鹿児島県の離島に2MWのメガソーラー、780kWhの大型リチウムイオン蓄電池を併設

2015年3月26日、御船ホールディングス(大阪府大阪市)はサムスンSDI(韓国)が開発した大型リチウムイオン蓄電池を併設した大規模太陽光発電所「御船徳之太陽光発電所」(鹿児島県大島郡)を完成させたと発表しました。

同発電所の開発面積は37,742平方メートル。2MWの太陽光発電パネルに780kWhの大型リチウムイオン蓄電池が、蓄電池に2MW双方向のパワコンが接続されており、太陽光発電パネルのパワコンと合わせてEMSが出力変動を制御する仕組みになっています。
系統への影響を最小化させることで離島である同発電所でもメガソーラーの接続を可能とし、固定価格買取制度における売電にも対応できる体制を実現しています。

発電出力は1,990kWで、初年度年間発電量は一般家庭のおよそ800世帯分に相当する2,312,599kWhと予想されています。

工事を請け負ったのはかねてよりサムスンSDIと共に大型リチウムイオン蓄電池の大規模普及に務めているエンジンパワー東京都中央区)で、同社はサムスンSDIより蓄電池性能保証プログラムの提供を受けています。これによりリチウムイオン蓄電池の特徴である長寿命化をより活かすことが可能となっています。

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シャープ、サムスンSDIと組んでイギリスの太陽光市場に進出

サムスンSDIシャープが提携し、英国で家庭用エネルギー管理ソリューションを発売しました。これにより英国への太陽光市場に進出したことになります。
このシステムは、シャープ製の太陽光モジュールにサムスンSDIのエネルギー貯蔵システム(ESS)を装着したものです。

さらに、サムスンSDIはイタリアとドイツにおいて大規模ESS供給契約を結んでいます。

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カナダ最大!オンタリオ州のサムスンによる140MWメガソーラーはカナディアンソーラーの施工

オンタリオ州で子会社のサムスン・リニューアブル・エナジーを通して再生可能エネルギー関連事業を進めるサムスン物産とカナディアンソーラーの連携事業について、以前もお届けしましたが、サムスン・リニューアブル・エナジーは今回さらに、140MWというカナダでは最大規模となる太陽光発電所「キングストン・ソーラーLP太陽光発電所」の建設を発表。そのEPCにはカナディアンソーラーが行うことになるそうです。

2015年第3四半期には稼働開始予定のこの大規模太陽光発電所の建設事業は、サムスンとオンタリオ州によるグリーン・エネルギー投資協定(GEIA)の一環で、昨年6月10日に発表された「グランド・リニューアブル・エネルギーパーク(130MW)」に続くものです。

カナダ、オンタリオ州の設備利用率

さてこの140MW分のメガソーラーは、年間発電量173,000MWhを見込んでいるのだそう。設備利用率は14.1%。日本の平均は13%といわれますが、オンタリオ州は高緯度でありながら日本よりも太陽光発電の発電量が多く得られる地域となっています。

年間の日照時間を見ると2,235時間と、日本で一番日照時間が長い山梨県に勝る天候の良さ。夏場も気温が日本ほど上がらず、熱による出力損失が少ないと予想されます。

カナダの電力消費量と世界の電力格差

太陽光発電に適した気候といえるカナダのオンタリオ州ですが、一方で一世帯当たり年間に10,500kWh超の電力を使用しているのだそう。
これは日本の平均(3,600kWh)の約3倍に相当します。
あらためて、各国の電力事情の違いの大きさを感じますね。

ちなみにアメリカは日本の約4倍ブラジルは日本の45%程度の電力が一般的な住宅で消費されているそう。
また、世界の他の地域には無電化地域もまだまだあります。

と、サムスンのメガソーラーの話からかなり話題が飛躍しましたが…

分散型で初期投資が比較的少なくて済む太陽光発電は、各地域でそれぞれの電力事情に合わせて普及することで電力格差の解消に役立つことが期待されます。
また既に電力が十分にいきわたっている国では、省エネや節電など、同時進行ですべきことがまだまだ残っているような気がします。

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太陽電池のついたノートパソコンをアフリカ市場にむけて開発

先日キックスターターで資金調達が叶わなかったソーラーパネル×蓄電池付きのヘッドフォンの話題をお伝えしましたが、今回は是非うまくいってほしい事業です。

カナダオンタリオ州WeWi Telecommunicationsが開発したノートパソコンSol」。アフリカなどの地域に太陽電池でバッテリーの充電ができるノートパソコンを販売する事業を始めました。

アフリカなどの無電化地域では、固定電話のインフラが整わないために携帯電話の普及が進んだり、電力網の整備に先行して独立型の太陽光発電の設置が進められたりと、先進国のテクノロジーの歴史をそのまま繰り返さない形でのイノベーションが起こることが多く、今回の製品も電力インフラが整わないアフリカ地域に向けた製品として開発が進められました。

一台250~300カナダドル(約24,000~28,800円)のこのノートパソコンの初回受注分約20,000台は、まずはガーナの顧客に向け販売される予定。

以前にもサムスンがケニヤやアメリカなどの市場に向けて太陽光発電付きのノートパソコンの販売を試みたのですが価格や性能の面で思うように普及は進まず、WeWi Telecommunicationsの製品はそれを解決できるよう、より短時間で充電できることや、低価格化などの面で改良をしていったのだそう。

太陽光発電は、発展度の異なる国や地域の差を埋めるソリューションとなる可能性の高い技術だと感じます。

Samsungのエネルギー事業、オンタリオ州ロンドンでカナディアンソーラーと提携

サムスン物産(SAMSUNG C&T)のサムスンリニューアブルエナジーは、再生エネルギー事業に50億ドルを投資して、各地域におけるエネルギー事業でパートナー企業と提携、それぞれの土地にクリーンエネルギー事業の雇用を生み出すとともに、クリーンエネルギーの発電設備の建設を行い、世界全体で合計1369MWを再生可能エネルギーによって生み出す計画を進行しています。

これまでにカナダオンタリオ州において、ティルソンバーグでシーメンスと、ウィンザーでCS Windと、トロントでSMAと提携を結び、今回4社目の提携となるカナディアンソーラーとロンドンでの提携を行い、新たな製造拠点を開設。
サムスンとオンタリオ州政府との間で結ばれているグリーン・エネルギー投資協定(GEIA)に従って、ロンドンだけで200人、オンタリオ州全体では9000人の再生可能エネルギー関連の雇用を生み出すことになります。

今回ロンドンに開設されるカナディアンソーラーの工場では太陽電池モジュール(ソーラーパネル)と中電圧の発電装置が生産され、州内に3か所建設が予定されている各100MW、合計300MWの太陽光発電施設(ハルディマンド郡のGrand Renewable Energy Park、キングストンおよびロイヤリストのSol-Luce Kingston Solar PVプロジェクト)やGEIAによる未来のソーラープロジェクトを含む、サムスングループにおけるオンタリオ・ソーラー・プロジェクトに製品が供給されます。

またこの施設は、カナディアンソーラーの研究や製品開発の中心地としても使われる他、サムスンがエンジニアリングや調達・建設業務を行う際の拠点としての役割も果たします。

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