2012年はインリーソーラーが供給量で1位に

IHSの発表によると、

サンテックを抜いて1位に躍り出た中国のインリーは、一昨年から43%の伸び。それに対してサンテックは製造拠点の閉鎖などで順位を大きく落としたのは、誰もが想像していた事だと言います。

ファーストソーラー、サンテック、シャープは10位以内に入ってはいるものの、出荷数では一昨年を下回っています。

この10位以内に入ったメーカーの中でヨーロッパの会社はRECのみ。

しかし中国の競合メーカーにひけ劣らない31%という高成長率を見せています。

 

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全体でみると上位10位の全体に占める割合は2011年の46%から下がって40%。

日本国内の需要の大きさは、日本のメーカー京セラソーラーフロンティアの成長を促したとも言います。

順位にして、ソーラーフロンティアは2011年の14位から2012年は11位に、京セラは17位から12位に伸びています。

国内需要の拡大は2013年も続く事が予想されますが、対する中国メーカーRenesola、AstronergyHareon SolarそしてJA Solarも出荷数を伸ばしており、隣国の日本もおちおちしていられない??

ヨーロッパの少数国が大半の需要を担っていた2011年の状況から世界的に需要が拡大するにつれ、メーカーも他地域進出の傾向が大きいです。

参考

IHSによる2013年の太陽光発電の世界需要の予測は?

市場リサーチ会社「IHS」によると、昨年2012年には一昨年から14%需要が伸び、31.4GWに上ったそうです。
一方「NPD Solarbuzz」では、2012年の世界市場規模は29GWであったと発表しています。
この差についてIHSでは、グリッドに実際接続された設置数に至っては30GWにとどまっている。これは、インドや中国の建設進度の遅さが主な原因にある。ということです。

どちらにせよ30GW前後の設置量があったという事ですね。

そして、より楽観的な数字を発表していたIHSは、2013年はさらに需要を伸ばし、世界中で35GWが導入されるという予測を発表しています。

その内訳はグラフの通り

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中国と日本、ドイツ、アメリカがほぼ同じくらいのヴォリュームの需要が予測されています。
昨年の日本は5位の位置で、割合も10%程度に過ぎませんでした。今年は日本も、世界市場の中でより大きな役割を担う事になりそうですね。

地域別では、アジアがここ10年で初めて世界一の需要を経験し、15GWが予測されています。それに比べてヨーロッパでは13GWにとどまり、世界一の座をアジアに受け渡すことが予測されています。
 
成長率にすると、南北アメリカ大陸で50%、アジアで65%。

またこの表の中ではRoW(rest of the world/世界のその他の地域)に分類されることとなる地域も、成長率で見ると目覚ましいものがあります。
特に中東とアフリカの地域では250%。MENA(Middle East & North Africa)として注目されている地域にあたり、この地域の広大な砂漠などを利用して太陽光発電で得た電力をヨーロッパに送電すると言った計画もあります。

参考

【4月3日更新・価格比較!】更新状況で施工店の余力を推し量れるか?

太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの発電分に対して適用される固定価格買取制度売電価格の改定が行われ、さらに補助金の額も、昨年度のシステム費用低下を受けて引き下げられた4月。
施工店はぞくぞくと、新価格を提示し始めています。

補助金が15,000円引き下げられたので実質の負担額は少しだけ上がっているところがほとんどですが、実質の販売価格は順調に下がっています。

ただ、新制度に合わせた価格への変更がまだできていない施工店も多くあり、比較表は穴だらけ。しかしここから見えてくる事がひとつあります。それは、

「サイトの価格情報の更新がきちんとされている施工店は、いつも価格比較で上位にいる施工店だという事」

必ずしもそうとは限りませんが、サイト更新の余力を持っている施工店というのは、利益もきちんと出ている施工店、今いる客対応に手いっぱいという状況ではなく従業員にも余裕のある施工店だと考える事もできます。

ちなみに売電についてのページや、補助金についてのページも更新しました。
売電価格は、「10kW以上50kW未満の優遇の有無」について意見が様々ありましたが、(記事パネル1枚(150W)の差で10kW以上のシステムの方が大幅に収益が増える事を考えると、優遇説を唱える側の意見には、事業者側の利益追求の思惑を想像してやみません。

売電額は38円(10kW以上は36円)、補助金は2万円/kW

ほぼ決定です。
平成25年度の売電価格は、
10kW未満で38円/kWh、10年間
10kW以上で36円/kWh(税込で37.8円/kWh)20年間
です。
最終決定は今月中、茂木経済産業相から出されます。

新価格の決定にあたり参考とされたデータ

システム価格の下落
10kW未満:46.6万円/kW → 42.7万円/kW
10kW以上:32.5万円/kW → 28万円/kW

補助金
国:3.5万円(平成24年度) → 2万円/kW(平成25年度)
地方(平均):3.8万円(平成24年度) → 3.4万円/kW(平成25年度)

3月22日までパブリックコメントも受け付けています。
この売電価格について、「ちょっと待った~!!」とモノ申したい方は、意見を送ってみてはいかがでしょうか?

ちなみにこの「売電制度」は「一般家庭の電気料金」に加算されてまかなわれる事になりますが、各家庭の負担額は、2012年度の平均月額87円から120円に引き上げられる予定です。

農業と太陽光発電の両立・姫路市で追尾型を使った実証実験

アメリカでは既に酪農との並行も進んでいます。
日本でも、農業との両立に向けて本格的に動き始めています。

追尾型の太陽光発電システムなどを生産するフジプレアムが、姫路市で農業と追尾型太陽光発電を使った売電事業の両立実験を開始すると発表しました

プレスリリース

追尾型を利用することで、1台ごとの発電量がより多く見込めます。
具体的には追尾型太陽光発電システム4基・17.6kWのシステムで年間25MWhが見込めるそうです。
キロワットあたり1420kWh/年。16.2%の設備利用率の計算です。全国平均の設備利用率を12%(=1年間に1050kWh/kW発電できる)とした場合1.35倍の発電量が得られることになります。

農作物の生育に影響を与えないソーラーシェアリングという技術も広まってきていますが、作物によってはこれに適さない場合もあります。

今回の追尾型は地面からより高い位置にパネルが設置され、収穫高などへの影響を最小限に抑えることなどを課題として3年の期間をもうけた実証実験となるようです。

酪農であれば、発電設備直下の影の影響をほとんど考慮しなくて良いのですが、(逆に夏場とかは家畜が涼むのに良さそう)日本はやはり、稲作地としての土地利用が多いので、こういった開発には多くの需要がありそうです。

東京都は補助金は廃止、代わりに「屋根ぢから」ソーラープロジェクト

東京都は平成23年6月21日から平成24年度末まで、家庭用の太陽光発電システムに対し、キロワットあたり10万円の補助金を支給していました。
しかし25年度はこれを継続しない意向のようです。
これはかなり大きいですね。

その代わりに導入されるのが「屋根ぢからソーラープロジェクト」
具体的な内容としては

  1. 低利ローンの提供と適切な販売店管理が可能な金融機関の公募・選定
  2. 「屋根ぢから」推奨プランの公募・選定(平成25年4月予定)
  3. 中立的・効果的な情報発信と相談窓口の設置(平成25年5月予定)

 
の3つが挙げられています。

1つ目は分かりやすいですよね。
分割での設置による利子負担が少なければ少ないほど、太陽光発電の設置はより多くの家庭で可能になります。
ただ、売電価格が来年度から1割も下がることが決定されています。
システム価格の大幅な値下げがない限りいくら低利ローンが利用できても、今年度と比べた太陽光の設置メリットは、かなり劣っては見える事でしょう。

2つ目と3つ目の内容はセットで考えられます。具体的には
パネル価格に一定の要件を設定した太陽光発電システムと、発電量モニタリング等のアフターケアを組み合わせた設置プランを太陽光発電システムの販売店から公募し、新たに設置する窓口にて中立的・効果的な情報発信を行っていく。」
という事になります。

昨年7月からの太陽光ブームを利用した、悪質な施工店が増えたのも事実。
こういった窓口を設けることで、悪質業者絡みのトラブルを防ぐことにつながるかもしれませんが、毎月市場を見極めながら価格をコントロールしている施工販売店にしてみれば、都にいちいち販売方法について関与されるのはどれほどの自由を奪われることになるだろう、などと考えてしまいます。
例えば楽天ソーラーなどのように、ブランド力も強く、プラン内容にさほど変動が必要ない販売店にとっては有利かもしれません。

また、「やねぢからくん」というキャラクターも作っています。
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やねぢからくんの特徴

  • おでこには太陽光パネルを搭載。
  • 力強くにぎりしめたこぶしには、太陽の力がやどっています。
  • 屋根の底力をみんなに知ってほしくてしょうがないので、しゃべるときには語尾に「やね」が付きます。

キャラクターの気合いの抜け方と言い、この政策に関してどこまでの効果を期待しているのかは不明ですが、政策の影響力なども踏まえてこれからも市場の動向をお届けしていこうと思います。
メーカー別価格相場がわかるページ(毎月更新)
太陽光発電の価格動向の推移が分かるページ

【3月1日更新・価格比較!】平成24年度・42円の申請に間に合わせるポイントは?

3月に入り、価格を更新しました。
最安値の更新があったのが「ソーラーフロンティア」、「東芝」、「サンテック」の3メーカーの製品です。
この動きにより「費用面でのシミュレーション」の順位は、設置面積・電気料金に関わらず、どの家庭においても1位「ソーラーフロンティア」・2位「東芝」・3位「サンテック」と固まっています。
4位以降に関しては、設置面積に余裕の無い家庭は「パナソニック」、比較的大きな屋根をお持ちの家庭は「楽天ソーラー」の収支率が良くなっています。

メーカー別価格相場一覧表
シャープの相場価格表と、市場動向
ソーラーフロンティアの相場価格表と、市場動向
パナソニックの相場価格表と、市場動向
東芝の相場価格表と、市場動向
サンテックパワーの相場価格表と、市場動向
毎月の市場動向推移はこちらで解説

ネット上の最安値を参考にシミュレーションサービスをご提供しています。
ご家庭の電気料金、設置面積などを選べば、「10年間の売電期間で見た収支の良いパネル」「20年間の使用期間で一番オトクなパネル」「初期費用回収の一番早いパネル」など、収支面の事が全てわかります。

注意!このシミュレーションは「平成24年度の42円の売電価格を採用」しているため、申請が間に合わなかった場合はシミュレーション結果との差が出る場合があります。
各電力会社は一部前倒しで手続きを措置を取っていますが、間に合うかどうかは施工店、電力会社次第と言えそうです。

少しでも早く申請を済ませるためのポイント!
駆け込み需要により、施工販売店にとっては、1年の中でも一番多忙な時期であると考えられ、「設置するかどうか分からない客」に対しての時間はなるべく割きたくないというのが実際のところでしょう。
設置を急いでいない場合は、多くの施工店に見積もり、交渉と、時間をかければ値引き交渉もある程度効果的ですが、今の時期にしつこい値引き交渉は逆効果!
仮に一番安い施工店があったとしても、ちょっとでも”他の施工店に頼むかもしれない”雰囲気見せると、逃げられてしまう事も十分に考えられます。

ここはよほどのポーカーフェイスの達人でない限り、見積もりの時点で一社に決めるのがベターです。
「ここに決めたい!」というこちらの強い意志を見せれば、販売店の側も「このお客さんに対しては頑張りたい!」と思ってくれるはず!

どうしても複数の見積もりで見比べて安心してい!という方は、「一括見積サイト」の併用が便利です。
一括見積サイト比較・完全攻略法

非住宅用の需要増加で「ますますのコスト低下確実」?

スマートジャパンの記事からです。
昨年の7月から導入された固定価格買取制度売電制度)により、10kW以上の太陽光発電施設にかなり有利になったのは周知の事実ですが、それにより、2012年10月から12月にかけての四半期で、特に非住宅用の需要が実際にどのくらい上がったのが数字で出ています。

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2012年度の太陽電池の出荷量。出典:太陽光発電協会

表をまとめてみると、

  1. 非住宅用は毎四半期3倍ずつ増加!
    2012年の第1四半期から、固定価格買取制度が始まった7月から始まる第2四半期にかけて、非住宅用への出荷量は3倍の伸び。さらに第2四半期から第3四半期にかけても約3倍の伸び
  2. 住宅用はそれに比べて微増
  3. 輸入パネルはじわじわ増加
    出荷パネル全体に占める輸入品の割合は3割程度。四半期毎に2%程度ずつ増加している
  4. 輸出量は低下
  5. 多結晶、化合物系など、より低価格なパネルがより増加
    非住宅用のように、設置面積の制約が比較的少ない設備の増加による影響も大きいと考えられる

と言ったことが分かります。

住宅用に関してはまだ単結晶の需要は大きいのではないかと思われますが、この「非住宅用」の需要の大きさの影響は、「多結晶/化合物などのその他のパネル」の価格にある程度のインパクトを与えるのではないでしょうか。
もともと日本では、住宅用の設置量は世界一という事もあり、より高性能なパネルに需要が大きく集まっていた世界でも珍しい市場でした。
しかし、非住宅用の増加は、より海外の太陽光市場に近い状況になってきているとも考えられます。

スマートジャパンでは、この需要の拡大で「今後もさらにコストの低下が見込まれる」と括っています。

当サイトでは、毎月ネット上の太陽光販売施工業者の販売価格をチェックして更新していますので、購入をお考えの際には相場確認にご活用ください。

【2月1日更新・価格比較!】年度末のラッシュに向け価格低下さらに進む・設置するなら絶対「今!」

売電価格の見直しのニュースもあったりと、駆け込み設置が増えると考えられる今月は、どの施工店も価格低下はもう限界と考えられる一線を少しでも超えようと必死な様子。

12月の駆け込みで旧モデルの在庫処分が終わり、モデルチェンジがより進んでいる状況で、最新モデルをさらに値下げという荒技を見せていて施工店もありました。

特に今月注目なのがソーラーフロンティアの安さです。
なんと、160wの最新モデルが単価32万円を切っています。

費用対効果で見ると、もうソーラーフロンティアにかなうパネルはないように見えます。
費用対効果シミュレーションでは、初期費用や毎月の売電価格、初期費用回収年数と10年後の収支、さらに20年後の推定収支を含む、「あなたのお家で一番お得になるメーカー」が分かりますが、どんな条件でもソーラーフロンティアが圧勝で、今設置するなら、断然ソーラーフロンティアの収支率が高いと言えます。

もう一つモデルチェンジがみられたのが中国のサンテック。価格も、ソーラーフロンティアほどではないですが、効率は上がって価格は下げるというファインプレーが見られました。
これにより、中国製ではあるけどいまいち安さにパンチがなかったサンテックの収支の良さは、ソーラーフロンティアに次いでよくなっています。

「平成25年度固定価格買取制度」のページでも、売電価格の変更が家計に与える影響をご紹介していますが、断言します、よりお得に太陽光発電を始めるなら、今です!

太陽光発電・最安値価格比較表では各メーカーの相場が分かる、最安値施工店をご紹介しています。

2012年の設置合計量は32GW・2013年は「価格低下は続くものの、設置量は3GWの増加のみ」


IHSのレポートによると、2012年は全体での導入数が前年の28GWから4GW増え、32GWだったそうです。

2013年はというと、今年の伸び率よりも少ない3GW増加の35GWの見込み。
しかし過去2年続いている平均小売価格の低下は今年も続き、設置量とマーケット価格を乗算した歳入で比較すると、昨年の770億ドルから750億ドルに全体の歳入が減るという事です。
太陽光業界の歳入は、2011年の940億ドルを境に減り続けていることになります。

しかし今年を乗り切れば、2014年から2016年までは2ケタの成長率を見ることも可能で、2016年には1150億ドルの歳入が予測されています。

image via PV tech

昨年多くのプレイヤーがゲームから離脱した太陽光業界、生き残り企業でシェアを分けなおすとしても、今年も厳しい年であることは変わりなさそうです。

しかし、需要が増え続けているという事と、市場のグローバル化はより健全でリスクの少ない太陽光市場に転向するための好条件だという事なので、今年を乗り切れば、という感じでしょうか。

参考

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↑ ↑各メーカーのパネルの発電量が気になる方は上記サイトが一番お勧め!実際に設置しているご家庭のナマの発電状況が閲覧できます