太陽光発電システムを製造するシャープが主力のブラックソーラー(BLACKSOLAR)の新製品を発表。12月9日から発売開始で月間計5万台の出荷を目指すということ。
無償のパネル保障は20年、さらに付属機器も15年!
新製品ではパネルに対して、出力・機器いずれも20年のプレミアム保障を無償で付与。さらに機器保障15年も無償で付与されます。
パネル出力保障については25年が世界基準のため目立ちませんが、機器保障15年は地味にありがたいものです。
かゆいところに手が届くサービスというかなんというか…
ソーラーワールドの30年保証というツワモノ的な売り方ではなく、庶民的な、というか、一番パイの多そうなところを突いてくるところが、シャープらしいな、と感じます。
最大効率18.2%の製品は国内製造製品ではNo.1!
以下は最新製品の製品スペックの一覧表ですが、標準サイズのパネルで18.2%のモジュール変換効率。効率についてのページで各メーカーの製品で変換効率を比較していますが、これはパナソニックのHITパネル(多接合型で性能を向上させた製品)に迫る変換効率を達成しています。
品名
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住宅用 単結晶太陽電池モジュール
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形名
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NQ-210AD
<標準>
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NQ-148AD
<コンパクト>
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NQ-095LD
<コーナー>
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NQ-095RD
<コーナー>
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公称最大出力
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210W
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148W
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95W
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95W
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公称最大出力
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18.2%
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17.5%
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13.1%
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13.1%
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希望小売価格
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120,000円+税
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91,100円+税
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58,900円+税
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58,900円+税
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発売日
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12月9日
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月産台数
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計50,000台
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そして、実はシャープより上位にランクインしているメーカー(東芝・パナソニック)の製品はどちらも海外工場で作られたものです。(東芝はアメリカのメーカーサンパワーのOEM製品でフィリピン製、パナソニックはマレーシアの自社工場で製造)
シャープは国内住宅用市場に再び的を絞る?
いまどき国内だから、海外だから、どうこうというのは一概には言えませんし、ここではどちらがどう優れているかを論じるつもりはありません。ただ、シャープの王道なマーケティング路線が、さすがだな、と思った次第です。
シャープは今年度まで優遇されている産業用(10kW以上)の設備に向けた大型需要を半国内産(セルを海外のメーカーから輸入して国内組み立て。詳しくはパネルの製造国についてを参照)の廉価版製品やOEM製品で吸収し、シェアの拡大を図りました。
戦略が功を奏したのか、一瞬ではあったものの世界シェア1位を奪回しています。
そして来年からは、市場において住宅用の比率がまた高まることが予想されることから、「国内一貫生産」の路線をまた強化しよう、という寸法ですね。
安さも品質も極められるか?
気になるのはやはり価格。
最新のパネルメーカー価格比較表では、シャープはブラックソーラーで単価30万円を切らない価格帯ですが、中国製品は20万円台のメーカーが続々出てきています。
日本の国産100%メーカーでも、化合物系のソーラーフロンティアが20万円台後半で手に入れられるようになってきています。
一昨年~昨年度までのような激しい価格競争は今後期待されないものの、かつてのシャープの「安くて高品質」のイメージは今ではイメージ倒れの現状となっているきらいがあるのも事実。国産をキープしながら、もうちょっとここで価格面も押してくるのでしょうか?
とはいっても「とりあえずシャープ」的な買い方をする方だってまだまだ多いでしょうから、無理せず健全な経営をしてもらった方が、消費者的にも安心なのかもしれませんね。
シャープの製品情報、価格情報
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