LPガスから都市ガスへの切替え|工事費・手順・料金の比較
このページの要点
LPガスから都市ガスへの切替えは、地域のガス管の状況と自宅の設備を調べて判断します。費用は道路や敷地内の配管、機器の部品交換・買替え、LPガス設備の撤去や契約の精算に分けて確認しましょう。ガス機器は部品交換で対応できる場合があります。切替後の料金と初期費用を見積もりで比べ、都市ガス化が難しい場合は現在のLPガス料金の見直しも検討します。
都市ガスへの変更を考える時は、月々の料金に加えて、供給できる場所か、どの工事が必要かを確かめることが大切です。都市ガスの会社同士の契約変更と、LPガスから都市ガスへの変更では必要な手続きが異なります。このページでは、切替えに必要な調査、見積もりで確認する費用、料金の比べ方を順に整理します。
LPガスから都市ガスへ切り替えると何が変わる?
LPガスは容器等から、都市ガスは地域の導管を通じて供給されます。ガスの種類が変わるため、配管と機器の確認、LPガス設備の撤去、都市ガスの契約と開栓を調整します。
| 確認する点 | LPガスを使用中 | 都市ガスへ変更する時 |
|---|---|---|
| 供給設備 | LPガスの容器・メーター・配管等を使用 | 道路の本管から自宅へ供給できるか調査 |
| ガス機器 | LPガス用の機器を使用 | 部品交換の可否と、買替えが必要な機器を確認 |
| 配管 | 現在の配管・契約を確認 | 口径・状態・施工基準によって再利用や取替えを判断 |
| 料金契約 | 現在の販売店の料金条件 | 供給地域で契約できる都市ガスの料金プランを比較 |
配管工事の相談先は、地域のガス管を管理する会社(一般ガス導管事業者)です。ガス料金の契約先となる小売会社の選択も、あわせて確認しましょう。
自宅で都市ガスを使えるか確認する
STEP1:地域の供給区域と、住所での供給可否を調べる
地域のガス導管事業者の公式案内を確認し、自宅の住所で供給できるか相談します。会社の供給区域に含まれていても、道路のガス管や引込経路によって工事の可否と条件が変わります。
STEP2:前面道路の本管と、延長・引込みの条件を確認する
道路に本管があるか、自宅へ引き込めるか、本管を延長する場合の条件を確認します。東京ガスネットワークは、本管工事が必要な場合には工事延長や周辺の申込み状況で費用が変わると案内しています。本管が自宅前にない場合でも、延長を含めた相談の余地があるため、供給可否と負担額を個別に確かめましょう。
STEP3:自宅の配管と機器を調査してもらう
配管の経路・口径・状態、給湯器・コンロ等の型式、部品の有無を確認してもらいます。機器の部品交換で対応するか、買い替えるかで総費用は変わります。配管の再利用も含め、見積もりには調査結果を反映してもらいましょう。
賃貸住宅では、入居者のガス販売契約とは別に、大家・管理会社へ建物の設備変更を相談する必要があります。集合住宅の共用設備も含めて確認し、入居者だけで工事を手配しないようにします。賃貸のLPガスが高い時の対処法もご確認ください。
出典:東京ガスネットワーク・切替えの案内、大阪ガスネットワーク・都市ガスへの切り替え。
工事費は、配管・機器・LPガス側の精算に分ける
見積もりの総額と、含まれる作業を確認します。ガス管工事だけの金額に、機器代やLPガス側の撤去・設備契約の精算が含まれているとは限りません。
| 費用の項目 | 見積もりで確認すること |
|---|---|
| 道路の本管・引込み | 工事の要否、延長や引込経路、事業者と利用者の負担区分 |
| 敷地内の配管・ガス栓 | 再利用できる箇所、取替え・新設する長さ、掘削や補修の範囲 |
| ガス機器 | 機種ごとの部品交換費と買替費、取付・接続・既存機器の処分費 |
| LPガス設備の撤去・契約精算 | 設備の所有者、撤去条件、貸与契約等に基づく精算の有無と計算根拠 |
道路や引込みの費用負担は事業者の条件で変わるため、工事の範囲と負担区分を説明してもらいます。LPガスの設備貸与契約がある場合は、契約書と精算の明細を確認しましょう。精算額を一律の相場として当てはめず、LPガスの無償貸与もあわせてご確認ください。
ガス会社が公表している配管工事費の例
| 公表元・対象 | 公表額 | 条件と含まれない費用 |
|---|---|---|
| 大阪ガスネットワーク:切替え時の敷地内ガス管工事の平均 | 204,823円/件(税込) | 2024年度実績を2026年4月の単価改定で補正した公表値。ガス機器の部品交換・買替費用等は含みません。 |
| 東京ガスネットワーク:新築木造一戸建ての標準モデル | 188,540円(税込) | 2026年1月以降受付分の見積単価に基づく公表例。敷地内の配管・ガス栓等が対象です。本管費用・機器代・壁の穴あけや補修等は含みません。 |
確認日:2026-10-26
大阪の例は切替え工事の実績を補正した平均、東京の例は新築のモデル見積もりで、対象条件が異なります。自宅で必要な費用は、現地調査をもとに、配管・機器・撤去や精算を含む見積もりで確かめてください。適用される工事単価や対象範囲も、申込み時点で確認します。
出典:大阪ガスネットワーク「敷地内のガス管工事」 東京ガスネットワーク「新築の工事費用例」
補助金・キャンペーンを見積もりに入れる時の確認点
補助や割引を利用する場合は、対象になることを確認してから費用に反映します。給湯器などの導入支援と、都市ガスの配管工事への支援では対象が異なるため、何に対する補助・割引かを確かめましょう。
- 対象の地域・住宅・契約者・機器・工事内容。
- 受付期間、予算の状況、対象になる契約日や着工日。
- 契約・着工・申請の順序と、必要な手続きを行う人。
- 他の補助や割引との併用条件、補助を受けた後の実質負担額。
制度名や金額だけで判断せず、自治体・ガス会社・制度の公式窓口で条件を確認してください。
切替えの手順と、申込みから使えるまでの期間
1. 地域のガス導管事業者等へ相談し、配管と機器の現地調査を依頼する。
2. 工事の内容、費用負担、機器の対応方法と見積もりを確認する。
3. 工事契約と日程、都市ガスの料金契約・開栓の手続きを調整する。
4. 現在のLPガス販売店へ解約・設備撤去・精算について連絡し、切替日を合わせる。
5. 必要な道路・敷地内の工事、機器の部品交換・取付け、開栓・点火確認を行う。
工事当日の作業時間と、申込みから開栓までの期間は分けて確認します。道路工事の許可申請や工事店の状況、配管の延長が必要かによって準備期間も変わります。
- 東京ガスネットワーク:申込みから1か月程度。前面道路にガス管がある場合でも、この程度の期間が必要という案内です。
- 大阪ガスネットワーク:手続きに約2か月。道路工事や引込み工事が必要な場合の、許可申請等の手続き期間です。
希望日を伝え、立会いが必要な日、ガス・給湯を使えない時間帯、開栓の確認方法を工事の担当者と決めましょう。切替日が決まる前に現在のガスを止めてしまわないよう、撤去・工事・開栓の日程を合わせます。
出典:東京ガスネットワーク「申込みからの期間」 大阪ガスネットワーク「手続き・工事の流れ」
切替後の料金と、初期費用の回収を比べる
使用量は、同じ熱量にそろえて比較する
LPガスと都市ガスは、同じ体積でも熱量が違います。現在のLPガスの使用量を、そのまま都市ガスの料金表に当てはめないようにします。
LPガス(プロパン)の熱量は約102MJ/m³、都市ガス13Aは約45MJ/m³です。LPガス10m³と同じ熱量の都市ガス使用量に換算して比べます。
| 比較する料金 | 使用量 | 月額の比較例(税込) |
|---|---|---|
| LPガス(東京都の平均) | 10m³ | 8,970円 |
| 東京ガスの一般料金(都市ガス13A) | 約22.7m³ | 約4,740円 |
LPガス:2026年8月確報。都市ガスの基準単価:2026年10月1日実施の約款。都市ガス側は原料費調整額・政府の値引きを含めない計算例です。
都市ガス側は原料費調整額や政府の値引きを含めない基準単価の計算例です。この例を自宅の削減額や回収年数に置き換えず、実際の比較では、地域・料金プラン・基本料金・使用量ごとの単価・原料費調整・割引などをそろえましょう。季節による使用量の違いもあるため、年間の料金を見積もる際は、過去の検針票をもとに相談します。
回収は、切替えで追加になる費用と年間差額で考える
回収年数の単純な目安は、「切替えで追加になる初期費用 ÷ 年間のガス代差額」で求めます。補助を利用する場合は適用が確認できた金額だけを差し引き、機器の部品交換・買替え、LPガス側の精算も見積もりに含めます。
すでに給湯器などを更新する予定なら、LPガスを使い続けても必要な更新費用と、都市ガスへの切替えで追加になる費用を分けて比べると判断しやすくなります。年間の差額が小さい場合や、今後の料金・機器更新費が変わる場合もあるため、一定の年数で必ず回収できるとはいえません。
電気とガスをまとめる場合は、セット割の対象メニューや適用条件と、電気・ガス両方の料金を確認します。割引額を年額で一律に見込まず、セットにした後の支払い総額で判断しましょう。
出典:LPガス料金は石油情報センター、都市ガスの基準単価は東京ガスの一般料金。セット割の条件は東京ガス・ガス電気セットなど、契約する会社の公式案内をご確認ください。
メリットと、切替え前に確認する負担
| 観点 | 期待できる点 | 確認する負担・条件 |
|---|---|---|
| 月々の料金 | 自宅の条件に合う料金プランを選べる | 原料費調整や割引まで含めた実際の見積もりが必要 |
| 容器の設置場所 | LPガスの容器を撤去した後の場所を使える | 撤去条件と所有者、残す設備を確認 |
| 設備更新 | 機器更新と配管工事の時期を合わせられる | 既存機器の部品・配管の適合、追加工事と初期費用を確認 |
| 停電時の給湯 | 機器の仕様に応じた備えを考えられる | コンセントから電源を取るガス給湯器は停電時に通常運転できない |
停電時にお湯が使えるかは、都市ガスかLPガスかだけで決まるものではありません。機器の電源や非常時の仕様を確認します。地域や被害状況によって供給の復旧条件も変わるため、復旧速度の優劣を一律に決めないようにします。
出典:ノーリツ・停電の場合。
都市ガス化が難しい場合の選択肢
現在のLPガス料金と、変更できる販売店を確認する
現在の販売店に料金の内訳と見直しの余地を相談し、他社と比較する場合は、その物件で契約できる条件を確認します。同じLPガスを使い続ける場合も、設備の所有権・貸与契約・精算・切替え作業の範囲を確認しましょう。
見積もりサービスの相談・変更手続きが無料でも、設備契約の精算などが別に発生する場合があります。新しい販売店が負担するかどうかも、金額と契約条件を確かめてから判断します。賃貸住宅は、大家・管理会社への確認状況を相談先に伝えてください。
見積もりを比べる方法はLPガス料金の相場、相談先の違いはLPガス一括見積サービスの比較でご確認いただけます。
機器更新やリフォームに合わせて他の給湯・調理方式も比べる
オール電化などを検討する場合は、給湯器と調理機器の費用、電気の契約・配線工事、設置条件、変更後の電気料金を含めて比較します。太陽光や蓄電池を組み合わせる場合も、その導入費用を分けて確認しましょう。設備の更新時期や住み続ける予定に合わせ、オール電化リフォームもあわせてご検討ください。
LPガスの料金見直しを相談するには
都市ガスへの変更条件を調べたうえで、LPガスの料金も比較したい場合は、現在の使用量・請求金額・物件の種類を相談先に伝えます。設備の貸与契約や、賃貸での大家・管理会社への確認状況もあわせて伝えてください。
LPガス料金の見直し・乗換えの相談先
LPガス(プロパンガス)は販売店ごとの自由料金で、同じ地域でも販売店によって料金が違います。一括見積サービスを使うと、地域で対応できる複数の販売店の料金をまとめて比べられます。
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LPガスの一括見積もり
エネピ(enepi)
株式会社じげんが運営するLPガス料金の比較サービスです。物件の種類・場所・使用状況を入力すると、対応できるガス会社の料金プランが提案されます。見積もり・契約変更とも無料と公式に書かれています。
LPガスの料金相場・乗換え手順を先に確認したい方へ
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全国・地方別・都道府県別の平均料金と世帯人数別の月額の目安、都市ガスより高い理由、県の平均と比べる簡易シミュレーターを載せています。
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エネピとガス屋の窓口の運営会社・手続き・保証条件を比較。見積もりの比べ方と、設備の精算・賃貸住宅での切替えの注意点をご案内します。
よくある質問
- 自宅で都市ガスを使えるか、どこに確認しますか?
- 地域のガス管を管理するガス導管事業者等に、自宅の住所で供給できるか確認します。供給区域内でも本管や引込経路の条件で工事内容が変わるため、現地調査と見積もりを依頼しましょう。
- 前面道路に本管がないと、都市ガスには変えられませんか?
- 本管を延長して供給できる場合もあります。地域のガス導管事業者に、延長の可否と費用負担を確認します。自宅前に本管があっても引込みに制約がある場合があるため、住所だけで判断しないようにします。
- 切替えの工事費は、何を含めて確認すればよいですか?
- 道路・敷地内の配管、ガス機器の部品交換や買替え、LPガス設備の撤去と契約の精算を確認します。本文の公表額は対象範囲が限られた配管工事の例なので、自宅の総額は現地調査をもとに見積もります。
- 給湯器やコンロは、すべて買い替えになりますか?
- 機器の種類や部品の有無によっては、部品交換で都市ガスに対応できる場合があります。部品がない場合などは買替えが必要になるため、機器の型式を伝えて、調整・交換方法と費用を確認してください。
- 申込みから使えるようになるまで、どのくらいかかりますか?
- 本管の敷設状況、工事の規模、行政等への申請、工事店の状況で変わります。当日の作業時間と、申込みから開栓までの準備期間は別なので、希望日を伝えて日程を確認しましょう。
- 賃貸住宅でも都市ガスへの切替えはできますか?
- 建物の設備や共用配管の変更に関わるため、大家・管理会社への確認が必要です。入居者のガス販売契約とは分けて、建物全体の供給条件、工事、費用負担を相談します。
- 工事中はガスを使えなくなりますか?
- 切替えに伴って、ガスや給湯を使えない時間帯が生じます。LPガス設備の撤去、機器工事、都市ガスの開栓の日程を合わせ、停止する時間と立会いが必要な作業を事前に確認します。
- 都市ガスにすれば、停電中もお湯を使えますか?
- コンセントから電源を取るガス給湯器は、停電時には通常運転できません。LPガスか都市ガスかに加え、使用する機器の電源と非常時の仕様を確認してください。


