2016年2月23日

水素で後遺症を軽減 心停止の患者

2月20日のNHKニュースで、水素ガス吸引治療研究が始まるニュースが流れました。

慶応大学病院や香川大学病院、熊本大学病院など全国12の医療機関で心停止状態になった患者に水素ガスを吸わせることで、寝たきりになるなどの後遺症を減らそうという臨床研究が始めることになりました。

これまで慶応大学では、脳梗塞や心筋梗塞に対し、水素ガスを吸入させながら詰まった血管を広げて血流を再開通させると、臓器の組織障害の進行を抑制することをラットやイヌを用いた実験で明らかにしています。2014年には心肺停止後に蘇生され心拍が再開したラットに水素ガス吸入によって、生存率や脳機能低下を改善することを発見しています。

心停止状態で病院に運ばれる患者は、毎年13万人もいます。回復しても脳のダメージにより後遺症が残ることも少なくないそうです。
臨床研究では心停止状態となった患者に水素ガスを吸わせ、安全性と効果を確認し、早ければ3年後には医療現場で実際に使えるようにしたいとしています。
慶応大学病院の堀進悟救急科診療部長は、「単に命を救うだけではなく社会復帰させるのが医療の目的であり、水素ガスの利用でそうした人を増やせる可能性があると考えている」と述べています。

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