東京電力が実証実験、HEMSで出力制御時に太陽光の電力を積極消費・自動蓄電

東京電力は経済産業省の「次世代双方向通信出力制御緊急実証事業」の一環として出力抑制に関する実証実験を始めたと発表。

この実験の目的としては設置容量の増えた太陽光発電の出力変動を吸収するためのもので、売電されている電力をHEMSを活用して家庭内での消費や蓄電に必要に応じて自動的に切り替えるというものです。

東京、関西、中部以外の地域では家庭用でも出力制御の対象となっているため、こうしたシステムの早期開発で太陽光発電の導入のハードルを下げることになります。近い将来新築戸建の購入などを考えている方にとってもとても気になる情報ですね。

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各電力会社の出力制限状況と事業者に求められる打開策

ソーラーフロンティアとNEDOが共同で22.3%のCIS系セル開発、新記録!

NEDOがCIS太陽電池のリーディングカンパニーであるソーラーフロンティアと行った共同研究において変換効率22.3%を達成し、世界記録を塗り替えました。

宇宙用の太陽電池など特殊用途を想定した高価な多接合型セルでは30%台後半といった記録も出ていますが、この成果で重要なところは量産を前提とした技術での記録取得であったところ。

NEDOは2030年までに太陽光発電の発電コスト7円という目標を太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)において掲げており、この研究もその実現に向けたものでした。

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IKEAは日本でも再エネ100%へ!

まだまだ産業用の売電設備が全盛だった時期に仙台の店舗で自家消費用太陽光発電を設置し、売電収入ありきの日本企業との違いを見せつけていたIKEAは、今後も自家消費用の再エネ設備に投資していくことを明かしています。

すでに自国スウェーデンやポーランドでも店舗の消費電力をすべて再生可能エネルギーで発電しているというIKEAグループ。日本においては2017年の8月期に消費電力の再エネ率を8.4%(15年の実績は6.8%)まで引き上げるという目標を掲げています。

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パネルを10年使用したらどれだけ劣化する?1ヶ月で実証実験

20〜30年は持つと考えられている太陽光発電は「寿命」という概念よりも経年劣化による買い替えをいつにするか、という考え方が重要となってきます。

ただ、20〜30年とはいえ実際に普及が加速したのはここ数年。実際の設置環境下で30年の月日を経たシステムは研究用のものであったりとサンプルが少なく、メーカー比較などもしにくいのが実際のところです。

そんな中、認証機関のテュフラインランドは、7〜10年間の使用期間における劣化の状況を1ヶ月で試験できる「高加速温度サイクル試験サービス」を開始すると発表。日立製作所と共同開発したものだそうです。

ちなみに10年後の経年劣化は、一般的に普及している単結晶型で90%〜95%程度と考えられており、高耐性を売りにするメーカーにとってはこうしたサービスの利用で優位性をアピールできるチャンスとなります。三菱電機やソーラーワールドQセルズなどにぜひその実力を実証してみてほしいものですね!

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太陽光発電の耐用年数・寿命
メーカー総合比較

東芝が太陽光パネルの効率的なリサイクル技術を開発

固定価格買取制度を利用した太陽光発電設備の開発が増える中、環境省は2030年度に廃棄物として排出される太陽光パネルの量は10倍の年間3万トンになると試算しています。

現在、リサイクルをするにもコストが高く埋め立て処理処理をされている太陽電池の効率的なリサイクル技術を東芝の子会社東芝環境ソリューションが開発したと発表。

パネルの中でも最も貴重な銀などの金属部分を剥離して再販できるのが特徴だということ。

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ソーラーフロンティア、業績悪化の一部は先行投資負担が原因、今後の価格対応などは「余裕あり」

固定価格買取制度価格低下および出力抑制の無制限化を受けて今後大きな落ち込みが予想される太陽光発電市場で、早くも業績悪化に苦しむ太陽光発電メーカーが多くある中、CIS太陽電池の国内製造を続ける昭和シェル子会社のソーラーフロンティアは今後の展望に対し、苦しいながらも他メーカーと比較して「余裕のある」見通しを持っていることを明らかにしています。

今月7日に公開された東洋経済のインタビューで同社社長の平野敦彦氏が答えた内容を抜粋、要約してこちらではご案内します。

FIT導入翌年の2013年度から黒字が続いていたソーラーフロンティアが2015年度上期に赤字に落ち込んだ原因は市場の停滞もあるものの、新しく竣工した東北工場や、投資物件として販売を目的とした太陽光発電所の建設費などの先行投資負担によるものも大きいようです。

価格競争に拍車がかかる中、ソーラーフロンティアは出力向上による単価の値下げの余裕がまだあることや、国内工場での生産で円安の影響を受けないことから、他社と比べてより明瞭な見通しがあるように見えます。

また、住宅用市場や、自社開発の産業用、米国市場などを含めて健全な経営で成長を遂げる中で、他社に先駆けた住宅用グリッドパリティの実現の可能性も高いことにも言及しています。

日本製パネルの中では最高のコストパフォーマンスを誇るソーラーフロンティアについての製品・企業詳細や最新価格情報は「ソーラーフロンティアのCIS太陽電池、最新モデルの価格やメーカー評判など」でご案内しています。

さくらインターネットがデータセンターでの自家消費用の石狩太陽光発電所(200kW)完成

インターネットプロバイダのさくらインターネットは8月10日、「さくらインターネット石狩太陽光発電所(北海道石狩市)」を完成させたと発表。
この発電所は、データセンター用の電力源として優先的に使用されるということ。
雨の日や夜間は電力を作れない太陽光発電ですが、系統電源さらには非常用としてバッテリーとも接続されたシステムは停電時も給電が可能。

200kW(0.2MW)という大容量の太陽光発電所ですが、売電をしなくても自家消費でまかなう事業は日本では稀有とも言えます。

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ソーラーフロンティア、フレキシブルな軽量パネルを公開、2020年までに製品化目標

ソーラーフロンティアは太陽光発電の展示会「PV Japan 2015」において厚さ1.5mmのフレキシブルCIS太陽電池モジュールを発表しました。
通常ガラスが使用される基盤およびカバーを金属薄板と樹脂フィルムカバーに置き換えたことで既存モジュールの3分の1という軽量化を達成。
効率は明らかにはしていませんが、本来パネルが載せられなかった場所、例えば平らでない屋根に沿った設置なども可能にすることで利用用途にも広がりが期待されます。建材一体型としての製品化も検討しているということです。

樹脂フィルムの耐久性の検証を含め2〜3年の実験期間の後2020年を目標に製品化を進めていくそうです。


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サンパワーの効率21.2%「Xシリーズ」ついに日本上陸!

米パネルメーカーサンパワーは日本で産業用に向けたソーラーパネル「Xシリーズ」を販売開始する予定を明かしました。

注目はなんといっても21.2%という高効率で、日本で販売されるパネルの中では最高効率を達成する予定です。

これまで日本市場では東芝サンパワー社から高効率パネルEシリーズの「E20」(効率20%台のもの)を独占的にOEM契約することで、「東芝」として日本最高効率パネルブランドを銘打っていましたが、当の製造元であるサンパワー社も産業用を中心に日本で直接的な販売網を着々と広げてきました。

今回、東京ビッグサイトで行われた「PV Japan 2015」で日本上陸した「X21」シリーズは、実は米国本土では長らく販売されてきていたものの日本市場での販売網は確立されていませんでした。東芝からOEM販売されているパネルは住宅用をメインにしていますが、これよりもひと回り大きいことから産業用に絞った販売網の確立を計画しており、当面は東芝も住宅用に限って日本最高効率を名乗って入られそうです。


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シャープが産業用の薄膜型太陽電池の生産を停止

シャープが堺にある自社工場で生産していた薄膜太陽電池の生産を停止すると発表しました。

住宅用においてもしばらく前から、廉価版として販売されていた結晶型パネルから、メーカー最高効率であるブラックソーラーに注力するようになってきたシャープですが、今回生産停止でさらに自社製造として販売する製品数を減らすことになります。

ただ市場シェアを取りたいシャープとしては、メガソーラーのような超大型案件に適した薄膜パネルはラインナップとしては残し、実際の製造は海外企業に委託する形で提供を続ける予定のようです。


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