2013年は価格下落が減速する予想

2012年9月24日発表のSolarbuzz Quarterlyによると、近年の太陽光市場の急速な成長とそれに伴う価格低下の傾向は、2013年には落ち着く傾向のようです。
貿易摩擦によるアンチダンピングを懸念した中国企業や、価格低下に追いつけず撤退に至った企業の増加により、価格競争はひと段落すると予測されています。
また需要の伸びも昨年と比べて緩やかになり、2013年には生き残りのメジャー企業が、脱落企業分のシェアを徐々に拡大していく、という構図になりそうです。

Solarbuzz Quarterly

SunShot Prize:米エネルギー省開催「太陽光設置コンテスト」設置価格の低下に拍車

「近年の家庭用および小規模産業用の太陽光発電施設において、モジュール価格の急速な下落が進んでいる中、2020年までの太陽光価格競争ではサービス・施工の面での効率化、低価格化がより重要となってくる。」という予測から、アメリカのエネルギー省(DOE)は、いわゆる太陽光の「ソフト面」での低価格化に貢献できる働きを競うコンテストの開催を発表しました。
 

コンテスト内容

上位3チームには総額1,000万ドルの賞金が贈られるこのコンテスト、参加の施工会社にはハードな課題が出されます。

1次段階では2014年12月31日までに、2~15kWの小規模屋根置システムを5000件、ハードウェアである設備費(モジュールなど)を抜いたソフト面での設置費用(調査から配線まで)を平均$1/W(10万円/kW)で設置することが求められます。

さらに2次段階で、経営の持続性を確かめるため、さらに適正な施工で1000件設置することが求められます。

以下米エネルギー省ソーラープログラムマネージャーMinh Leへの質疑内容より

  • 「太陽光発電システムのモジュール、架台、インバーターなどのハードウェア価格は、ここ4年で約75%まで低下を見せました。その反面、設置工事や顧客獲得などのソフト面での価格は比較的変化のない状態です。」
  • 「現在1ワット当たり、ソフト面でのコストは平均3ドルかかっています。それをこのコンテストでは1ドルで行うという課題を出しています。最終的な目標は、0.6ドル/Wまで、ソフト面の価格を引き下げることです。」
  • 「2014年の終わりまでに5000件というのは相当な数に思えますが、2011年のうちに2000件の施工業績を出している会社が多くあります。また、業者同士の協力、複数社で1チームとしてのエントリーも可能です。このコンテストに勝つには、競争力と協力性の両方が必要となります。」
  • 「このコンテストで最低でも3チームが目標達成にこぎつけることができれば、設置費用を抑えながらアメリカ全体で15,000件、約100MWの設置が可能となります。太陽光産業にとっても、アメリカ経済にとっても、そして環境志向の消費者にとっても、メリットのあることです。」

フィードインタリフ(固定価格買取制度)や、補助金制度など、各国では”補助金”を使って太陽光発電の普及を促そうとする中、さすが競争の国アメリカという感じですね。

U.S. Department of Energy:SunShot Initiative

2010年世界シェア2位のJa Solar(中国)が日本進出

2010年、世界の太陽光市場において、サンテックに続き2位のシェアを誇るJaソーラーが東京にオフィスを構え、日本進出への布石を打ちました。
品質と信頼に重点を置く日本の顧客に対し、満足のいくサービスを提供するためのサポートを日本オフィスが全面的に行うことになるということです。

中国のメーカーの勢いが強く、2010年のシェアでは50%以上が中国のメーカーに占められています。
EUでは、中国製品が市場価格よりも低価格で販売を行っているとして、アンチダンピング調査を開始しています。

日本でもサンテックが中国メーカーとしては多く売り出されていますが、価格は日本製品の格安製品と同等か、それよりも少し高いくらいで売り出されているところが多いです。
メーカー別価格比較を参照)
ヨーロッパの市場がピークを過ぎたといわれ、日本にビジネスチャンスを求める多くの中国メーカーがどんどん進出してくることとなりそうですが、価格低下はどこまで進むのでしょうか。