シャープのソーラーパネル新モデルはいつ発売?

6月から新しいコマーシャルで、クラウド型の蓄電池を中心とした家庭のスマートなエネルギーマネージメントシステムの訴求を始めているシャープ。それに伴って効率が向上した新しいモデルのソーラーパネルの販売も開始しています。

今月6日にはブラックモデルで4型、18日には廉価版の単結晶モデル1型のパネルラインナップを追加。

詳細についてはシャープの太陽光発電のページでご案内しています。

これまでもコーナーモジュールは展開していましたが、今回ブラックソーラーのバックコンタクト仕様のセルを使ったことで、効率が大幅に向上しています。

7月には当サイトの相場価格比較表が更新されますが、どれくらいの販売店で取扱いが始まっているのか、注目したいところです。

それに伴い旧モデルの値下げも予想されます。シャープの太陽光発電を購入する予定の方は、見積もりの際にモデルの型番をちょっと気にしてみてくださいね!
もし旧モデルでの見積もりが出たら、ちょっとだけ価格交渉を頑張ってみるといいかもしれません。

シャープの太陽光発電など、各メーカーの収益シミュレーション

シャープが売電収入の損害賠償を請求されていますが…

後で裁判を起こすぐらいなら保証内容をきちんとはじめから確認して契約すべきだとは思います。

昨年2月にシャープ製の太陽光発電システムを購入した原告が、製品の不良のために発電不良が生じた期間分の「電気代」をシャープに請求しているのだそう。

はっきり言ってしまえば…

…かなり、小さいですよね。

売電額」ではなく、「電気代」といっているところから考察すると、余剰売電の10kW以下のシステムを購入した方のケースなのではないかと思われます。

各メーカーの保証内容についての一覧をまとめたページを見てもわかるように、ほとんどのメーカーではシステムが故障した場合に故障部分の交換なり修理なりを行うという形の保証を提供しています。
同様にほぼすべてのメーカーで提供される「パネルの出力保障」も機器保証の延長のようなもので、一定期間内に一定の出力までパフォーマンスが低下した場合、機器を交換といった形で保証するものです。

このケースで損害賠償請求をされている「故障期間中の想定発電分の電気代および売電収入」については、基本的にこうした保証内容の範囲でカバーされないと理解されるべきかと思います。

一部のマイナーな海外メーカーでは、発電量が一定より少なかった場合に補償を提供していますし、口頭弁論でシャープ側が主張しているように販売店が提供していることのほうが多いかもしれません。

参考

シャープの「電気代」賠償事件から学べること – 後悔しないために気を付けることは?

同訴訟については、若干あてつけ感も否めないです。シミュレーションはあくまでシミュレーション。

お天気任せの発電機器なのだから、寛大な心でいながら不具合だけはきちんと気づけるようにだけしていれば、大きく損することはないかとは思いますが、「どうしても売電収入が不安なので、一定以上は保証してほしい!」といった場合(特に産業用発電事業などの場合)には、きちんと売電についての保証があるメーカーおよび施工店を選ぶことをおすすめします。

例えばメーカーならハンファソーラー、施工店は一括見積で「売電補償のある施工店」に絞って見積もりたいといった旨を説明すると手っ取り早いかと思います。

ただ保証がある施工店やメーカーは限られてくるため、売電補償にこだわっていると選択肢がかなり狭くなるのはご承知を。

先ほども言ったように、発電量を毎日チェックして不具合はすぐに気づけるようにしておけば、損失を最小限に抑えられます。
また故障時にすぐに駆けつけてくれる、地元密着型で信頼度の高い施工会社さんを選ぶのもポイント。

他にも、メーカー地域設置角度や方角によって発電量(パフォーマンス)が変わってくることを理解し、設置段階でシミュレーションの妥当性を把握しておけば、いざ発電を始めて思うように発電量が伸びない、と悩むことも少なくなるのではないでしょうか。

2013年のパネル供給量トップ10メーカー

世界の太陽光発電市場において、パネルの供給量ラインキングトップ10が公表されていました。

Solarbuzz_TOP10_MODULE_MANF_LIST_2013

先日シャープが、2014年第1四半期において世界一を奪回しましたが、2013年のシェアでも順位を3つ上げて3位にランクインしています。
また京セラも、5つ上がって9位に。
日本の市場が拡大したことが大きな要因となっているようです。

2012年と同じくインリーソーラーが1位

インリーソーラーが1位を保ったほか、トリナソーラーカナディアンソーラージンコソーラーレネソーラJAソーラーハンファソーラーワンと、10分の7が中国に生産拠点を置くメーカー。
2012年は上位10社のうち6つが中国メーカーだったので、さらにシェアを拡大してきている印象です。

7位のファーストソーラーはアメリカ最大級のパネルメーカーで、最近進出を果たした日本での活躍が期待されるメーカーです。
8位のハンファソーラーワンは韓国ハンファグループのパネルメーカーですが、製造拠点は中国。わざわざ「ハンファソーラーワン」と書いてあるので、同じくハンファに買収されたQセルズ(ドイツ)の供給量はここには含まれていないと考えられます。

上位メーカーの全体に占める割合が増加

2013年、上位10社の供給量が昨年と比べて40%増えたのに対して全体の増加分は20%。
これは、上位10社のシェア率がより高まったことを意味します。
1位のインリーソーラーは単年で供給量が3GWを超えるという、世界初の成績を出しています。

8社が2012年と同じ顔ぶれ

10社中8社が2012年と同じメーカーでした。
昨年ランクインしていたサンテックとサンパワーレネソーラ京セラに変わっていますが、サンパワーは日本では東芝シャープにOEMでパネル供給しているため、”ブランド名”としてのシェアではなく、実質的なパネル供給量という意味では余裕で10位に入るのではないかと思います。

参考

シャープのシェア1位奪回、サンパワ―とのOEMが功を奏す

太陽光発電業界の市場リサーチ・分析を行っているsolarbuzzによると、2014年の第一四半期においてシャープの太陽光発電のパネル供給量が700MW以上をマーク、世界一位になったそうです。(参考

シャープは1963年から2008年の45年間もの間PV業界のリーダーの座を維持してきたそうですが、2009年以降は一位の座をFirst Solarと中国ベースのPVメーカー(複数社)に奪われていました。
2014年第1四半期び一位奪回は、2009年第4四半期以来の快挙だということ。

とはいえこの功績は、シャープのブランド名の強さは証明したものの、他社の生産力に頼りながら成し遂げたものであると言えそうです。

image via SOLARBUZZ

image via SOLARBUZZ

シャープは2012年12月、サンパワーとのOEM契約によりシャープブランドでのサンパワー製品の販売を開始すると発表しています。

グラフを見てみると、この発表のすぐ後である2013年第1四半期の供給量が大幅に伸びており、この時期には世界2位を取っています。
伸び幅分全部とは言えないまでも、多くの部分をサンパワーからのパネル供給に負っているとも考えられます。

SOLARBUZZも、シャープのアウトソーシング戦略が一位奪回の直接的な要因となったとしています。

アナリストRay Lian氏は

”ファブライト”と呼ばれる、自社の生産能力と外部調達を効果的にコントロールして短期的な商機の変化に対応するビジネスモデルの有効性を証明することにもなった。このファブライトモデルは現在、業界大手の垂直統合企業数社に採用されている

としています。

日本での需要拡大と、このファブライトモデルで中国や台湾の企業からの外部調達を活用したことが、シャープのブランド力の強さと相まった結果とみることができます。

NPD Solarbuzzによると、シャープは従来、自社でセルやモジュールを生産する垂直統合型を採用していたということ。
しかし近年は「主に中国や台湾を拠点とするパートナー企業に生産を外部委託しており、Sharpはモジュール販売に重点を置くようになっている。」としています。

シャープは生産国のみ公開していますが、サンパワーのOEMである「NB-245AB」はフィリピン、それ以外のモデルは日本で生産ということになっています。
これはNPD Solarbuzzの分析内容と、少し食い違っているような気もしますが、「原料などの調達先は非公開」ということなので、台湾や中国などの工場からセルなどは輸入し、モジュール組み立ては日本の工場で行っている、という考え方が一番自然かと思います。

さて、これをどう締めくくるべきか迷いますが、とにかくシャープブランドの強さは健在ですし、ブランド名を汚さないためにも、OEM契約先や原料供給先も慎重に選んではいると予想できます。なので、この功績を評価してやはりシャープを選ぶ、という選択も、もちろんありだとは思います。

しかし、「パネルの生産体制」という面で見た時、大手で唯一国内工場での一貫生産を続けているソーラーフロンティア、マレーシアに生産拠点を移して価格を抑えながら、自社での一貫生産体制を行うパナソニックなど、生産体制の透明性がより高いブランドを評価したいという方にとって、世界一位であってもシャープは魅力に欠けて映るのも、無理はない話です。

製品の詳細・価格などは「シャープの太陽光発電」でくわしくご案内しています。

カンボジアのイオンに、シャープのシースルー太陽光発電など約226kW

シャープは、イオングループがカンボジアに1号店として6月下旬に開業する、カンボジア王国で最大規模のモール型ショッピングセンター「イオンモールプノンペン」に自社の太陽光発電システムを納入したと発表。

受注された太陽光発電システムは2種類。
一つがシースルー太陽電池モジュールで、モールの中央部にあるオープンカフェゾーンに290枚、約27.5kWの容量が設置されます。一枚の出力は約95wと小さめですが日光を建物内に通しながら発電もできる優れもの。

もう一つは東側駐輪場に設置される結晶太陽電池モジュール約198.2kW。

両システム合わせて約225.7kWとなり、発電した電力はショッピングセンター内の照明やエアコンなどに使用される予定なのだそう。

参考

“Photon Test”で日本メーカーを大きく引き離し、Q-Cellsが4位にランクイン

太陽光発電の世界的なメディア、Photonが行った太陽光パネルの発電量比較テストにて、ドイツのパネルメーカー(現在は韓国のハンファグループに買収されている)Q Cellsが自社の多結晶パネル「Q.PRO-G2」が4位になったと発表。

このテストは、単結晶、多結晶、化合物などの種類のソーラーパネルを、ドイツの太陽光発電研究機関内の研究室に設置し、均質な稼働環境におけるパフォーマンスの差を比較するもの。
総合順位は4位ですが、多結晶の中では1位だったということです。

公開されているPhotonのテスト結果を見てみると、日本市場にも出回っているメーカーで一番高得点を収めているのが、Q-Cellsで4位。しかも多結晶だけで見ると世界1位という成績をおさめています。高品質が売りのQ Cells、納得の成績といったところでしょうか。

他にもレネソーラ(8位)、アップソーラー(27位)といったメーカーが目に入りますが、上位メーカーはほぼ、日本進出をしていない中国メーカー勢が占めています。
日本メーカーが出てくるのはやっと124位の京セラ、128位のシャープ。ちょっと残念ですね。

ちなみに日本でも発電量を比較するためにSBエナジーなど民間で実証実験などが行われ、データの公開もされています。(太陽光発電の発電量比較ページにまとめて掲載
太陽の光のあたる野外に設置したパネルで実際に稼働を行って発電量を比較するため、日光が当たる角度の一日を通しての変化や、雲の影、曇天での発電など、室内ラボでの比較では図りきれないパフォーマンスも比較する事ができます。

実は、これらの実験で軒並み1位を獲得しているのはソーラ−フロンティア。同社のCIS太陽電池の特徴は「影のかかる環境下、高温下などで発電量が落ちず、結果的に他のシリコン系パネルよりも多くの発電量が得られる」というところ。

Photon testの結果も一つ参考としながら、長くつきあえるパネルが見つかるといいですね!


当サイトのお役立ちコンテンツ
太陽光発電パネルメーカーを様々な角度から比較
実際に市場展開しているパネルを収支面で比較シミュレーション

スマートエネルギーWeek 2014「PV EXPO」

スマートエネルギーWeekの一環である「PV EXPO 2014」において、太陽光発電の各メーカーが自社の最新の製品技術などを発表しました。

中国メーカートリナソーラーはその名も「スマートパネル」を出展。
直列接続のソーラーパネルにおいて、一部のパネルの出力が低下すると、その周りのパネルの出力まで下げてしまいます。
トリナソーラーの「スマートパネル」は、影がかかったパネルの発電を停止する機能がついており、全体の発電量に与える影響を最小限にできます。発電量にして20%アップの効果が期待できるのだとか。
年内の販売を目標にしているそうです。

シャープは色付きのパネル、シースルーパネルなどを出展。今後の発展に大きく期待がかかる、有機系の色素増感太陽電池を使用したものかと思われます。
NEDOの助成による色素増感太陽電池の実証実験も行っていたシャープ。太陽電池の技術を長年率いてきましたが、新たな有機系太陽電池の分野でも、他メーカーをリードする存在となるでしょうか。

参考

シャープのブラックソーラーに三角パネルのラインナップ追加

シャープが、自社の高性能パネルのシリーズ「ブラックソーラー」に三角のパネルのラインナップを追加すると発表。
販売開始は4月以降としています。

ファーストソーラーの日本参入中国メーカーレネソーラーの国内パネル生産開始など、パネルの選択肢がさらに増えそうな予感の日本の太陽光発電市場。

シャープは寄棟屋根向けに単結晶の三角パネルのラインナップをすでに入れていましたが、より効率の高いブラックソーラーのラインにも三角パネルの選択肢を加えることで、狭い複雑な形の屋根でもより多くの発電量を見込めるようになります。

参考

シャープの「Webモニタリングサービス」4万件突破

自社の太陽光発電システムを設置した住宅に対して無料で提供されるシャープの「Webモニタリングサービス」の契約数が4万件を突破したというニュース。
このサービスは、自宅の太陽光発電システムの発電不良をモニタリングによって早期発見できるというメリットを提供するもの。

しかし、このサービスは単に購入者のシステムの発電を正常に保つ以上に活用できる可能性を秘めています。シャープは全国各地に設置された太陽光発電システムから送られるデータを、今後電力自由化などでさらに需要が高まると予想されるエネルギーマネジメントサービスに活用することも検討していくということ。

パナソニックによる太陽光発電システムの電力のアグリゲーションによる新電力参入というニュースもありましたが、パネルの販売数が海外ブランドに押されがちな国内ブランドが、パネルの販売に固執するよりも、その次の次元に目を向けたサービス展開をしているところは、アメリカで中国製品に対してアンチダンピング調査を繰り返されているのと比べると、頼もしく見えてきます。

タイの52MWメガソーラーにシャープの薄膜パネル

シャープタイの52MWにもなる大規模太陽光発電プロジェクトにパネル提供をするそうです。
熱帯のタイでも出力低下が少ないとする、薄膜太陽電池モジュールが使用されます。

これを合わせて、シャープのタイにおけるパネル受注量は150MWにもなるそうです。

1.3㎢(130ha)に約40万枚のパネルを設置するそうです。(パネル1枚あたり約130W)
結晶シリコン系パネルなら1MWあたり1〜1.5haといいますが、このプロジェクトでは1MWあたり2.5haの土地を使っています。

土地が限られていて、しかもより多くの出力を得ることで売電収益を出したい日本の産業用太陽光発電事業と、タイの太陽光発電事業
の事情の違いが分かります。

参考