新電力プラン比較|家庭向け主要事業者の料金・特徴を整理
このページの要点
2016年の電力小売全面自由化から10年。家庭向けには、独立系(Looopでんき・エルピオでんき)・ガス系(東京ガス・大阪ガス・CDエナジー)・通信系(ソフトバンク・au・楽天)・石油系(ENEOSでんき)・再エネ特化型(みんな電力・オクトパスエナジー)の主要事業者が選択肢として揃いました。選ぶ判断軸は「料金プラン型・セット割・再エネ比率・燃料費調整の上限有無」の4つ。家庭の使い方と既存サービス契約に合わせるとミスマッチが減ります。
家庭向け新電力は2022年の燃料価格上昇局面を経て事業者が選別され、現在は独立系の上位事業者と資本系(ガス・通信・石油)が主な選択肢になっています。単に単価だけで比較するのではなく、燃料費調整の上限有無・自分の家庭の生活スタイル・既に契約している別サービスとのセット割が組めるかも合わせて判断するのがおすすめです。このページでは料金プラン3タイプの違い、主要事業者の特徴、家庭タイプ別の選び方をご案内します。
家庭向け新電力の比較表
現在、家庭向けに販売実績のある主要事業者を、タイプ・料金プラン・セット割・再エネ比率・燃料費調整上限の5項目で整理しました。受付状況・キャンペーン条件は時期で変動するため、契約前には各社公式サイトで最新情報をご確認ください。
| 事業者 | タイプ | 料金プラン | セット割 | 再エネ比率 | 燃調上限 |
|---|---|---|---|---|---|
| Looopでんき公式 → | 独立系 | 市場連動型 | — | 約30% | なし |
| エルピオでんき公式 → | 独立系 | 従量制・段階型 | — | 非公表 | あり |
| しろくま電力公式 → | 独立系 | 従量制・シンプル単価 | — | 非公表 | あり |
| リボンエナジー公式 → | 独立系 | 基本料金0円・市場連動型 | — | 非公表 | なし |
| アルカナエナジー公式 → | 独立系 | 従量制 | — | 非公表 | あり |
| 四つ葉電力公式 → | 独立系 | 変動なしの安定単価 | — | 非公表 | あり |
| トクテンでんき公式 → | 独立系 | 特典付きの従量制 | 特典多数 | 非公表 | あり |
| リミックスでんき公式 → | 独立系 | 市場連動・基本料金0円 | — | 非公表 | なし |
| ネット電力公式 → | 独立系 | 基本料0円・市場連動 | — | 非公表 | なし |
| 東京ガスの電気 | ガス系 | 従量制・段階型 | ガスと併用◎ | 非公表 | あり |
| 大阪ガスの電気 | ガス系 | 従量制・段階型 | ガスと併用◎ | 非公表 | あり |
| CDエナジーダイレクト | ガス系 | 段階型・時間帯別 | ガスと併用◎ | 約20% | あり |
| ソフトバンクでんき公式 → | 通信系 | 従量制 | 携帯と併用◎ | 非公表 | あり |
| ソフトバンク自然でんき | 通信系 | 基本料0円・従量制 | 携帯と併用◎ | 実質100% | あり |
| auでんき | 通信系 | 従量制・Pontaポイント還元 | 携帯と併用◎ | 非公表 | あり |
| 楽天でんき | 通信系 | フラット・楽天ポイント還元 | 楽天サービス連携 | 非公表 | あり |
| ENEOSでんき | 石油系 | 従量制・2年割 | ガソリン連携 | 非公表 | あり |
| みんな電力 | 再エネ特化 | 従量制・電源指定可 | — | 実電源100% | あり |
| オクトパスエナジー | 再エネ特化 | 時間帯別・再エネ | — | 実電源100% | あり |
市場連動型は卸電力取引所(JEPX)の卸価格に応じて単価が変動するため、通常時は割安でも卸価格が上振れする局面では月額が大きく動きます。家計予測を重視する一般家庭には「段階型・従量制+燃料費調整の上限あり」のプランが選びやすい組み合わせです。一方、在宅時間を柔軟に動かせる家庭・EV所有者・電気の使い方をシフトできる家庭は市場連動型でメリットを取りやすい傾向があります。
タイプ別の特徴
独立系(Looopでんき/エルピオでんき/しろくま電力/リボンエナジー/アルカナエナジー/ネット電力)
系列のバックアップを持たず、独自の発電所や卸電力市場からの調達で運営する事業者。Looopでんき・リボンエナジーは市場連動型タイプで、Looopでんきは独立系の供給量上位事業者として市場連動型プランの代表格、リボンエナジーは基本料金0円・燃料費調整額0円のシンプルな市場連動型です。しろくま電力・アルカナエナジーは従量制・燃料費調整上限ありの安定運用タイプで、家計予測重視の家庭に向きます。ネット電力は基本料金0円のシンプル構成で、使用量が中規模の世帯がメリットを取りやすい構成です。エルピオでんきは従量制タイプですが、2022年に電力供給を一度停止したのち再開し、現在はエルピオのガス契約とのセットが中心のため、申込可否は公式サイトで要確認です。
ガス会社系(東京ガス/大阪ガス/CDエナジーダイレクト)
2017年の都市ガス自由化と相互乗り入れで、ガス・電気のセット売りが定着しました。自社の発電所・LNG調達網を持つため燃料調達が安定しており、家庭向け電力供給の主要事業者の一角となっています。都市ガス利用世帯ではセット割で月500〜1,500円の差が出るケースが多く、もっとも比較対象に入れやすい選択肢です。
通信会社系(ソフトバンク/au/楽天)
携帯料金・モバイル通信とのセット割やポイント還元で実質数千円の差を狙うタイプ。電力単価そのものの割引はガス系より控えめなことが多い一方、既に長期契約している通信サービスとの相性で総額の節約効果が出やすくなります。ソフトバンク自然でんきは基本料金0円+実質再エネ100%で、再エネ志向の家庭にも選びやすい設計です。
石油会社系(ENEOSでんき)
ENEOSホールディングスが運営する石油会社系の新電力。2年割プランで長期契約の割引が特徴です。ガソリンとのセット割という直接的な還元はないものの、EneKey等のポイント連携で実質還元が組める家庭もあります。石油精製の副産物(LNG等)を活用する自社発電を持つ点が燃料調達の強み。
再エネ特化型(みんな電力/オクトパスエナジー)
非化石証書による「実質再エネ100%」ではなく、電源トレーサビリティを公開して実際に再エネ発電所から購入する方式で運営される事業者。電源を選べる仕組み(みんな電力の「顔の見える電力」、オクトパスエナジーの再エネ電源開示)があり、環境価値を重視する家庭・RE100準拠を意識する世帯に向きます。
新電力を選ぶ4つの判断軸
家庭向けプランを比較するときに、料金単価以前に押さえておきたい4つの判断軸を整理しました。まず料金プラン型ごとに、燃料価格が動いたときの月額の振れ方が異なります。下の図は3タイプの価格特性を模式化したものです。
- 固定単価型:燃料価格が変わっても単価はほぼ動かない。家計予測が立てやすい安定型。
- 燃調 上限ありプラン:通常時は段階型と同じ動き。高騰時は基準燃料価格の1.5倍などで頭打ちし、月額の暴騰を抑える。
- 市場連動型:通常時は最安級。卸価格が跳ねる寒波・猛暑・燃料急騰の局面では単価が大きく動く。
家計予測を優先する家庭は「固定単価型」または「燃調上限あり」、変動を許容して通常時の安さを取りに行く家庭は「市場連動型」を中心に検討するのが整理しやすい入口です。続けて、料金プラン型・セット割・再エネ比率・燃料費調整の上限有無の4軸でご案内します。
料金プラン型 — 段階型/時間帯別/市場連動
- 段階型(従量制):使用量が増えると単価も段階的に上がる一般的なプラン。初心者向け
- 時間帯別:夜間が安く昼間が高いプラン。オール電化・EV所有・蓄電池併用世帯に向く
- 市場連動:JEPX卸価格連動。通常時は割安だが寒波・猛暑などで単価上振れの局面あり
セット割の相性 — 既存契約サービスとの組み合わせ
- 都市ガス契約あり → 同じガス会社の電気プラン(東京ガス・大阪ガス・CDエナジー等)
- 携帯キャリア固定 → 同系列の電気プラン(ソフトバンク・au・楽天)
- ガソリン給油の頻度が高い → ENEOSでんき+EneKey連携
再エネ比率 — 環境価値の重視度
- 実電源100%:みんな電力・オクトパスエナジー(電源トレーサビリティを公開)
- 実質100%(非化石証書付加):ソフトバンク自然でんき等
- 20〜30%水準:CDエナジー・Looopでんき等(一般プランで部分的に再エネ)
再エネ100%プラン比較とCO2排出係数で比較もご参照ください。
燃料費調整の上限有無 — 価格変動リスクの許容度
- 上限あり:燃料価格が大きく上振れする局面でも月額の振れ幅が抑えられる
- 上限なし:通常時は割安だが、燃料価格急変時には単価が想定より上がる局面あり
しくみと家計への影響は再エネ賦課金・燃料費調整で詳しくご確認いただけます。
太陽光オーナーの新電力選び(FIT中・卒FIT・蓄電池併用)
屋根太陽光を設置している家庭は、自家消費と売電という二面性を持ちます。買電プランの最適解は、FIT期間中/卒FIT後/蓄電池併用の3パターンで大きく変わります。
| 状況 | 買電プラン選び | 売電先選び |
|---|---|---|
| FIT期間中(10年以内) | 日中は自家消費でカバー。買電量が少ないため、基本料金0円系(Looopでんき・ソフトバンク自然でんき等)が有利 | FIT単価固定なので売電先は変更不可(旧大手電力に固定) |
| 卒FIT後 | 夜間・冬季の買電が増えるため、段階型+燃料費調整上限ありのセット割系が有利 | 買取単価7〜11円/kWhで各社比較可能。卒FIT電気プランを参照 |
| 蓄電池併用 | 夜間使用は蓄電池でカバー。時間帯別プランで深夜単価を活かして蓄電充電 | 自家消費優先で売電量が減るため、買取単価より自家消費による電気代削減効果が大きい |
太陽光オーナー向けの3つのコツ
- 買電プランと売電プランは別契約で組める。旧大手電力に売電しながら、買電は新電力という構成が可能。卒FITなら売電先も自由化されているため両方を最適化できる
- 時間帯別プランは「太陽光×蓄電池」で本領発揮。深夜単価が安いプラン(東京電力スマートライフS等)で蓄電池を充電 → 昼の太陽光発電と組み合わせで自家消費率を最大化
- EV所有なら時間帯別+V2Hの3点セット。EVの蓄電池を昼の太陽光余剰で充電し、夜は家庭給電へ放電。V2H見積比較とEV充電プラン比較を参照
家庭の新電力選びは、太陽光・蓄電池・EVの有無で「最適解」が大きく変わります。導入予定がある方は、まず太陽光発電の見積比較と蓄電池の経済性試算で全体収支を確認した上で新電力プランを選ぶ順序がおすすめです。
契約前に確認したい5項目
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解約違約金の有無
2年割系プランは途中解約で3,000〜10,000円の違約金が発生するケースがあります。単年契約・違約金なしのプランを選ぶと切替の自由度が確保できます。
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供給地域の確認
関東以外の地域では選べる新電力が限定されるケースがあります。各社の公式サイトで自分の郵便番号で申込可能か確認してから判断しましょう。
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スマートメーター設置
切替時にスマートメーターへの更新工事(無料)が必要な場合があります。設置済みなら工事不要で切替手続きのみで完了します。
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支払方法の対応
一部の新電力はクレジットカード払いのみで、口座振替に対応しないケースがあります。希望の支払方法に対応しているか申込前に確認しておきましょう。
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キャンペーン条件
新規加入特典は「一定期間の継続利用」「初回支払い完了」などの条件付きが多くあります。条件と特典付与時期を読み合わせて判断するのが安心です。
電気料金の見直し・新電力切替の候補
電力プランは家庭の使い方で最適解が変わります。ここでは「家計を予測しやすい安定運用」「基本料金0円・市場連動で攻める」「複数社を横並びで比較したい」の3つの典型ニーズに対応する代表的なサービスをご紹介します。
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家計予測しやすい安定型
アルカナエナジー
基本料金+3段階単価のオーソドックスな従量制で、燃料費調整には上限を設定。法人向け高圧電力で実績を積んだ事業者で、市場連動型のような単価変動リスクがなく、毎月の電気代を予測したい家庭に向きます。
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基本料金0円・市場連動の攻め型
リボンエナジー
基本料金0円・燃料費調整額0円で、使った分だけを支払う市場連動型。電力量単価は卸電力市場(JEPX)に連動して30分ごとに変動するため、安い時間帯に洗濯機・食洗機・EV充電を寄せられる家庭ほど割安になります。市場が高騰する時間帯は単価が上がる点には注意が必要です。
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複数社を横並びで比較したい
エネチェンジ
郵便番号と現在の使用量を入れるだけで、対応エリアの主要プランの年間削減額が10分程度で試算できます。固定単価型・燃調上限あり・市場連動型を一覧で比較でき、ガス・通信とのセット割もまとめて確認可能です。
もっと多くの電力会社を比較したい方へ
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独立系・ガス系・通信系・石油系・再エネ特化型をタイプ別に整理。料金プランの3タイプ、セット割、再エネ比率、燃料費調整の上限有無で横並びに比較できます。
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各タイプの代表事業者を並列展示・シミュレーション活用法・申込手順までを段階的にご案内します。
よくある質問
- 新電力に切り替えても電気は止まらないですか?
- 電気を運ぶ送配電網は地域の大手電力会社が引き続き管理するため、新電力に切り替えても電気は止まりません。新電力が事業を終了した場合も、契約は自動的に経過措置料金(旧大手電力の標準プラン)に移行するセーフティネットがあります。切替に伴う停電や工事もありません。
- 市場連動型と上限ありプランはどう違いますか?
- 市場連動型は卸電力取引所(JEPX)の卸価格に応じて単価が変動するプランで、通常時は安価ですが、寒波・猛暑などで卸価格が上振れする局面では単価が大きく動きます。上限ありプランは燃料費調整額に上限を設けるプランで、燃料価格が高騰しても単価の振れ幅が抑えられます。家計予測を重視する家庭は上限ありプランが選びやすい構造です。
- セット割は本当にお得ですか?
- ガス・携帯・ガソリンなど既に契約している別サービスとセットにすると、月500〜1,500円程度の割引や還元になるケースが多く見られます。料金プラン単体より総額の節約効果が大きいことが多いため、すでに契約しているインフラとセット可能かを確認してから選ぶのがおすすめです。
- 新電力の解約違約金はかかりますか?
- プランによって異なります。2年割や長期契約プランは途中解約で3,000〜10,000円程度の違約金が発生するケースがあります。一方で多くの単年契約プランは違約金なしで切替可能です。契約前に「契約期間」と「途中解約時の違約金」を確認しましょう。
- 再エネ100%プランは本当に再エネ電気を使えますか?
- 「実質再エネ100%」と「実電源再エネ100%」の2種類があります。前者は非化石証書で環境価値を付加する方式で、物理的には系統電力を使います。後者は電源トレーサビリティを公開し、実際に再エネ発電所から購入する方式で、みんな電力・オクトパスエナジー等が該当します。詳細は再エネ100%プラン比較でご確認いただけます。
- 太陽光発電を設置していますが、新電力選びで気をつけることは?
- FIT期間中・卒FIT後・蓄電池併用で最適解が変わります。FIT期間中は買電量が少なくなるため基本料金0円系プラン、卒FIT後は夜間・冬季の買電が増えるため段階型+燃料費上限ありプラン、蓄電池併用なら時間帯別プランで深夜単価を活かす設計がそれぞれ有利です。詳しくは本ページ内の太陽光オーナーの新電力選びセクションをご確認ください。




