シャープとソーラーフロンティア比較ポイント大解剖

固定価格買取制度を使って売電を考えるなら、やはり気になるのはお金のこと。ここではまず経済面に焦点を当てて2社を比較していきます。

SHARP シャープ 「NQ-256AF」 （256W・19.6%）	341,000円／kW 費用を見積る	341,000円／kW 費用を見積る
SOLAR FRONTIER ソーラーフロンティア 「SF185-S 」 （185W・15.1%）	203,500円／kW 費用を見積る	203,500円／kW 費用を見積る

表はシャープとソーラーフロンティアの最新価格相場です。ソーラーフロンティアの方が価格は割安です。なおシャープのパネルは高効率の単結晶ブラックソーラーの相場となっています。シャープの多結晶パネルで見積もりをお取りになった場合はソーラーフロンティアと同等か、少し安い相場価格となっています。

以下では屋根の大きさに応じて載せられるシャープおよびソーラーフロンティアのパネル枚数と容量を掲載しています。またそれぞれの積載容量に応じた初期費用、売電収入、10年間の収支、利回り（初期費用回収年数）を比較して掲載しています。

• 2015年6月現在の最安値相場を元に積載量に応じて計算
• 10年の収支は電気代月平均10,500円（太陽光発電設置前）の家庭を想定し、3割を自家消費した電気代削減分と、余剰の売電収入（単価33円で計算）を足したものです

ソーラーパネルが15枚程度しか載せられない小さな屋根の場合は、シャープの場合でもソーラーフロンティアの場合でも10年以内に収支を合わせるのが難しくなってきます。

日本の住宅用太陽光発電の標準的な積載容量は全国平均で4～5kWとなっています。例えばシャープの高効率単結晶ブラックソーラーで4.2kWが乗る程度が標準的な屋根と言えますが、この場合初期費用程度の経済効果が見込めると考えてよさそうです。10kW未満は余剰売電が適用されるため、積載量が増えれば増えるほど余剰で売れる電力量が多くなり、お得だと言えます。

表では積載量ごとのパネルの重さを掲載していますが、同じ枚数を乗せた場合の屋根にかかる負担はソーラーフロンティアが30～40%程度多くなります。瓦などの屋根材と比べてもソーラーパネルの重量は軽く、パネルの重さで屋根が落ちるといった心配は必要ないといわれるものの、古い建物の場合などはシャープを選択する方が無難と言えそうです。

表ではシャープの年間発電量を全国平均とされる1140kWh／kWとして計算しています。一方化合物系パネルであるソーラーフロンティアはシャープに代表される結晶型パネルと比べて1割前後多い発電量が得られることが各種実証実験で証明されているため、表でも1割多い1254kWh／kWで計算しています。

もともとキロワットあたりの単価が安いうえに出力あたりで期待できる発電量（＝売電量）が多いことは利回りの大きさに直結します。さらに結晶型と比べて経年劣化が少ないため、年を重ねるごとに発電量の差は開いていくことが予想されます。

上項ではより客観的な視点で製品の収支比較をご案内しました。次の項ではより直観的、主観的に製品を選ぶ助けとなるような比較情報をご案内していきます。

長年市場を牽引してきた歴史をそのまま実績として置き換えるなら、まだまだパネルメーカーとして若いソーラーフロンティアの実績はシャープに及びません。製品の性能（ここでは純粋にパネルの効率）と価格のバランスの良さは販売量シェアの大きさにも一役買っています。

企業の健康性の定義は人それぞれ異なるかもしれませんが、パネルの製造業者として見たとき、ソーラーフロンティアはより地に足の着いたアプローチが評価できます。シンプルな製品ラインナップは消費者を迷わせることなく、またパネルは全て国産です。日本産の品質はもとよりコストパフォーマンスの高さは今後海外市場での活躍も期待され、新しく稼働を始めた東北工場はまさに海外に向けた拠点として建設されました。

一方シャープはシェア獲得の戦略として海外製品のOEM調達という戦略を採用しています。主力のブラックソーラーに関しては国内の自社工場製造を貫いていますが、廉価品、多結晶製品は提携の海外工場から調達されており、生産国は非公開としています。

シャープとソーラーフロンティアの製品特性はそれぞれ独自で一概に比較はできず、ニーズに適した製品を選ぶことをおすすめします。

シャープの主力製品ブラックソーラーは、効率の高さ、そして台形モジュールを含む多彩な形状ラインナップを取り揃えていることで、鋭角のある小さめの屋根にもきれいに配置しながらより多くの容量を乗せられるメリットがあります。

ソーラーフロンティアは黒一色の落ち着いた色味で外観を気にする方にも多く選ばれています。価格の安さとパフォーマンスの高さは国内メーカー随一で、費用対効果を重視する方に人気の高いメーカーです。

メーカー	口コミ件数	満足度平均
シャープ	143件	4.13点
ソーラーフロンティア	78件	4.36点

客観的比較としての価格比較、主観的比較としての総合比較に加えて、最後に満足度や人気度などの比較をご案内します。ここでは主要口コミサイトに投稿された実際購入した方の評価をまとめてご案内しています。

2012年9月から2015年5月の設置レポート、口コミの投稿数および、満足度の点数を平均化したものは、右の表の通りです。シェアの大きいシャープは設置数（口コミ件数）に関してソーラーフロンティアの倍程度の設置例があることがわかります。対して満足度は5点満点中4.36点とソーラーフロンティアがリードしています。特に点数の低い評価について評価を詳しく分析すると、価格の安さや実績の長さ、選択肢が一択だったという理由からシャープを選んだものの、実際の発電量が期待ほど伸びなかったことに不満を抱いている方が少なくないことが読み取れます。

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