世界最大の営農型太陽光発電が長崎県佐世保の宇久島の4分の1を覆う!

各都道府県に普及が進みながらも、まだこわごわといった感じに実証実験のような形で行われることの多いソーラーシェアリングですが、ドイツの太陽光発電所のプロジェクト開発会社「フォトボルト · デベロップメント · パートナーズ社」の構想ははるかに大きく大胆なものでした。

同社が中心となって日本で設立したSPC(特別目的会社)テラソール合同会社が長崎県佐世保市宇久に計画する営農型太陽光発電プロジェクト「宇久島メガソーラーパーク」は、その規模まさに430MW!

国内には岡山県瀬戸内市に230MW青森県六ケ所村に115 MW北海道安平町に111MWといった大規模なメガソーラーの建設計画がありますが、佐世保市宇久島のプロジェクトは規模だけとっても日本最大級
これが営農型だというからまたすごいです。
使用面積は約630万m2で、1MWあたり1.46haは通常の地上設置型太陽光発電と変わらない程度。ソーラーシェアリングがいかに土地利用効率に優れているかわかります。
ちなみにこの面積は宇久島の4分の1に相当するということで、島の景観がガラリと変わりそうですね。

事業に賛同した京セラ九電工オリックスがテラソール合同会社への出資を計画しているそうで、みずほ銀行もプロジェクトファイナンスによる資金調達で入ることになるようです。
総事業費は1500億円を見込んでいるということ。
パネルはすべて京セラ製の多結晶パネル、施工および保守 · 管理は九電工。

売電だけじゃない、農家に作業委託で農業の継続も支援

もう一つ注目したいのが、この事業はただパネルを設置して、売電するだけのものではないということ。
土地の借り受けを行うのは宇久島メガソーラーパークサービス株式会社(UMSPS)で、同社はテラソール合同会社から提供された営農支援金をベースに地域の畜産農家に農作業を委託するとしています。

農家に土地の賃貸料だけ払って売電をして、おわり。みたいな事業にもしようとすればできたはず。
しかし、島の農業を守ってより深いレベルでの地域貢献を実現するために、資金援助ではなく農作業委託を行うというところがポイントといえそうです。

参考1

ソーラーフロンティアなどによる長崎空港のメガソーラー

ソーラーフロンティアが関わる新たなメガソーラーの計画が発表されました。

ソーラーフロンティアと、LPG(液化石油ガス)供給会社のチョープロ(長崎市)が共同で建設・運営する予定のメガソーラーは長崎空港長崎県大村市)隣接地に建設されます。

同じく関西空港の約11.6MWのメガソーラーにもソーラーフロンティアのパネルが採用されていましたが、黒色のパネルは従来のシリコン系のパネルと比べて反射光の影響が少ないことが言及されていました。
今回の事業でもソーラーフロンティア製のパネルの「光の防げん性」が評価されています。
また、九州に生産拠点を持つ事から、パネルの輸送コストや輸送に際して排出される二酸化炭素を抑えられることも評価できそうです。

空港の滑走路の35.1ha分を賃借して29.1MWを建設する予定で、他にも空港にメガソーラーを建設する例はいくつかありますが、世界単位で見ても長崎空港のものが最大級となるそう。さらにプロジェクトの収益の一部は県に還元されるということで、注目どころ満載のメガソーラー計画ですね。

参考

九州の3島に大型蓄電池設置、再生可能エネルギーの出力変動に対応

再生可能エネルギーの出力変動に対応するため、九州電力は管轄内の3つの離に大型の蓄電池を設置し、電力系統の安定に繋げるための実証実験を始めます。

環境省の「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」モデル事業として採択されたこの事業は、長崎県の対馬、鹿児島県の種子島と奄美大島の3島にそれぞれ、出力2~3.5MWの大型リチウムイオン蓄電システムを設置。
最も大きい出力3.5MWのもので204kWhのリチウムイオン電池ユニットを7つ使ったユニットとなっており、合計1430kWh(1.43MWh)の容量で9MW程度の太陽光、風力発電の出力変動に対応できる見込みだそう。
2016年度までの3年間の実証実験を通じて、蓄電池の最適な制御方法の確立を目指します。

北海道沖縄・来間島といった地域でも、すでに蓄電池を使って再生可能エネルギーの出力変動抑制の試みは始まっています。

太陽光パネルでかつては市場を先導した日本ですが、今はパネルといえば、中国製の低価格製品が市場の大半を占めています。
次のステップとして蓄電池などスマートグリッドの技術でリードできるようになるといいですね。

参考

ハウステンボスの太陽光発電

長崎県佐世保市にある「ハウステンボス」が、テーマパークから2kWのの位置にある所有地に合計2.1MWの太陽光発電施設を建設すると発表しました。
この土地は駐車場跡地で、「ハウステンボスが全盛期の頃は、この駐車場にもいっぱいの車が停まるほど来場者がいたのかなぁ、、」なんて考えると物悲しくも感じますが、自社の所有地を使った事業でもあるからか総事業費が約5億円と、キロワット換算23.8万円、かなり安く施工ができる見込みだそうで、年間8000万円の収入、初期費用の回収は6年と、収益面では十分満足できる事業になりそうです。