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エコでお得な太陽光発電は導入してみたいけど、屋根に不恰好に太陽電池がくっついたような見た目は避けたい、という時には屋根一体型がおすすめです。このページでは瓦型パネルのメーカーや価格比較をご案内しています。
屋根一体型のソーラーパネルは大きく分けて二種類あります。一つは屋根瓦の大きさに揃えたパネルを使い、瓦を敷くのと同じ要領で使う種類のパネルです。パネルメーカーから販売されている屋根一体型はほとんどがこのタイプのものになります。もう一つは標準サイズのパネルに合うようなパーツをハウスメーカーが開発し、パッケージ化して販売されるタイプの商品です。後者のタイプは、固定価格買取制度が始まった直後で産業用太陽光発電が単価優遇されていた時期に、住宅でも産業用の容量(10kW)を搭載してより多くの売電収入を得られるようにと考え出されたアイデアで、複数のハウスメーカーが競って商品化しましたが、産業用の優遇が無くなってからはこうした製品はあまり見かけなくなりました。このページでは主に、前者の製品「瓦型ソーラーパネル」を取り上げて、詳しくご案内しています。
屋根とおうちの美観を考えた時、究極の選択と言えるのが瓦型ソーラーパネルです。この他にも屋根材を使う代わりにパネルを載せることになるので、代替した分の瓦代をを浮かせることができます。
瓦と比べて軽量なため、屋根全体の重量を軽減でき、防振対策にも繋がります。
まず最初に、商品バラエティが限られており、どの家の屋根でも搭載できる訳ではないので、瓦型パネルにしたいと思ってもできないケースもあります。
また、価格が上がるのもデメリットと言えます。先ほど、「瓦代が浮くのがメリット」とご案内しましたが、大量生産ができる標準サイズのソーラーパネルと比べると高額なため、瓦代を差し引いたとしても標準的な太陽光発電よりも予算が上がるのが通常です。
パネルの発電効率も下がります。標準サイズのソーラーパネルのモジュール変換効率は近年20%前後まで上がってきていますが、瓦型のサイズは発電可能面積に対してのフレーム部分の面積が増えルため、モジュール発電効率が15%程度になります。この数字が何を意味するかと言うと、瓦型のパネルは屋根面積に対して集められる電力が少なくなります。効率が低い製品でも広い屋根に4kW以上のパネルが載るのであれば問題ないのですが、例えば瓦型のパネルを使って2kWにしかならない場合は、単価が上がってしまいます。
単価が上がっても是非瓦型であればパネルを付けたいと考える方も少なくないかもしれませんが、あまり高額すぎる買い物にならないよう、最新の太陽光最安値単価もご参照いただくといいかもしれません。
以下の表では建材型(屋根一体型)の太陽電池を販売しているメーカーとその製品・仕様を一覧にしてご案内しています。
メーカー | 型番 | 出力・効率 | サイズ(働き寸法) | 重量 |
---|---|---|---|---|
SHARP シャープ |
NU-65K5H | 65W・15.1% | 1575×361.5×30.2mm (1535×280×30.2mm) |
6.0kg |
NU-51K5H | 50.5W・14.7% | 1268×361.5×30.2mm (1228×280×30.2mm) |
5.0kg | |
KYOCERA 京セラ (ヘイバーン) |
KH78S-4E6CB | 78W・13.9% | 1833×305.1×54mm (1833×280×40.7mm) |
8.2kg |
KH65S-4E5CB | 65W・13.9% | 1527.5×305.1×54mm (1527.5×280×40.7mm) |
6.8kg | |
KH495S-4E4CB | 49.5W・13.2% | 1222×305.1×54mm (1222×280×40.7mm) |
5.4kg | |
KaneKa カネカ (VISOLA) |
E-AH420 | 42W・15% | 348.2×1039mm (280×1000mm) |
5.5kg |
シャープは切妻、寄席屋根向けに、瓦5枚分の横幅と、瓦4枚分の横幅の二種類のパネルを提供しています。適合瓦のメーカーと商品は以下のようになっています。
株式会社鶴弥の「スーパートライ110・タイプII」「スーパートライ110・FM306」「スーパートライ110・スマート」、三州野安株式会社の「FS-40」「FS-40N」「セラフラットⅢ」、東洋瓦株式会社の「アーバン40防災、新東株式会社の「CERAM-Fフラット」、株式会社山平の「YF防災」、株式会社石州川上窯業の「アルテ F」、マルスギ株式会社の「イーグルフラット」「防災フィット」、近畿セラミックス株式会社の「スーパーセラブライト」、栄四郎瓦株式会社の「ローマンLL40」「プラウドプレイン」、富士スレート株式会社の「ウッディシンプル」
京セラは屋根材一体型ソーラーパネルをヘイバーンという商品名で販売しています。ハウスメーカー限定商品となっています。
外観について特に意匠製の高い製品はカネカの薄膜型太陽電池を使った屋根材一体型パネル「VISOLA(ヴィソラ)」です。平板瓦のF40にサイズを合わせたパネルです。カネカはヴィソラの他に、ソルティレックスと言う商品名で化粧スレート瓦専用のパネルも製造しています。この製品はパネルを瓦の代わりに敷くタイプではないので、厳密には一体型とは呼ばないものの、フレームがとても薄く作られているため、一体感があるのが特徴です。
屋根材型の太陽電池は先にも申し上げたように設置条件が限られるため流通量がそれほど多くありません。そのため価格も高めになってきます。表は見積もり価格例です。
メーカー | 価格 | 容量 | 単価 |
---|---|---|---|
京セラ製瓦型パネル(ヘイバーン) (ホームメーカーで2014年見積もり) |
145万円 | 3.8kW | 38.2万円 |
シャープ製瓦型パネル (積水ハウスで2016年設置) |
222万円 | 5kW | 44.3万円 |
シャープ製瓦型パネル (積水ハウスで2017年設置) |
200万円 | 4.1kW | 48.8万円 |
10年以内に初期費用がの回収をお考えの場合は屋根材費が浮いた分を差し引いた金額で1kWあたり20万円程度まで価格交渉する必要がありますが、屋根材一体型の場合はこの価格で購入できることはほぼ不可能と考えられます。20年越しで費用が回収できる単価は33万円程度です。パネル保証は国内メーカーで15年、国外メーカーで20年が標準的ですが、20年以上稼働しているシステムも多いので、長期の投資/災害対策と考えれば、予算に余裕が感じられるかもしれません。
建材一体型のソーラーパネルと聞いて、テスラモーターズの「ソーラールーフ」を思い浮かべた方もいらっしゃるかもしれません。型破りの製品開発で並々ならぬ手腕を有するCEOのイーロンマスク氏が2016年10月に発表したこの製品は、同社の他の製品と同様メディアで多く取り上げられました。
テスラのソーラールーフは15×45インチのパネルサイズと言うこと以外に詳しい仕様はウェブサイトでに掲載されていません。主にアメリカ市場に向けた製品のようです。
ここまでは瓦型の太陽電池についてご案内してきました。以下では、見た目にはこだわりたいけど価格は抑えたい、または積載量を増やしたいといった方に向けて一体型以外の選択肢をご案内しています。
一昔前の太陽電池と言えば、上の右の写真にあるように青くて光沢があり、模様のようなものが見えるものが主流だったのではないでしょうか。この模様は多結晶型のパネル独特のものです。単結晶パネルはより均質な見た目ですが、市場が成熟する以前はまだ高価だったので安めに手に入る多結晶パネルが使われることが多かったと考えられます。
住宅用では単結晶のパネルが主流になってきているので、セルの色は黒色のものを見かける方が多くなってきていますが、セルの上にのっている電極であったり、フレームだったりが灰色やシルバーであることが多く、屋根に載っているのを見るといかにも「太陽電池」という印象は避けられません。
細かな部分に見えるかもしれませんが、この電極などが全て黒色に統一されていれば「ちょっと変わった屋根材かな」という程度まで印象を薄めることができ、おうちの美観を損なうのも避けることができます。
日本の住宅用太陽電池市場の主流メーカーで、こうした総ブラック仕様のソーラーパネルを製造しているのはソーラーフロンティアです。また、ドイツで生まれたQセルズも、主力モデルに加えてブラックフレームをラインナップに持っています。ソーラーフロンティアは国産パネルで単価が特に安いということで、人気が高いメーカーです。
鋭角のある屋根(つまり、切り妻のように長方形2枚で構成される屋根ではなく、寄棟屋根などのように三角面、台形面を組み合わせた屋根)で、形状の統一感を無くさないように設置したい、という際は、三角パネル(台形パネル)を用意しているメーカーのシリーズを使うのが良いです。
シャープのブラックソーラーや京セラのルーフレックス、三菱のマルチルーフシリーズがこうしたバリエーションを揃えています。シャープと三菱は効率の高い単結晶パネルなので、一面のみの設置でも大容量が確保できます。
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