新エネルギーの割合、日本は世界水準以下

福島第一原発以降、太陽光発電を中心に新エネルギー(太陽光、地熱、風力など)が増えてきてはいるものの、これら新エネルギーが占める全発電設備の割合は、世界における水準を下回っているそうです。
太陽光発電先進国のドイツで14.7%はさすがですが、スペインも18.5%とドイツより高い水準なのですね。

スペインは太陽光発電に加えて太陽熱も普及が進んでおり、2013年7月の時点で1950MWの発電容量があるのだとか。
しかもスペインは日射量も多いことから、稼働率(容量あたりで発電できる電気の量)も大きくなります。
さらに風力発電が2012年12月時点で22,784MWあり、米国、ドイツに次ぐ世界3位の規模なのだそう。

風力1位の米国は、4.4%が新エネルギー、英国は6.2%ということですが、気になる日本と言えば、わずか”1.6%”!

「福島で事故が起きるまで原発を増やし続けてきた」ツケだという東京新聞による記事。耳の痛い話です。

各国の2013年前半での各国の累積設置量

2013年6月末の時点での、各国の累積設置量に関する情報が続々出てきているのでまとめました。

アメリカ

アメリカでは、2013年前半で1,8GWの設置量があり、累積で10GWを達成したのだそう。そのうち5.53 GWはメガソーラーが占めているそうです。

NPD Solarbuzzのレポートによると、今後18カ月でさらに8GWが追加されると予測されており、これにより2014年末までに18GWに達すると予測しています。

参考
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フランス

フランスでは、2013年6月末の時点で、本土だけで3.33 GW、領土とコスタリカを合わせて4,113 MW(4.113MW)の累積設置量となったそうです。

参考

イギリス

イギリスのエネルギー・気候変動省(DECC)によると、2013年5月末の時点で累積1.7 GWがイギリスのFITに登録されていることを発表しました。
2020年までに15%の国内電力需要を再生可能エネルギーでまかなおうという計画を立てているというイギリス。それには22 GWの発電量が必要ということです。

参考

イタリア

イタリアは6月末時点で累計17.3 GW

参考

ドイツ

ドイツは2013年前半で1,800MWなので、2012年末の累積と合計して34,200MW(34.2GW)。もうちょっとで35GWですね!
ちなみにこの前半期の1,800MWと言うのは2年前の水準を上回る程度で、(2011年の前半における新規設置数は1,713 MW)2012年の同時期は4,186 MWもの設置数があったのだそう。
昨年のブームは大きかったのですね~。

参考

こちらのページでは、世界各国の太陽光発電導入数のデータを表にまとめています。
政策によって各国の導入量には大きく差があります。

各国の太陽光発電累積設置量・最新情報

各国の導入状況が発表され次第、随時更新していきます。参考までに各国の総電力需要に占める太陽光発電の割合も併せて掲載しています。なお、地域によって太陽光発電の設備利用率は異なりますが、平均的な設備利用率が把握できる国については表中の数字を使ってご案内しています。それ以外の国については日本の設備利用率13%(1kWあたりの年間発電量1140kWh)で計算してご案内しています。

国名 累積設置量 国の電力需要(MW) 設備利用率 太陽光割合 データ更新月 URL
中国 43,530 MW 5,463,800,000 16% 1.1% 2015年12月 参考
ドイツ 39,700 MW 582,500,000 11% 6.6% 2015年末 参考
日本 34,347 MW 859,700,000 13% 4.6% 2015年12月 参考
アメリカ 25,910 MW 4,686,400,000 17% 0.8% 2015年12月 参考
イタリア 18,920 MW 307,200,000 8.0% 2015年12月 参考
フランス 6,580 MW 462,900,000 14% 1.5% 2013年6月 参考
スペイン 5,440 MW 249,700,000 16% 3.2% 2015年12月 参考
オーストラリア 5,093 MW 2015年12月 参考
インド 5,048 MW 938,823,000 19% 0.9% 2015年12月 参考
イギリス 3,510 MW 323,300,000 10% 2.5% 2015年12月 参考
韓国 3,421 MW 2015年12月 参考
ベルギー 3,250 MW 84,780,000 4% 2015年12月 参考
ギリシャ 2,610 MW 59,530,000 7.4 % 2015年12月 参考
カナダ 2,500 MW 2015年12月 参考
チェコ 2,085 MW 59,260,000 3.5% 2015年12月 参考
オランダ 1,570 MW 112,500,000 1.2% 2015年12月 参考
タイ 1,444 MW 2015年12月 参考
台湾 1,176 MW 2015年12月 参考
南アフリカ 1,122 MW 2015年12月 参考
パキスタン 1,000 MW 2015年12月 参考
オーストリア 937 MW 65,670,000 12.7% 1.5% 2013年11月 参考
イスラエル 870 MW 2015年12月 参考
チリ 854 MW 2015年12月 参考
デンマーク 789 MW 32,070,000 10.8% 2.3% 2015年12月 参考
ポルトガル 454 MW 48,270,000 14.5% 1.2% 2015年12月 参考
アルジェリア 300 MW 2015年12月 参考
メキシコ 205 MW 2015年12月 参考
スロベニア 195.6 MW 14,700,000 1.5% 2012年11月 参考
フィリピン 156 MW 2015年12月 参考
サウジアラビア 100 MW 2015年12月 参考
ブラジル 69 MW 2015年12月 参考
アラブ首長国連邦 24 MW 2015年12月 参考
エジプト 16 MW 2015年12月 参考

イタリア、ドイツは全体から見た割合も高く、「太陽光先進国」と言われるだけあります。
チェコも、経済的に無理をしてでも導入促進をしているだけあって、割合的には日本を大きく上回っています。

中国のパネルメーカーChina Sunergy、イギリスのソーラーパークに10MWの取引成立

南京を拠点とする太陽光モジュールメーカーのChina Sunergy(CSUN)は、イギリスの南西端のコーンウォールに2つのソーラーパーク、それぞれ5MWずつで合計10MWのメガソーラーを建設する事を発表しました。

China Sunergyはヨーロッパを中心に20カ所以上のメガソーラーを建設しており、拠点である南京市の駅舎に取り付けた10.67MWは建物据付型太陽光発電(BAPV)では世界最大のシステム量です。

(ちなみに日本の建物据付型太陽光発電で最大のものは旭硝子の5MWのもの。)

パネルはCSUN社製の多結晶モジュールが使用され、2013年4月1日までに稼働開始の予定です。
イギリスのエネルギー省は2012年の9月までに国内で1.3GWの累積導入量があったと公表しました。
CSUNは今後のイギリスの市場に注目しており、地元のパートナー会社との連携を保ちながら次期のプロジェクト建設先を探したい意向を示しました。
(ちなみにイギリスの日射量は、例えばロンドンのキングスクロス駅に取り付けられているシステムの発電量は1kWあたり年間730kWhと、日本の平均の4分の3程度しかないです。)

参照元

ロンドン・キングスクロス駅に太陽光発電導入

ロンドンのキングスクロスの8.87億ドル規模の再開発プロジェクトの一環として、ガラスラミネート加工を施された太陽光パネルを240kW分、約200万円をかけて建設する予定です。
年間175,000kWhの発電量で、建物の電力消費量の10%をまかなう予定だという事です。

ちなみに日本では 1kWのシステム量で年間約1000kWhの発電量が期待できるのですが、イギリスはさすがに曇天が多いせいか、キロワット当たり約730kWh/年の発電量と、日本の4分の3程度なのですね。ふむふむ!

参考記事