機種もあり、たとえばカナディアン・ソーラーのCSP55G4Lは4回路の入力に対応しています。

パワーコンディショナー

パネルがつくる電気は直流で、家の電気や電力会社の配電線は交流のため、パワーコンディショナーで直流を交流に変えます。このほかに次の働きがあります。

この表はパワーコンディショナーの主な働きです。
働き 内容
直流を交流に変える 変換するときに一部の電気が失われます。カナディアン・ソーラーのCSP55G4Lの電力変換効率は96.5%(JIS C 8961による定格負荷効率・力率0.95)です。
最大電力点の追従(MPPT) 日射や温度で変わるパネルの電圧・電流を調整し、最も多く電気を取り出せる点で運転します。
配電線との接続(系統連系) 電力会社の配電線とつないで運転し、配電線が止まったときなどには発電を止める保護の機能を持ちます。
自立運転 停電時に、自立運転用のコンセントへ電気を送ります。CSP55G4Lの自立運転の出力は1.5kVA(100V)です。

東京都の資料では、パネルの製品寿命はパワーコンディショナーより長く、パワーコンディショナーが故障しても修理や交換で太陽光発電を使い続けられるとされています。経済産業省の調達価格等算定委員会は、5kWの住宅用でパワーコンディショナーの交換を20年間に1回、費用38.4万円程度と想定しています。機能・メーカー・寿命はパワーコンディショナーで詳しく扱っています。

分電盤

家の中の回路(照明・コンセント・エアコンなど)に電気を送る機器です。太陽光発電を付けると、分電盤には太陽光発電用のブレーカーが入ります。太陽光の電気と電力会社から買う電気は、どちらも分電盤から家の回路に送られます。

電力量計(スマートメーター)

電力会社から買った電気と、太陽光から電力会社へ売った電気の量を計ります。スマートメーターは、30分ごとの電気の使用量などを通信で送る電力量計です。売電の量はこのメーターで計られ、売電収入の計算に使われます。

電力モニター

発電量や使った電気の量を表示する機器です。東京都の資料では、発電電力量を毎月前年同月と比べ、業者の発電シミュレーションの値や前年同月より25%程度下がるような場合は、不具合の可能性があるとして販売店などへの相談をすすめています。

電気の流れ|自家消費と売電・買電の仕組み

太陽光でつくった電気は、まず家で使われ(自家消費)、使い切れない分が配電線へ流れて売電になります。発電が足りない時間は、電力会社から電気を買います。どちらにするかを操作で切り替える必要はなく、その時の発電量と使用量の差で自動的に決まります。

  1. ①パネルで発電する

    屋根のパネルが日射を受けて直流の電気をつくります。日射が強いほど多く発電します。

  2. ②パワーコンディショナーで交流に変える

    接続箱でまとめた直流の電気を、家で使える交流に変えます。

  3. ③家で使う(自家消費)

    分電盤から家の回路に送られ、家電や照明で使われます。

  4. ④余った電気を売る(売電)

    家で使い切れない電気は、分電盤からスマートメーターを通って配電線へ流れます。家から配電線の方向へ流れる電気を「逆潮流」といい、スマートメーターがその量を計ります。

  5. ⑤足りない電気を買う(買電)

    夜や雨の日など、発電が使用量より少ない時間は、電力会社の電気を買って使います。

経済産業省 調達価格等算定委員会(2026年2月)の資料では、住宅用の売電比率(発電した電気のうち売電した割合)は平均64.8%で、家で使った割合は35.2%です。10kW未満の住宅用は、家で使った残りを売る「余剰売電」で、売電単価は最初4年24円/5〜10年目8.3円(2段階)です(太陽光発電の売電価格)。

蓄電池を組み合わせると、余った電気を蓄電池にためて夜に使えるようになり、売電に回る電気が減ります。環境省の調査では、戸建の家庭用蓄電池の使用率は3.7%です。容量の決め方は太陽光と蓄電池の容量の目安で計算しています。

停電時の自立運転

停電すると、パワーコンディショナーは配電線への送電をいったん止めます。日が当たっていれば、自立運転に切り替えることで、自立運転用のコンセントから発電した電気を使えます。太陽光発電協会は次の手順を案内しています(操作はメーカー・機種によって違うため、取扱説明書で確認してください)。

  1. ①自立運転用コンセントの位置を確認する

    あわせて、取扱説明書で自立運転モードへの切り替え方を確認します。

  2. ②主電源ブレーカーと太陽光発電ブレーカーをオフにする

    分電盤のブレーカーを切ってから切り替えます。

  3. ③自立運転モードに切り替え、コンセントに機器をつなぐ

    使える電力には上限があります。

  4. ④停電が直ったら元に戻す

    自立運転モードを解除し、主電源ブレーカー、太陽光発電ブレーカーの順にオンにして、通常の運転に戻ったことを確認します。

自立運転で使える電力は、たとえばカナディアン・ソーラーは「AC100Vで最大1,500Wまで」、シャープは太陽電池パワーコンディショナで1.5kVA、一部のハイブリッドパワーコンディショナで2.0kVAとしています。使える家電の目安や、1,500Wが上限になっている理由は停電時の太陽光発電で説明しています。

発電の原理|光が電気に変わる仕組み

太陽電池は、光が当たると電気が生まれる性質(光起電力効果)を持つ半導体でできています。火力発電のように熱で蒸気をつくってタービンを回すのではなく、半導体の中で光のエネルギーが直接電気に変わります。下の図は、シリコンの太陽電池で電気が生まれる流れです。

図:シリコン半導体のPN接合による発電原理(光起電力効果)

太陽光 N型 P型 e⁻ h⁺ 電流 − + 外部回路 PN 接合

電子(e⁻・マイナス電荷) 正孔(h⁺・プラス電荷)

※N型はリンを少し加えて電子(e⁻)が多くなった半導体、P型はホウ素を少し加えて正孔(h⁺)が多くなった半導体です。2つを接合した面(PN接合)で電子と正孔が分かれます。電流は外の回路をP型側からN型側へ流れます(電子の流れはその逆向き)。

  1. 1光が当たる — シリコンが光のエネルギーを吸収する
  2. 2電子と正孔ができる — 動ける電子(マイナス)と正孔(プラス)が対でできる
  3. 3接合面で分かれる — PN接合の電界で、電子はN型側、正孔はP型側へ移る
  4. 4電流が流れる — 両側に電圧が生まれ、回路をつなぐと電流が流れる(光起電力効果)

N型とP型の半導体

太陽電池の多くはシリコンでできています。シリコンに少しだけ別の元素を加えると、性質の違う2種類の半導体ができます。

  • N型半導体:リンなどを加え、動ける電子(マイナス)が多くなったもの
  • P型半導体:ホウ素などを加え、電子が足りない「正孔」(プラス)が多くなったもの

この2つを接合した部分(PN接合)が、太陽電池で電気をつくる中心になります。

光起電力効果

PN接合に光が当たると、光のエネルギーで動ける電子と正孔が対でできます。接合部にはもともと電界があるため、電子はN型側へ、正孔はP型側へ分かれます。この偏りで両側に電圧が生まれ、外の回路をつなぐと電流が流れます。この現象が光起電力効果で、1839年にフランスの物理学者ベクレルが発見したとされています。

セルからモジュールへ

セル1枚の電圧は1Vに満たないため、多くのセルを直列につないでモジュールにし、さらにモジュールを直列につないで、パワーコンディショナーが受け取れる電圧にします。たとえばカナディアン・ソーラーのCSP55G4Lは、定格入力電圧がDC330V、入力運転電圧範囲がDC40〜450Vです。

太陽電池の種類

太陽電池は、使う材料で次のように分けられます。いま住宅用で主に使われているのは結晶シリコン(単結晶)です。

この表は太陽電池の主な種類です。
種類 特徴
結晶シリコン(単結晶) 原子が規則正しく並んだ1つの結晶のシリコンを使います。主要9メーカーの主力モデルは、すべて単結晶のN型セルです。
結晶シリコン(多結晶) 向きの違う多数の結晶が集まったシリコンを使います。
薄膜シリコン(アモルファス) 原子の並びに規則性のないシリコンを、薄い膜にして使います。
化合物系(CISなど) 銅・インジウム・セレンなどの化合物を使います。ソーラーフロンティアは国富工場でのCIS薄膜太陽電池の生産を2022年6月末をめどに終了し、結晶シリコン系のOEM調達に移行すると発表しています(出光興産 2021年10月12日)。
ペロブスカイト 薄く軽く、曲げられるものもつくれる次世代の太陽電池です。国の「次世代型太陽電池戦略」は、2040年に約20GWの導入をめざしています。

住宅用のパネルの変換効率は、主要9メーカーの主力モデルで20.7〜23.5%です。ペロブスカイトはペロブスカイト太陽電池、パネルの寿命と劣化は太陽光パネルの寿命で確認できます。

機器の構成を見積もりで確かめる

見積もりには、パネルの枚数と出力、パワーコンディショナーの機種と台数、架台、工事費が並びます。機器の役割がわかると、提案の違いを比べやすくなります。複数の販売店から見積もりを取り、同じ条件で比べてください。

住宅用で信頼できる施工会社を探す

住宅の屋根は形・向き・広さに制約があり、載せられるメーカーやパネルの枚数は家ごとに変わります。価格にも幅があり、経済産業省の集計(2025年設置)では1kWあたり平均29.0万円に対し、安いほうから3割の水準は25.6万円です(5kWなら約17万円の差)。複数社から見積もりを取り、価格と提案の中身を比べてください。以下は住宅用の見積もり窓口で、複数社をまとめて比べられる一括見積もりサイトと、販売店などから直接提案を受けられる窓口があり、いずれも無料で申し込めます。

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よくある質問(FAQ)

太陽光発電とは何ですか?
太陽の光のエネルギーを、太陽電池で直接電気に変える発電の方法です。太陽電池は、光が当たると電気が生まれる性質(光起電力効果)を持つ半導体でできています。タービンなどの回転する部分がなく、屋根に置いたパネルで発電した電気を家で使い、余った電気は電力会社に売ることができます。
太陽光発電の機器はどうつながっていますか?
屋根の太陽光パネル、パネルの配線をまとめる接続箱、直流を交流に変えるパワーコンディショナー、家の回路に電気を送る分電盤、買った電気と売った電気の量を計る電力量計(スマートメーター)の順につながり、電力会社の配電線に接続します。発電量などを表示する電力モニターを付けることもあります。
売電はどういう仕組みですか?
太陽光でつくった電気は、まず家で使われます。家で使い切れない電気は、分電盤からスマートメーターを通って電力会社の配電線へ流れ、スマートメーターがその量を計ります。この量に売電単価をかけた金額が売電収入になります。経済産業省の調達価格等算定委員会の資料では、住宅用の売電比率(発電した電気のうち売電した割合)は平均64.8%です。
パワーコンディショナーは何をしていますか?
パネルがつくった直流の電気を家で使える交流に変えます。あわせて、日射の変化に合わせてパネルから最も多く電気を取り出す制御(MPPT)、電力会社の配電線と安全につなぐための保護、停電時に専用コンセントへ電気を送る自立運転を行います。たとえばカナディアン・ソーラーのCSP55G4Lは、電力変換効率96.5%、自立運転の出力1.5kVAです。
停電のときも太陽光の電気を使えますか?
パワーコンディショナーの自立運転機能で、日が当たっている間は発電した電気を使えます。太陽光発電協会は、主電源ブレーカーと太陽光発電ブレーカーをオフにし、自立運転モードに切り替えて自立運転用コンセントに機器をつなぐ手順を案内しています。使える電力は機種によって違い(1.5kVAの機種など)、操作も機種ごとに取扱説明書で確認が必要です。
パワーコンディショナーはいつ交換しますか?
東京都の案内では、パネルの製品寿命はパワーコンディショナーより長く、パワーコンディショナーが故障しても修理や交換で太陽光発電を使い続けられるとされています。経済産業省の調達価格等算定委員会は、5kWの住宅用でパワーコンディショナーの交換を20年間に1回、費用38.4万円程度と想定しています。

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