soitec南アフリカのREIPPPに44MWのCPV提供

集光型の太陽光パネルの製造メーカーソイテックは、南アフリカの再生エネルギー独立発電プログラム(REIPPP)の一環としてTouwsrivierに44MWのソーラープラントを建設し、建設後に発電されるエネルギーの買電契約を結びました。
南アフリカにおけるソイテックの進出の大きな一歩を踏み出せたとしています。
ソイテックの集光型太陽光パネルは30%の発電効率を持ち、寿命が長いことが特徴とのこと。

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REIPPPとは
「再生可能エネルギー独立系発電事業者調達プログラム」、または「再生エネルギー独立発電プログラム」などと呼ばれますが、要するに南アフリカにおける再生可能エネルギーの普及率を高めるためのプログラムです。
2010年に南アフリカのエネルギー省(DOE)から出された「総合資源計画」で、2030年までに国内で生産されるエネルギーの42%を再生可能エネルギー由来のものにするという目標が掲げられました。
それに基づきIPP(independent power producer/独立発電事業者)を調達したうえで、3,725MW(うち1,450MWが太陽光)の再生可能エネルギー(Renewable Energy)発電所の建設を達成するプログラムがこのREIPPP(Renewable Energy independent power producer program)です。

REIPPPの発動から今までに28のプロジェクト(うち18つが太陽光発電プロジェクト)が決定しています。

他にも昨年12月には住友商事がIPPプロジェクトの風力発電に入札するなどのニュースがありました。
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参照元

ソイテック、イタリアにCPV(集光型太陽光発電)5MW提供

イタリアの地中海性気候は集光型の太陽光発電に適しているようです。
CPV(集光型太陽光発電)の製造の大手であるソイテックは、今年6月のイタリアのシチリア島、カタニアへのCPV提供に続き、今月11日さらに5.5MWのシステム供給を行ったと発表しました。

これで、世界中で累計10MWのシステム供給になります。つまり、半分以上イタリアなんですね!

イタリアは2011年の導入数で、太陽光で先端をいくと言われるドイツを抜きました。また比較的新しい技術であるCPVの大量導入で、太陽光発電に対し常に未来に目を向けた姿勢がうかがえますね。

Soitec:プレスリリース

IMSリサーチが集光型太陽電池(CPV)の継続的な需要拡大を予測

誇大広告による過去の失敗をよそに、集光型の太陽電池(CPV)が今後4年で著しく成長をみせるというレポートを、IMSリサーチが出しました。

大型施設から小規模施設を通して、2012年には設置は約倍の90MW、2016年には1.2GWの市場規模になると予想されています。

「集光型太陽電池の世界市場」と題されたレポートで、従来型の太陽光パネルとは別のターゲット層が存在するということが書かれました。
そのターゲットとは、6kWh/m2/日の全天日射量がある地域の、地上設置型のシステム。
このkWh/m2/日という数値ですが、広島県のデータを載せたページには2001年から2010年までの平均で3.89kWh/m2/日とありました。どの年のデータを見ても、月平均でも6kWh/m2/日を超える日はありません。

つまり、年中晴れる日が多い地域に向いているシステムなんですね。
アメリカ南西部、チリ、サウジアラビア、モロッコなんかの気候に適しており、市場が伸びる可能性があるとのことです。

日本にはあまり適さないのかもしれませんが、日照量が日本のなかでは多い宮崎県や、住友電気工業なんかも研究しています。

参考記事

集光型太陽光発電


集光型太陽光発電:CPV(Concentrator Photovoltaic System)とは

太陽光パネルの効率を、セルの性能向上ではなく、「光を集める」というアプローチで実現しようというのが、集光型の太陽光発電のコンセプトです。

常に移動し、位置が変わる太陽の光を効率的に集める方法として、今までは自動追尾型のシステムがありました。これは、時間ごとに変わる太陽の位置に合わせてパネルの角度を変え、効率の良い角度で集光するという発想でした。しかしこの方法は大掛かりな設備にコストがかかることが問題視されていました。

そこで注目されているのが、特殊なレンズを使ってあらゆる角度からの太陽光を集めることができる集光型の太陽光発電です。

メリット:

  • 自動追尾システム以上の集光率
  • 集光による発電効率向上、その結果として、モジュール面積を減らしても十分な発電が望める=モジュールを作るための資源、コストを大幅に削減

これから解決すべき問題:

  • 集光での熱によるモジュールの効率低下、寿命低下→湯沸しなどに転用して解決できる
  • 曇天時の弱い光は集光できない

実際例

集光型の太陽光発電を実際に設置している例をご紹介します。

住友電気工業:集光型太陽光パネルを利用した業務用自家発電システムを2013年度中に販売開始を計画

住友電工は2012年7月に、100kWの集光型太陽光パネルを含む自家発電システムの試験運用を開始しました。発電効率は市販のパネルの約2倍とされています。

集光型太陽光パネルの他にシステムに含まれるのは、寿命の長さ、充放電の繰り返しにも強い「レドックスフロー電池」という種類の蓄電池、ガスエンジンコージェネレーションシステムで、それらをFEMS(工場向けエネルギー管理システム)で管理することにより、効率の良い運用を可能にします。

住友電工プレスリリース:自家発電システムの実証運転開始