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このページではミネラルウォーターの定義や基準をおさらいしたうえで、ミネラルウォーターの安全性についてや水道水との比較、ミネラル成分の解説などをご案内しています。毎日何気なく飲むお水をお気に入りの天然水に変えてみませんか?
日本ミネラルウォーター協会によると"平成元年(1989年)から平成24年(2012年)までの23年間で27倍あまりに拡大"しているというミネラルウォーター市場。単にミネラルウォーターといってもちょっとした製造方法や原料などの違いで定義や基準が異なります。ここでは農林水産省のガイドラインに基づいてそれぞれの定義の違いをまとめています。
農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」によると、飲用に的した水(硬度とpH値を除く、水道法第4条に適合する水)を容器に詰めて販売する場合、以下の定義に従い「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」「ボトルドウォーター」の4つのうちどれかを品名として記載する必要があります。
「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」の定めるところのナチュラルウォーターとは、単独の地下水源から採水された原水のみを原料とした飲用水を指します。お水の処理工程は沈殿、ろ過、加熱殺菌以外の方法を取らないものを指します。
ナチュラルウォーターのうち採水地にたどり着く過程で地層のミネラルをふんだんに溶解した水をナチュラルミネラルウォーターといいます。実際、市販されている飲料水の大半はナチュラルミネラルウォーターとして品名表示されています。ミネラルの溶解量や硬度、成分バランスなどはそれぞれ異なります。(各商品のミネラル成分については以下の比較表をご参照ください。)
ナチュラルミネラルウォーターを原水とし、ミネラル調整やばっ気(曝気)と言われる空気による浄化を行ったもの、また水源の異なるナチュラルミネラルウォーターを混ぜているものなどはミネラルウォーターとして表示されます。
ボトルドウォーターは基本的に以上3つ以外のものに対して表示されます。ボトルドウォーターの代わりに「飲用水」と記載される場合もあります。以上の3つの水源は地下水と定められていますが、ボトルドウォーターの関しては水源の指定は無く、河川や海から採水した水を使用したものもあります。また浄化方法に関しても基準を定めていません。
ボトルドウォーターとして販売されている水は多種多様で、水道水をそのままボトリングして販売しているものから アルカリイオン水などのように独自の水質を売りにしているものや、逆浸透膜のような浄化装置を利用して残留塩素とともにミネラル分も除去した RO水(赤ちゃんの調乳などで使うことが多い)などがあります。
類義語として天然水という呼び方があります。三省堂の大辞林によると地下水を濾過・沈殿・加熱殺菌の方法だけで処理した水とされており、そこにはボトルドウォーターも含まれるとされていますが、上述にようにボトルドウォーターの水源は地下水以外でもありうるため、農林水産省の定義とは矛盾しています。
一方実用日本語表現辞典では厳密な定義はないとしたうえでしばしば水道水と対比的に用いられ、ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターなどとほぼ同義としており、こちらの説明の方がより私たちの感覚に近いといえます。
イメージや響きの良さから飲料水の商品名として使われていることが多いものの、「天然水」という名前が何らかの品質を保証するものではないことは頭の片隅に入れておきたいです。
仮に水道の蛇口から提供される水道水をボトルに入れて販売する場合は「ボトルドウォーター」として品名表示されることになります。ミネラルウォーター(ナチュラルウォーター、ナチュラルミネラルウォーターも含む)との違いは採水地と処理方法で、日本の水道水は主に河川などを原水とし、塩素処理によって殺菌を行い、水道管を通して提供されています。(水道水の有害物質と水質基準を参照)
塩素自体は必須ミネラルにも含まれており(次項を参照)摂取自体に問題はありませんが、溶存量が多いためにカルキ臭などが気になる方も多く、また健康状態によっては身体に悪影響をもたらす可能性が否定できないのは確かです。特に残留塩素と有機物が化学反応を起こして生成されるトリハロメタンのような発がん物質は問題視されています。
一方で、私たちの多くは部活で流した汗で失った水分を補うために冷たい水道水を蛇口からそのまま飲んでいた思い出を持っていると思います。ナチュラルミネラルウォーターの販売量が増えるにしたがって、「水道水=安全でない、おいしくない」というようなイメージが強まってきていることを危惧した各地の水道局は浄水場で処理したお水をボトルドウォーターとして販売し、イメージアップに努めています。
基本的にはナチュラルミネラルウォーターも水道水も含有ミネラルに大差がないことを考えれば、健康のためにとりあえず水道水をミネラルウォーターに変えればいいというより、その方の味覚や生活スタイルに応じたお気に入りのお水を取り入れる方が満足感は高くなるのではないでしょうか。
ミネラルウォーターというからにはたくさんのミネラルが摂取できるのだろうと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、市場で販売されている多くのナチュラルミネラルウォーターに含まれるミネラル成分はナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウムが主で、これは水道水に含まれるミネラルと変わりません。この4大ミネラルの含有量とバランスで水の味や硬度が変わります。
他に必須ミネラルの中で鉄や亜鉛を含む天然水なども販売されています。また必須ミネラルではありませんがバナジウムやゲルマニウム、シリカなどを含有していることを売りにするナチュラルミネラルウォーターもあります。またお水にミネラルを添加することでサプリメントの要素を加えたボトルドウォーターもあります。
以下では市販されている主なナチュラルミネラルウォーターとボトルドウォーター、そして比較として倉敷市の水道局が公開していた水道水のミネラル成分を一覧にしています。
100mlあたり | Na(mg) | Ca(mg) | Mg(mg) | Ka(mg) | 硬度(mg/L) | ph | 品名 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
いろはす(コカ・コーラ) | 1.20 | 0.95 | 0.30 | 0.10 | - | - | NM※ |
南アルプスの天然水(サントリー) | 0.4~1.0 | 0.6~1.5 | 0.1~0.3 | 0.1~0.5 | 30 | 7 | NM |
奥秩父の天然水(サントリー) | 1.00 | 1.00 | 0.00 | 0.00 | 10 | 9.1 | NM |
エビアン | 0.70 | 0.80 | 2.60 | - | 304 | 7.2 | NM |
クリスタルカイザー | 1.13 | 0.64 | 0.54 | - | 38 | 7.6 | NM |
ボルヴィック | 1.16 | 1.15 | 0.80 | 0.62 | 60 | 7 | NM |
龍泉洞の水(岩泉産業開発K) | 0.23 | 3.52 | 0.22 | 0.03 | 96.8 | 7.6 | NM |
雪山しずく(ゴールドパック) | 1.30 | 0.50 | 0.20 | 0.04 | 21 | - | NM |
富士山のバナジウム天然水(アサヒ飲料) | 0.31~0.62 | 0.75 | 0.26 | 0.05~0.16 | 29 | - | NM |
温泉水99(エスオーシー) | 5.00 | 0.05 | 0.01 | 0.08 | 1.7 | 9.5-9.9 | NM |
ヴィッテル | 0.73 | 9.10 | 1.99 | 0.50 | 315 | 7.8 | NM |
コントレックス | 0.94 | 46.8 | 7.45 | 0.28 | 1468 | 7.4 | NM |
アルカリイオンの水(キリン) | 0.80 | 1.30 | 0.64 | 0.16 | 59 | 8.8-9.4 | B |
miu(ダイドー) | 1.70 | 0.60 | 1.80 | 0.90 | 80 | 6 | B |
さっぽろの水 | 0.90 | 0.94 | 0.35 | 0.11 | 38 | - | B |
(比較)倉敷市の水道水 | 1.67 | 1.96 | 0.45 | 0.24 | 67.9 | 7.4 | - |
ご覧の通り4大ミネラルの含有量や比率は製品ごとに全く異なり、品名がミネラルウォーターかそうでないかでそのお水のミネラル成分の質が分かるものでは決してないことが分かります。
ミネラルには100種類以上の種類がありますが、そのなかで人体の機能維持や調節に欠かすことのできないミネラルは必須ミネラルと呼ばれています。中でも「主要ミネラル」7種類と「微量ミネラル」9種類に分かれており、微量ミネラルは1日の摂取量が100mg以下と定められています。
以下では主要ミネラルや微量ミネラルの主な働きを一覧表にしています。
主要ミネラル | 効果や働き |
---|---|
ナトリウム | 体内の水分の調整や、PH(ペーハー)を正常に保ち、筋肉や神経の伝達などの働きを正常に保つ。 |
マグネシウム | 血管収縮、硬化の抑制、血圧や血糖値を下げることにより、疾患を予防する。 |
カリウム | 脳や心臓、筋肉などの神経組織の収縮活動を正常に保つ。 |
カルシウム | 骨や歯をつくる細胞の形成やビタミンやミネラルの代謝、精神の安定。 |
リン | DNA(核酸)の構成や脳や神経、細胞の機能を維持、骨や歯をつくる細胞の形成。 |
硫黄 | アミノ酸やビタミンB1の構成要素のうちで、毛・爪・皮膚などの細胞分裂や成長発育の維持。 |
塩素 | 胃液を作る機能や調整の維持や肝機能の代謝促進。 |
微量ミネラル | 効果や働き |
クロム | インシュリンの活性化し体内の糖質・脂質・コレステロールの代謝を助けることで糖尿病や成人病予防につながる。 |
マンガン | 骨や歯をつくる細胞の生育促進や糖や脂質の代謝。 |
コバルト | ビタミンB12の生成や、ヘモグロビンを作ることによって造血を助ける。 |
セレン | 体内の抗酸化作用や女性ホルモンのバランスを整える、ビタミンEの活性。 |
モリブデン | 体内の糖質や脂質の代謝の促進、体内の鉄分利用を高める。 |
ヨウ素 | 甲状腺ホルモンのを合成。 |
鉄 | 赤血球のヘモグロビンを作る働きや酸素を肺に取り入れる、筋収縮の代謝を助ける。 |
銅 | 銅は骨の形成や血液中の鉄分の働きを助ける。 |
亜鉛 | 新陳代謝を高める、タンパク質の合成の促進、抗酸化作用、免疫力を高める、アルコールの分解代謝の促進など。 |
シリカ | 肌の保湿、骨、毛髪、爪、コラーゲンなどの再生・構築・補強・維持をサポート。 |
これらの必須ミネラルを普段の食事で摂取することは免疫力の向上や体調管理にとても重要と言えます。バランスのとれた食生活はこうした必須ミネラルを過不足なく摂取するに非常に有効と言えるものの、忙しい毎日を送りながら栄養管理にまで気を使うのはなかなか難しいものです。
ミネラルウォーターの安全基準は食品衛生法であり、水道水までの厳格な基準はありません。水質や水源の管理は生産者、そして輸送時の管理は輸送時の管理者に委ねられているのが実情です。
また食品衛生法施行規則及び食品、添加物等の規格基準第三、五の(三)には「泉源地、採水地の環境保全含め衛生確保には十分配意するよう指導されたい」とあることからも、生産者または管理者のモラルに委ねられていることがわかります。
中には、加熱・殺菌処理されていないミネラルウォーターもあり、海外から輸入されたミネラルウォーターのボトル中にカビが発見され数十万本回収されたということや、国内のミネラルウォーターにもカビやプラスチックが見つかり回収されたということもありました。また、国内のミネラルウォーターの採水地付近に工場廃液の不法投棄などの騒ぎもありました。
ミネラルウォーターは人里離れた山の中に採水地があると思われがちですが、全てではないにせよ輸送費のコストの面からもボトリングする工場近くや、人口密集地に採水地を設けているメーカーも少なくないのです。
ミネラルウォーターを購入するときは、採水地や採水地周辺を調べることもときには必要となります。