政府が海外に再生可能エネルギーなど技術輸出支援

政府が国際協力機構のJICA(ジャイカ)を通して12つの技術協力の支援を行うと発表。2020年に30兆円のインフラ受注を目指して行われるのだとか。

これはJICAが昨年から行っている「民間技術普及促進事業」のプロジェクトとして採択されるもので、民間提案の技術を途上国に売り込むための支援。
12つのプロジェクトにはそれぞれ2000万円が支援されたということ。

2000万円というと多いようで少ないですよね。すぐに無くなってしまいそうな金額の気もしますが、ここは頑張って将来につなげてほしいものですね。

12つのプロジェクトの中には医療、農業インフラ、水関連に加えて再生可能エネルギーのプロジェクトも2つ選ばれています。

沖電グループ企業は特有の問題に対処できる風力発電の技術を輸出

一つは沖縄電力のグループ会社プログレッシブエナジーによる、トンガへの風力発電の技術輸出。
この風力発電は可変式になっており、天候によって折りたたみができるということ。台風の多い沖縄ならではの技術といえそうですね。

南太平洋の島嶼群からなる国トンガは世界中の小規模な島が同じく抱える電力供給に関する問題を抱えていると考えられます。
つまり、火力発電のための燃料輸送費がかかること、そして、小規模な島に大きな発電施設を建てるのは大変で、環境にも健康にも有害とされるディーゼル発電機を使用しがちなこと。
そのためトンガでは、2020年までに電力需要の半分を再生可能エネルギーでまかなう計画を立てているのだそう。

沖縄電力では、管轄地域内での再生可能エネルギーの接続量が限界に達しているので同地域内ではせっかくの技術を応用しにくい状況ですが、太平洋には同様の問題を抱える島がたくさんあります。
それぞれの規模は小さくても、その道でリードできるような存在になってほしいものです。

住友電工モロッコへの集光型太陽光発電技術輸出

太陽光発電で注目されているMENA地域(中東・北アフリカ)への足掛かりとして住友電工が目を付けたのはモロッコ。
集光型の太陽光発電で最大規模のものはカリフォルニアのものが有名ですが、これは太陽の熱を鏡で集めていわゆる火力発電と同じくボイラーを使った発電設備。
記事では集光型太陽光発電とは書かれているものの、太陽電池を使ったCPVなのか、熱を使ったCSPなのかは明記されていません。

とにかく広い砂漠地帯での発電所ということでは太陽熱を使ったボイラー発電だろうと予想します。つまりソーラーパネルとかは関係ない発電ですね。
砂漠地域の発電というと、熱に強い化合物系のソーラーフロンティアなんかにも頑張ってほしいな、と個人的には思っています。

参考

モロッコでの大規模プロジェクト延期・スペインが怖じ気づいた?

EU諸国と北アフリカの代表たちが、EUとモロッコの初めての共同プロジェクトの契約の締結を延期させました。

非営利団体「DESERTEC Foundation」が提唱する”デザーテック”とは、砂漠の太陽エネルギー、風力エネルギーを利用するという構想。
DiiDesertec Industrial Initiative)はこの”デザーテック”を実現させるために作られた産業共同体で、DESERTEC Foundationはもちろん、ドイツの研究機関フラウンホーファーやマックス・プランク、関連諸国やその他企業・協会など55の団体から構成されます。

今回のプロジェクトは、モロッコに、太陽光発電100MW、風力発電100MW、集光型太陽熱発電150MWの大規模な発電所を建設し、モロッコと対岸にあるスペインを通じてヨーロッパへの送電を行うというもので、このプロジェクトの契約締結のために今週、各国がベルリンに飛んだものの、肝心のスペインが現れず、契約締結が叶わなかったという事です。

しかしDiiのCEO、Paul van Sonは、最終的にヨーロッパ諸国がスペインを説得できると信じています。

プロジェクトの監督は、ヨーロッパ全土で公共事業を展開するドイツのRWEがうけもつことになっています。

参照