環境共創イニシアチブ(sii)の定置用リチウムイオン蓄電池補助金対象にさらに7製品追加、太陽光発電と蓄電池のハイブリッド型システム向けの製品層がさらに厚く

平成26年度補正予算による定置用リチウムイオン蓄電池補助金事業の対象となる量産型登録機器に、4月27日付で3メーカー7製品が加わりました。

経済産業省の補助金事業を執行しているsiiのホームページでは補助金対象製品についてほぼ毎週のように更新があります。

オムロン、そして長州産業もハイブリッドパワコン搭載蓄電池を採用

今回更新されたのはパナソニックの「リチウムイオン蓄電システム」に加えて、長州産業の「太陽光発電連携型蓄電システム」とオムロンの「太陽光発電用ハイブリッド蓄電システム」。
パナソニックの製品は昨年も同等製品が補助金対象になっていますが、オムロンと長州産業の製品は今年度に入って新しく入ってきた製品です。

これらは太陽光発電と蓄電池を同じパワコンで制御して、コストやシステムをよりシンプルで自由度を高められるものとして、パナソニックが2012年に汎用として製品化したのをはじめとして2015年に入って多くのメーカーが同等の製品を出してきています。(詳しくは太陽光発電と蓄電池は一緒に導入すべき?で解説しています)

各パネルメーカーから販売されているものは主にそのメーカーのパネルしか接続できないという場合が多いのですが、今回補助金対象に認定されたオムロンは多くのパネルメーカーの太陽光発電システムに採用されている大手パワコンメーカー。ハイブリッドパワコンの中でも一番汎用性が高いと予想され、価格面でも期待が高まります。

当サイトでは環境共創イニシアチブ(SII)による2種類の蓄電池補助金事業についてはこちらで詳しく解説しています。補助金対象製品をニーズ別で分けた価格仕様一覧表もあわせてご確認ください。

オムロンの蓄電池付きパワコンは直流のまま充電、容量は蓄電池6.4kWhパワコン4.8kW

オムロンが、戸建住宅向けの太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムを2015年春に発売することを発表しました。容量6.4kWhの蓄電池と出力4.8kWのパワーコンディショナーで構成され、世界最小・最軽量クラスと長寿命を両立させたシステムになっています。

パワーコンディショナーは、少ないロスで充電可能にするため電力を直流のまま貯める太陽光発電用と蓄電池用を1台で兼用しています。

リチウム蓄電ユニットは6.4kWhの容量で世界最小・最軽量となる約60kgと、家庭用空気清浄機並の小型化で室内にも溶け込む外観となっています。搬入にクレーンや基礎工事が不要になり、設置時の工数や工費が大幅にカットできます。また、充放電は約8000サイクルで10年以上は使用できます。

系統の電圧上昇時や太陽光発電電力がパワーコンディショナーの出力を越えた際には直流のままの蓄電に切り替わることで効率的に電力を活用できるほか、経済性重視のモードや安全優先で電力を維持するモード、強制充電するモードなど、利用状況に合わせて運転モードが選択できるようになっています。

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オムロン、蓄電池付き太陽光パワコン発売

オムロン株式会社は、2015年の春に太陽光発電用ハイブリッド蓄電システムKP48S-PKG64の発売を開始します。近年、国内のエネルギー関連市場は多様に変化しており、社会のニーズに応えるためにもこれまで様々な技術、製品を提案してきました。今回発売するこのKP48S-PKG64は国内の戸建住宅に合わせたタイプであり、エネルギーの新しい時代の需要に応えたものです。

主な特長としては、世界でも最小で最軽量クラスでありながら、6.4kWhの大容量を実現しました。また充電や放電の寿命は約8,000サイクルと10年以上活用が見込まれます。そして利用のシーンに合わせて運転モードが選択でき、夜間に電力をためて朝夕に使ったり、昼間は太陽光で使わない電力を充電したりするなど、ユーザーに合わせた利用が可能です。また、1台で太陽光発電と蓄電池の両方に対応できるので、今までそれぞれのパワコンを設置しなければならなかったことと比べるとロスが少ないです。そして本体は約25kg、蓄電池接続用DC/DCコンバータは約13.5kgで最軽量化を実現し、搬入も楽で、壁掛けの設置なので基礎工事がいらず費用も抑えられます。そして、発電の際、電力系統の電圧が上がると売電の量を抑制しなければならないが、これを無駄にすることなく充電ができ、太陽光の発電容量がパワコンの出力容量を越えた場合も、余った電力を充電することができ、効率的に活用することができます。その他の特徴としては、補助金に対応できることや、出力の制御に対応を予定していること、屋外のファンがなく静音であるなど、オムロンのパワコンは独自技術を搭載し大きく貢献しています。

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オムロン、重塩害地域対応のパワコン「KP55M/KP44M-SJ4」を発表

2015年2月17日、京都市下京区を本拠地とするオムロン株式会社は自社のウェブサイトで、2012年に発売した太陽光発電システム用パワーコンディショナ「KP M」シリーズの重塩害対応タイプのである「KP M-S」シリーズのリリースを発表しました。

オムロン社によると「KP M-S」シリーズはこれまで太陽光発電システムの設置が困難だった塩害地域でのシステム設置を実現すべく作られたもので、海水の波しぶきが直接当たる地域を除いた海岸線500m以内の地域や、潮風の当たる場所にも設置することが可能であるとしています。
さらに従来機種にあった隠蔽配線口を削除して独自開発したジョイントを使用したことで、防水性と施工性の両立と外観の美しさを向上することにも成功している他、高性能塗料を塗布することでこれまでよりも高い防錆性能を実現させており、厳しい環境の中でも高い信頼性を保ち続けることが可能となったとしています。

スペックは従来のKPシリーズをのものを引き継ぎ、4.4kW(KP44M-SJ4)、5.5kW(KP55M-SJ4)となっています。2015年6月にリリースされる予定。

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