中部大学×清水建設が、キャンパスのスマート化をさらに拡大

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震災後から始まった中部大学のスマート化

清水建設による中央大学春日井キャンパスのスマート化に関する共同実証実験は2012年6月から続けられています。
前年3月の震災後、電力不足が続いた時期と、学部・学科新設による電力需要の増加が重なったことも、共同実験の発端となったようです。

分散型電源を活用した電力ピークカットと、電力需給逼迫時のデマンドレスポンス制御(自動)、さらに自動制御の範囲外の設備において、メールで節電行動喚起を行う、といった方法で行われた、エネルギーマネージメント。
昨年1月に出されている発表内容からは詳細がご確認いただけます。

キャンパス内の10棟の施設でスマート化が行われた同実験はピークカット25%、電力使用量15%を達成し、
この結果を踏まえてより広域で多棟にわたるエネルギー効率化を図ることを決定。

主要40施設まで範囲を広げ、2016年度中にも全学部のキャンパスのスマート化が達成する見込みです。

目標は契約電力総量を20%(1110kW)、CO2排出量でいうと25%(3,368t/年・電力量換算で6GWh)削減を掲げています。

官民学一体となった事業

計11ものスマートグリッドによって構築される同システムには太陽光発電230kw、コージェネ設備85kw、蓄電池234kwhが連系され、これらの電力需給を制御するのが、清水建設によって開発されたスマートBEMSです。

約10億円にのぼる総工費は環境省からの補助金も利用し、節電・省エネによる経済効果で8~10年の初期投資回収を見込んでいるということ。

スマートシステムの構築は清水建設が担うことになりますが、中部大学は電力消費のスマート化に加えて、「循環型キャンパス構想」による廃棄物の再利用や、学校備品の有効活用(専用サイトを通して教職員が利用できる)など、エコ循環型キャンパスの再現を多角的に模索しています

スマートグリッドによる消費電力の削減も、自動の電力需給制御だけでは完結しない点に注目したいです。
大学の構成員によるこまめな節電努力(ひっ迫時のメールを配信)が加わることで、より高い目標が実を結ぶのかもしれませんね。

さらに今後は、キャンパスの枠を超えて春日井市の地域全体のスマート(低炭素)化を進めるためにグリーンプラン・パートナーシップ事業として自治体と連携事業に取り組んでいくそうです。

参考