NEDOのアメリカでの実証実験で、日産自動車らEVの行動範囲拡大への有効性を検証

太陽光発電などの再エネ発電設備と組み合わせることで低炭素社会の実現に大きく貢献すると考えられるEV(電気自動車)は、現状で連続走行距離が短いことや、電源などのインフラの不足といった問題を抱えています。

EV(電気自動車)の普及に取り組む米国カリフォルニア州では、様々な優遇措置が行われ、全米内トップのEV普及台数ですが、その実態は、通勤や買い物といった近距離移動に限定利用されています。この課題を解消するため、カリフォルニア州北部都市圏において、調査を開始することが決まりました。

この事業では、特に都市間をつなぐ幹線道路における急速充電のインフラ整備と、誘導サービスシステムを導入し、その後、EVユーザーの行動を調査することで、対策の有効性を実証します。また、世界各国でのEV普及モデルが確立されることが期待されています。

同事業は、独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が請け負い、日産自動車株式会社、Nissan North America社、兼松株式会社に委託して実施します。

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日産、エナリス、フォーアールエナジー、使用済み蓄電池でBEMS実証実験

日産自動車株式会社とフォーアールエナジー株式会社は2014年11月13日、株式会社エナリスと協力して電気自動車「日産リーフ」の使用済みリチウムイオンバッテリーを複数組み合わせて、大容量蓄電池システムとしてビルの電力マネジメントに活用する実証実験を行うことを発表しました。

検証は厚木市にある日産の先進技術開発センターに「日産リーフ」の使用済みリチウムバッテリー24台分を設置してエナリス提供のデイマンドリスポンス(DR)サービスに対応させる形で行われるもので、電力供給を滞らせることなく電力料金を削減できる大容量蓄電池システムの利用方法を実証します。本システムにおけるPCS出力は250kW、蓄電池容量は約400kWhとしています。

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鹿児島県の離島で住友商事らEVのリユース蓄電池を用いた実証実験

住友商事は今年2月から「大阪ひかりの森」に設置されたメガソーラーでにEVのリユース蓄電池を用いた実証実験を始めていますが、今回、鹿児島県の離において同様の事業を行うことを発表しました。

薩摩川内市甑島で行われる同実証実験は同市と住友商事によるもので、前回同様環境省からの支援(平成26年度「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(離島の低炭素地域づくり推進事業)」)を活用します。
規模としては「大阪ひかりの森」と比べて蓄電池のボリュームが増え、EV37台分にあたる容量約617kWhの蓄電池を使用します。

これに加えて災害用に太陽光発電110kWとを設置します。

九州離島で再エネ設置容量の拡大に貢献することを想定

さて同事業で九州の離島が選ばれたのは偶然ではありません。
住友商事は、九電の管轄地域の中でも再エネ導入の際の障壁が高い離島群において、同様の事業展開を考慮しているとしています。
九州電力にも技術面でのサポート協力を要請しているそうです。

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EV蓄電池を再利用で太陽光発電の出力変動に対応、住友商事が実証実験

以前、住友商事などが大阪市の夢洲にある都市廃棄物処分場に建設した10MWのメガソーラー「大阪ひかりの森」
住友商事は、この施設の横に大型の蓄電池を設置し、出力が不均衡な太陽光発電施設の電力の出力変動を抑制する実証実験を開始しました。

環境省の2013年度「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」に選定されて行われるこの実験では、EVで使用された蓄電池が再利用されます。

日産リーフで使われた蓄電池を16台分使用し、出力は0.6MW、容量は0.4MWhだということ。最大24台分まで増設可能だそうです。

住友商事と日産自動車株式会社は、共同で、EV用リチウムイオン電池の再利用に取組む合弁会社「フォーアールエナジー株式会社」を設立しており、今回の事業で使用される蓄電システムの技術開発などもフォーアールエナジーによるもの。世界初のEV蓄電池再利用型の大型蓄電池となります。

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