南相馬市の40MW蓄電池稼働開始、再エネ導入量50MW分の拡大に寄与するか?

再エネの導入量が増えるに従い問題になってきた出力制御問題

これを解消するのに有力な方法の一つとして蓄電池が注目されていますが、この効果を確かめる実証実験の中でも大型なものが、今回完成したということ。

40mw

「大容量蓄電システム需給バランス改善実証事業」を採択して東北電力が南相馬変電所に導入されたのは出力40MW、容量40MWhというかなり大型のもの。上の写真は東北電力が発表したものですが、8500㎡にも及ぶ土地に敷き詰められた蓄電池システムは圧巻です。

このシステムを使って、太陽光発電などの出力が需要を上回る時間帯などに電力を蓄電し、高需要時間帯に放電する方法で出力の均衡化を図る実証実験を2016年度にかけて行っていくということ。

40MWhのこの蓄電池によって再エネ50MW分の導入拡大を見込んでいるそうです。

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東北電力、西仙台変電所に20MWhの蓄電池設置で出力変動吸収を実証

東北電力は西仙台変電所に20,000kWhのリチウムイオン電池を採用した大型蓄電池システムの営業運転を開始しました。

本システムの稼働開始により、風力発電や太陽光発電のような気象変動で発電量が変動することによる周波数変動を解消することが可能になります。
これまでは、周波数変動の調整は火力発電施設に頼ってきましたが、今後は大型蓄電池システムと組み合わせることにより、周波数調整能力を向上させるのが狙いです。

一般社団法人新エネルギー導入促進協議会が公募した「平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業」に採択されたこの事業ですが、電力系統に大規模蓄電池システムを導入する国内初の取り組みになります。

東北電力では、今回のシステムでの実証試験結果を検証して、更なる、再生可能エネルギーの導入拡大に取り組んでいく予定です。

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東北電力の接続可能量は552万kW、系統WGに算定結果を提出

系統の接続保留問題に関して国の系統ワーキンググループ(WG)での検討のために東北電力が提出した算定結果について、同社が公表しています。

それによると東北電力管轄圏内の太陽光発電の接続可能量は552万kW(5520MW)、そして検討保留を発表した2014年9月29日の時点でこの限度量を既に超過しているということ。

さらに提出された提案には、連系が確定している設備については極力出力抑制を制度で認められている範囲内に抑え、さらに連系を保留している分については制度変更を前提とし、導入の拡大を検討したいとする意向を盛り込んだということ。

この先はWGでは東北電力の提案を含む各電力会社や事業者などの意向をまとめる作業に移ります。

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東北電力が再生可能エネルギーの高圧連系の回答を保留と発表

9月30日付けの発表で、東北電力は系統への50kW以上(高圧・特別高圧)の再生可能エネルギー発電設備の連系申込みについて、回答を保留することを明らかにしました。

平成26年5月末時点で国全体の設備容量が7148万kW(71.48GW)、うち太陽光発電は6800万kW(68GW)となっており、その中でも東北電力管轄内の太陽光発電は1000万kW(10GW)超となっているということ。

風力発電の受付可能容量として確保している200万kWを含めた1200万kW(12GW)の容量は管轄の需要量を上回る規模であり、同社の発電設備の出力調整を行ったとしても供給に支障が出ることになるという。

これに対して東北電力は、連系申請の回答を一時保留という対処で対応するとしています。
また、「西仙台変電所での大型蓄電池システム実証事業」や「風力の導入拡大に向けた東京電力との連系線を活用した実証試験」の結果を見ながら容量を増やしたいとも考えているよう。

低圧連系となる50kW未満は、現時点では通常通り連系可能ということ。時間も問題という気もしますが、ねらい目といえばねらい目ですね。

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