太陽光発電、稼働開始時期の買取価格の適用を検討

九電をはじめとした系統連系問題について、検討されている案の一つに「買取価格適用の時期の変更」が挙げられているようです。

現在の制度では、発電所の検討段階でも連系の申請時点の買取価格が適用されます。
資金調達、土地の確保などは認定取得後から始める例も多く、実体のない事業がかなり多くあることが問題視されていました。
現在は悪質な例に関しては経産省のメス入れによって排除され始めていますが、海外の基準からするとこの制度は、かなり「甘い」ようです。

ドイツなどでは、今回検討されているような「稼働開始時の価格適用」によってFIT制度が行われていたために、メガワット級の事業も数週間で建設するような例もあります。

実際、回答保留にあっている当事者にとっては、工期が遅れれば収益減につながるのですが、
個人的には比較的リーズナブルな案ではないかと思います。

参考

鹿児島県の離島で住友商事らEVのリユース蓄電池を用いた実証実験

住友商事は今年2月から「大阪ひかりの森」に設置されたメガソーラーでにEVのリユース蓄電池を用いた実証実験を始めていますが、今回、鹿児島県の離において同様の事業を行うことを発表しました。

薩摩川内市甑島で行われる同実証実験は同市と住友商事によるもので、前回同様環境省からの支援(平成26年度「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(離島の低炭素地域づくり推進事業)」)を活用します。
規模としては「大阪ひかりの森」と比べて蓄電池のボリュームが増え、EV37台分にあたる容量約617kWhの蓄電池を使用します。

これに加えて災害用に太陽光発電110kWとを設置します。

九州離島で再エネ設置容量の拡大に貢献することを想定

さて同事業で九州の離島が選ばれたのは偶然ではありません。
住友商事は、九電の管轄地域の中でも再エネ導入の際の障壁が高い離島群において、同様の事業展開を考慮しているとしています。
九州電力にも技術面でのサポート協力を要請しているそうです。

参考

九州電力は、申込済みの50kW以下について手続き再開

朗報です。
九州電力は管轄地域の九州本土において、前回の回答保留の際に対象外となっていた10kW未満の余剰売電に加え、前回の発表の公表日(9月24日)以前に既に申し込んでいた50kW未満低圧の案件の回答を再開したと発表。

低圧でも敷地分割案件は回答再開の対象外

ただしこれには敷地分割と呼ばれる、50kW以上の案件を50kW以下の複数案件に分けて設置するものは除かれます。

50kW未満低圧連系がお得な理由でも触れていますが、50kWを超えると設置にかかるコストが大幅に増えるためにこの「敷地分割」と呼ばれる方法を取る事業が続出。既にこうした案件への対処は進められ、本来高圧の案件を低圧に分割して連系することはいずれの地域においても制限されています。

九電申込み再開のいきさつ

九電ショックと言われるくらいのニュースになった買取中止問題。申込みの再開には事業者からの強い意見申し立てが効いたようです。
経済産業省に対しての反発の声も強まったこともあり、国からは「安定供給に支障のない範囲で対応するように」という要請が下ったとしています。

残る5万件超の高圧案件の回答は?

今回申請回答再開の対象とされたのは32万1000kW(32.1MW)の容量にあたる1万1129件分。

合計で1153万5000kW(約1.15GW)というボリュームのある50kW以上の5万5559件分については、国の専門委員会による受け入れ可能量の検証が済み次第、方針が発表されるということ。

国の専門委員会とは経済産業省総合資源エネルギー調査会省エネルギー新エネルギー分科会新エネルギー小委員会(長いですね…)の下に設けられた「系統ワーキンググループ」を指し、年内には各電力会社の接続可能量に対して何かしら対応策を発表するとしています。

既に売電を開始している事業にも影響が???

日経新聞によると

既存の発電事業者からの買い取りを制限できる余地を増やし、新たな事業者の受け入れ枠を確保する案を検討している。

としており、既に売電を開始している事業の収益に影響を及ぼす可能性をにおわせていますが、既設の事業者からしてみれば「そんなの聞いてない」となってしまいますよね。

ちなみに経産省および九電のリリースではそのような内容が確認できないので、日経独自の調査によるもののようです。
詳細がどのようなものなのか、早急に突き止めたいと思いますので、各種SNS等で最新情報をご確認ください。

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