米クァンタムマテリアルズ社、次世代型量子ドット太陽電池の量産

アメリカはカリフォルニアで量子ドット技術の研究開発を行っているクァンタム・マテリアルズ(QMC)は、次世代型の量子ドット太陽電池を生産するための量子ドット材料量産のための生産能力を拡大すると発表。

太陽電池が太陽光から電気を作る際、利用できる光線の波長は限られています。電池を作る材料によって利用できる波長が異なることから、複数の太陽電池からできたハイブリッド型のもの(パナソニックのHITなど)も製品化されていますが、量子ドット構造の半導体結晶を材料として使うとさらに利用できる波長が広域になることで、理論上60%以上のエネルギー変換効率が得られるのだそう。
現在研究レベルで、化合物3接合型のセル変換効率37.9%という記録(シャープ)がありますが、これと比べても量子ドットを使う場合の伸び幅の大きさは期待できそうです。

生産にかかるコストの問題でこれまで製品化が進まなかったものの、今回生産能力の追加により薄膜型太陽電池を製造し、これを利用したプラントの建設を共に行うパートナーを探している段階なんだとか。
どこが勝ち取ることになるのでしょうか。

今回の量産化に際しては、太陽光発電技術の発展に関する政府からの資金援助に消極的なアメリカにおいて、補助金が受けられない状態でコスト削減を目指すために、多くの特許を自社および他社から取得したということ。
その中には、バイエル社のバイエルテクノロジーサービスから買い取った特許群も含まれるのだそう。
バイエル社といえば、ドイツの大手パネルメーカー、ソーラーワールドの発端となった技術の一つも、バイエル社のものでしたね。太陽電池飛行機ソーラー・インパルスも手掛けています。

量産した量子ドット材料はQMCの子会社のソルテラ・リニューアブル・テクノロジーズ社によって太陽電池への応用開発がすすめられます。

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