山形県の豪雪地帯でのメガソーラーは人力で年6回パネル角度を調整

高鼻町中島の「露藤発電所」は、日本有数の豪地帯にあるメガソーラー(大規模太陽光発電所)です。米沢市などを中心に建設業を営む高山工務店が、1万5076.56平米の敷地に約4500枚の太陽光パネルを並べた、出力1.147MWのメガソーラーで、2014年10月31日に稼働開始しました。同発電所は、設置角を1年間に6回変更することで、年間約133万1100kWhの発電量を見込んでいます。

国に太陽光パネルを設置する場合、雪が滑り落ちやすいよう、設置角を30~40度にし、積雪によりパネルが雪で覆われないよう、設置高を2m前後にするのが一般的です。しかし豪雪地帯では、設置高を2mにしても除雪が必要になるため、太陽光パネルの設置角を変えられる可動式架台を採用し、季節ごと(年6回)に角度を変える運用方法にしました。

積雪が多い12月~翌年3月の間はパネルを垂直に立てて、パネルへの積雪を防ぎ、3~4月には南向きに45度、4~5月には南向きに20度、夏至を挟んだ5~8月には北向きに10度、8~9月には南向きに20度、9~12月には南向きに45度にします。この角度は、北緯38度にある高鼻町における、太陽の南中高度と日の出・日の入りの方角を踏まえ、日射と垂直になることや、朝夕もパネルに陽が当たるように考慮したものです。ただし、冬はパネルに雪が積もらないようにすることを最優先し、垂直にします。

時々刻々と太陽の動きを追える2軸方式が理想ですが、費用対効果を考えて、1軸方式の架台を使い、人手で角度を変える方式にしました。単管パイプと自在クランプを使って独自に開発した可動式架台は、パネル裏の支柱の固定位置をずらすことで設置角を変えられます。3人1組のチームで延べ約1日あれば、1MW分のパネルを変えられます。米沢市の前例では、これにより設備利用率は全国平均並み、雪国比較で1ポイント以上高くなっています。

参考