沖縄県来間島の電力地産地消事業詳細

「沖縄県来間島、太陽光の電力でエネルギーを100%地産地消」の話題は以前お届けしました。沖縄県のスマートエネルギーアイランド基盤構築事業の一環として、今年1月から運用を開始しているもので、2015年3月までの実験期間を設けています。

この事業の設備について、詳細が出ていました。

太陽光発電システムの容量は約380kWでカネカ製のパネル、オムロン製のパワーコンディショナを使います。
蓄電池は東芝製で、容量は100~176kWhということ。

参考

兵庫県の水上太陽光発電、水を抜いても稼働順調

水上に浮かべる太陽光発電の実証実験が各地で行われていますが、一足早く水上太陽光発電に乗り出していた兵庫県が、実証実験の途中経過について公表しました。

小野市浄谷町の農業用ため池の上の2つの浮きに、それぞれ80枚のソーラーパネルを設置し行われているこの実証実験。
農閑期にはため池から水が抜かれますが、今年2月下旬から3月初めにかけての水を抜いた状態での稼働でも、順調に稼働を続けているそうです。

水上の太陽光発電は、土地の有効利用以外のメリットも多いと言います。
パネルの温度上昇が水に浮かべる事よって防げることで、通常より多くの発電量が期待できるとも言われますが、この実験は2013年7月から続く兵庫県の水上太陽光発電では、実際県社総合庁舎(加東市社)屋上の発電設備と比べて約1.1倍の発電効率が得られていると言います。

とはいえ、この一例だけでは水上太陽光発電のメリットを裏付けるに足りるとは言えません。兵庫県では、東・北播磨地域のため池でも民間企業による水上太陽光発電の計画がいくつか浮上しているということ。

兵庫県の事業に民間への発展が見られ、自治体による実証実験としては好例と言えそうです。

参考

ビルの外壁で発電、三菱化学の実証実験

NEDOによる色素増感太陽電池実用化のための実証試験の一環で三菱化学が行っていた、「軽量・フレキシブル・シースルー型の有機系太陽電池の実証実験」。

建物の壁や窓部分にシースルーの有機系太陽電池を設置して電力を得、さらに遮光効果なども期待できるというこの技術。
三菱化学は実証実験で培った技術を元に、大成建設と「発電する建物外壁ユニット」を開発しました。

開発されたユニットは、横浜市にある大成建設が技術センター内「ZEB実証棟」に導入し、都市型ゼロエネルギービル(ZEB)の実現に向けての実証実験を始めます。

都市型ゼロエネルギービル(ZEB)とは、年間の1次エネルギー消費量を正味ゼロかほぼゼロにする建築物のこと。
ビルへの太陽光発電設置はビルの屋根上などが想定されますが、ビルが多い都市部では屋根上への太陽光発電設置だけでビルの電力消費を供給するのはハードルが高いのが現状。

高層のため立地面積あたりで消費される電力量が多いのもありますが、高層ビル屋上の強風の環境はパネル設置の障害になったり、隣接の建物の影がかかって十分な発電量が得られなかったりと、ZEBの実現には屋上以外の活用による発電が必須事項となります。

三菱化学と大成建設の外壁を使った発電ユニットは、ZEBの実現に一役買いそうです。

参考

富山市、太陽光活用のエゴマ栽培で地域活性化

昨年9月に発表された富山県による「農業の6次産業化プロジェクト」は、農業と売電の双方の収入を確保する「ソーラ−シェアリング」とはちょっと違いますが、太陽光発電を活用した地域活性化の例としての好例だといえます。

富山県の「農商工連携による環境と健康をテーマとした多様なビジネスの推進」事業の一環で建設されるエゴマの植物工場。

温泉熱での室内温度調整で一年中の栽培を可能にし、太陽光発電からの電力を一部利用したフィリップス製のLED照明を使う事で栽培期間の短縮と収穫量の増加を可能にしたということ。

3月29日に完成する工場を中心に富山市ではエゴマを路地栽培としても広げていき、地域の特産品としていく計画を立てています。

参考

JR都城駅の太陽光発電、除草にヤギを利用

宮崎県で県2位の人口を持つ都市である都城市。
その中心の都城市栄町に位置するJR都城に、JR九州グループの運営する「都城太陽光発電所」が3月から稼働開始しましたが、その運用にヤギを活用する実証実験を行うと発表しました。

発電所の2万㎡の土地の除草のために5匹のヤギを放ち効果を測定します。
駅を利用する乗客からの反響も大きく、住民への癒し効果もあるということ。

鉄道会社では既に西武鉄道が、自社の太陽光発電所でのヤギ除草を行っているということで、親子合わせて4匹のヤギで年間176kgのCO2の削減効果を試算しているということ。

運用費の削減にCO2の削減、さらには癒し効果まで、一石三鳥にもなりうる動物による除草は全国で例が増えています。

九州の3島に大型蓄電池設置、再生可能エネルギーの出力変動に対応

再生可能エネルギーの出力変動に対応するため、九州電力は管轄内の3つの離に大型の蓄電池を設置し、電力系統の安定に繋げるための実証実験を始めます。

環境省の「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」モデル事業として採択されたこの事業は、長崎県の対馬、鹿児島県の種子島と奄美大島の3島にそれぞれ、出力2~3.5MWの大型リチウムイオン蓄電システムを設置。
最も大きい出力3.5MWのもので204kWhのリチウムイオン電池ユニットを7つ使ったユニットとなっており、合計1430kWh(1.43MWh)の容量で9MW程度の太陽光、風力発電の出力変動に対応できる見込みだそう。
2016年度までの3年間の実証実験を通じて、蓄電池の最適な制御方法の確立を目指します。

北海道沖縄・来間島といった地域でも、すでに蓄電池を使って再生可能エネルギーの出力変動抑制の試みは始まっています。

太陽光パネルでかつては市場を先導した日本ですが、今はパネルといえば、中国製の低価格製品が市場の大半を占めています。
次のステップとして蓄電池などスマートグリッドの技術でリードできるようになるといいですね。

参考

ハワイ州の全公立校に太陽光発電、マイクログリッド統合なども計画

ハワイ州では、公立の学校の全てに太陽光発電システムを導入することを決定しました。
電気代の削減だけでなく、科学や工学、数学などの教材としても使用されるそう。

2011年にオアフの4校に太陽光発電を設置して以来、2012年には47校にまで拡大していったこのプロジェクト。州内の全校に普及することで、ハワイ州の人々が一丸となってエコ認識を高めて行く様子は、なんだか海と自然の美しいハワイに、似つかわしい姿である気がしますね。

計画では3校の太陽光発電システムはマイクログリッド統合され、系統から独立して地域の電力インフラとして使っていくことになるのだそう。
この先はマイクログリッドの規模拡大なども視野に入れているのでしょうか?

沖縄同様、世界各地域における島でのエネルギー対策に、今後も注目していきたいところです。

参考

山形県でソーラーシェアリングの実証実験開始

岐阜県に続き、山形県でも、県によるソーラーシェアリングの実証実験を始めるそうです。

農業を守りながら発電による売電収入も見込め、さらに地域の環境対策にも貢献できるソーラーシェアリング
他の地域でもどんどん広がっていきそうです。

山形県では来年度から新庄市にある産地研究室の約250㎡と、寒河江市にある農業総合研究センター園芸試験場の約150㎡を使い、それぞれワラビとミョウガを栽培しながら太陽光発電を行う。
大型作業用機械を使わないで栽培でき、日照量が減っても収穫に大きく響かない作物ということでこの二つが採用されたよう。

実証実験の結果を見ながら数年以内に実用化を目指しているそうです。

参考

消費電力1.7倍の北海道でもエネルギー収支ゼロの「BEST TWOBY ZERO(ベストツーバイゼロ)」

北海道の平成25年度環境・エネルギープロジェクト形成促進事業として採択され、土屋ホームなどが開発を行った積寒冷地スマートハウス「BEST TWOBY ZERO(ベストツーバイゼロ)」が完成!札幌市北区のピースフル新琴似という一戸建ての分譲地で、2棟がこの「BEST TWOBY ZERO」で、見学も可能。

高断熱仕様による省エネに加え、太陽電池・燃料電池・蓄電池の3電池の動作連携と地中熱ヒートポンプによる創エネにより、日本の平均と比べ1.7倍の電力を消費するという北海道の住宅でも、エネルギー収支ゼロを達成できる住宅とされています。

参考

キャンペーンで太陽光発電システム特典も用意

今はまだ実証実験の段階で、販売はされていませんが、完成を記念して土屋ホームではソーラーフロンティア製のパネルとHEMSのセットなどが特典として提供されるキャンペーンを実施しています。
(現在キャンペーンは終了済)

土屋ホームホームページ

京都府がハイブリッド式LED街灯の実証実験を開始

京都府は、府内の民間企業である日立造船株式会社と共同で独立型の街灯の実証実験を行うそうです。

景観を守るための、太陽光発電設置の規制地域も擁する京都府ですが、再生可能エネルギーを用いた地域のエコ、環境に配慮した防災対策の推進は、他地域同様前向きです。

実証実験は府庁構内で行われ、日立造船株式会社がつくるハイブリッド式LED街灯を設置、性能評価をするというもの。

このハイブリッド式LED街灯は300wの風力発電と135wの太陽光発電、蓄電池がついており、日没後自動点灯する仕組みになっています。

実証実験は平成26年2月1日から3年間。
実験では1基のみの運用ですが、この結果がどのように活用されるのか期待したいですね。
機器の一部は舞鶴市工場で製造されるということで、地域経済の促進も含め、期待の高まる実証実験です。

参考