寄棟屋根でも大容量設置可能の「スマートパワーステーションGR」(積水化学工業)

積水化学工業は、寄棟屋根でも大容量の太陽光発電を設置できる「スマートパワーステーションGR」の販売開始を発表しました。

一昔前の流行った「住宅で10kW以上の(産業用)太陽光発電の家」との違いは、大容量の太陽光発電を基本的に自家消費できるよう蓄電池の搭載を標準化しているところです。

また今回は屋根の形状にもバラエティが得られるよう、寄棟屋根の商品ということで、トップ部分の地上と平行になる面にも太陽光発電を設置しています。
設置面数を複数にすることで1日を通しての発電量の時間差を少なくできるメリットもあります。(参考
もちろん、南一面の方が年間を通しての発電効率は良く、設置費用も抑えられるという利点がありますが、家を建てる時太陽光発電最優先の方ばかりではないことを考えると、片流れ一面や切妻屋根のようないわゆる太陽光発電に適した屋根でなくても容量を増やせるオプションは嬉しいかもしれません。

気になる価格ですが、
パネルメーカーは京セラで、太陽光パネル9.09kW、蓄電池5kWh、HEMSなどを含めて坪単価74万円ということ。(38.5坪のモデルプラン)

これが高いのか、安いのか、ですが、
京セラは太陽光発電のメーカーの中でも、実のところ競争力が落ちているメーカーと言え、
価格競争力の高いソーラーフロンティアや、変換効率の高いパナソニックシャープなどのパネルと比べると価格のお手頃感がいまいちな場合が多いので、設計次第でもうすこし価格を抑えられる可能性もあるかもしれません。

参考

リクシル、太陽光パネルの下に太陽熱温水システム・太陽光熱のハイブリッドパネル使用の実証実験で、消費エネルギー80%減を確認

東京都千代田区に本社を構える、藤森義明氏が社長を務めるリクシル株式会社は、GF技研と共同で既築住宅への太陽光発電システムを導入した実験を行い、住宅総消費エネルギーの約80%の削減に成功しました。
GF技研は、静岡県富士市に本社を持つ梅津健児氏が社長を務める会社で、太陽光エネルギーの最適ソリューション提供事業を展開しています。

今回実験に使用した太陽光発電システムは、高効率太陽熱光ハイブリットパネルを使用していて、エネルギー変換効率が高いことと、設置が容易なことを特徴としています。これまで、リクシルの研究所敷地内でのフィールド実験を実施していましたが、今回実際に使用されている住宅に太陽光発電システムを搭載することにより、実際の使用シーンに即したデータの取得が可能になると考えられています。
リクシルは実際に静岡県富士市の既築戸建て住宅に高効率太陽熱光ハイブリッドパネルシステムを設置し、2014年2月から開始した実証実験の結果、戸建て住宅の総消費エネルギーの約80パーセントを削減可能であることを確認。今後は太陽熱光ハイブリットパネルシステムと暖房や浴室、キッチンなどの住宅設備をHEMSを介して連携することも考慮しながら実証実験、研究を継続していくといいます。

ゼロエネルギー住宅ZEH)の構想は各社が競って研究を続けていますが、リクシルのこの実験がユニークなのは太陽光と太陽熱をどちらも活用することで、屋根で受ける太陽のエネルギーをより活用できるようにするというもの。

現時点でこのハイブリッドシステムについて、容量や効率等は明らかにされていませんが、おそらく商品化を視野に入れていると思われる同システム、今後さらに情報が明らかになってくるのを期待したいところです。

参考

「集熱PV併用システム」の実態は??

リクシルの同設備について、スマートジャパンに詳細が取り上げられていました。
これによると、同ハイブリッドシステムの構造は単結晶シリコン太陽電池背面にアルミニウムの板構造を重ねて、そこに蓄熱層と接続した銅の集熱用のパイプを通したもので、さらに太陽電池の表面から熱が逃げないように風防ガラスが全面に敷かれる工夫が施されているということ。
光と熱の太陽エネルギーを両方使うシステムは、ここでは「集熱PV併用システム」と呼ばれています。

太陽光発電設備は小容量2kW

なんとこのハイブリッド太陽光熱システムで使用されているのはパネル16枚2kW分の太陽光発電設備ということ。
一般住宅では4kW程度の積載が平均的なのですが、今回は半分程度の積載量となっています。

太陽熱は6.4kW、利用価値に期待

対して太陽熱温水を作るシステムは容量約6.4kW分だということ。
パネルの仕様からしても電力の3倍の熱が発生するため、パネルで得た熱をどのように効率的に使用するかが消費量削減の決め手となってきます。また、今回の実証実験で注目すべきところは既存の戸建て住宅にもともと備わっていた給湯機器やヒートポンプ式床暖房と接続することで成果を上げているところです。

太陽熱の利用方法は2つであり、床暖房と給湯で、このうち床暖房はそのまま熱媒体を利用します。一方、給湯は熱交換機を通じて水道水から得た温水を混合三方弁で混合して利用できるようにし、それをシステム制御装置で調整することでガス給湯器の利用をなるべく減らしたのです。また、HEMSを用いた実験も続けており、今後は暖房やキッチンなどの住宅設備とHEMSとの連携する方法を探る見込みとなっています。

同設備は太陽光発電システムと太陽熱温水システムが重なる形でできたシステムなので、屋根の限られた面積を最大利用するという意味ではかなり期待が高まります。
特に、売電をするための設備よりも、自家消費をより促せるシステムの需要は今後さらに伸びてくると予想されるので、他のメーカーからも同様のアプローチによる製品開発があるかもしれません。

リクシルの太陽光発電

パナホーム、Blue Energy(エコ・コルディス)を発表

blueenergy
パナホームエココルディスシリーズのニューうは以前お届けしましたが、パナホームはさらにこれが進化したBlue Energy(エコ・コルディス)を発表。「地球の青さをイメージしてネーミング」されたというこのシリーズは、政府が2020年までに標準化を目指すネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)をいち早く実現したモデルということ。

前回紹介したカサート エコ コルディスは、住宅でも太陽光発電が10kW以上載せられる、と言うタイプのものでした。

今回、これに加えて地熱を活用する「エコナビ搭載換気システム」の搭載など、さらに先を行くゼロエネルギー住宅となっています。パナホームでは昨年から、2018年に戸建全商品をエネルギー収支ゼロのネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化を目指しており、さらに系統電力に頼らない住まいづくりということで、売電を利用しない、本当の意味での地産地消を目指しています。

Blue Energy(エコ・コルディス)の特徴

HIT太陽電池による創エネ

効率のハイブリッドHIT太陽電池を、標準型で4.5kW以上搭載。フルPVルーフなら10kW以上の搭載も可能で、全量売電もできる。

パナソニックのHIT太陽電池詳細・最新価格相場など

優れた断熱効果の壁で省エネ

外装パネルと内装パネルで構成された厚さ216.5mmの外壁パネルは、内部の鉄骨部分までしっかりと断熱材を充填。寒さの厳しい北東北(青森・岩手・秋田)エリアにも対応できる優れた断熱性能を実現。

「新!」地熱で活エネ

地熱を活用する 「エコナビ搭載換気システム」を採用
「エコナビ搭載換気システム」は、室内外の温度差を感知して、自動的に自然換気と機械換気を切り替えます。
また、基礎の内側にも断熱材を施し、優れた断熱性能を実現する「家まるごと断熱」も採用。地熱の活用により、外気に比べて夏涼しく冬暖かいベース空間(床下)の空気を給気することで、1年を通じて家中をきれいな空気で満たし、省エネにも貢献します。

スマートHEMSで省エネ

部屋ごとの消費電力や、水道・ガスの使用量を見える化して、住む人の省エネ意識を高める「スマートHEMS」を採用。パナソニックならではの機能として、エネルギー消費量が大きいエアコンをはじめ、エコキュートやIHクッキングヒーター等の機器とも連動し、電力消費のピーク時等にはエネルギーを制御することも可能です。「スマートHEMS」は、家全体のエネルギーをトータルにマネジメントします。

「エコナビ搭載換気システム」と「家まるごと断熱」は、「第9回エコプロダクツ大賞/エコプロダクツ部門」において「国土交通大臣賞」を受賞(2012年11月)。室内からの熱ロスを抑え、快適性を維持しながら省エネルギーにも貢献する点が評価されました。

4月23日から販売開始。
エコ・コルディスの代表モデルプラン(延床面積127.08m²/38.44坪・2階建)は建物本体価格2,901万円~購入できるという事。これには太陽光発電11.66kWの搭載も含まれており、全量売電すると20年間で850万円もの収入が得られる計算になります。

参考

消費電力1.7倍の北海道でもエネルギー収支ゼロの「BEST TWOBY ZERO(ベストツーバイゼロ)」

北海道の平成25年度環境・エネルギープロジェクト形成促進事業として採択され、土屋ホームなどが開発を行った積寒冷地スマートハウス「BEST TWOBY ZERO(ベストツーバイゼロ)」が完成!札幌市北区のピースフル新琴似という一戸建ての分譲地で、2棟がこの「BEST TWOBY ZERO」で、見学も可能。

高断熱仕様による省エネに加え、太陽電池・燃料電池・蓄電池の3電池の動作連携と地中熱ヒートポンプによる創エネにより、日本の平均と比べ1.7倍の電力を消費するという北海道の住宅でも、エネルギー収支ゼロを達成できる住宅とされています。

参考

キャンペーンで太陽光発電システム特典も用意

今はまだ実証実験の段階で、販売はされていませんが、完成を記念して土屋ホームではソーラーフロンティア製のパネルとHEMSのセットなどが特典として提供されるキャンペーンを実施しています。
(現在キャンペーンは終了済)

土屋ホームホームページ

太陽光設置家庭の75%が、光熱費ゼロを達成!

ソーラー住宅建設棟数でギネス記録認定を受けた積水化学工業が、「セキスイハイムのオール電化&太陽光発電システム搭載住宅居住者」を対象に行い、約1,000件の回答を得たアンケートの内容をご紹介します。

  1. 光熱費ゼロ住宅は75%、高い水準を維持
    昨年の80%から下がっているのは、売電価格が42円に引き下げられたことが原因であり、75%は依然高い水準
  2. 光熱費収支は、プラス6万4,000円(48円買取)・プラス4万1,000円(42円買取)
  3. ゼロエネルギーハウス(ZEH、購入電力量<余剰電力売電量)率が6.5%に上昇

※回答者のうち、48円売電と42円売電の割合は6:4

「年間発電量5,366㎾hに対して、約29%(1,570㎾h)が自家消費され、約71%(3,796㎾h)が余剰電力として売電されています。」

という結果が出ています。

今回の調査対象はすべてオール電化の家庭なので、ガス併用の家庭だと余剰売電の割合はより多くなり、光熱費ゼロの家庭に関しても、この割合はもう少し高めであることも十分予測できます。

当サイトオリジナルの「太陽光収益シミュレーションサービス」では、「売電量・毎月更新のパネル相場保証内容」を総合的にシミュレーション。
簡単に「一番お得なパネルと施工店」が検索できます。