ONEエネルギーとタマホーム、新築戸建住宅用に太陽光発電と蓄電池のレンタルサービスを開始

新築で戸建住宅を購入する際に太陽光発電システムと蓄電池システムがセットでレンタルされるというサービスが、ONEエネルギータマホームが連携することで誕生しました。2015年の1月1日から北海道と沖縄を除く地域で開始され、対象となるのはタマホームで新たに戸建住宅を注文した方が対象となり、京セラの太陽光発電システムとNECのリチウムイオン蓄電池システムを15年契約でリースすることになります。契約期間が満了した後は太陽光発電システムはは顧客に無償で譲渡され、蓄電池システムは撤去されます。

このサービスを導入するメリットは、家庭によって異なります。大きく分けて3つのメリットがあります。

日中の消費電力が大きい場合は電力料金や安い夜間に蓄電池に充電、日中に使用し、それを太陽光発電システムが補助します。太陽光発電システムの出力が日中の消費電力を上回る場合は余剰電力が発生するため、その分を固定価格買取制度(FIT)の余剰買取を利用して売電することができますし、蓄電池に充電して夜間に利用することもできます。

停電時には日中は太陽光発電システムで発電しつつ家庭内で消費し、余剰分を蓄電池に充電することができます。住宅設計時に分電盤を2つ用意し、充電時に必要な電力(重要負荷)を供給する分電盤とそうでない一般負荷分電盤に分け、重要負荷には冷蔵庫や非常用のLED証明、テレビなどと接続することで緊急時に対応できるようにできます。また、停電が夜間まで続いた場合は、重要負荷のみですが、蓄電池内の電力を利用することができます。

参考

千葉県に世界最大13.4MWの水上フロートメガソーラー計画

千葉県企業庁では2014年10月より環境負荷を目的に同県、山倉ダムの水面において水上設置型太陽光発電システムを設置、運営する事業者の公募を行っており、京セラ株式会社と東京センチュリーリース株式会社が共同出資する京セラTCLソーラー合同会社が応募し、事業候補会社として採択されました。それを受けて、2014年12月22日に同会社は山倉ダムにおいて水上設置型としては世界最大級となる13.4MWのメガソーラー発電事業に取り組むことを発表しました。今後は東京電力などと協議し、2016年3月の稼働を目指すことになっています。

この発電事業では山倉ダムの総面積はおよそ60万平方メートルのうち約3分の1にあたる水面18万平方メートルを使用し、京セラ製の太陽電池モジュールを約5万枚設置する計画です。
総発電能力はおよそ13.4MWにのぼり、年間発電量は一般家庭約4300~4700世帯分の年間電力消費量に相当する1564万kWh(15.64GWh、設備利用率は13.3%)となる見込みで、さらに年間約7800トンの二酸化炭素の削減にも貢献する予定としています。発電した電力はすべて東京電力に売電されます。

ダムの水上に太陽光発電パネルを設置するための浮体構造物は国内外で広く使用されているフランスのシエル・テール社製です。水上に太陽光発電パネルを設置する場合には陸上に設置する場合よりも浮体構造物が必要となる分だけ費用が必要になりますが、太陽光発電パネルの温度上昇を抑えることができるので発電効率を上げることができます。また太陽光発電パネルが風の影響を受けて水につかったり揺れたりすると発電効率に影響があるので浮体構造物の性能と設置方法が重要になってきます。

事業スキームについては従来どおり合同会社が事業運営行うことになり、発電所の維持や管理に関しては地元企業の協力を得ながら、発電所近隣に環境学習施設を整備して地元の子供たちにむけて環境学習を実施しながら地域貢献をしていくことなども事業計画に盛り込まれています。

参考1

京セラ米子会社、米Stem社と共同でピークカットで電気代20%削減の蓄電システムを供給

京セラの米子会社Kyocera Solarは、アメリカのスマートグリッ関連会社Stem社と共同で太陽光発電とエネルギー貯蔵を統合したシステムの販売を、アメリカはカリフォルニアとハワイ、ニューヨークの3州で始めると発表。

この製品では、30日後までの電力使用量を予測、電気料金(単価)が安い時間帯を狙って系統から蓄電システムに電力を貯蔵。

蓄電池に貯めた電力と、太陽光発電からの電力は主に電気料金の高い時間帯に使用することで、電気代を削減できるのだそう。

あくまで系統からの蓄電ということで、京セラの太陽光発電はStem社のエネルギーマネージメントシステムに組み込まれるというイメージでしょうか。

ピークカットの効果が高い、アメリカの電力事情

Stem社のリリースによると、電気購入量が20%削減できる、ということですが、実際どの程度の容量(蓄電池と太陽光発電)でどれくらいの規模の電力需要者が使用した場合に、この成果が得られるのかなどは公表されていません。

スマートジャパンの記事には

「導入する太陽電池モジュールや蓄電池の容量は顧客の電力使用量や要望に応じて変わる」

とだけ記載されています。
太陽光発電システムと同じく容量自体は需要家の消費電力次第なのはわかりますが、
Stemのエネルギーマネージメントシステム自体の価格がどれくらいなのか、くらいの情報はあると参考になりますよね。

アメリカは日本の”時間帯契約”のような電気料金システムとは比較にならないくらい、電気の単価が時間によって変わるのだそう。
(日本も電力自由化後にはそのような体制が標準となるといわれています)
電力が高い時間帯というのはいわゆる需要がピークとなる時間帯で、逆に需要が少ない時間帯は、単価が安くなります。

需要家にとっては電気代削減できるメリットがありますが、
このような需要家が増え、電力需要が一定に保てることは、電力使用の効率化にもつながり、社会全体にとってのメリットも少なくないと考えられます。

アメリカでお先に製品化した蓄電池付き太陽光発電システムですが、一般消費者でも新電力を選択できるようになり、電力サービスの体系が多様化すると予想される電力自由化後(2016年)には、日本でも同様のシステムの需要が増えてきそうですね。

参考

国際航業、滋賀県の廃棄物最終処分場における太陽光発電事業に採択・蓄電池で災害対策も

滋賀県大津市が大津市大津クリーンセンター(廃棄物最終処分場)について公募を行った発電事業の事業者に、日本アジアグループ傘下の国際航業が採択されたと発表されました。

システムの内容は、パネルは京セラパワコン東芝三菱電機産業システム(TMEIC)という内容で、EPC(設計・調達・施工)はNECネッツエスアイ。

約1.6haの土地に948kWが設置されるということ。

と、ここまでは標準的ともいっていいプロポーザル内容ですが、

京セラTCLソーラー合同会社のような大手も参加したプロポーザル公募を勝ち取るには、標準設備以外の部分が効いたのではないか、と予想しています。

自立運転のパワコン+蓄電池で災害対策

メガソーラーのような売電事業においては、自立運転(停電時に運転すること)機能のついていない、より安価なパワーコンディショナを採用することがまだ多いのですが、今回のパワコンは自立運転型であることが明記されています。

さらに災害時に重宝する蓄電池は可搬式を採用し、避難所などに運搬できるように、という配慮がなされています。

蓄電池の容量やメーカーなどについては公表されておらず、実際に災害が起きた際にどれぐらいの電力が確保できるのかを推し測ることができないのが少し惜しいところですが、
各地域で系統連系の許容量が少なくなってきているいま、こうした事業内容はさらに評価されてくるのではないでしょうか。

参考

京セラ、三菱UFJリース、竹中工務店が合同で太陽光デベロッパー事業

京セラ三菱UFJリース、竹中工務店は、企業の遊休地などを使った太陽光発電事業を行うための合同会社を設立。その名も「KMTソーラー合同会社」。

それぞれの強みを生かしながら太陽光発電事業を行うということで、京セラは設備提供および保守管理、三菱UFJリースは会社運営と資金調達(主にプロジェクトファイナンスを活用)、そして施工に竹中工務店が入るということ。

すでに計画中のプロジェクトが数件あり、2015年中に着工・稼働を目指すという事ですが、奇しくもこのニュースが発表された同日に九州電力を始めとする各電力会社が系統連携の中断を発表。(各電力会社の太陽光発電連系申請保留・売電買取中止状況

どうなることやら、ですね。

参考

京セラが東京センチュリーリースと”水上メガソーラー”事業、仏シエル・テール製水上架台で

世界最大級の水上メガソーラー

水上のメガソーラーの設置例が増えつつあります。
京セラは自社製太陽電池を使用し、フランスのシエル · テール日本法人株式会社シエル · テール · ジャパンから水上架台の提供を受けて兵庫県の西平池および東平池の2か所に合計2.9MWになる大規模な水上メガソーラーを建設すると発表しました。そのうち1.7MW規模になる西平池のものは水上設置の太陽光発電事業としては世界最大規模になる予定。

今回の水上メガソーラーは京セラと東京センチュリーリース株式会社によって設立された合同会社「京セラTCLソーラー」によるものです。
2012年7月に始まった固定価格買取制度後、同社はすでに11か所約21.6MWのメガソーラーの運転を開始しており、さらに17か所、合計で71.2MWの事業が開発中ということ。
メガソーラーに適した野立て用の土地はすでに成約済みのことが多く、今年中にどうしても容量を増やしたいのでしょう。今年度中には同様の水上メガソーラーを全国に60MW開発することを計画しているということです。


予想される発電量は?

兵庫県では水上太陽光発電の事例がこれまでにもあり、また県を挙げての太陽光発電事業も盛んな自治体です。平均設備利用率は全国18位の14.6%。全国平均(14.09%)を少し上回り、気候的にも比較的太陽光発電に適しています。

今回の水上メガソーラーでは2.9MWで年間約330万kWhを見込んでいるようで、設備利用率にして13%。これは全国平均とされる数字ですが、果たしてこの予想は妥当といえるでしょうか。

野立てで最適角度とされるのは30度、水上では同等の角度を確保して設置することは難しく、今回の事業では低設置角(最大の日射量を得られる角度より低い角度で設置する方法)が採用されることが予想されます。(あくまで予想)
一方で水上では、パネル温度の上昇を防ぐことが期待できます。これにより夏場の気温上昇に伴う発電量の低下を防ぐことができ、結果的に通常より発電量が増えることが期待されます。通常の屋根上発電と比較して1.1倍という実証実験の結果もあります。
(参考:太陽光発電の設置角度と発電効率

総合すると今回の事業で見込まれる設備利用率13%というのはかなり控えめな数字と考えられそうです。規模が大きいだけに、今回の水上メガソーラーの稼働状況はぜひ公開してもらいたいですね。

参考

京セラ2014年Q2は減収

京セラは2014年の6月までの3か月(Q2)の純利益が、前年同期(226.5億円)と比べて14%減の195億円となったと報告。

京セラの太陽光発電関連はファインセラミック応用品関連事業に含まれますが、前年同期と比べて売上高は12.5%減の538億900万円、利益では64.9%減の28億2,000万円。
同セグメントには機械工具事業も含まれていますが、こちらは海外の自動車関連市場などを中心に増収していることから、太陽光発電関連だけで見るとさらに減収の割合が高まることになります。
理由としては産業用大型案件が第2四半期以降に集中していることと、製品価格の下落の影響を挙げています。

参考

京セラ×Qセルズの特許問題、Qセルズは「京セラの特許を無効にする請求も視野」

京セラがハンファQセルズのパネルに対して京セラの3本バスバー構造の特許を侵害しているとしている訴訟を起こしましたが、

その後、この訴訟はハンファQセルズに先だって買収された中国のハンファソーラーワン社が以前販売していたパネルに対するもので、さらには3本バスバー構造は「周知の技術」のため特許の存在自体「?」だった、というQセルズの見解が発表されました。

そしてハンファグループを怒らせたら怖い(?)ですね。
発表した見解のもとに、ハンファQセルズでは、京セラの特許侵害起訴に対して全面的に争うのみならず、

特許庁において京セラ特許権の無効審判を請求することも視野に入れております

だそうです。京セラさん、危ういですね。

第三者としては、面白半分になりゆきを見守っていきたい次第です。

京セラとの特許訴訟でQセルズ取扱い休止も?

アキュラホームQセルズを採用したスマートハウスを発表したのはつい最近。住宅用としてもQセルズが手が届きやすくなりますね~なんて言っていた矢先に、京セラから特許侵害訴訟を起こされてしまいました。

昨日の記事では、この訴訟はかなり当てつけで、そもそもハンファはハンファでもハンファソーラーワン(Qセルズと同じくハンファグループに買収され、Qセルズとは製造工程や製品など全く関係ない中国のメーカーを母体とするメーカー)が過去に製造していた製品に対してのものだったと判明しました。つまりQセルズは全くのシロ。

しかし、先述のアキュラホームはこのニュースを受けて「他社製品の搭載で対応する方向」というコメントを出しているというニュースが発表されました。参考

Qセルズジャパンからアキュラホームへは、既に事実関係についての説明を含め対応はしているのかと予想しています。少し情報が遅れているだけに違いないと信じていますが、どうかアキュラさん、Qセルズの取扱いをやめないで欲しいですね。

京セラの特許侵害訴訟はQセルズには”とんだとばっちり”だった!

今月10日京セラがハンファQセルズのパネルに対して特許侵害の訴訟を起こしました。
ちょっと調べただけでも、3本バスバー構造は多くのメーカーで採用されており、訴訟の結果次第では影響を受けるメーカーが他にもありそうな予感もしましたが、これに対してハンファQセルズジャパンの正式な見解が発表され、(やはりというべきなのか)京セラの独りよがりの可能性が高いということがわかりました。

まずはハンファQセルズの発表の内容から

本件訴訟は、ハンファソーラーワン社が過去に製造していた製品の一部のみを対象としており、同社が現在製造中の製品は対象とはされておりません

当社はQセルズ社製品の輸入販売を行っておりますが、Qセルズ社製品は対象とされていません

つまり、韓国ハンファグループが買収した「ハンファソーラーワン」と「ハンファQセルズ」の2メーカーのうち、母体が中国のソーラーファンというメーカーの「ハンファソーラーワン」が過去に製造していた製品に対してのみの訴訟だったということがわかります。
この2メーカーはハンファグループに買収されたという共通点を持つものの、まったく別のメーカーです。

京セラさん、この2社を混同してリリースを発表していたなんて…逆に自社イメージを下げかねないですよ。
Qセルズさんにとっては、とんだとばっちりだったのですね。

さらにQセルズはとどめを刺すようにこう発表しています。

3本バスパ―電極構造は、京セラの特許出願に先立って、遅くとも1990年代には研究論文等により公表されていた公知の技術であり、京セラの主張は一方的なものであると考えております。

京セラの今回の訴訟提起に関するホームページ上の公表内容は、当社の製品のみならず3本バスバー電極構造の太陽光発電パネルの利用者様にご心配をかける行為であり非常に遺憾と感じております。

わぉ!ここまで言うとは!
Qセルズさんの「迷惑!」アピールの凄まじさたるや…

Qセルズは、製造工程のオートメーションによる不良品率の少なさが評価されたり、多結晶「Q.PRO-G2」を初めとして実環境下でのパフォーマンスが実証されてきていたりということもあり、日本市場でのシェアも伸ばしていました。おそらく安定的な収入といった面で信頼性がより重要となる投資案件としての産業用太陽光発電などを中心にした人気が要因の一つであったと考えられます。同じく高性能多結晶パネルを製造する京セラは、市場がかぶっていたのかもしれませんね。

参考

ハンファQセルズの太陽光発電