電気代の値上げ動向と備え方|2026年11月からの規制料金改定と補助金・今後の要因
このページの要点
託送料金(送配電網の利用料)の見直しを受けて、北陸電力を除く大手電力9社が2026年11月1日から規制料金を改定します。各社が示した平均的な家庭での値上げ額は月254〜590円で、東京電力の従量電灯B(30A・260kWh)は月254円です。政府の電気・ガス料金支援は2026年夏は9月使用分まで、2026年度の再エネ賦課金は1kWhあたり4.18円です。2028年度からは化石燃料賦課金も始まります。
2026年秋の電気代は、11月の規制料金改定と、夏の値引き支援の終了が重なります。家計への影響は、契約している料金メニューと使用量によって変わります。
2026年11月から大手電力9社が規制料金を改定
電気料金には、送電線や変電所などの送配電網の利用料である「託送料金」が含まれています。託送料金は、送配電事業者が国の承認を受けた「収入の見通し」に基づいて決める仕組み(レベニューキャップ制度)で、物価や労務費、金利の上昇を反映するため2026年11月1日から見直されます。これを受けて大手電力各社は、9月下旬に従量電灯などの規制料金の約款変更を経済産業大臣に届け出ました。北陸電力からは今回の見直しの発表はなく、東京電力エナジーパートナーも北陸エリアの電気料金は見直さないと公表しています。
| 電力会社 | 各社が示したモデル | 値上げ額(月) |
|---|---|---|
| 北海道電力 | 従量電灯B・30A・230kWh | +481円 |
| 東北電力 | 従量電灯B・30A・260kWh | +485円 |
| 東京電力エナジーパートナー | 従量電灯B・30A・260kWh | +254円 |
| 中部電力ミライズ | 従量電灯B・30A・260kWh | +395円 |
| 北陸電力 | 今回の見直しの発表なし | — |
| 関西電力 | 従量電灯A・260kWh | +407円 |
| 中国電力 | 従量電灯A・260kWh | +363円 |
| 四国電力 | 従量電灯A・260kWh | +478円 |
| 九州電力 | 従量電灯B・30A・250kWh | +367円 |
| 沖縄電力 | 従量電灯・260kWh | +590円 |
- 出典:各社の公式発表(2026年9月25日〜29日)。モデルの条件(契約・使用量、燃料費調整額や再エネ賦課金・口座振替割引を含むかどうか)は会社ごとに異なるため、値上げ額をそのまま比べることはできません。
九州電力と沖縄電力は、11月1日をまたぐ月の電気料金を11月1日の前後で日割計算すると案内しています。自分の契約での影響額は、各社の料金単価表やシミュレーションで確認できます。
東京電力 従量電灯Bの新しい単価
| 区分 | 10月31日まで | 11月1日から |
|---|---|---|
| 基本料金 30A | 935.25円 | 1,176.18円 |
| 基本料金 40A | 1,247.00円 | 1,568.24円 |
| 基本料金 50A | 1,558.75円 | 1,960.30円 |
| 基本料金 60A | 1,870.50円 | 2,352.36円 |
| 電力量料金 120kWhまで | 29.80円 | 29.85円 |
| 電力量料金 120〜300kWh | 36.40円 | 36.45円 |
| 電力量料金 300kWh超 | 40.49円 | 40.54円 |
- 出典:東京電力エナジーパートナー「特定小売供給約款変更届出書」(2026年9月29日)。基本料金は1か月あたり、電力量料金は1kWhあたり。燃料費調整額と再エネ賦課金は別に加わります。
基本料金の上げ幅が大きく、電力量料金は1kWhあたり0.05円の上げにとどまるため、使用量が少ない家庭ほど値上げ率が高くなります。たとえば40A・月400kWhの家庭では、基本料金で321.24円、電力量料金で20円(400kWh×0.05円)、合わせて月約341円の値上げです。
託送料金は、大手電力・新電力を問わず小売電気事業者が送配電網を使うために支払う料金です。新電力の料金にどう反映されるかは事業者ごとに異なるため、契約先のお知らせを確認してください。
政府の電気・ガス料金支援(2026年は冬と夏に実施)
政府は2023年1月使用分から、電気・ガス料金の値引き支援を断続的に実施しています。2026年は1〜3月使用分と7〜9月使用分が対象で、値引きは燃料費調整単価から差し引かれる形で請求に反映されました。夏の支援は9月使用分までで、10月使用分以降に実施するかどうかは決まっていません。
| 実施期間 | 施策名 | 支援内容 |
|---|---|---|
| 2023年1月〜2024年5月使用分 | 電気・ガス価格激変緩和対策事業 | 低圧 2023年1〜8月7.0円、9月〜2024年4月3.5円、5月1.8円/kWh 値引き |
| 2024年8月〜10月使用分 | 電気・ガス料金支援 | 低圧 8・9月4.0円、10月2.5円/kWh 値引き |
| 2025年1月〜3月使用分 | 電気・ガス料金支援 | 低圧 1・2月2.5円、3月1.3円/kWh 値引き |
| 2025年7月〜9月使用分 | 電気・ガス料金支援 | 低圧 7・9月2.0円、8月2.4円/kWh 値引き |
| 2026年1月〜3月使用分 | 電気・ガス料金支援 | 低圧 1・2月4.5円、3月1.5円/kWh 値引き |
| 2026年7月〜9月使用分 | 電気・ガス料金支援 | 低圧 7・9月3.5円、8月4.5円/kWh 値引き |
出典:経済産業省/資源エネルギー庁(2026-10-01 参照)
月400kWhの家庭なら、1kWhあたり4.5円の値引きで月1,800円軽減されていた計算です。支援がない月は、その分だけ請求額が上がります。LPガス(プロパンガス)は支援の対象外です。支援の経緯は電気代の推移でもご確認いただけます。
2026年度の再エネ賦課金は1kWhあたり4.18円
再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)は、固定価格買取制度で買い取った再エネ電気の費用を電気の使用量に応じて負担するもので、単価は全国一律です。2026年5月分〜2027年4月分の電気料金に適用される単価は1kWhあたり4.18円で、2025年度の3.98円から0.20円上がりました。月260kWhの家庭なら月52円、月400kWhなら月80円の負担増です。
2027年以降に予定されている制度
| 制度(開始時期) | 内容 |
|---|---|
| 容量拠出金 (2024年度〜) |
将来の供給力を確保する容量市場の実需給が2024年度に始まり、小売電気事業者が容量拠出金を負担。料金への反映方法は事業者によって異なる |
| 化石燃料賦課金 (2028年度〜) |
化石燃料の輸入事業者等に、輸入する化石燃料に由来するCO2の量に応じて課される(GX推進法) |
| 特定事業者負担金 (2033年度〜) |
発電事業者に一部有償でCO2の排出枠を割り当て、その量に応じて課される。単価は入札(有償オークション)で決まる(GX推進法) |
- 出典:電力広域的運営推進機関(容量市場)、環境省・経済産業省(GX推進法)。化石燃料賦課金と特定事業者負担金が家庭の電気代にどの程度反映されるかは決まっていません。
制度の詳しい仕組みは化石燃料賦課金とは、排出量取引制度(GX-ETS)と家庭の電気代でご確認いただけます。
値上げに備えてできること
- 契約アンペアを見直す:従量電灯Bのように契約アンペアで基本料金が決まる契約なら、アンペアを下げると基本料金が下がります。東京電力の11月以降の料金では、40Aから30Aに下げると基本料金が月392円(年約4,700円)安くなります。同時に使う家電が多いとブレーカーが落ちやすくなるため、使い方に合わせて選びます。関西電力・中国電力の従量電灯Aは最低料金制で、契約アンペアごとの基本料金はありません。
- 電力会社・料金プランを比べる:東京電力エリアの新電力の料金を同じ条件で計算した比較は新電力ランキング・主要会社一覧で確認できます。新電力も託送料金の見直しを料金に反映する場合があるため、最新の料金表で比べます。
- 使用量を減らす:エアコンや冷蔵庫など消費の大きい家電の使い方を見直します。効果の大きい順の削減策は高くなった電気代の見直し方にまとめています。
- 太陽光発電で自家消費する:昼間の電気を自宅の太陽光でまかなうと、電力会社から買う電気が減ります。導入の考え方は自家消費型太陽光発電でご確認いただけます。
電気料金の見直し・新電力切替の候補
電力プランは家庭の使い方で最適解が変わります。ここでは「市場価格の高騰に左右されにくい料金」「基本料金0円・市場連動で攻める」「複数社を横並びで比較したい」の3つの典型ニーズに対応する代表的なサービスをご紹介します。
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市場連動の調整費がない型・全国対応
オクトパスエナジー
英国大手 Octopus Energy と東京ガスの合弁会社が運営し、沖縄と一部の離島を除く全国に対応。卸電力市場の価格に連動する調整費はかからず、「シンプルオクトパス」は申込みから12か月、基本料金0円で単価が固定され燃料費調整もありません(その後はグリーンオクトパスへ移行)。主力の「グリーンオクトパス」は実質再エネ100%です。解約金なし。
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基本料金0円・市場連動の攻め型
リボンエナジー
基本料金0円・燃料費調整額0円で、使った分だけを支払う市場連動型。電力量単価は卸電力市場(JEPX)に連動して30分ごとに変動するため、安い時間帯に洗濯機・食洗機・EV充電を寄せられる家庭ほど割安になります。市場が高騰する時間帯は単価が上がる点には注意が必要です。
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複数社を横並びで比較したい
エネチェンジ
郵便番号と現在の使用量を入れるだけで、対応エリアの主要プランの年間削減額が10分程度で試算できます。燃料費調整の仕組みが違うプランや市場連動型を一覧で比較でき、ガス・通信とのセット割もまとめて確認可能です。
もっと多くの電力会社を比較したい方へ
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独立系・ガス系・通信系・石油系・再エネ特化型をタイプ別に整理。料金プランのタイプ、セット割、再エネ比率、燃料費調整の上限有無で横並びに比較できます。
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料金タイプ別に主な事業者を並べ、シミュレーションの使い方と申込みの手順までご案内します。
よくある質問(FAQ)
- 2026年11月から電気代はいくら上がりますか?
- 託送料金の見直しを受けて、北陸電力を除く大手電力9社が2026年11月1日から規制料金(従量電灯など)を改定します。各社が示した平均的な家庭のモデルでの値上げ額は月254〜590円で、東京電力の従量電灯B(30A・260kWh)は月254円、関西電力の従量電灯A(260kWh)は月407円、沖縄電力の従量電灯(260kWh)は月590円です。モデルの条件は会社ごとに異なります。
- なぜ11月に電気代が値上げされるのですか?
- 電気料金に含まれる託送料金(送配電網の利用料)が2026年11月1日から見直されるためです。託送料金は送配電事業者が国の承認を受けた「収入の見通し」に基づいて決める仕組みで、物価や労務費、金利の上昇を反映するために見直されました。大手電力各社はこの変動分を規制料金に反映するため、9月下旬に経済産業大臣へ約款の変更を届け出ています。
- 政府の電気代補助(電気・ガス料金支援)はどうなりましたか?
- 2026年は1〜3月使用分と7〜9月使用分に、家庭向け(低圧)で1kWhあたり1.5〜4.5円の値引きが行われました。夏の支援は9月使用分までで、10月使用分以降に実施するかどうかは決まっていません。月400kWhの家庭なら、4.5円の値引きで月1,800円軽減されていた計算です。
- 2026年度の再エネ賦課金はいくらですか?
- 2026年5月分〜2027年4月分の電気料金に適用される再エネ賦課金は1kWhあたり4.18円で、2025年度の3.98円から0.20円上がりました。月260kWhの家庭なら月52円の負担増です。再エネ賦課金は電力会社にかかわらず全国一律です。
- 値上げに備えてできることは?
- 従量電灯Bのように契約アンペアで基本料金が決まる契約なら、アンペアを見直すと基本料金が下がります。東京電力の11月以降の料金では、40Aから30Aに下げると基本料金が月392円安くなります。あわせて、電力会社・料金プランの比較、家電の使い方の見直し、太陽光発電での自家消費が選択肢です。
- 2027年以降に電気代に影響しそうな制度はありますか?
- GX推進法により、2028年度から化石燃料の輸入事業者等に「化石燃料賦課金」が、2033年度から発電事業者に有償オークションによる「特定事業者負担金」が課されます。家庭の電気代にどの程度反映されるかは決まっていません。容量市場の容量拠出金は2024年度から小売電気事業者が負担しています。




