発電量予測の誤差が数%に、電力系統の乱れを解消

固定価格買取制度の適用後、産業用を中心に日本国内での太陽光発電の設置量が大幅に増えましたが、天候などによる発電量の不規則さが電力系統にあたえる影響の解決は大きな課題となっていましたが、それに対して東京大、東海大、千葉大のチームは、より正確に太陽光発電の発電量予測できるシステムを開発したことを発表しました。

気象衛星ひまわりなどのデータを利用して地上1~4kW四方の日射量を予測できるシステムは、大気中の塵(エアロゾル)や雲の分布を加味した予測により、実際の日射量とほぼ一致させられることを確認。これにより太陽光発電システムの発電量予測の誤差も数%に抑えることができるということ。

さらに農作物の管理などにも利用できるこのシステム。今後この研究結果は、NPO法人「太陽放射コンソーシアム」の設立を通じて社会還元されることとなります。

スマートグリッド社会の実現には、様々な方向からの問題解決ができることが実感されるニュースです。

IHSによる2013年の太陽光発電の世界需要の予測は?

市場リサーチ会社「IHS」によると、昨年2012年には一昨年から14%需要が伸び、31.4GWに上ったそうです。
一方「NPD Solarbuzz」では、2012年の世界市場規模は29GWであったと発表しています。
この差についてIHSでは、グリッドに実際接続された設置数に至っては30GWにとどまっている。これは、インドや中国の建設進度の遅さが主な原因にある。ということです。

どちらにせよ30GW前後の設置量があったという事ですね。

そして、より楽観的な数字を発表していたIHSは、2013年はさらに需要を伸ばし、世界中で35GWが導入されるという予測を発表しています。

その内訳はグラフの通り

solar01

中国と日本、ドイツ、アメリカがほぼ同じくらいのヴォリュームの需要が予測されています。
昨年の日本は5位の位置で、割合も10%程度に過ぎませんでした。今年は日本も、世界市場の中でより大きな役割を担う事になりそうですね。

地域別では、アジアがここ10年で初めて世界一の需要を経験し、15GWが予測されています。それに比べてヨーロッパでは13GWにとどまり、世界一の座をアジアに受け渡すことが予測されています。
 
成長率にすると、南北アメリカ大陸で50%、アジアで65%。

またこの表の中ではRoW(rest of the world/世界のその他の地域)に分類されることとなる地域も、成長率で見ると目覚ましいものがあります。
特に中東とアフリカの地域では250%。MENA(Middle East & North Africa)として注目されている地域にあたり、この地域の広大な砂漠などを利用して太陽光発電で得た電力をヨーロッパに送電すると言った計画もあります。

参考