西部ガスの酒見俊夫社長は、平成28年の電力自由化および29年のガス自由化に伴い、総合エネルギー企業を目指すとする同社の指針を語りました。
カギとなるLNGの火力発電所の新設に先駆け新電力参入
自由化に備えて、将来を左右する正念場の時期にさしかかっている今、27年度中に電力事業に取り組む部署を設け本格的に活動をおこなうという酒見社長。
総合エネルギー企業となるカギが、北九州市若松区に完成した大型液化天然ガス(LNG)の受け入れ設置「ひびきLNG基地」となるのだそう。
この施設の新設により大量の天然ガスを受け入れることが可能となり、最大出力160万キロワットの火力発電所建設を決断しました。
ただ同火力電力の完成は早くても平成32年度で5~6年先になります。
西部ガスではこれに先駆けて「新電力」の申請を完了させ、すでに自由化をされている企業向けの電力市場だけではなく、家庭用電力への販売もできるように準備を整えたということ。
周辺事業から本業のエネルギー分野に資本を集中
西部ガスは、食や介護などいくつかの事業経営を幅広く行ってきましたが、エネルギー自由化になる今、しばらく新たな事業は控え、本業であるガスや電力などのエネルギー分野の経営資源に集中する必要があるとしています。
企業経営上、スピード感の重視、家庭用ガス料金の値下げです。値下げをすることで、「ひびきLNG基地」が稼動したことをお知らせして、メリットをいち早く実感してもらう必要があったからです。
数年の積み上げ期間を経て電気料金数%減を目指す
巨額の設置投資のため、効果が即座に出るわけではなく、値下げ幅も小さいのは否めません、値下げは一気にできるものではなく積み重ねていくものため、数年はかかると予想されるものの、現状よりは数%安くなるとしています。
家庭用ガスだけではなく、企業向けも値下げもします。企業向けのガス販売は新規参入が予想され価格競争も激しくなる中、西部ガスを選んでもらえるような態勢を整えて行いきたいとしている。