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卒FITの要点
2019年11月以降、住宅用太陽光(10kW未満)のFIT買取が順次終了し、現時点で累計100万件超が「卒FIT」状態です。2026年の主要事業者の卒FIT買取単価は7〜11円/kWhに分布。日中の在宅率が低い家庭は売電継続が無難ですが、蓄電池やV2Hを併用した自家消費のほうが経済的に有利になるケースが増えています。住宅条件別の最適解を整理します。
住宅用太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)は2019年11月から順次満了を迎え、買取単価は42〜48円/kWhの高額期間から、7〜11円/kWhの卒FIT期間へ大きく下落しました。卒FIT後の選択肢は (1) 別事業者へ売電継続、(2) 蓄電池・V2Hを導入し自家消費比率を上げる、(3) 売電を諦め購入電力のみにする──の3つ。在宅時間・蓄電池予算・EV保有計画など家庭の前提条件で最適解は変わります。
「卒FIT」は固定価格買取制度(FIT)の買取期間(住宅用10kW未満は10年間)を満了した状態を指します。2009年11月にスタートした余剰電力買取制度が2012年7月のFIT制度に引き継がれ、2019年11月から最初の卒FIT世帯が発生。それ以降、毎年累積で増え続けています。
2009〜2014年に設置した家庭は買取単価が42〜48円/kWhと高額でした。10年経過で単価は7〜11円/kWhへと約1/5以下に下落。年間売電収入が10〜20万円→3〜6万円程度に減ることになるため、家計戦略の見直しが必要になります。
住宅用10kW未満:10年間(卒FIT後は事業者選択制)
住宅用10kW以上 50kW未満:20年間(2032年以降に卒FITが本格化)
産業用50kW以上:20年間
本ページは10kW未満(住宅用)の卒FITを対象に解説します。
現時点の家庭向け卒FIT余剰電力買取単価を、事業者カテゴリ別のレンジで整理します。プラン契約条件や地域で単価が変動するため、具体的な事業者名・最新単価は比較サイト等で必ず確認してください。
| 事業者カテゴリ | 買取単価レンジ (円/kWh・税込) |
主な特徴 |
|---|---|---|
| 大手電力会社(旧一般電気事業者) | 7.00〜8.50 | 全国対応・手続き簡易・FIT満了時の自動移行先になりやすい |
| 大手都市ガス系の電力プラン | 9.50〜11.00 | ガス契約とのセットで上乗せ。家庭向けで最高水準のレンジ |
| 石油系・元燃料商社系の新電力 | 10.00〜11.00 | 全国対応・EV充電プランとセット契約できる事業者あり |
| 独立系・市場連動型の新電力 | 8.50〜10.50 | 同社の電気購入プランと組み合わせ前提・条件次第で上乗せ |
| 再エネ専業の新電力 | 9.00〜11.00 | 再エネ100%プラン契約とセットで上乗せ・電源開示型もあり |
※レンジは現在の家庭向け代表値。プラン条件・地域・契約期間で変動します。具体的な事業者名・最新単価は比較シミュレーション等で確認してください。
同じ余剰電力でも、大手電力会社の7円台と都市ガス系・石油系の11円では年間売電量3,000kWhの場合年間1.2万円の差。10年単純合計で12万円の差になります。電気契約とのセット割の組み合わせを含めて検討する価値があります。
卒FIT後は「7〜11円/kWh で売電」と「電力会社から26〜32円/kWhで購入する電力を太陽光で代替」を比較します。後者の方が3〜4倍の価値があるため、自家消費に回せるなら自家消費が圧倒的に有利です。
① 日中の在宅率
共働き・日中不在の家庭は太陽光発電を消費しきれず売電が中心。逆に在宅勤務・高齢世帯は自家消費比率を上げやすい構造です。
② 蓄電池の有無
蓄電池があれば昼の余剰を夜間の自家消費に回せ、自家消費比率は40%→70〜80%へ上昇します。
③ EV/V2Hの予定
EVを所有または導入予定なら、V2H併用で「太陽光→車→家」の自家消費循環が組めます。
④ パネルの劣化と寿命
10年経過したパネルは年0.5%程度の出力低下。残存20年で発電量は90%程度を想定。蓄電池新規投資の費用対効果は残発電量で見ます。
2026年の住宅用蓄電池の初期費用は100〜180万円(容量5〜10kWh・工事込み)。卒FIT世帯への補助金(DR補助金・自治体補助金)を組み合わせれば実質負担を30〜70万円下げられるケースがあります。蓄電池の主流容量や価格レンジは蓄電池総合情報サイトで詳細比較できます。
EVを所有していれば、蓄電池の代わりにV2H(Vehicle to Home)で同等の効果が得られます。車両のバッテリー容量は40〜60kWhと住宅用蓄電池の5〜8倍あり、停電時の長時間バックアップにも対応できます。V2H機器は40〜90万円(補助金後)で導入可能。EVを既に持っているなら蓄電池より費用対効果が高いケースが多くなります。
卒FIT後の売電先切替は工事不要で完了します。STEP1〜3の流れを把握しましょう。
FIT満了の3〜6ヶ月前に、現在の買取事業者(多くは旧一般電気事業者)から書面で通知が届きます。通知を受け取らない場合も10年経過で自動的に「特定卸供給契約」へ移行され、低単価で買取が継続される会社が多いため放置は損です。
本ページの買取価格比較を参考に、契約中の電気プランとのセット可否・買取単価・契約期間(1年/3年/無期限)を比較。新買取先のWebサイトから申込書を取得し、必要書類(FIT認定通知書のコピー・売電量明細書)を返送します。
新買取先から「切替完了通知」が届けば手続き完了。スマートメーター経由の自動切替で工事も停電もなく切替日から新単価が適用されます。所要期間は申込から1〜2ヶ月が目安です。
① 共働き+日中不在+蓄電池なし
→ 売電継続が無難。買取単価が高い「都市ガス系」「石油系」プランへ切替検討。電気契約とのセット割を組み合わせる。
② 在宅勤務/高齢世帯+蓄電池なし
→ 蓄電池導入を検討。自家消費比率を上げて購入電力を減らすのが最も経済的。補助金活用で投資回収15〜20年が現実的。
③ EV所有+V2H未導入
→ V2H導入が最有力。蓄電池より費用対効果が高く、停電時バックアップも長時間に。CEV補助金で実質負担を半減。
④ EV購入予定あり+資金潤沢
→ EV+V2H+再エネ100%プラン契約のフルスタック構成。電気代と環境価値の両立が可能。
⑤ パネル老朽化(15年以上経過)+出力低下
→ パネル更新検討も視野に。出力40%以下なら新規設置と同等の見直しが必要。太陽光の売電制度を参照。
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