トリナソーラーは、多結晶シリコンパネルにおける変換効率で19.86%を達成し、世界記録を更新したということ。
記録を更新したのは、通常のセルを半分にした形の、156x78mmのハーフセルを120枚合わせた多結晶パネルで、PERC技術などを採用したこのモジュールは「Honey Plus」シリーズのものだそう。
多結晶でありながら単結晶パネルに近い変換効率となっています。
大規模な太陽光発電事業の売電価格について、入札制度の導入が検討されてきましたが、毎年恒例の「調達価格等算定委員会」の10月24日の会合で実際にどのような形で入札が行われるのかが固まってきました。
入札制度は2MW以上の太陽光発電所が対象で、2017年10月、2018年夏、2018年12月の3回の入札が予定されています。
とりあえず、2017年、2018年の2年間を同じ方式で行い、2019年度に、この方式で続けるのか、変更を加えるのかを決めることになるようです。
青森県弘前市に、地元企業のひろさきアップルパワーが建設した1.5MWのメガソーラーがその稼働状況を報告。
雪が多い地域ではあるものの、積雪量が軽めであればすぐに雪が落ちて発電し始めるため、積雪の影響は限定的で、数値にして2〜3%程度になったということ。
1.5MWで得られた年間発電量は1,657MWh。設備利用率は12.6%の計算です。
47都道府県の設備利用率一覧では青森県における設備利用率の平均値を11.73%とご案内しています。
これは住宅用における平均値なので、角度と方位を最適化できる産業用では今回のように12%を超える設備利用率が期待できると考えられます。
さらに夏場は東京と比べて発電量が多く得られるということも分かったのだそう。
気になるのが、積雪後は雪に反射して空気中の紫外線量が増えるというのは、美容関係の情報にちょっと通じた方なら周知かと思います。
ソーラーパネルは直接の光だけではなく曇り空の散乱光もきちんと拾って発電しますが、積雪後は実際の全天日射量よりも多い光が実際はパネルに当たっている、なんてことはないのかな、と、ちょっとした疑問が湧きます。
太陽光発電の発電量を知るための日射量のデータなんかも手に入るこんにち、
(太陽光発電の発電量の算出方法を参照)
こうした疑問を解決するのはそんなに難しくはないと思うのですが、、、
雪国で太陽光発電をしていらっしゃる読者の方がいらっしゃれば、ぜひレポートしていただければ幸いです。
追記
気になったので調べてみたら、21年度に北電の関連会社が出していたレポートに、面白いデータを見つけましたよ!
http://www.hkd.meti.go.jp/hokni/lcsmodel/report01.pdf
76ページあたり「散乱光に関する研究」
それによると、積雪後は通常の地面と比べてアルベド(反射率)が0.2→0.8に上がるので、結果としては
設置角度
65度で10%
55度で8%
45度6%
の傾斜面日射の増加が確認されたということ。
積雪時に関係なく、設置する地面に白いプラスチックのビニールシートなんかを敷いておけば雑草対策にもなるし、年中日射量を割り増しできる、ということがいえるのかもしれませんね。まぁ不格好ではありますが。
産業用でも自家発電用の太陽光発電が増えてきてほしいこんにち。
環境共創イニシアチブが行っている補助金なども利用して、工場などの電力を太陽光発電でまかなうような例も増えてきましたが、初期費用がなくてもエコな電力を使える、自家発電用太陽光発電のリース事業を、三井住友ファイナンス&リースが始めました。
補助金などの申請のめんどくささも、肩代わりしてくれるのでしょうかね。
環境対策には興味があるけど、
忙しくて自分でなかなか調べ物もできない、
初期費用もない、
という工場主さん、この機会にいかがですか?
出力の安定しない太陽光発電は電力の均衡化をが望まれます。地域によっては蓄電池の併用を義務化している場合もあります。
埼玉県の太陽光関連会社A-スタイルは、太陽光発電から直接、直流電流のまま充電する蓄電システムを発売。太陽光発電に接続されたパワコンの出力を上回った場合に蓄電池に充電するこのシステムで、パネルを200%まで’過積載’できるということ。
200%の過積載というとパネル10kWで通常パワコンは同等の10kWを付けるところ、5kWに抑えて導入コスト削減できる。5kWを超える分はコンバータ付きの蓄電池にそのまま充電する。
eCHARGEと呼ばれるこの商品は6kVA・11kWhという充電能力がある。
出力安定化に一役買いそうな商品ですね。
時間によって発電量が変わる太陽光発電は、年間を通して一番発電量が多く得られるよう、夏至の日中の太陽の位置に対し90度になるような角度に設定される事が多い。つまり、真南×その土地の緯度という組み合わせを目指して、架台なりを調整するのだが、追尾型というのは年間を通して固定された方位にパネルを向けるのではなく、季節と時間によって異なる太陽の場所に合わせて、パネルの向きを変えていくという考え方を取っている。私の記憶が正しければ、方位の定まらない船の上などで最大限の電力を得るために使われる事が多かったが、地上での応用も期待されている。
常に最適な角度で日射を得られるので、当然発電量は増え、同時に設備にかかるコストも増えることになるのだが、増える発電量の価値が増えるコストを上回れば、より効率の良い投資となりうる。
追尾型を古くから作っているメーカーと言えばフジプレアム。同社は追尾型の設備の性能について、既にいくつかの実例を出しているが、通常の1.4〜1.6倍というのが平均的な数字のようだ。
今回追尾型の架台を発売するというバイオマス・ジャパンも1.6倍の数字を目安として出している。
アイデア自体は新しくない。土地代が高い日本では一定の土地にできるだけ多くの積載量を得られる事がメリットとなる場合も多いだろう。
しかし中々普及が進んでいないようだ。やはり価格が1.6倍強では済まない場合が多いのかもしれない。
太陽光発電で作った電力の価格(売電価格)が、海外ではどんどん下がっている、というニュースです。
チリで行われた発電事業者を対象としたオークション。
このオークションは、既にある太陽光発電からの電気をいくらで買い取ってもらうか、というものではなく、
これから発電所を作る事業者が、電力会社にいくらで売るか、というオークションなので、
ディールが安ければ安いほど良い、と言うことになります。
最終的に落としたのがスペインのSolarpack Corp. Tecnologicaという事業者。
なんと価格は29.1ドル/MWh。
本日のレートで1ドル100円なので、
なんと1kWhあたり3円以下の価格で売る、というのです。
参考までに、日本の住宅用の電気は単価27円とか28円です。かなり安いですね。
こんな価格で採算が合うのか、ということですが、
チリの砂漠地帯に発電所は建設されるということで、「太陽光発電に恵まれた日射状況」があるということ。
記事ではタクラマカン砂漠となっていますが、タクラマカン砂漠はアジアの方なので、アタカマ砂漠、でしょうか。そうすると緯度は南に24度30分。日本でいうと沖縄よりも3~4度赤道に近い位置だと考えられます。
太陽光発電は緯度に近く、年中晴天が多い地域ほど多くの発電量が得られますが、
例えば日本では最大で1kWあたり、年間1600kWh程度といったところ。
平均は1140kWhです。
アタカマ砂漠は緯度も低く、雨天の少ない砂漠地帯ということで、1800~2000kWh/kW・年くらいはいくのでしょうか。
仮にそうだとして、
海外では太陽光発電の建設費はキロワット10万円台ということもあるので、
年間のメンテナンス費も含めて20万円/kWとします。
20年間発電し続けるとして、気になる発電コストは
……5円!
いや、これじゃ赤字ですね。
3円で収めようとすると例えば、
年に2200kWh発電し、
寿命は25年
建設費とメンテナンス費も入れて16.5万円/kW
なんていう数字が必要になってきます。
日本では、あり得ません。
ただ、発電量は適わないとして、
建設費、メンテナンス費は
時間はかかれど日本はまだまだ安くできる余地がある、と考えることができます。