京セラの特許侵害訴訟はQセルズには”とんだとばっちり”だった!

今月10日京セラがハンファQセルズのパネルに対して特許侵害の訴訟を起こしました。
ちょっと調べただけでも、3本バスバー構造は多くのメーカーで採用されており、訴訟の結果次第では影響を受けるメーカーが他にもありそうな予感もしましたが、これに対してハンファQセルズジャパンの正式な見解が発表され、(やはりというべきなのか)京セラの独りよがりの可能性が高いということがわかりました。

まずはハンファQセルズの発表の内容から

本件訴訟は、ハンファソーラーワン社が過去に製造していた製品の一部のみを対象としており、同社が現在製造中の製品は対象とはされておりません

当社はQセルズ社製品の輸入販売を行っておりますが、Qセルズ社製品は対象とされていません

つまり、韓国ハンファグループが買収した「ハンファソーラーワン」と「ハンファQセルズ」の2メーカーのうち、母体が中国のソーラーファンというメーカーの「ハンファソーラーワン」が過去に製造していた製品に対してのみの訴訟だったということがわかります。
この2メーカーはハンファグループに買収されたという共通点を持つものの、まったく別のメーカーです。

京セラさん、この2社を混同してリリースを発表していたなんて…逆に自社イメージを下げかねないですよ。
Qセルズさんにとっては、とんだとばっちりだったのですね。

さらにQセルズはとどめを刺すようにこう発表しています。

3本バスパ―電極構造は、京セラの特許出願に先立って、遅くとも1990年代には研究論文等により公表されていた公知の技術であり、京セラの主張は一方的なものであると考えております。

京セラの今回の訴訟提起に関するホームページ上の公表内容は、当社の製品のみならず3本バスバー電極構造の太陽光発電パネルの利用者様にご心配をかける行為であり非常に遺憾と感じております。

わぉ!ここまで言うとは!
Qセルズさんの「迷惑!」アピールの凄まじさたるや…

Qセルズは、製造工程のオートメーションによる不良品率の少なさが評価されたり、多結晶「Q.PRO-G2」を初めとして実環境下でのパフォーマンスが実証されてきていたりということもあり、日本市場でのシェアも伸ばしていました。おそらく安定的な収入といった面で信頼性がより重要となる投資案件としての産業用太陽光発電などを中心にした人気が要因の一つであったと考えられます。同じく高性能多結晶パネルを製造する京セラは、市場がかぶっていたのかもしれませんね。

参考

ハンファQセルズの太陽光発電