高くなった電気代の見直し方|5つの原因と効果が大きい削減策
このページの要点
電気代が高くなる原因は5つあります。①燃料費調整額、②再エネ賦課金、③契約アンペアが大きすぎる、④家電が古い、⑤プランと暮らし方が合っていない。①②は家庭で避けられませんが、③〜⑤は見直せます。たとえば東京電力の従量電灯Bで40Aを30Aにすると基本料金は年約3,740円下がり、資源エネルギー庁の試算では、暖房の設定温度を21℃から20℃にすると年約1,650円、白熱電球1灯を電球形LEDランプにすると年約2,880円の節約になります。季節の影響と、『今月だけ急に高い』ときの切り分け5ステップもあわせて整理します。
『電気代が高くなった』と感じる背景は一つではありません。世界情勢で決まる燃料費調整額、国の制度で決まる再エネ賦課金、家庭で見直せる契約・家電・プランのそれぞれに分けて考えると、何から手を付けるべきかが見えてきます。燃料費調整・賦課金は変動要因として理解しつつ、家庭で直接見直せる3項目を優先するのが現実的です。
原因① 燃料費調整額(月次変動の主因)
電気代の明細にある『燃料費調整額』は、火力発電の燃料(LNG・原油・石炭)の輸入価格を3〜5か月前の平均で月次反映する仕組みです。世界情勢で大きく変動するため、家庭側の使用量が同じでも月額が変わります。
| 時期 | 燃料費調整額の傾向 | 背景 |
|---|---|---|
| 2022年 | 大きく上昇 | LNG・石炭の輸入価格が過去最高水準に |
| 2023年1月〜2024年5月使用分 | 国の値引きで燃料費調整単価から差し引き | 電気・ガス価格激変緩和対策事業(家庭向けは1kWhあたり最大7.0円) |
| 2023年6月 | 東京電力など大手電力の一部が規制料金を改定 | 東京電力は燃料費調整の基準となる平均燃料価格を1kLあたり86,100円に設定。電力量料金の単価も改定 |
| 2025年〜2026年 | 東京電力の規制料金ではマイナス(差し引き)が続き、2026年夏以降は差し引き幅が縮小 | 国の値引き支援を除いて1kWhあたり−5.33〜−7.72円(2025年1月分〜2026年11月分)。夏と冬は国の値引き支援が上乗せ |
燃料費調整額への対策
- 大手電力会社の『規制料金プラン(従量電灯B等)』は燃料費調整額に上限あり。自由化料金は上限なしの場合があるため契約内容をご確認ください
- 新電力には、燃料費調整のほかに市場価格に連動する調整費がかかるプランもあります。調整費の仕組みを確かめてから選ぶのが確実です
- 詳細は燃料費調整額のしくみでご確認いただけます
原因② 再エネ賦課金(年度ごとに改定)
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、太陽光・風力などの買取費用を全電気利用者で按分する仕組みです。FIT制度開始から年々上昇を続けています。
| 年度 | 賦課金単価(円/kWh) | 月400kWh家庭の負担 |
|---|---|---|
| 2020年度 | 2.98 | 約1,192円/月 |
| 2021年度 | 3.36 | 約1,344円/月 |
| 2022年度 | 3.45 | 約1,380円/月 |
| 2023年度 | 1.4 | 約560円/月 |
| 2024年度 | 3.49 | 約1,396円/月 |
| 2025年度 | 3.98 | 約1,592円/月 |
| 2026年度 | 4.18 | 約1,672円/月 |
出典:資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(2026-10-06 参照)
賦課金は全電力会社・全プランで同一のため、プラン切替で回避することはできません。対策は『使用量そのものを減らす』しかなく、省エネ家電への更新と太陽光自家消費が有効です。
原因③ 契約アンペアが大きすぎる
アンペア制のプランでは、基本料金は契約アンペア(A)で決まります。実際に同時に使う電力を超える契約をしていると、基本料金を余分に払っていることになります。
| 契約 アンペア | 基本料金の目安 東京電力EP | 同時使用可能な機器の目安 |
|---|---|---|
| 30A | 935円 | エアコン+電子レンジ+ドライヤー等 |
| 40A | 1,247円 | 上記+もう1系統 |
| 50A | 1,559円 | 大家族向け |
| 60A | 1,870円 | オール電化向け |
- アンペア制は北海道・東北・東京・北陸・中部・九州の各電力の従量電灯B。関西・中国・四国・沖縄の各電力の従量電灯(関西・中国・四国は従量電灯A)は最低料金制のため、アンペア別の基本料金はありません。
- 出典:各電力会社公式(従量電灯B/A 等の標準プラン)(2026-10-01 参照)
東京電力の従量電灯Bでは、40Aを30Aに下げると基本料金が年約3,740円、60Aを40Aに下げると年約7,480円下がります。同時に使う家電が多いとブレーカーが落ちるため、実際の使い方で判断します。なお関西・中国・四国・沖縄の各電力の従量電灯は最低料金制で、アンペアの契約はありません。
原因④ 家電が古い
家電の省エネ性能は年々上がっています。資源エネルギー庁は、今どきの冷蔵庫は10年前と比べて約15〜24%、エアコンは約13%の省エネとしています。買い替えたときの年間消費電力量の差の目安は次のとおりです。
| 家電 | 年間消費電力量 | 電気代の差/年 (31円/kWh換算) |
|---|---|---|
| 冷蔵庫 (定格内容積451〜500L) |
2015年 320〜360kWh → 2025年 272kWh | 約1,490〜2,730円 |
| エアコン (冷房能力2.8kWクラス) |
2015年 891kWh → 2025年 774kWh | 約3,630円 |
| 照明 (1灯) |
白熱電球54W→電球形LEDランプ7.5W(年2,000時間)で年93.00kWhの節約/蛍光灯器具68W→LED照明器具34Wで年68.00kWhの節約 | 約2,880円/約2,110円 |
- 出典:資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」「機器の買換で省エネ節約」(冷蔵庫・エアコンは一般財団法人 家電製品協会「2026年度版スマートライフおすすめBOOK」(資源エネルギー庁「機器の買換で省エネ節約」に掲載))、同「無理のない省エネ節約」(照明)。エアコンは冷暖房兼用・壁掛け形・冷房能力2.8kWクラス(2015年は平均、2025年は省エネタイプ)の比較で、2015年と2025年では測定の基準(JIS)が違います
- 年間消費電力量は決められた条件で測った目安で、実際の使い方で変わります
照明は1灯ごとに取り替えられ、白熱電球や蛍光灯を使い続けている場所から替えると効果が出やすくなります。冷蔵庫・エアコンは本体の買い替えが必要なため、故障や寿命のタイミングで省エネ性能の高い機種を選ぶのが現実的です。
原因⑤ プランとライフスタイルの不一致
昔の契約のまま見直しをしていないと、現在のライフスタイルに合っていないプランで余計に払っているケースがあります。ライフスタイル別の向き不向きを整理しました。
| ライフスタイル | 合うプラン | 合わないプラン |
|---|---|---|
| 夜遅く帰宅・朝は早い | 夜間割引型(おトクなナイト、はぴeタイム-R等) | 従量電灯(時間帯一律) |
| 日中在宅・ 使用量が多い |
オール電化/ガスセット割 | 市場連動型(昼間単価が上振れしやすい) |
| EV所有 | EV向け深夜プラン | 昼夜同単価 |
| 太陽光設置済み | 昼間高単価/夜間安価のプラン | 従量電灯(時間帯一律) |
時間帯別プランの具体的な単価は夜間電気料金プラン比較、新電力のプランの違いは新電力プラン比較、東京電力エリアの使用量別の月額は新電力の料金ランキングでご確認いただけます。
冬・夏に高くなる季節要因
冷暖房を使う冬と夏は、春や秋より電気の使用量が増えます。検針票で『冬・夏だけ急に高い』と感じるのはこのためです。
冬の電気代が特に高くなる理由
冬に電気使用量が増える4つの要因
- 暖房に多くの電気を使う:外気温と室温の差が大きく、エアコン暖房に多くの電気を使う。電気ストーブ・電気こたつ・電気カーペットを併用するとさらに増える
- 給湯の負担増:水温が低く、お湯を沸かすエネルギーが増える。追い炊きの回数も増えやすい
- 照明を使う時間が長い:日が短く、夕方から照明を点ける時間が長くなる
- 在宅時間が長い:寒さで外出を控えると、テレビ・暖房・給湯すべての使用が増える
季節の対策と節約の目安
資源エネルギー庁が公表している、冷暖房まわりの省エネ行動ごとの年間の節約量です。
| 省エネ行動 | 電気の節約量/年 | 節約額の目安/年 |
|---|---|---|
| 冷房の設定温度を27℃から28℃に (外気温度31℃・エアコン2.2kW・1日9時間) |
30.24kWh | 約940円 |
| 暖房の設定温度を21℃から20℃に (外気温度6℃・エアコン2.2kW・1日9時間) |
53.08kWh | 約1,650円 |
| 冷房を1日1時間短く (設定温度28℃) |
18.78kWh | 約580円 |
| 暖房を1日1時間短く (設定温度20℃) |
40.73kWh | 約1,260円 |
| エアコンのフィルターを月1〜2回掃除 (目詰まりしたエアコン(2.2kW)との比較) |
31.95kWh | 約990円 |
| 電気カーペットの設定を「強」から「中」に (3畳用・1日5時間) |
185.97kWh | 約5,770円 |
| 電気こたつの設定を「強」から「中」に (1日5時間) |
48.95kWh | 約1,520円 |
- 出典:資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」「無理のない省エネ節約」。節約額は31円/kWhで計算(資源エネルギー庁の掲載の金額も1kWhあたり31円で計算されています)
冷房時はレースのカーテンやすだれで日差しを遮り、暖房時は厚手のカーテンを使って窓からの熱の出入りを減らすと、冷暖房の効きがよくなります。扇風機やサーキュレーターで空気を回すのも効果的です。
『今月だけ急に高い』時の切り分け5ステップ
先月と比べて急に電気代が上がったときは、検針票を手元に用意して上から順にチェックすると原因を絞り込めます。
| STEP | 確認項目 | 判定方法 |
|---|---|---|
| 1 | 検針期間の日数を比較 | 検針期間の日数は月によって違います(例:先月28日・今月33日)。1日あたりの使用量に直して比べます |
| 2 | 燃料費調整単価の変動 | 明細の『燃料費調整額』欄を前月と比べます。国の値引き支援が始まる月・終わる月は、単価が大きく動きます |
| 3 | 前年同月と比較 | 前年の同じ月と比べて、季節の影響か、その月だけの原因かを切り分けます |
| 4 | 家族構成・在宅時間の変化 | 子供の長期休み・在宅勤務・帰省客等で在宅時間が増えていないか。スマートメーター連携アプリで時間帯別を確認できます |
| 5 | 家電の不調 | 古い冷蔵庫の冷却の低下・エアコンのフィルターの目詰まり等で消費電力が増えることがあります(フィルターの掃除で年31.95kWhの節約=資源エネルギー庁の試算) |
5ステップで原因が特定できない場合は、電気料金プラン自体の見直しを検討します。下がるかどうかは使用量とプランの料金で決まるため、同じ使用量で月額を比べるのが確実です。
主な対策と効果の目安|5つの対策
費用が小さく、すぐ取り組めるものから並べると、家庭で取り組む順番が見えてきます。
| 対策 | 効果の目安 | 費用 |
|---|---|---|
| 電気料金プランの見直し | 使用量とプランの料金で変わる(同じ使用量の月額で比べる) | 申込みのみ |
| 契約アンペアの見直し | 東京電力の従量電灯Bで40A→30Aなら年約3,740円 | 電力会社に申し込む |
| 照明のLED化 | 白熱電球1灯を電球形LEDランプにすると年約2,880円 | 電球・照明器具の購入費 |
| 古い冷蔵庫・ エアコンの買い替え |
2015年と2025年の機種の比較で、冷蔵庫は年約1,490〜2,730円、エアコンは年約3,630円 | 本体の購入費 |
| 太陽光+蓄電池 | 発電量・使い方で大きく変わる | 太陽光5kW+蓄電池約10kWhのセットで247.4万円(取引実績の平均) |
- 照明・冷蔵庫・エアコンの金額は、上の表と同じ資源エネルギー庁の掲載資料の電力量に31円/kWhを掛けたもの
- 太陽光+蓄電池の費用は、セットで導入した取引の平均(ソーラーパートナーズが公表している2025年1〜12月の取引実績の平均(税込・2026年8月更新)・工事費込み)
費用がかからず最初に取り組みやすいのは、電気料金プランと契約アンペアの見直しです。太陽光+蓄電池は費用が大きく、効果は屋根の条件と電気の使い方で変わります。設置容量ごとにどれだけ下がるかは太陽光発電による電気代の削減額で容量別・20年累計の試算をご確認いただけます。
電気料金の見直し・新電力切替の候補
電力プランは家庭の使い方で最適解が変わります。ここでは「市場価格の高騰に左右されにくい料金」「基本料金0円・市場連動で攻める」「複数社を横並びで比較したい」の3つの典型ニーズに対応する代表的なサービスをご紹介します。
-
市場連動の調整費がない型・全国対応
オクトパスエナジー
英国大手 Octopus Energy と東京ガスの合弁会社が運営し、沖縄と一部の離島を除く全国に対応。卸電力市場の価格に連動する調整費はかからず、「シンプルオクトパス」は申込みから12か月、基本料金0円で単価が固定され燃料費調整もありません(その後はグリーンオクトパスへ移行)。主力の「グリーンオクトパス」は実質再エネ100%です。解約金なし。
-
基本料金0円・市場連動の攻め型
リボンエナジー
基本料金0円・燃料費調整額0円で、使った分だけを支払う市場連動型。電力量単価は卸電力市場(JEPX)に連動して30分ごとに変動するため、安い時間帯に洗濯機・食洗機・EV充電を寄せられる家庭ほど割安になります。市場が高騰する時間帯は単価が上がる点には注意が必要です。
-
複数社を横並びで比較したい
エネチェンジ
郵便番号と現在の使用量を入れるだけで、対応エリアの主要プランの年間削減額が10分程度で試算できます。燃料費調整の仕組みが違うプランや市場連動型を一覧で比較でき、ガス・通信とのセット割もまとめて確認可能です。
もっと多くの電力会社を比較したい方へ
-
独立系・ガス系・通信系・石油系・再エネ特化型をタイプ別に整理。料金プランのタイプ、セット割、再エネ比率、燃料費調整の上限有無で横並びに比較できます。
-
料金タイプ別に主な事業者を並べ、シミュレーションの使い方と申込みの手順までご案内します。
よくある質問(FAQ)
- 電気代が高くなる主な原因は何ですか?
- 5つに整理できます。①燃料費調整額(火力発電の燃料価格の変動を毎月反映)、②再生可能エネルギー発電促進賦課金(年度ごとに改定)、③契約アンペアが大きすぎる(基本料金の払い過ぎ)、④家電が古い(冷蔵庫・エアコン・照明)、⑤プランと暮らし方が合っていない。①②は家庭で避けられませんが、③〜⑤は家庭で見直せます。
- なぜ冬と夏は電気代が高くなるのですか?
- 冷暖房を使う月は、春や秋より電気の使用量が増えるためです。冬は、外気温と室温の差が大きくエアコン暖房に多くの電気を使うこと、水温が低く給湯に使うエネルギーが増えること、日が短く照明を使う時間が長くなることが重なります。夏はエアコン冷房が中心です。資源エネルギー庁の試算では、暖房の設定温度を21℃から20℃にすると年53.08kWh(約1,650円)、冷房を27℃から28℃にすると年30.24kWh(約940円)の節約になります。
- 今月だけ急に電気代が上がりました。原因をどう調べればよいですか?
- 5つのステップで切り分けます。①検針期間の日数(月によって日数が違う)、②燃料費調整単価の前月との差(国の値引き支援が始まる月・終わる月は大きく動く)、③前年同月との比較(季節の影響かどうか)、④家族構成・在宅時間の変化、⑤家電の不調(古い冷蔵庫の冷却の低下、エアコンのフィルターの目詰まりなど)。5ステップで判明しない場合は、プラン自体の見直しを検討します。
- 契約アンペアを下げると本当に電気代は安くなりますか?
- アンペア制のプランでは、基本料金が契約アンペアで決まるため安くなります。東京電力の従量電灯Bでは、40Aを30Aに下げると基本料金が年約3,740円、60Aを40Aに下げると年約7,480円下がります。同時に使う家電が多いとブレーカーが落ちるため、実際の使い方で判断します。なお関西・中国・四国・沖縄の各電力の従量電灯は最低料金制で、アンペアの契約はありません。
- 電気料金プランの見直しで本当に下がりますか?
- 下がるかどうかは、毎月の使用量と、プランの基本料金・電力量料金・燃料費調整などの調整費で決まります。同じ使用量で月額を比べるのが確実で、東京電力エリアの30A契約なら使用量別の料金ランキングで比べられます。申込みは新しい電力会社に行い、いまの電力会社への解約の連絡は不要です。
- 削減策はどの順番で取り組むべきですか?
- 費用の小さい順に取り組むのが基本です。①電気料金プランの見直し(申込みだけ)、②契約アンペアの見直し(東京電力の従量電灯Bで10A下げると年約3,740円)、③照明のLED化(白熱電球1灯を電球形LEDランプにすると年約2,880円)、④古い冷蔵庫・エアコンの買い替え(2015年と2025年の機種の比較で冷蔵庫は年約1,490〜2,730円、エアコンは年約3,630円)、⑤太陽光+蓄電池(太陽光5kW+蓄電池約10kWhのセットで247.4万円・取引実績の平均。削減額は発電量や電気の使い方で大きく変わる)の順です。




