ワタミグループの太陽光発電事業

ワタミグループの子会社ワタミエコロジーが、北海道厚真町の市民風力発電のSPC(特定目的会社)が行うメガソーラー事業に出資・事業管理で携わることを発表しました。

容量15MW、今年の10月に着工し、来年11月に稼働開始予定だそうです。

しかし北海道は、系統のキャパシティー超えということで、計画変更などをせざるを得なくなったメガソーラー事業のニュースなどもありましたが、ワタミが出資するこの事業は計画通りの進行が可能なんでしょうかね。

ワタミはこの他にも秋田県にかほ市に2MWの「ワタミの夢風車 風民(ふーみん)」を、今年3月から稼働させています。これを含めて秋田県には3基の風車が稼動しており、これらの合計は約6MWになるそうで、メガソーラーの15MWと合わせた21MWはワタミグループの電力の約16%に相当するということ。(とはいえ自家消費ではなく、全て売電されることになるのでしょうが)

他にも13か所の食品製造センターの屋根に太陽光発電を設置する計画も進行中だそうです。

ワタミグループは発電事業の以前にも、”お好み焼き宅配の「KEI太」での使い捨て包装容器”も問題に取り組んだりと、環境負荷(CO2と廃棄物)の削減に取り組んでいます。

北見工大の「マイクログリッド」実験、電力と熱の効率利用に着目

北見工大が行っているマイクログリッドの実験についての記事がありました。

マイクログリッドとは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを含む分散型電源を、それぞれの発電設備の特徴(環境により発電量に差が出るなど)を融通し合えるようコンピュータ管理することで、小規模で地産地消が可能な電力網を実現させるアイデアで、大規模な電力会社によってほぼ独占されている電力事情からの脱却への貢献が期待されています。

北見工大が行う実験はさらにエネルギーの効率利用に加えて、積寒冷地における熱供給の融通も効くモデルをつくるために、国内初の模擬装置を導入しているところが特徴。

北海道は大規模太陽光発電施設の建設に適した環境をもっていながら、「系統のキャパシティオーバー」のために新たな大規模ソーラーの建設をの断念や、規模の縮小を余儀なくされている事業もあったため、こういったマイクログリッド設備が将来北海道のような地域いもたらす恩恵は大きく感じられます。

40MWの新事業も!売電価格下がるも、メガソーラーの建設の勢いは弱まらず

売電価格が改定されることがほぼ確定となっていますが、そんな中でも企業や自治体のメガソーラー建設のブームは続きそうです。
最近出ていたメガソーラー関係のニュースをまとめました。

事業主:士幌町(しほろちょう/北海道
場所:中士幌地区の町有地
規模:988kW
稼動予定:2014年1月
自治体が主体となって行い、地域への利益還元を図る。年間で1,000万円ほどの益金見込み。
収益金は、浄化槽の整備など地域の環境対策費用として活用していくほか、工事の施工や施設の管理も地元業者が行い、地域ぐるみで取り組む事業となる。
参考

事業主:徳島市
場所:名西郡石井町 第十浄水場敷地内
規模:750KW
稼動予定:2014年度完了(順次稼働)
徳島市は他にも、住宅用の太陽光発電への補助金に1,000万円(助金額1件5万円、募集件数200件)、市立保育所に太陽光発電設備を設置するための予算として1,000万円を計上し、様々な方向から市の太陽光発電の設置数増加に努める。
参考

「富津ソーラー」
事業主:株式会社富津ソーラー(リサイクルワン及びミツウロコグリーンエネルギーの出資法人)
場所:千葉県富津市
規模:40MW(40,000kW)
稼動予定:2015年夏
参考

事業主:西武グループ
場所:武蔵丘車両検修場屋根および宮崎県日南市
規模:2,400kW(2か所合計)
稼動予定:2014年1月・2013年10月に
西武ホールディングスでは、2015年度までには、全国複数箇所で太陽光発電設備を設置する考え。
参考

事業主:帝人
場所:三原事業所(広島県三原市)の遊休地
規模:1,990kW
稼動予定:2014年7月
参考

事業主:タカラレーベン
場所:栃木県塩谷郡塩谷町
規模:3MW(3,000kW)
稼動予定:2014年8月
同社は首都圏で初めて戸別売電可能太陽光発電マンションを企画販売するなど、自然エネルギーの活用を積極的に推進している。
事業の目標を2014年3月期中に出力10MWとしている。
参考

40MWの事業は結構大規模です。
固定価格買取制度での売電価格は下がるものの、ミツウロコ新電力事業者として小売事業も行っています。
通常20年間の売電後は、電力会社の「言い値」で販売することになりますが、自身が電力販売事業も兼ねていれば、売電期間が終わっても比較的安定した収入になるとも考えられます。

三井物産太陽光発電事業の全貌・パネルは京セラ、ソーラーフロンティア、パナソニック・被災地復興支援のための太陽光事業など

三井物産は全国で発電事業に関わっていますが、今日発表された「宮城県東松島市で復興支援の太陽光発電事業」のニュースとともに、自社事業・共同事業すべてにおける、発電事業の内容をまとめた資料を発表しているので、ご紹介します。

まず今回発表された「宮城県東松島市で復興支援の太陽光発電事業」
メガソーラーと「カーポート型」の2種類の施設を手掛けます。
メガソーラー内容

  • 東松島市野蒜地区の奥松島公園跡地
    浸水により居住が困難となった野蒜地区沿岸部をメガソーラーに活用
  • 規模:3,581kW(3.581MW)
  • パネル:京セラ
  • 建設開始:2013年1月
  • 運転開始予定 2013年10月

カーポート型内容

  • 東松島市中心部の公共施設3箇所の駐車場スペース
    災害時の非常用電源確保のための施設
  • 規模:270kW(合計)
  • パネル:パナソニック
  • 建設開始:2013年1月
  • 運転開始予定 2013年3月

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企業年金モデル
東京海上アセットマネジメント投信との共同事業。JFEスチールグループが施工に関わるという事で、ニュースでも一度ご紹介しましたが、これらは企業年金等の投資先として開発されるということです。
全国に計10か所、約28MWの出力になる予定です。
パネルについてはソーラーフロンティアが山梨県の2つのメガソーラーへの自社製CISパネルの供給を発表しており、さらに他のメガソーラーに関してもパネル供給の交渉が進んでいるそうです。
ソーラーフロンティアは国内外でメガソーラーへのパネル供給の伸び率が高いと感じます。

  • 北海道網走市(市有地)・1.5MW
  • 北海道厚真町(町有地)・1.5MW
  • 山梨県韮崎市(県有地)・5.3MW(ソーラーフロンティア製パネル)
  • 山梨県甲斐市(県有地)・5.1MW(ソーラーフロンティア製パネル)
  • 三重県四日市市(民有地)・1.8MW
  • 和歌山県(南海電鉄保有)・1.8MW
  • 徳島県徳島市(民有地)・2MW
  • 山口県田布施町(民有地)・3.0MW
  • 山口県山口市(市有地)・3.5MW
  • 熊本県球磨郡錦町(町有地)・2.2MW

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大規模メガソーラー発電事業
大規模メガソーラー事業を他企業と合同で行っています。

  • 鳥取米子メガソーラー」
    SBエナジーと共同
    鳥取県米子市などに合計42.9MW
  • 田原メガソーラー」
    東芝など7社での合同事業。技術開発やコスト引下げなどのノウハウや課題を共有する目的
    愛知県田原市に50MW(他に風力発電6MW)
    過去の紹介記事

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三井物産は他にも過去に、JFEエンジニアリングとの共同出資で羽田空港のターミナルに2MWの施設建設や、スペインのカタルーニャ地方の1.5MWのプロジェクトへの出資も行っていいます。

三井物産の事業にも採用された京セラパナソニック、ソーラーフロンティアなど、メーカー別パネルの最安値・相場確認はこちらから!

JFEエンジニアリンググループ太陽光発電事業に参入・国内6地区で合計40MW

これまで三井物産と東京海上アセットの事業など、多くの太陽光発電の施工に関わってきたJFEグループですが、今回グループの遊休地5地区に加え、日照時間の多い北海道釧路地区にもう1か所、全部で6カ所にメガソーラーを建設することになりました。

内訳

それぞれの場所はこちらで確認ください。

JFEグループが関わり、受注をしてきた太陽光発電プラントは全国で数十カ所にのぼり、2013年度までに約200MWの累積受注量に達する見込みです。

JFEエンジニアリング:プレスリリース

日本の太陽光発電所・産業用太陽光発電のいろいろ

日本の産業用太陽光発電

以前、電力会社以外で建設された日本の産業用太陽光発電施設は、国際航業が宮崎県に建設した1000キロワット級のものだけでした。東京電力福島第一原発の事故後、クリーンエネルギーへの注目が高まり、ソフトバンクを筆頭に、産業用の大規模太陽光発電施設の計画が次々に出てきています。

各業界の大手が率いて展開される産業用の太陽光発電計画。地域のクリーンエネルギー計画や、工場の屋根の効率利用として、個人レベルでも始められるクリーン事業です。補助金と、売電制度が適用されている期間の開始が、より大きい経済的メリットを生みます。

ソフトバンク

昨年の10月にグループ会社のSBエナジーを立ち上げ、全国に合計20万キロワットの太陽光発電施設を建設する予定をしています。2012年7月の、全量買い取り制度が始まったタイミングに合わせ、京都と群馬のそれぞれ2000キロワット超の施設が稼働し始めました。1320世帯分の電力をまかなえる量のこれらの施設に加え、9月には京都の隣接地にもうひとつと、これらに続いて徳島県栃木県での建設計画が確定していて、早い時期に1万キロワット以上を達成する予定です。

SBエナジーのホームページには、建設中やの施設の情報に加え、稼働中の施設のリアルタイムと、累積の発電量が確認できます。北海道の2カ所に建設されている発電試験場では、積地域でのシステム運行状況や、各メーカーのパネルの発電量の比較実験なども行われており、これから太陽光発電の設置を考えたい人にも、参考にしてほしい試験内容です。

JAMCソーラーエナジー合同会社(仮称)

JA全農と三菱商事が合弁で、全国の農協の施設の屋根400~600カ所を利用して、合計20万キロワットの発電能力をもつ施設を建設する計画が進行中です。環境保全と、全国の農業の活性化を目標に掲げたこの計画は、2014年度末までに導入完了する目標で、約5万8千世帯分の電力をまかなえる量になる見込みです。

大林グリーンエナジー

1009年から始まった「くまもとソーラープロジェクト」の一環として熊本県南部の芦北町(あしきたまち)に国内最大規模(1万5千キロワット)の太陽光発電所を建設する事業に、大手建築土木業者の大林組が選ばれました。このプロジェクトのほかにも、7か所で合計34.3kWの太陽光発電建設計画が進行中で、さらなる事業拡大を目指しています。

相次ぐ大規模太陽光発電所建設

現在(2012年8月21日)稼働する太陽光発電所で最大のものは、神奈川県川崎市と東京電力が共同で運営する「扇島太陽光発電所」で、2011年12月19日に稼働開始しました。

固定価格買取制度の改正で産業用の売電が有利になったことを受けて、大規模な太陽光発電所の建設計画が次々に持ち上がっています。中でも最大の計画が、京セラが他6社(KDDI、IHI、九電工、京都銀行、鹿児島銀行、竹中工務店)の出資者と設立した「鹿児島メガソーラー発電株式会社」が鹿児島湾岸の桜島に対面する埋立地に建設を予定している127万平方メートル(東京ドーム27個分)規模の発電所で、発電能力は70MW、年間発電量は7880万kWhの規模にも及びます。

総投資額は270億円、売電による収入は年間で30億円以上になる見込みです。